『オズのアリス』
第八幕 お花と虫
一行は森の中を進んでいきます、その中でモジャボロと弟さんが歩きつつ森の地図を見てそのうえでお話します。
「あと少しで花園に入るね」
「うん、森の中のね」
「花園も面白そうだし」
「早く入りたいね」
「今度はお花の妖精と変わった虫達だが」
教授はモジャボロのお隣から言います。
「これまた面白い場所だ」
「どう面白いのかしら」
つぎはぎ娘は今もくるくると踊っています、そのうえで歩いています。
「見せてもらうわね」
「あっ、僕ここに来たことあるよ」
ボタンは周りを見回して言います。
「起きたらここにいたんだ」
「君の体質だね」
魔法使いはボタンの今の言葉を受けて笑って言います。
「寝ている時に移動するのは」
「そうだよね」
ボタンも確かにと頷きます。
「それで花園にも行ったよ」
「私もここに来たことがあるわ」
ガラスの猫も言ってきました。
「花園にもね」
「その花園だけれど」
ジャックはその花園について言及します。
「これまた変わったところだね」
「鏡の国の花園だけれど」
それでもと言うトロットです。
「お花がそれぞれ女の子なのよね」
「オズの国らしい場所ね」
こう言ったのはベッツィでした。
「一言で言うと」
「そうですね」
大尉は二人の女の子の言葉に頷きました。
「私も見てみてそう思いました」
「何でかな」
トトは首を傾げさせました。
「鏡の国にあった場所なのにオズの国にあっても違和感がないって」
「同じお伽の国だからだね」
キャプテンがトトに答えました。
「だからだよ」
「そうーーですーーね」
チクタクはキャプテンに同意しました。
「鏡の国ーーもーーお伽の国ーーですから」
「世界は違えどお伽の国なら」
それならと言うビリーナでした。
「オズの国に入っても違和感ないわね」
「うん、不思議なお花や生きものはね」
ハンクも頷いて言います。
「オズの国では沢山いるしね」
「それで違和感があるなら」
ジュリアも思うことでした。
「その方がおかしいですね」
「全くだね」
腹ペコタイガーは確かにと続きました。
「そうなるね」
「二つの世界全体がだね」
臆病ライオンは花園や虫達だけではないとしました。
「オズの国にあっても違和感がないね」
「うん、では今から行こう」
かかしは皆に言いました。
「その花園にね」
「あと少しだね」
樵は花園に入るにはと言いました。
「じゃあ行こう」
「そうしましょう」
ドロシーが応えてでした。
そうして皆で花園に入りました、するとそれぞれ鬼百合、薔薇、雛菊、菫のお花の服を着た小さな女の子達が咲き誇る色々なお花の中のいてです。
木馬と一緒になった蠅、燃えた葡萄と一緒の身体の蜻蛉、バターが付いた蝶々達がいます、アリスはその中に入って周りを見回して笑顔で言いました。
「懐かしいわ」
「ここに来た時が」
「ええ、とても不思議な」
そうしたというのです。
「場所に来たって思ったわ」
「他の場所と同じで」
「この世にはない」
「そうした場所で」
「ここにいる皆を見てお話もして」
そうしてというのです。
「不思議な経験が出来たわ」
「そうだったのね」
「あの、まさか」
鬼百合の娘が言ってきました。
「ここでアリス嬢と再会出来るなんて」
「思わなかったのね」
「ええ」
アリスに答えます。
「本当にね」
「私もよ」
「私だって」
薔薇の娘も雛菊の娘も言います。
「アリス嬢がオズの国に来るなんて」
「思いもしなかったわ」
「けれどこれもきっかけね」
こう言ったのは菫の娘です。
「それで来たのね」
「そうよ、私達はきっかけがあってここに来たの」
アリスはまさにと答えました。
「そして再会出来たのよ」
「そうよね」
「きっかけに感謝するわ」
「アリス嬢と再会出来たから」
「私達はね」
「ええ、それでね」
さらに言うアリスでした。
