『タビタ奥さんのお話U』
タビタ奥さんはこの時息子のトム、娘のミトンとモペットの食べものの好き嫌いについて悩んでいました。それでお友達のピーターラビットの奥さんに相談しました。
「うちの子達皆人参が嫌いなの」
「そうした子多いわよね」
「そうなの、人参は栄養が沢山あるのに」
それなのにというのです。
「カレーライスやビーフシチューに入れてもね」
「食べないのね」
「三匹共どちらも好きなのに」
カレーライスもビーフシチューもというのです。
「だからね」
「人参をどうして食べてもらうか」
「そのことでね」
「今悩んでいるのね」
「どうしたものかしら」
こう言うのでした。
「本当にね」
「だったらね」
それならとです、ピーターラビットの奥さんはタビタ奥さんに言いました。
「ジュースに入れてみたら?」
「ジュースに?」
「そう、ミキサーで野菜ジュース作るでしょ」
「ええ、うちもね」
兎であるピーターラビットの奥さんのお家ではいつもです、そしてタビタ奥さんのお家も時々なのです。
「そうするわ」
「だからね」
「野菜ジュースになの」
「そう、人参も入れて」
「ミキサーに一緒に」
「それで飲んでもらったらどうかしら」
「そうね、あの子達他のお野菜は食べるの」
このこともお話するのでした。
「トマトも胡瓜もセロリもね」
「だったらね」
「そうしたものと一緒になの」
「そう、人参もね」
このお野菜もというのです、今お話の主題であるそれを。
「入れてね」
「飲ませればいいの」
「それでハンバーグの中に細かく刻んで入れたり」
そうしたやり方もあるというのです。
「カレーやシチューにもわからない様におろして入れたら」
「いいのね」
「そうしてみたらどうかしら」
「そうね、そうしてみるわ」
タビタ奥さんはピーターラビットの奥さんの提案に頷いてでした。
そうして実際にジュースに入れたりハンバーグやロールキャベツの中に細かく刻んで入れたりです。
カレーやシチューにおろして入れますと。
子供達は普通に食べました、そして徐々にです。
人参に慣れていって途中お母さんに実は人参を入れていると言われても驚いても嫌いとは言わなくてです。
普通に人参を食べる様になりました、それでタビタ奥さんはピーターラビットの奥さんに言いました。
「貴女の言う通りにしたらね」
「上手くいったのね」
「ええ」
そうだというのです。
「見事にね」
「人参でも何でも苦手な食べものはね」
「克服する手段があるのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「こうした工夫をこれからもしていけば」
「いいのね」
「嫌いな食べものがあっても」
「だからね」
「それでなのね」
「そう、だからね」
「これからも」
こうタビタ奥さんに言うのでした。
「いいわね」
「そうさせてもらうわね」
こうお話してでした、そのうえで。
タビタ奥さんはこれからも子供達の嫌いなものがあったら工夫していこうと決意しました、人参のことは奥さんにとってとても貴重な経験になりました。
タビタ奥さんのお話U 完
2021・9・1