『子猫達のお話V』





 ミトンとモペットは今日本から来たという人が作った水田が一杯あるところに来ています、そうして田んぼにある稲達を見ていますが。
 ふとです、モペットは稲に付いている虫を見て言いました。
「あら、虫がいるわ」
「ゾウムシね」
 ミトンもその虫を見て言います。
「森にもいるけれどね」
「田んぼにもいるのね」
「そうみたいね」
「あっ、ゾウムシがいるんだ」
 子猫達のお話を聞いて田んぼにいた鴨達のうちの一羽が言いました、見れば水田全体で十羽位の鴨がいます。
「食べるよ」
「あっ、鳥さんだからね」
「虫を食べるのね」
「そうだよ、僕達がどうして田んぼにいるかっていうとね」
 鴨は二匹にお話しました。
「田んぼにいる虫達を食べる為なんだ」
「そうなのね」
「だからいるのね」
「そうだよ、お水の中のヤゴ君やオタマジャクシ君達はお水の中のボウフラを食べて」 
 そうしてというのです。
「僕達はゾウムシや他の稲に付いている虫を食べるんだ」
「そうするのね」
「そういえば稲に結構な虫がいるわね」
「だから田んぼにいると結構食べられるんだ」
「虫達をなのね」
「それが鴨さん達のご飯になっているのね」
「うん、それで君達はどうして田んぼにいるのかな」
 鴨は二匹に尋ねました。
「それで」
「それは」
「そう言われると」
 二匹はただ遊びに来ただけです、それを言おうとするとでした。
 二匹を見たお空を飛ぶ虫が逃げました、鴨はその虫を見て二匹に言いました。
「ああ、猫は虫が近くにいるとついつい前足が出るね」
「あっ、それはね」
「自然とね」
 二匹は言われてこのことを思い出しました。
「前足が出るわね」
「目の前を虫が動いているとね」
「猫ってそうだから」
「動いていたら飛びつくのよね」
「虫除けに来ているね、いいことだい」
 鴨はにこりと笑って言いました。
「これからも頑張ってね」
「え、ええそうするわね」
「私達はね」 
 二匹はただ遊びに来ただけだと言えず応えるしか出来ませんでした。そうして鴨がゾウムシを食べてそれじゃあとお別れの挨拶をしてからでした。
 水田のある場所からお家に帰りました、そのうえで言うのでした。
「まさかお仕事してる様に言われるなんて」
「思わなかったわね」
「ええ、けれどそう思われるならね」
「またあそこ行きましょう」
「それで若し近くに虫が来たら」
「自然と前足が出るから」
 だからだというのです。
「やっつけましょう」
「そうしましょう」
 こうお話してでした。
 ミトンとモペットは水田の方に時々行く様になりました。そうして稲を狙ったりする虫を自分達の姿を見せて去らせて鴨に頑張っているねと笑顔で言われて二匹一緒に喜ぶのでした。


子猫達のお話V   完


                 2025・12・28








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