「皆元気そうね」
「ははは、元気でない筈がないよ」
今度は蠅が言ってきました。
「オズの国にいるんだから」
「オズの国ではいつも皆元気じゃないか」
蜻蛉も言ってきました。
「それでだよ」
「皆元気で怪我も病気もしない」
蝶々も言います。
「それでだよ」
「そうね、そうした世界よね」
アリスは虫達の言葉にも頷きました。
「オズの国は」
「そうよ、だから貴女もね」
オズマがアリスに言ってきました。
「とてもね」
「元気なのね」
「そうなのよ」
「確かにそうね」
アリスはオズマのその言葉に頷きました。
「オズの国に来てからずっとね」
「貴女は元気ね」
「ええ」
まさにというのです。
「疲れを感じないわ」
「そうでしょ、疲れることもね」
オズの国ではというのです。
「ないのよ、そして眠れる人はね」
「目を閉じたら」
「そうしたらね」
それでというのです。
「すぐによ」
「寝られるのね」
「そうなのよ」
「眠れなくて困ることもないのね」
「そうよ」
こうお話します。
「皆ね」
「いい国ね」
「あの」
ここで言ってきたのはナターシャでした。
「若し寝れないと」
「その分辛くなりますね」
ジョージも言います。
「不眠症ってありまして」
「それで困っている人もいますね」
神宝は外の世界のことをお話しました。
「そうですね」
「けれどオズの国では皆目を閉じたらすぐに寝られて」
恵梨香も実感していることです。
「夜だと朝までぐっすりですね」
「お昼寝の時もすぐに寝られて」
そしてとです、カルロスは言いました。
「起きたら気持ちいいって時に自然と目が覚めますね」
「それがオズの国の睡眠よ」
笑顔で言うオズマでした。
「とても快適に寝られるのよ」
「そうですね」
「そうした国ですね」
「疲れないで快適に寝られる」
「不眠症もない」
「そうした国ですね」
「そして皆早寝早起きで」
このことについてもお話するオズマでした。
「いいのよ」
「はい、私達はです」
雛菊の娘が言ってきました。
「朝日が昇ると起きます」
「そして夕日が沈むと寝ます」
薔薇の娘も言います。
「そして翌朝まで起きません」
「その間ぐっすりです」
菫の娘も言いました。
「起きることはありません」
「こんないいことはないです」
鬼百合の娘は笑顔でお話しました。
「本当に」
「そうね、寝られる人ならぐっすり寝たいわ」
確かにと頷くアリスでした。
「寝られないとそれだけで辛いわ」
「そうよね、オズの国には外の世界で物凄く有名な漫画家さんもおられるけれど」
「漫画家さん?」
「日本のね」
この国のというのです。
「あの国から来た人よ」
「日本っていうと」
アリスはその国の名前を聞いて言いました。
「恵梨香のお国で今五人の子達が暮らしている」
「まさにその国よ」
「そうよね」
「貴女も知っているわよね」
「聞いているだけでとても不思議な国よ」
日本はというのです。
「現実にあるなんて思えない」
「貴女はそう思ったのね」
「ええ」
そうだというのです。
「最初聞いてね」
「イギリスとは全く違うわね」
「着物を着て頭がちょんまげで」
そうであってというのです。
「お侍、忍者にお公家さんに相撲レスラーに」
「そんな人達がいて」
「そしてね」
そうであってというのです。
「木と瓦のお家やお寺や神社があって」
「そこもイギリスと違うわね」
「森と山が多くて神様が沢山いて仏様もいる」
「そうしたお国よね」
「今は洋服を着ていて皆忙しく働いているっていう」
こうも言うアリスでした。
「本当に不思議なお国よ」
「それが日本ね」
「私が聞いたね、一体どんな国かって思ったわ」
「僕達も日本からオズの国に来た人達を見て思ったよ」
蠅が笑って言ってきました。
「僕達より不思議かもってね」
「忍者なんてね」
まさにと言う蜻蛉でした。
