『リビーおばさんのお話』




 リビーおばさんはお家の中で大忙しでした、そのおばさんにご主人がソファーに座ってくつろぎながら言いました。
「僕に出来ることはあるかな」
「そこにじっとしていてくれるかしら」
「何もしなくていいのかい?」
「ええ、いいわ」
 おばさんはこうご主人に返しました。
「何もね」
「君はいつもそう言うね」
「お客さんが来る時はね」
「僕にはこうしてじっとしておけって言うけれど」
「だってあなたお掃除をしても」
 そうしてもというのです。
「散らかすし」
「お掃除をしてもというんだね」
「かえってね」
「だからなんだ」
「しかもお料理は全然だから」
「したことないよ」
「だからいいわ」
 お掃除もお料理もというのです。
「どっちもね」
「お茶を淹れる位のこともかな」
「いいわ」
 そちらもというのです。
「別にね」
「じゃあ僕は普通にだね」
「そこにいてね」
「そしてだね」
「本でも読んでいてね」
「何かいつもの休日だね」
「あなたはそれでいいの」 
 ご主人の場合はというのです。
「くつろいでいて」
「休んでいて」
「何ならお昼寝してもいいし」
 さらに言うおばさんでした。
「お散歩に出てもいいわ」
「本当に普段の休日だね」
「私はお客さんを迎える用意をするから」
 今している様にというのです。
「楽しくね」
「そうして働くことが楽しんだ」
「そうよ。お客さん達をお家に招いて」
 そしてというのです。
「お茶を出してね」
「おしゃべりをだね」
「一緒に楽しむことがよ」
 まさにというのです。
「楽しみだから」
「それでだね」
「その準備をすることがね」
 まさにというのです。
「私の楽しみなの」
「そうなんだね」
「そう、だからね」
 ご主人にまた言います。
「私は今凄く楽しいの」
「わかったよ、じゃあ僕はね」
「そこで読書でもしていて」
「いや、外に出るよ」
「お散歩?」
「子供達を連れてね」
 そしてというのです。
「一緒に行くよ」
「そうするんだね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「君のパーティーの邪魔をしないよ」
「子供達jは別にいいわよ」
「いいのかい?」
「今日は学校がないから」
 だからというのです。
「もうすぐしたら皆遊びに行くわ」
「そうなんだね」
「だからいいわ」
 お散歩に子供達を連れて行くことはというのです。
「別にね」
「そうなんだね、じゃあ僕だけで行くよ」
「人の畑には入らないでね」
「兎さんじゃないから別に捕まったりしないよ」
「いえ、この辺りの農家の人は五月蝿いから」
 人の農家の人達はというのです。
「だから畑に入ったら石を投げたり犬をけしかけたりしてくるから」
「畑のものを食べなくても」
「おトイレをするって言ってね」 
 だからというのです。
「そうしてくるから」
「畑にはだね」
「近寄らないでね、花壇も一緒よ」
「やれやれだね」
 ここまで聞いてです、ご主人も困ったお顔になりました。
 そしてです、ご主人はソファーから立ち上がってでした、そのうえで。
 お外に向かいました、その時に奥さんに尋ねました。
「それで何時終わるのかな」
「今日のパーティーね」
「うん、何時かな」
「そうね、子供達には五時に帰って来る様に言ってるから」
「五時までにはだね」
「ええ、終わるわ」
 こうご主人に答えるのでした。
「だから五時位に帰って来てね」
「そうするよ、お昼は」
「早いけれどどう?」
 奥さんはご主人にサンドイッチを差し出してきました。
「今朝の残りだけれど」
「ああ、あるんだ」
「あと今朝の残りのムニエルもね」
 奥さんはご主人に鱈のムニエルも出しました。
「どう?」
「それじゃあね」
 ご主人は奥さんの言葉に頷いてでした、そのうえで。
 そのサンドイッチとムニエルを食べてです、奥さんに満足した顔で答えました。
「三時には喫茶店でね」
「食べてなのね」
「紅茶とティーセットにするよ」
「私達もティーセットよ」
