『時空を越えた超戦士−Remake−』

其之四 EPISODE of BARDOCK THE NEXT.(前編)

 

「これで全てが変わる…この惑星ベジータの運命。この俺の運命。カカロットの運命。そして貴様の運命も……これで最後だぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 カナッサ星人から『未来を予知できる幻の拳』を受けた孫悟空の父バーダックは、その予知夢によってフリーザが、徒党を組んだサイヤ人……そして超サイヤ人が誕生する事を恐れ、サイヤ人を惑星ベジータごと滅ぼそうとしている事を知った。

 最初は信じられなかったが、今まで見てきた夢が、息子である孫悟空《カカロット》の未来だと確信した時、フリーザの裏切りを認めざるをえない。

 怒るバーダックは、仲間たちにフリーザを討つ事を提案するが、仲間達は皆、バーダックの言う事を信じない。

 失望したバーダックは、仲間たちに見切りを付け、単身フリーザに挑んだ。

 惑星ベジータの未来を、自分の未来を、息子の未来を変える為に……。

 しかしフリーザの力は凄まじく、バーダックは惑星ベジータごと吹き飛ばされた。

 そんな中、バーダックはフリーザとカカロットが対峙する未来を予知した。

 

「……カカロットよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 息子カカロットが、フリーザを倒してくれる。

 その未来を信じ、バーダックは惑星ベジータと運命を共にした……筈であった。

 

 

 

 

 

 目を覚ましたバーダックは、約1000年前の惑星ベジータ……いや惑星プラントにタイムスリップしていた。

 見た事もない惑星プラントの原住民。

 その村の医者イバナの息子、ベリーとの交流で、バーダックは少しずつ心を開いていく。

 そんな時、手下のトービとキャピラをバーダックに倒された宇宙海賊チルドは、自分に歯向かう者の存在を知り惑星プラントを強襲。

 最初は宇宙警察を詐称し、原住民にバーダックを探させるが、見つからなかった為本性を現し、破壊活動を開始する。

 駆けつけたバーダックは、フリーザそっくりのチルドに戦いを挑むが、返り討ちにあってしまう。

 トドメを刺されようしていたバーダックに駆け寄ろうとするベリーを、チルドが吹き飛ばす。

 吹き飛ばされるベリーを見て、バーダックは己の力の無さを呪う。

 仲間たちの無念を晴らせなかった自分。

 惑星ベジータ守れなかった自分。

 息子カカロットの運命を変えられなかった自分。

 フリーザに一矢報いることさえ出来なかった自分。

 そして、フリーザの先祖にもあっさりと敗れた自分。

 そんな自分に対する怒りが、バーダックに変化を齎した。

 金髪へと変化した髪が逆立ち、瞳が碧眼に変わり、全身から金色のオーラが発生した。

 それと同時に、体から溢れ出すとてつもないパワー。

 それは、先ほどまでまったく歯が立たなかったチルドを圧倒する程だった。

 

「俺はただのサイヤ人だ……多分な」

 

 業を煮やしたチルドは、惑星プラントごとバーダックを倒そうと気功波を上空から放つが、バーダックの気功波に押し負け直撃を受け、宇宙まで吹き飛ばされてしまう。

 一族に「金色に変化するサイヤ人には気をつけろ」という遺言を残し、チルドは息絶えた。

 

 ★☆★

 

 チルド来襲から数日後。

 惑星プラントに星間交易商人が訪れていた。

 そして、チルドが倒された情報を知ると、驚愕した。

 チルドは本物の宇宙警察から高額の懸賞金が懸けられている賞金首でもあった。

 その額は、軽く億単位。

 懸賞金で億単位なのは、今の所チルドのみであった。

 交易商人は、バーダックの下を訪れ、その話をし、賞金稼ぎギルドを紹介した。

 チルドは、その賞金額を目当てに挑んできたハンター達を全て返り討ちにして来た為、今ではチルドを狙うハンターもいなくなっていた。

 そんなチルドを倒したバーダックならば、すぐにA級ライセンスを取得できるだろう。

 この提案は、バーダックにとって魅力的だった。

 この惑星プラントは約1000年後の惑星ベジータと違い、戦いに縁がほとんどないと言っていい。

 チルドという脅威が去った以上、もはやこの星にいても戦う事は出来ないだろう。

 息子カカロットに対して芽生えた愛情、そしてベリーとの交流によって、以前よりも穏やかになったバーダックだが、サイヤ人であるが故に戦闘に対する欲求は消える事はなかった。

 サイヤ人にとって、戦闘は地球人で言う三大欲求の一つなのだ。

 結局、バーダックは惑星プラントを離れる事を決意し、商人に連れられ、宇宙警察の本部のあるブレイヴ星に赴き、バウンティハンター・ギルドに登録した。

 それから僅か一年で、バーダックの名は宇宙に轟く事となった。

 余談だが、タイムスリップ前にカナッサ星人に与えられた『未来予知』は消え去っていた。

 どうやら、一時的な能力だったようだ……。

 

 ★☆★

 