「大きな蝦蟇を呼び出すし」
「妖術を使ったりもして」
蝶々もお話します。
「不思議だったよ」
「忍者は外の世界では妖術を使わないのよ」
ドロシーはこのことを断りました。
「私も最初はそう思っていたけれど」
「それがだね」
「実は違うんだね」
「そうだね」
「そうよ」
こうお話するのでした。
「忍者はね」
「そもそも妖術は妖術使いの術で」
それでと言うオズマでした。
「忍者の人達は本分は忍術よ」
「そうなんだね」
「じゃあ蝦蟇を呼び出してもだね」
「あれは本分じゃないんだね」
「忍術は身体や道具を使うものだから」
そうしたものだというのです。
「また違うわ」
「じゃああの忍者は何なのかな」
蠅はドロシーに尋ねました。
「妖術6も使うとなると」
「その人の名前覚えてるかしら」
「児雷也といったよ」
蠅はこの名前だと答えました。
「確かね」
「ああ、あの人ね」
「知ってるの?」
今度は蜻蛉が言います。
「ええ、忍者というかね」
「妖術使いなんだ」
「そう言っていい人で」
そうであってというのです。
「またね」
「違うんだね」
町長は確認を取りました。
「普通の忍者とは」
「そうよ」
こうお話します。
「あの人は」
「忍者でもだね」
「また特別なの」
「私そこがわからなかったの」
アリスも言ってきました。
「忍術と妖術の違いが」
「そうだったのね」
「忍術は身体や道具を使うものね」
「そう、そしてね」
「妖術は言うなら魔法ね」
「それで児雷也さん、天竺徳兵衛さんも」
この人達はといいますと。
「むしろ妖術使いね」
「忍者といっても」
「そう考えていいわ」
「そうなのね。そのことも不思議で」
「日本については」
「不思議の国や鏡の国と同じだけね」
アリスはお話しました。
「不思議な国だと思ったわ」
「確かにね」
ドロシーも否定しません。
「私はオズの国に入るまで知らなかったけれど」
「日本のことは」
「聞くとね」
「不思議な国だったの」
「凄くね」
それこそというのです。
「そして中国もね」
「確かに。あの国もね」
「イギリスとは全く違うわね」
「もっと言えばアメリカも」
「私が暮らしていた」
「同じ言葉の筈なのに」
イギリスとアメリカはです。
「またね」
「不思議の国に思えたのね」
「ええ、二つの国に行ってから聞いて」
不思議の国と鏡の国にというのです。
「そんな国あるのねってね」
「思ったのね」
「本当に不思議だったわ」
こう言うのでした。
「現実の世界にも不思議があるってわかったわ」
「それも沢山よね」
「そうなの、それでね」
そうであってというのです。
「これからだけれど」
「これから?」
「この花園には蜜があるわね」
「お花の蜜ね」
「そう、蜜をね」
それをというのです。
「これからいただかない?」
「それならです」
「すぐにお持ちします」
「そうしますので」
「飲んで下さい」
お花の娘達ハドロシーに応えて言いました。
「コップに入れて持ってきます」
「皆さんの分を持ってきます」
「勿論飲むことが出来る方の分だけです」
「すぐに持ってきますね」
「僕はたっぷり飲みたいよ」
腹ペコタイガーは舌なめずりして言いました。
「蜜をね」
「いいね」
臆病ライオンも言います。
「たっぷりいただこう」
「甘いジュースだよね」
「この花園のお花の蜜はね」
「僕も好きだよ」
ボタンも笑顔で言います。
「じゃあ飲もうね」
「どうぞ」
薔薇の娘がその蜜、赤いこコップに入っているそれを出してきました。
「飲んで下さい」
「うん、飲ませてもらうね」
「それでは」
「いただきます」
ボタンはコップを受け取って飲みます、そしてです。
他の皆も受け取って飲みます、するとでした。
「凄く甘いわ」
「それで飲みやすいね」
「物凄く美味しいよ」
「幾らでも飲めるよ」
