『ケップとジマイマのお話』





 コリー犬のケップはこの時あひるのジマイマと自分の小屋の前でお話をしていました、そのお話の内容はといいますと。
 ジマイマはケップに熱心に自分の好物のお話をしていました。
「だから玉蜀黍がね」
「一番美味しいんだね」
「そうなのよ、もうこれは最高よ」
 こうケップにお話します。
「私これがご飯に出たら最高に幸せだから」
「そうなんだね、けれど僕はね」
 ケップはジマイマのお話を聞いて言いました。
「玉蜀黍は食べないからね」
「だからなのね」
「僕は犬だよ」
 だからだというのです。
「それで玉蜀黍も食べないし」
「私の他の食べものもなのね」
「うん、食べないよ」
 そうだというのです。
「そもそもね」
「というか貴方が好きな食べもので私の好きな食べものはあるかしら」
「そう言われると」
 どうかとです、ケップも答えました。
「どうかな」
「あんたが一番好きな食べものは何かしら」
「マトンをじっくり煮たものだね」
 ケップはジマイマにすぐに答えました。
「僕の一番の好物は」
「私お肉食べないわよ」
 すぐにです、ジマイマはケップに答えました。
「小さなお魚とかは食べないわけじゃないけれど」
「ジマイマさんは基本お野菜が好きだね」
「麦とかもね」
「あとお米かな」
「そうしたものは好きだけれど」
 それでもというのです。
「お肉はね」
「食べないよね」
「けれどあんたはお肉好きよね」
「犬だからね」
「それを言うと私は家鴨だからね」
「それぞれ違うね」
「それでいて同じ好きなものっていうと」
 それこそとです、ジマイマはケップに考えるお顔で述べました。
「何かあるかしら」
「どうだろうね」
「それであんた今日の朝ご飯は何だったの?」
 ジマイマはケップに今度はこう尋ねました。
「それで」
「うん、オートミールだったよ」
「あら、オートミールなの」
 オートミールと聞いてです、ジマイマは楽しそうに声をあげました。そのうえでケップに対して言いました。
「私も今朝はそれだったわ」
「あっ、そうだったんだ」
「オートミールいいわよね」
「うん、朝ご飯には一番だよね」 
 ケップはオートミールのその味を思い出して尻尾を横にぱたぱたとさせます、そのうえで言うのでした。
「オートミールは」
「そうよね、朝は何といってもね」
「オートミールだよね」
「そうね、あらそれなら」
 ここで、です。ジマイマはケップに明るい笑顔で言いました。
「同じ好きな食べものがあったじゃない」
「オートミールだね」
「そうね、じゃあ今度ね」
「今度っていうと」
「一緒に朝ご飯食べない?」
 ジマイマはケップに楽しそうに提案しました。
「オートミールが出たら」
「いいね、うちはよく朝にオートミール出るしね」
「朝ご飯の定番だしね」
「うちのご主人達もよく食べるし」
「それならね」
「明日にも出るかも知れないし」
「明日オートミールだったら」
 次の日の朝早速出て来たらとです、ジマイマは提案しました。
「一緒に食べましょう」
「いいね、大麦を煮込んでそこにミルクをたっぷり入れた」
「朝のオートミールは最高だから」
「若し次にオートミールが出たらね」
「仲良く食べましょう」 
 そうしたお話をしました、そして翌朝早速でした。
 オートミールが出てきました、するとジマイマは自分のオートミールのお皿をケップのところに持って行ってでした。
 そのうえでケップと一緒にオートミールを食べます、勿論ケップの前には彼の分のオートミールがお皿の中にあります。
 そうしてお互いにオートミールを食べてお話しました。
「オートミールは只でさえ美味しいけれど」
「朝は特にね」
「けれど一緒に食べたらね」
「余計に美味しいわね」
「そうだよね、じゃあまたオートミールが出たら」
「その時はね」
「こうして一緒に食べようね」 
 ケップはジマイマに笑顔でお話しました。
「その方が美味しいから」
「それがいいわね」
「朝から美味しいもの食べたら最高のスタートが切れるし」
「そうしましょう」 
 お互いにお話しました、そしてです。
 一匹と一羽で仲良く食べました、そのうえで最高の朝をはじめたのです。


ケップとジマイマのお話   完


                   2019・12・11








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