『狐どんのお話V』





 狐のトッド、皆から狐どんと呼ばれている彼はこの時お家で新しいズボンを穿いて思わずこう言ってしまいました。
「あれっ、小さいのかな」
「それは違うと思うわ」
 奥さんがすぐに言ってきました。
「あなた太ったのよ」
「ズボンが小さいのでなくかい」
「そうよ」
「いや、私はよく歩いて働いて」
 狐どんは奥さんに必死のお顔で言葉を返しました。
「いつも身体を動かしているが」
「若い時と同じ様によね」
「そうしているから太るなんて」
「何言ってるのよ、若い時と今じゃ新陳代謝が違うでしょ」 
 奥さんはこのことを指摘しました。
「だからよ」
「それでか」
「そう、だからね」
 それ故にというのです。
「若い頃と同じだけ飲んで食べて同じだけ身体を動かしてもね」
「太るんだ」
「そうよ、それであなたもよ」
「ズボンが小さくなったと思ったんだ」
「そうよ」  
 まさにというのです。
「そうなったのよ」
「それは困ったな」
「だったらね、痩せることよ」
「そうすることか」
「そうよ、具体的にはそのまま運動は続けて」
「歩いて働いて」
「飲んで食べるものをね」
 そういったものをというのだ。
「どうにかすることよ」
「そうなんだ」
「例えば紅茶のお砂糖を減らして」
 いつも飲んでいるそちらをというのです。
「お酒もビールじゃなくてね」
「他のお酒をだね」
「ワインとかね、健康にいいお酒を飲んで」
 その様にしてというのです。
「食べものもね」
「変えることだね」
「そうすることよ。あなたがいいって言うなら私も付き合いわよ」
「紅茶のお砂糖を減らしてお酒も切り替えて」
「食べものも低カロリーなものにしていくわ」
「やはり太っているとよくない」
 狐どんははっきりと言いました。
「それならだよ」
「飲みものと食べものを変えるのね」
「そうするよ」
「ならすぐに変えるわ」
 こうお話してでした。
 狐どんはダイエットすることにしました、身体を動かす量はそのままで食生活を変えました、実際に紅茶のお砂糖をかなり減らしてです。
 ビールからワインに切り替えて食べるものもでした。
「へえ、フライやバターやオイルを沢山使ったものからなんだ」
「この様にだよ」
 狐どんはパブで白ワインを飲みながら一緒に飲んでいるアナグマのジェルミー=フィッシャーどんにお話しました。
「和食のね」
「お豆腐や枝豆をなんだ」
「よく食べる様にしてね、鶏肉もね」
「君の大好きな」
「そちらも揚げるのでなくて」
 そうでなくというのです。
「オープンでじっくりと焼いて脂肪を落とした」
「そうしたものになったんだね」
「そうなんだ、お魚もフライにしないで」
「焼いたり煮たりかな」
「日本風にお刺身にしてね」
「食べてるんだね」
「本当に低カロリーになったよ」
 こうフィッシャーどんにお話します。
「あらゆるお料理がね」
「そうなんだね」
「これで痩せればいいけれど」
「狙い通りにだね」
「そうなればね」
 その時はというのです。
「いいけれどね」
「何かイギリスの食事から日本の食事になっていないかな」
「お寿司は高いからないよ」
「ははは、あちらはだね」
「うん、けれど枝豆にお豆腐にお刺身で」
「揚げたものは油揚げだね」
「いや、病みつきになるまで美味しいんだ」
 その油揚げがというのです。
「鶏肉やお魚を揚げるよりずっと低カロリーでね」
「しかも君の大好物だね」
「最高だよ、卵料理もオムレツから卵焼きになって」
 そうなってというのです。
「同じ卵料理でもね」
「カロリー低いみたいなんだ」
「こちらもね、さて痩せるかな」 
 狐どんはワインを飲みつつ言いました、そしてです。
 奥さんの切り替えた食生活を続けました、すると。
「あのズボンがあっさりとだよ」
「入ったのね」
「うん、食べる量は変わらないのに」
 それなのにというのです。
「そうなったよ」
「狙い通りね、本当に歳を取るとね」
「新陳代謝が落ちてだね」
「若い頃と比べると」
 どうしてもというのです。
「そうなって若い頃と同じ生活だとね」
「太るんだね」
「そうなるから」
 だからだというのです。
「これからも注意してね」
「太りたくなかったら」
「そうしてね、いいわね」
「そうしえいくよ」 
 狐どんは奥さんに笑顔で応えました、そうしてです。
 お家で鶏肉をオープンでじっくりと焼いたそれとサラダを食べました、ヘルシーなそのお料理はとても美味しくて狐どんは満足しました。そしてそれからもそうしたお料理を楽しみたいと奥さんに言うと奥さんは笑顔でいいわよと答えたのでした。


狐どんのお話V   完


                  2024・5・1








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