「飲んだ後すっきりするわ」
ナターシャ達五人も飲みました、そうして言うのでした。
「ジュースみたいだけれど」
「普通のジュースより美味しいね」
「よく冷えているし」
「舌ざわりもよくて」
「おかわりしたい位よ」
「はい、幾らでもおかわりして下さい」
菫の娘が笑顔で応えました。
「幾らでもありますので」
「それじゃあね」
ナターシャが笑顔で応えてでした。
皆でおかわりをします、ですがアリスはここで思いました。
「最初に来た時は蜜なんてね」
「あの時からあったよ」
「ちゃんとね」
「僕達も楽しんでいたよ」
虫達がそのアリスにお話します。
「毎日沢山飲んで」
「そうしているよ」
「アリス嬢が気付かなかっただけよ」
「そうなのね、そういえばね」
アリスは虫達に言われて思い出しました。
「あの時は最初に来て色々見ていてね」
「そのことで一杯で」
「蜜まではだね」
「気付かなかったね」
「そうだったわ、余裕がなかったら」
それならというのです。
「気付かないのね」
「そう、落ち着いたら見えるものもね」
オズマも言ってきました。
「見えないのよ」
「余裕がないと」
「誰でも最初に行った場所はね」
「余裕がないの」
「その場所のことを全く知らなくて」
それでというのです。
「見て回るだけで必死で見落とすものもね」
「あるのね」
「気付かないものもね」
「最初に行くと」
「それが二回三回になると」
そうなると、というのです。
「その場所に慣れてもきてね」
「よく見える様にもなるのね」
「そうよ」
まさにというのです。
「これがね」
「成程ね」
「そして貴女は二度目になったわね」
「オズの国に来てね」
「不思議の国は不思議の森で」
それでというのです。
「鏡の国は鏡の森で」
「それではね」
「慣れているのね」
「そうよ、だからね」
「今回は蜜を知って」
「楽しめているのね」
「そうなのよ」
こうお話します。
「これがね」
「そういうことね」
「そう、それでね」
「ええ、蜜を頂くわ」
アリスは笑顔で応えてでした。
甘い蜜をふんだんに頂きました、そうしてその蜜を楽しんでから一行は鬼百合の娘に言われました。
「これからどうするの?」
「ハートの王様と女王様のお茶会に参加するの」
アリスが答えました。
「私達そちらに向かってるの」
「そうなの、実はね」
「わかったわ、貴女達も参加するのね」
「そうなの」
「そうだよ」
花の娘達だけでなく虫達も答えてきました。
「皆でね」
「参加するわ」
「お招きしてもらっているし」
「楽しみにしているの」
「ではその時にね」
アリスは笑顔で応えました。
「再会しましょう」
「ええ、きっとね」
「また会いましょう」
「そして今度はお茶を飲みましょう」
「皆でね」
花の娘達が笑顔で言って虫達もでした。
そうして一行は花園を離れそこにいる皆と笑顔で再会を約束してでした。
皆で出発します、ですが。
すぐに森の中で太った身体でお洒落な感じの双子の男の人に出会いました、その双子はアリスを見て言いました。
「おおアリス嬢」
「久しいね」
「元気そうだね」
「しかもオズマ姫も一緒ね」
「この人達は確か」
ナターシャは双子を見て言いました。
「トゥイードルダムさんとトゥイードルディーさんね」
「そうそう、双子の」
ジョージが続きます。
「その人達だね」
「この人達もいるんだね」
神宝は頷きつつ言いました。
「オズの国には」
「本当に二つの世界の皆がいるんだ」
カルロスの口調はしみじみとしたものでした。
「オズの国は」
「不思議の国と鏡の国がそのまま入ってるのね」
恵梨香はこう言いました。
「オズの国に」
「如何にも」
「その通りだよ」
双子はまさにと答えました。
「そして僕達もいるのだよ」
「オズの国のね」
「そうなのね、しかし」
ナターシャはそれでもと言いました。
