『ピグリン=ブランドのお話』





 ピグリン=ブランドは今も沢山の弟や妹達をどうやってお腹一杯にしようかと考えています。
「また畑を増やそうかな」
「今度はどうした畑にするの?」
「何を作るの?」 
 お家の中出、です。ピグリンが考えているとその沢山の弟や妹が彼に尋ねてきました。
「前は人参でね」
「その前はブロッコリーだったね」
「それで今度は何を作るの?」
「蕪とか?」
「それをどうしようか考えてるんだ」
 ピグリンはこう弟妹達に返しました。
「本当にね」
「ううん、今度はね」
「何かお腹にたまるのがいいわ」
「正直僕達数が多くてね」
「しかも皆一杯食べるから」
「足りないから」
「お腹一杯になるのがいいわ」
 こうお兄さんにお願いするのでした。
「そうしたのをお願いするよ」
「お腹一杯になるものね」
「何でもいいからね」
「お願いするわ」
「お腹が一杯になるものって言っても」
 そう言われてもでした、ピグリンとしましては。
「ちょっとね」
「考えつかない?」
「これといって」
「そうなの」
「うん、ちょっとね」
 これがピグリンの返事でした、実際に首を傾げさせています。
「思いつかないよ」
「そうなの」
「じゃあそれはなのね」
「これから考える」
「そうするのね」
「そうするよ、それにね」
 さらに言うピグリンでした。
「工夫も必要かな」
「工夫?」
「工夫っていうと」
「皆さ、好き嫌い言わないでね」
 ここでこうも言ったピグリンでした。
「何でも食べないと」
「えっ、じゃあピーマンも食べないといけないの?」
「茄子も?」 
 弟妹達はお兄さんの言葉に急に嫌なお顔になりました。
「僕ピーマン嫌いだけれど」
「私茄子はちょっと」
「人参はね」
「ううん、ほうれん草は」
 沢山の弟妹達がです、それぞれの嫌いなものを挙げていきます。けれどピグリンは皆にこう言うのでした。
「お腹一杯になりたいならだよ」
「嫌いなものもなんだ」
「食べないといけないのね」
「それこそそういうものでも食べて」
「そうして」
「そうだよ、とにかく新しい畑を作って」
 そしてというのでした。
「後は工夫だね」
「嫌いなものでも食べて」
「その他にもなのね」
「工夫して」
「そうして」
「そうしないとね、じゃあちょっと新しい畑を作る場所に行くから」
 ピグリンは弟妹達に言ってでした、そのうえで。
 お家を出てです、鍬を持ってお外に出ました。そして今度畑にするその場所にまで行くとでした。そこには。
 ピーター=ラビットがいました。ピグリンはピーターを見て彼に尋ねました。
「どうしてここにいるの?」
「いや、たまたまここまで遊びに来ていたんだ」
「それだけなんだ」
「うん、皆と遊び終えて何もすることがなくて」
 それで、というのです。
「ここまで散歩してきたんだ」
「そうなんだ」
「そうだよ、それでピグリンはどうしてここにいるの?」
「ここに新しい畑を作るつもりなんだ」
 それで来たとです、ピグリンはピーターに答えました。
「それで来たんだ」
「じゃあ今から畑作るんだ」
「いや、これからだよ」
「あっ、そうなんだ」
「一応鍬は持って来たけれどね」
 それでもというのです。
「それはまだだよ」
「そうなんだね」
「ただね」
 ここで、でした。ピグリンは首を傾げさせてです。そのうえでピーターに言いました。
「果たして何を耕そうかね」
「そのことを考えてるんだ」
「うん、弟妹達が皆お腹を空かせてるからね」
「ピグリンって弟妹達は多いからね」
「お父さんとお母さんは市場でお店やっててね」
「ピグリンは畑を耕してね」
「そうしているけれどね」
 それでもなのです。
「沢山いて皆一杯食べるから」
「今の畑だとだね」
「足りないんだ、だから皆に好き嫌いなく全部食べろとも言ったよ」
「食べればそれだけお腹に溜まるからね」
「嫌いなものでもね」
 食べものは食べものです、だからです。
「それでもだね」
「それで皆に言ったんだ」
「いいと思うよ。僕だって人参とか蕪以外にね」
「それ以外に?」
「その葉も食べるからね」
 人参や蕪のそれもというのです。
「ああした場所も美味しいからね」
「あっ、あそこ食べられるんだ」
 ピグリンはピーターのお話を聞いて少しびっくりして言いました。
「お野菜の葉って」
「うん、 人参とか蕪とかのね」
「そうだったんだ」
「そうだよ、知らなかったの?」
「実はね」
「食べられてそれで結構美味しいんだよ」
「そうなんだ」
 ピグリンは驚きながらもです、ピーターのお話を聞きました。
「ああしたのも食べられるんだ」
「今まで捨ててたんだ」
「実はね」
「それがね、食べられるんだ」
「そうなんだ」
「美味しいよ。それと美味しいっていえばね」
 ピーターはピグリンにさらにお話します。
「最近僕も家族の皆もお豆食べてるんだ」
「お豆?」
「大豆ね、それも食べてるよ」
「市場で売ってるね、そういえば」
「あれも美味しいよ、それにね」
 そのお豆についてです、ピーターはピグリンにさらにお話しました。
「お腹にもたまるし」
「満腹になるんだ」
「そうだよ、それは畑のあぜ道でも出来るから」
「畑以外の場所にも」
「出来るよ。あとピグリン麦畑持ってるけれど」
 ピーターはピグリンのこのことにもお話しました。
「ジャガイモとか作らないの?」
「そういえば作ってないね、ジャガイモ」
