『ピーターラビット』
第四十話 田んぼの鳥のお話
ピーターラビットの妹のフロフシー、モフシー、カトンテールの三人は今お家から出て外で遊んでいました、その中で。
ふとです、カトンテールが他の二人にこんなことを言いました。
「ねえ、田んぼのお話を聞いたけれど」
「あっ、水田ね」
「あそこね」
二人はすぐにカトンテールの言葉に応えました。
「お米を作っている場所ね」
「それも水稲で」
「あそこがどうしたの?」
「どんなお話を聞いたの?」
「凄く変わった鳥さんが来ているらしいの」
カトンテールは二人にお話しました。
「真っ白いね」
「真っ白っていうと」
モフシーはカトンテールのお話を聞いて考えるお顔になって言いました。
「白鳥?」
「そうよね」
フロフシーも言いました。
「真っ白の鳥さんっていうと」
「そうよね」
「それじゃあね」
「白鳥よね」
「どうも違うみたいなの」
ところがです、カトンテールはこう姉妹に答えました。
「白鳥じゃないみたいなの」
「じゃあどんな鳥さんかしら」
「真っ白でも白鳥じゃないってなると」
「一体」
「気になるから」
それでというのです。
「今からね」
「田んぼの方に行って」
「それでどんな鳥さんか見るのね」
「そうしない?」
こう姉妹達に提案するのでした。
「これから」
「うん、じゃあね」
「今から行きましょう」
フロフシーとモフシーもそれならと答えました、こうしてです。
三姉妹は揃って水田の方に行きました、途中会った森の生きもの達に挨拶もしながらそのうえで、でした。
水田の方に着きました、するとです。
確かに真っ白な鳥さんがいました、ですが明らかに白鳥ではなく。
とても細い鳥さんでした、特に足と黄色い嘴がです。全体的に細長くて三匹が見たことのない鳥さんです。
それで三匹共その鳥さんに尋ねました。
「ねえ、いいかしら」
「貴方は誰なの?」
「どんな鳥さんなの?」
「私?私は白鷺だよ」
鳥さんは三姉妹の質問に答えました。
「こうした田んぼや水辺にいることがいいんだ」」
「そうだったの」
「それが貴方なの」
「白鷺さんっていうの」
「そうだよ、それでね」
そうしてというのです。
「今はここにいるんだ」
「田んぼや水辺にいることが多いから」
「それでなの」
「今はここにいるのね」
「そうなんだ、それで君達は私に何か用かな」
今度は白鷺の方から三姉妹に尋ねてきました。
「一体」
「ここに白い鳥さんがいるって聞いてきたの」
今回のお話を出したカトンテールが白鷺に答えます。
「それでなの」
「そうなのかい」
「ええ、別に貴方をどうしたいかじゃなくて」
「ただ見にきたんだね」
「そうなの」
こう白鷺にお話しました。
「それだけよ」
「そうなんだね、まあ私は別にね」
「別にっていうと」
「兎を食べることはないからね」
そうしたことはしないというのです。
「君達に対して何かすることないよ」
「そうなの」
「だから安心していいよ」
三姉妹に対して言うのでした。
「特にね」
「それじゃあ」
「そう、そして君達も私に何かする訳じゃないね」
「ただ見に来ただけよ」
カトンテールはまた答えました。
「本当に。そもそも私達兎だし」
「何かをすることはないね」
「ええ、誰にもね」
それはしないというにです。
「跳んだり走ったり隠れたりするけれど」
「それだけだね」
「誰かを襲うことはしないわ」
決してというのです。
「それはね」
「そうだね、じゃあお互いに何もしないのなら」
「別に、なのね」
「君達が私を見てもいいし」
特にとです、白鷺はカトンテールに答えました。
「私も君達に何もしないよ」
「そうなのね」
「特にね」
これといってというのです。
「まあ私を見る為に来て私を見たのならいいね」
「ええ、目的は達成したわね」
「そうよね」
「これでね」
フロフシーとモフシーも言います。
「それじゃあね」
「私達も満足よ」
「そうだね、じゃあ私は暫くここにいるけれどどうするのかな」
「そう言われたら」
「どうしようかしら」
「これから」
三姉妹は白鷺に言われてどうかというお顔になりました、そしてです。
三匹でお話してです、そうしてから白鷺に言いました。
「とりあえずお家に帰るわ」
「ここまで来たらもういい時間だし」
「そうするわ」
「わかったよ、じゃあ私は今日はここで休むことにするが」
「これでお別れね」
「そうね」
「それじゃあまたね」
三匹は白鷺に言ってそうしてでした。
田んぼにどんな鳥か見に来た白鷺と別れてそのうえで、でした。
お家に帰ってそれから家族に白鷺のことをお話しつつ一緒に晩ご飯を食べました。するとお父さんもお母さんもお兄さんも三匹のお話に明るいお顔になりました、そうして食べた晩ご飯はとても美味しいものでした。
田んぼの鳥のお話 完
2020・4・1