「どんどんね」
「どんどん?」
「どうしたんだい?」
「二つの世界の著名人が出て来てお会いして」
それでというのです。
「めまぐるしいわ」
「ははは、それがお伽の国だよ」
「不思議の国なのだよ」
「僕達がいるのは鏡の国だがね」
「そうしたことが起こるのだよ」
「そうなのね、そういえば」
ナターシャも言われて思いました。
「これまでもこうしたことが多かったわ」
「オズの国もお伽の国だしね」
「そうなったね」
「今もね」
皆を見て言います。
「これだけ素敵な人達と一緒だし」
「それでだよ」
「僕達とも会えたんだよ」
「僕達も嬉しいよ」
「オズの国の名誉市民の子達と出会えてね」
「私達のことも知ってるのね」
ナターシャはこのことがわかりました。
「お二人は」
「皆知ってるよ」
「当然だよ」
双子は笑って答えました。
「君達は有名人だからね」
「オズの国では誰もが知っている」
「オズの国は有名人が多いけれど」
「君達もだよ」
「そうなのね」
ナターシャも言われて納得しました。
「私達も有名人なのね」
「そうみたいね」
「僕達意識していないけれど」
「そうなんだね」
「何時の間にか」
恵梨香達四人も言います。
「まさかのまさか」
「本当にね」
「よくオズの国に来ているけれど」
「楽しい国だから」
「それがなのね」
あらためて言うナターシャでした。
「私達は有名人になっていたの」
「名誉市民は多くないから」
それでと言うオズマでした。
「だからね」
「それで、ですか」
「そう、しかも貴方達オズの国のあちこちに行ってるでしょ」
「これまでの冒険で」
「だからよ」
「色々なところに行くとですね」
「色々は人と出会えてね」
そうしてというのです。
「知り合いになれて」
「その人が私達のことを知ってくれて」
「それでよ」
そうなってというのです。
「貴方達はね」
「オズの国では有名人なんですね」
「そうなっているのよ」
「そうですか」
「そして」
それでというのです。
「二つの森でもね」
「不思議の森でも鏡の森でも」
「そうなのよ」
「だからお二人も知ってくれているんですね」
「五人のことをね」
「そうですか」
ナターシャはここまで聞いて頷きました。
「それでは」
「うん、宜しくね」
「これからね」
双子は五人にあらためて言ってきました。
「僕達と友達になってくれるかな」
「よかったら」
「それでは」
笑顔で応える五人でした、そしてです。
お互いに握手もしました、それが終わってから双子はアリスに対して早口で交互に言ってきました。
「しかし元気そうで嬉しいよ」
「アリス嬢も皆も」
「アリス嬢は前に会った時よりも奇麗になって」
「しかもレディーになっているね」
「奇麗になったかどうかは兎も角」
こう返すアリスでした。
「レディーになることはよ」
「目指しているんだね」
「そうなんだね」
「そうよ、礼儀正しく常識と教養を備えた」
そうしたというのです。
「素敵なレディーを目指しているわ」
「いいことだよ」
「努力していくことだよ」
「是非ね」
「これからもね」
「そうしていくわ、ただ」
こうも言ったアリスでした。
「どうもね」
「どうも?」
「どうしたのかな」
「私が大人になることは」
このことはというのです。
「皆想像出来ないかしら」
「いやいや、お伽の国ではそうだよ」
「皆歳を取らないじゃないか」
「ではアリス嬢もだよ」
「永遠に女の子だよ」
こう返す双子でした。
「そしてそれが悪いか」
「お伽の国では違うよ」
「けれど中身は違うね」
「心は」
「心が成長すれば」
「それでいいんだよ」
アリスに交互に早口で言ってきます。
「心がレディーになればいい」
「外見の問題ではないよ」
「だから子供のままでいいんだよ」
「お伽の国では外見については」
