『ミセス=ティトルマウスのお話U』





 チュウチュウ奥さんことミセス=ティトルマウスは今日もお掃除に励んでいます。
 朝起きて朝ご飯を作って家族皆で食べて子供達を学校に送り出してから朝のうちにかけていた洗濯機からお洗濯ものを出して干してからお家の中をせっせとお掃除しています、ご主人はそんな奥さんを見て言いました。
「いつもお掃除をするね」
「当たり前でしょ」
 奥さんは右に左に動いてお掃除をしながら答えました、休むことはありません。
「油断したらすぐに汚くなるのよ」
「だからなんだ」
「そう、お掃除は毎日ね」
 休む日はなくてというのです。
「隅から隅までね」
「するものなんだ」
「そうよ、だから今もよ」
「お掃除をするんだね」
「こうしてね。それでお掃除が終わったら」
 奥さんはさらに言いました。
「その後はお昼作るから」
「そしてお昼が終わったらどうするんだい?」
「お買いものに行くわ、それが終わったらお洗濯ものを畳んで」
 朝のうちに干してあるそれをというのです。
「そしてね」
「今度は何かな」
「晩ご飯の用意よ」
 それがあるというのです。
「そしてお風呂も入れて」
「何か休む間がないね」
「当たり前でしょ、あなたは今日は休日だけれど」
 それでお家でくつろいでいます。
「子供達が学校に行っている間もね」
「お掃除をしているんだね」
「そうよ、そして晩ご飯が終わったら食器を洗って」
 次はそうしてというのです。
「お風呂に入ってお風呂を洗って」
「寝るんだね」
「そうしているわ」
「何かとあるんだね」
「何かって毎日のことよ」
 奥さんはお家でくつろいでいるご主人に言いました。
「これがね。だから何でもないわ」
「そんなに忙しいのになんだ」
「そうよ、いつも動いていないと」
 こうも言う奥さんでした。
「逆に不安になる位よ」
「そうなんだ」
「そう、じゃあお掃除していくわね」
 こう言ってでした。
 奥さんはせっせとお掃除をしていきます、そしてご主人と一緒に昨日の夜の残りでお昼ご飯を食べてでした。
 そこからも家事でずっとでした、寝るまで本当に動き詰めでした。ご主人はくつろぎながらその奥さんを見ていましたが。 
 ある日ご主人はお仕事から帰って来て自分の健康診断の結果が届いていることを確認してその内容を読んでからこんなことを言いました。
「今回も問題なくて何よりだよ」
「それはよかったわね」
「僕は肉体労働でいつも身体を動かしているせいだね」
「そうね、それがいい運動になってね」
「健康だね。ただ君も健康だけれど」
 ご主人は奥さんのことについても言いました。
「それはやっぱり。この前の休日で見たけれど」
「私もいつも身体を動かしているでしょ」
「うん、家事にね」
「そう、あなたにとってお仕事が運動になっていてね」
「君は家事がだね」
「運動になっていてね」
 それでというのです。
「健康なのよ」
「そうだね」
「だからこれからも頑張っていくわ」
 家事にというのです。
「そうしていくわ」
「お互いにだね、しかし仕事も家事も」
 ご主人は気付いた様に言いました。
「いい運動にもなるんだね」
「そうでしょ、いつも身体を動かすから」
 奥さんはご主人に答えました。
「それが私の運動になっているのよ」
「そういうことだね」
「だからこれからも朝から晩まで家事をするわ」
「そして健康でいるんだね」
「そうしていくわ、じゃあまた頑張るわ」
 こう言ってまた家事をする奥さんでした、せっせと汗を流して身体を動かしている奥さんは確かに健康そのものでした。


ミセス=ティトルマウスのお話U   完


                 2021・5・29








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