 見れば奥さんはティーセットの用意をしています、三段のお皿の上にケーキとです。ご自身が焼いたスコーンとエクレア、切ったフルーツを置いています。
「これを出すわ」
「食べる場所は違うけれど」
「ええ、食べるものは同じね」
「やっぱり三時はそれがないとね」
「駄目ね」
「うん、じゃあ喫茶店にも行って来るよ」
「人には気をつけてね」
 リビーおばさんはご主人がお部屋を出る時にも言いました、そして。
 ご主人が出てからもお掃除をして紅茶とティーセットの用意をしてでした。全部整ったところでなのでした。
 お家のチャイムが鳴りました、奥さんがそれを受けて扉を開けますと。
 そこからです、こう言うのでした。
「いらっしゃい」
「ええ、お邪魔するわ」
「これからね」
 お客さん達、おばさんの主婦友達である猫さん達が三匹入って来ました。どのおばさん達も奇麗な服を着ています。
「色々とお話をしてね」
「パーティーをしましょう」
「もう用意は出来ているから」
 だからと言うおばさんでした。
「これから楽しみましょう」
「リビーさんのお料理は絶品だから楽しみよ」
「紅茶は特にね」
「今日も美味しいティーセットをよね」
「用意してくれてるのよね」
「ええ、そうよ」
 その通りとです、おばさんはお友達に答えました。
「だから楽しんでね」
「それじゃあね」
「今からね」
「楽しませてもらうわ」
 お友達の猫さん達も笑顔で応えてでした、そのうえで。
 お家のテーブルに座ってです、そうして。
 紅茶を飲んでティーセットを食べつつです、お喋りも楽しむのでした。
「最近物価高いわよね」
「また高くなったわよね」
「少し下がって欲しいけれど」
「そうもいかないわね」
「困ったことよね」
「けれどね」
 物価は高くてもというのです。
「ものの質はよくなってきたわね」
「ええ、そうよね」
「最近ね」
「物価は高くなったけれど」
「品全体はね」
「質がよくなってきたわね」
「これはいいことよね」
 このことは皆さん素直に喜んでいます、そして。
 今度はです、それぞれのご主人や子供達のこともお話するのでした。紅茶とティーセットを楽しみながらです。
 そうしてです、五時近くになるとでした。
 奥さん達はお家の壁にかけてある時計を見てこう言いました。
「もう五時近いし」
「それじゃあね」
「今日はこれで終わりね」
 こうお話するのでした。
「それじゃあまた」
「また一緒にお話しましょう」
「お茶を飲みながらね」
「パーティーしましょう」
「今度はタビタさんのお家でだったわね」92
 次のパーティーの場所のこともお話されました。
「今日はいないけれど」
「ご家族でピクニックに出ているからね」
「だからね」
「今日は参加していないけれど」
「次のパーティーはね」
「あの人のところでね」
 こうしたことも楽しくお話してでした。
 奥さん達はリビーさんのお家を出ました。お別れの挨拶をしてから。こうして楽しいパーティーは無事に終わりました。
 そしてリビーさんが後片付けをしているとです、ご主人が帰って来てそのうえでこう言ってきました。
「もう終わったね」
「ええ、ちょっと前にね」
「今日も楽しかったかな」
「とてもね」
 リビーさんはご主人ににこりと笑って答えました。
「色々とお喋りも出来たわ」
「それは何よりだね」
「さて、そろそろね」
「ええ、子供達が帰って来るわね」
「そうだね」
 ご主人はリビーさんににこりと笑って応えました、そして後はまたお家でくつろぐのでした。


リビーおばさんのお話   完


                     2015・12・11



やはりご主人は追い出されるのか。
美姫 「まあ、居ても仕方ないしね」
確かにご近所の奥様方の話じゃな。
美姫 「のんびりとした感じだったわね」
だな。今回も楽しませてもらいました。
美姫 「投稿ありがとうございました」
ではでは。



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