「そうね、私だってね」
ドロシーも言います。
「ずっとよ」
「その外見ね」
「けれどよく言われるわ」
「心はレディーね」
「そうね、嬉しいわ」
アリスににこりと笑ってお話します。
「そう言ってもらって」
「そうなのね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「一つ思うことは」
それはといいますと。
「心はレディーでも子供の心はないとね」
「駄目なのね」
「そう思うわ、オズの国の人達は皆そうよ」
「心は成長してもなのね」
「子供の心は持っているわ」
そうだというのです。
「どの人もね」
「これは物凄く大切なものだよ」
魔法使いも微笑んでお話します。
「本当にね」
「全くだね」
「僕もそう思うよ」
かかしと樵も言います。
「子供の心はかけがえのない」
「そうしたものだよ」
「純粋で淀みのない」
「そうしたものもないとね」
「そう、これを童心とも言うよ」
魔法使いはこの言葉も出しました。
「絶対に持っていないとね」
「お伽の国に必要なものだね」
「まさにね」
かかしと樵はまた言いました。
「それがあればね」
「これ以上はないまでに素晴らしいことだね」
「そう、そして」
それでと言うドロシーでした。
「アリスもね」
「子供の心は忘れないことね」
「絶対にね」
何があってもというのです。
「レディーであって」
「子供の心を忘れない」
「そうしてね」
「わかったわ」
ドロシーはそれならと頷きました。
「忘れないわ」
「レディーであって子供の心があるなら」
その両方がというのです。
「もうね」
「これ以上はないまでにいいことね」
「そうよ、だからね」
それでというのです。
「子供の心は持っていてね」
「ずっとね」
笑顔でお話します、そしてです。
双子がここで周りを見回して交互に言いました。
「暗くなってきたな」
「そうだな」
「日が落ちるのは早い」
「まさにすぐだよ」
「そうね」
オズマも周りを見回して頷きました。
「気付けばね」
「あっという間ね」
アリスもしみじみとして言います。
「日が落ちるのは」
「そう、そして夜もだよ」
「あっという間だよ」
双子はそれでとお話します。
「寝ているとね」
「あっという間に朝だよ」
「そうね、一日は長い様で」
それでというのです。
「短いものだよ」
「そうだよ」
「一日は短いものだよ」
「これが実は」
「お伽の国でもだよ」
「それなら」
一日が短いならとです、アリスは思いました。
「大事にしないとね」
「一日一日を」
「そうなるね」
「どうしても」
「貴重なものだからね」
「何もしないで過ごすと」
一日もというのです。
「よくないわね」
「寝てもいいし」
「遊んでも学んでも」
「食べても飲んでも」
「スポーツをしてもいいね」
「そうだけれどただ何もしないのは」
それはというのです。
「よくないわね」
「世の中そんな人もいる」
「残念なことに」
「只の石なら兎も角」
「動けるならそうしないとね」
「そうそう、外の世界では本当に何もしないのにね」
それでもと言うトトです。
「偉そうにしている人いるね」
「何もしないで何が偉いか」
「そんな筈がない」
双子はきっぱりと言いました。
「努力する」
「そうでないとね」
「そうだよ」
臆病ライオンも言います。
「やることをしないとね」
「偉くないよ、本当にずっと何もしないで一日を過ごしてばかりで」
腹ペコタイガーが続きました。
「一日を潰してばかりだとね」
「偉いものか」
「絶対に」
双子はまた言います。
「そんな筈がない」
「何かをしてだよ」
「私も寝ることは好きだけれど」
それでもというアリスです。
「そこで夢を見てもいいわね」
「その通りだよ」
「夢は貴重なものだよ」
「それを見てね」
「夢から感じ取ることもあるしね」