 ピグリンも言われて気付きました。
「じゃあね」
「うん、新しい畑にどうかな」
「よし、今度はジャガイモ作るよ」
「あぜ道に大豆を植えてね」
「そうするよ、これで決まったよ」
「人参や蕪の葉も食べてね」
 ピーターはまずはこのことからまた言いました。
「それでね」
「あぜ道にはお豆を植えて」
「ジャガイモを作って」
「これで全然違うね」
「相当にだと思うよ」
 ここまですればというのです。
「ジャガイモは他のお野菜よりも沢山採れるしお腹にも溜まるからね」
「麦以上に」
「絶対にいいよ、じゃあね」
「うん、そうしていくよ」
 ピグリリンは前足を握る様にして動かしつつピーターに答えました。
「絶対にね」
「それがいいよ、あとね」
「あと?」
「トウモロコシもね」
 このお野菜もというのです。
「いいよ」
「あれもなんだ」
「そう、痩せた場所でも植えられるし」
「それに食べる量もあって」
「いいんだよ」
 ピグリンに紹介するのでした。
「とてもね」
「ううん、じゃあまずは」
「ジャガイモを植えて」
「それからだね」
「新しい畑を作るのなら」
 さらにです、今度作る畑から。
「トウモロコシだね」
「それを作るよ」
「そうしたらいいよ」
「有り難う、これで何をすればいいかわかったよ」
 弟妹達をお腹一杯にするにはです。
「早速やってみるよ」
「頑張ってね」
 こうしてでした、ピグリンは早速です。 
 ジャガイモ畑を作ってあぜ道には大豆を植えてです、人参や蕪の葉も食卓に出しました。そしてその出来たジャガイモや大豆を弟妹達に出して言いました。
「どっちも食べるんだよ」
「あっ、ジャガイモだね」
「それにお豆も」
「どっちもなんだ」
「食べるといいのね」
「新しく作ったんだ」 
 まさにそうしたというのです。
「だから食べるといいよ」
「うん、じゃあね」
「早速頂くわ」
「どっちも美味しそうだし」
「お腹にも溜まるわね」
「そうだよ、あと前から出してるけれど」
 人参や蕪の葉も出して言うピグリンでした。
「こうしたのも食べるんだよ」
「そっちも結構ね」
「美味しいわ」
「青野菜と同じだね」
「ただの葉じゃないのね」
「そうだよ、それと何でも食べること」
 ピグリンは皆にこのこともお話しました。
「いいね」
「好き嫌いなくだね」
「何でもね」
「食べてそうして」
「お腹一杯にするのね」
「好き嫌いを言ったらね」
 それこそというのです。
「お腹一杯にならないよ」
「それこそだよね」
「そんなことしてたらね」
「まずお腹一杯にならない」
「食べないから」
「そう、お腹一杯になりたいのなら」
 そして満足したいのならというのです。
「まずは食べることだよ」
「それからだね」
「好きなものもそうでないものも」
「嫌いなものも食べて食べられるようにならないと」
「そうならないわね」
「何でも食べられたらそれだけお腹一杯になるよ」
 そうだというのです。
「だからいいね」
「うん、じゃあね」
「早速食べるよ」
「そのジャガイモとね」
「お豆もね」
「そうするんだ、お腹一杯になればそれだけで幸せだから」
 もうそれだけで、です。お腹一杯になること程いいものはないですから。まさにそれで、なのです。ピグリンは皆にジャガイモやお豆も出しました。
 そして皆はそのジャガイモやお豆も食べました、そのうえでお兄さんに言うことは。
「うん、美味しいよ」
「とてもね」
「それに何かね」
「お腹に溜まるわ」
「よし、じゃあそういうのも食べて」
 そのジャガイモやお豆をというのです。
「お腹一杯になるんだよ」
「そうなるよ」
「私達沢山いて沢山食べるけれど」
「ジャガイモやお豆も食べて」
「葉も食べてね」
「好き嫌いもなく食べて」
「満腹になるわ」
 こう言ってです、実際にでした。
 皆で美味しくジャガイモやお豆も食べました、そしてお食事の後で皆がお兄さんに言うことはといいますと。お腹を膨らましてでした。
「もうお腹一杯」
「満足したわ」
「何処にも入らないよ」
「動けない位よ」
「よし、じゃあ皆にこれからもね」
 弟妹達の言葉を聞いたピグリンはにこりとして言いました。
「ジャガイモもお豆も出すよ」
「うん、お願いするよ」
「兄さんも食べてね」
「勿論僕も食べたよ」 
 それもお腹一杯にです、見ればピグリンのお腹もです。ぽっこりと出ています。そのぽっこりとしたお腹を摩りながら言うのです。
「この通りね」
「じゃあこれからは毎日」
「皆お腹一杯ね」
「ジャガイモもお豆も葉も食べて」
「好き嫌いなく食べて」
「そうだよ、皆そうなるんだよ」
 満面の笑顔で言ったピグリンでした、皆を満腹にして自分自身もそうなって。


ピグリン=ブラントのお話   完


                            2015・8・24



今回はピグリンの畑作りか。
美姫 「弟や妹たちの為に頑張って作るお話ね」
畑を作るよりも、何を植えるかを考える方が苦労してた感じだな。
美姫 「みたいね。でも、それもピーターと話して解決したしね」
良かったじゃないか。出来た物も好評だったし。
美姫 「良かったわね」
だな。今回も楽しませてもらいました。
美姫 「投稿ありがとうございました」
ではでは。



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