 地球の暦でいうエイジ紀元前238年頃。

 いつも通り、ギルドで仕事を選んでいたバーダックの下に新しい賞金首の情報が入った。

 その賞金首は既に100を超える惑星を破壊しており、周辺星域を恐怖のどん底に突き落としているという。

 普段は黒髪黒目だが、戦闘になると逆立った金髪となる……そしてバーダックと同じ尻尾を持っていた。

 その名はカリワー。

 既にチルドを上回る懸賞金が懸けられている。

 名前といい、尻尾を持っている事といい、そして自分と同じ様に金髪になれる事から、バーダックはこの時代のサイヤ人だと確信した。

 サイヤ人の変身は大猿だけかと思っていたが、自分自身があの様な姿に変身できるのだから、他のサイヤ人にも同じ変身が出来ても不思議はない。

 そのカリワーが、周辺惑星を破壊しながらこちらに向かっているとの事だ。

 ブレイヴ星は間違いなく、奴の侵攻ルートに入っている。

 それを阻止すべく、宇宙警察はチルドに対してすら動かさなかった虎の子の宇宙艦隊を動かし、迎撃に向かった。

 カリワーは既にブレイヴ星の隣の星である惑星プリズンまで来ていた。

 この惑星は、監獄惑星と呼ばれ宇宙犯罪を犯した囚人達の収容所でもある。

 しかし、このままだと確実にカリワーに襲撃を受けるので、囚人達を仮釈放することが決定していた。

 数日後までに自主的に戻れば、刑期の短縮が認められ、逃亡すれば刑が重くなるという条件で囚人達は仮釈放された。

 そして、カリワーが|監獄惑星《プリズン》に来襲したと同時に、艦隊はカリワーに攻撃を仕掛けたが……結果として1時間も経たない内に壊滅寸前まで追いやられる結果となった。

 

「バーダック……そこで君にこの依頼を受けてもらいたいのだよ」

 

「…………」

 

「あの男は君と同じサイヤ人という種族なのだろう……?そして、君もあの男と似た変身が出来るという話じゃないか。もはやあの男に対抗できるのは君しかいない」

 

 ギルドマスターから、カリワー討伐を要請された。

 今のところ、宇宙警察の艦隊の残存部隊がカリワーの足止めをしているが、指揮系統は既に乱れ、時間の問題との事だ。

 次は、このブレイヴ星の可能性が非常に高い。

 すでに住民たちの避難が行われているが…。

 

「無論、君1人に全て押し付けるわけじゃない……宇宙警察の方も次の手を打っている」

 

 今まで数多くの難事件を解決して来た、宇宙警察が誇る8人の勇者たちを担当惑星から呼び戻し、カリワー討伐の任に就けるらしい。

 

「フン。そんな奴等、必要などない。俺がそのカリワーとか言う奴を必ず倒してやる」

 

 依頼を引き受けたバーダックは、直ぐに監獄惑星に向かった。

 

 

 

 

 

 艦隊の残存部隊はすべて壊滅させたカリワーが、食料庫を食い荒らしていた。

 

「…ククク……雑魚がまた1人来たか」

 

 気配に気付き、そう呟きながら視線を向けたカリワーは、バーダックを見て少し驚いた顔をした。

 

「ほう……貴様、サイヤ人か!?一体何の用だ?」

 

「ケッ!サイヤ人同士の用事と言えば1つしかねぇだろうが!」

 

「それもそうだな……だが、同じサイヤ人でも俺とお前とでは実力が違うという事を理解していない様だな…」

 

 カリワーは髪が金髪に変化して逆立つと同時に、バーダックに襲いかかった。

 すぐさまバーダックも変身し、それに対抗した。

 

「…貴様も超サイヤ人になれるのか?」

 

「…超サイヤ人……だと!?」

 

 バーダックは驚愕した。

 超サイヤ人の伝説は、バーダックも聞いた事があった。

 1000年に1人現れるという、どんな天才でも超えられない壁を超えた超戦士。

 御伽話だとばかり思っていた超戦士に、まさか自分がなっていたとは……。

 

「どうやらただの雑魚ではなさそうだ……ひょっとして貴様の名前は……?」

 

「俺の名前はバーダックだ」

 

「やはりな。貴様が噂に聞くバウンティハンター1の戦士と言われるバーダックか?出自不明のサイヤ人だと言う……」

 

 名前は間違いなくサイヤ人だが、そんな名前のサイヤ人など聞いた事がない為、サイヤ人達の間でも正体不明のサイヤ人として噂になっていた。

 まさか未来の人間とは思いもよらないだろうし、バーダックも自分から公言する気はさらさらないので、バーダックの出自は不明のままだ。

 サイヤ人は大猿にしか変身できない筈なのに、金髪に変身するという事でサイヤ人の名を騙っているでは……とも言われたが、カリワーが超サイヤ人となった事でその疑いは晴れた。

 

「貴様が何処から来たのかなどは、俺にとってはどうでもいい……俺に歯向かうというのなら……殺すのみよ!!」

 

「死ぬのはてめえだ!!」

 

 2人の超サイヤ人の闘いが幕を開けた。

 


後書き

 

と、いうわけでもう1人の主人公、バーダックのプロローグです。

真一郎「エピソード・オブ・バーダックによってバーダックが最初の超サイヤ人だという説が出ましたが、伝説の超サイヤ人はブロリーのようなタイプだとも、超サイヤ人4だとも言われているよな」

とりあえず、超サイヤ人4のことはおいといて、普通の超サイヤ人のバーダックと、ブロリー型の超サイヤ人カリワーの戦い……という事にしました。

真一郎「結構、強引だと感じる内容だなぁ……」

カリワーは、私の考案したオリキャラです。

真一郎「カリフラワーから名前をとったんだな」

ブロリーのモチーフのブロッコリーと同じ花采類の野菜で、ブロリーがブロッコリーの最初2文字と最後の2文字をくっつけた名前なので、カリワーも同じ様に付けました

では、これからも私の作品にお付き合い下さい。

真一郎「お願いします」




もう一人の主人公はバーダックだったのか。
美姫 「過去に飛ばされたバーダックによって、どんな事が起こるのかしらね」
この過去によって、どんな影響があるのか楽しみです。
美姫 「次回も待っていますね」
待ってます。



▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る