「いいわね、これからも一日を大事にして」
そうしてというのです。
「生きていくわ」
「オズの国でもだよ」
「そうすることだよ」
まさにと返す双子でした。
「これからは」
「いいね」
「そうしていくわ」
双子に約束するアリスでした。
「ずっとね」
「僕達もそうするよ」
「そしてお茶会にも出るよ」
「ハートの王様と女王様が主催する」
「それに出るよ」
「私達もお呼ばれしているの」
アリスは微笑んで答えました。
「だからね」
「ああ、そうなんだ」
「皆それでここに来たんだ」
「そうなの、だからね」
「うん、また会おう」
「お茶会の時にね」
双子は笑顔で応えました。
「そして一緒に飲もう」
「お菓子を食べよう」
「楽しみね。紅茶を飲んで」
そしてと言うアリスです。
「ティ―セットを頂くことはね」
「素敵なことだよ」
「美味しくてね」
「そして楽しくお喋り出来る」
「そんなものだね」
「そうね」
まさにと返すアリスでした。
「その時に学べることも多いし」
「うん、また会おう」
「お茶会でね」
「そうしましょう」
笑顔でお話をして双子とも再会を約束してお別れします、その後一行は晩ご飯をとなりましたがここで、でした。
森の中に温泉があったのでそこの宿屋に入りました、そこはイギリス風のお城でしたが。
そのお城の中で、です。ナターシャは言いました。
「不思議なお城ね」
「そうかしら」
「ええ、温泉があるけれど」
それでもというのです。
「サウナもあってね」
「イギリスにサウナはね」
「あまりないわね」
「そうなのよ」
「お風呂は入っても」
それでもと言うナターシャです。
「サウナはね」
「なかったわね」
「それでも今は入ってきていて」
それでというのです。
「入られるわ」
「そう、イギリスのお城なのに」
「サウナがあってなのね」
「不思議よ」
「そう思ったのね」
「そうなの」
まさにというのです。
「私としては」
「成程ね」
「そして」
それでというのです。
「サウナに入るわ」
「貴女はそうするのね」
「サウナが好きだから」
「貴女はロシア人だから」
「お風呂というとね」
「サウナなのね」
「湯舟よりもね」
こちらのお風呂よりもというのです。
「そちらよ」
「そうなのね」
「それでね」
そうであってというのです。
「貴女もどうかしら」
「サウナいいわね、そして」
「そして?」
「水風呂に入って湯舟にもね」
こちらにもというのです。
「入るわ」
「そうするのね」
「私お風呂好きなの」
ナターシャに笑顔でお話します。
「シャワーもね。毎日入っているわ」
「そうして身体を奇麗にしているのね」
「そうしたら身体も奇麗になって」
そうしてというのです。
「心もね」
「奇麗になるのね」
「だからね」
それでというのです。
「凄くね」
「お風呂好きなのね」
「そうなの」
「じゃあ今から」
「皆で入りましょう」
「そうしましょう、それで終わったら」
お風呂から上がったらというのです。
「そうしたらね」
「晩ご飯ね」
「何でもね」
アリスは笑顔で言いました。
「ビーフシチューが出るそうね」
「ビーフシチュー?」
「そう、そしてね」
アリスはさらにお話しました。
「ローストビーフにボイルドベジタブルにフィッシュアンドチップスにプティングもね」
「どれもイギリス料理ね」
「出るそうよ、デザートは苺のパイで」
「そうなのね」
「美味しいと思うわ」
こうも言うアリスでした。
「オズの国だから」
「イギリスとは違うっていうの」
「イギリスはね」
アリスは少し苦笑いになって言いました。
「やっぱりね」
「お料理はよくないっていうの」
「よく言われるから」
このことはというのです。
「私もそう思ってるわ、けれどね」
「イギリスじゃないから」
「ここはオズの国だから」
それでというのです。
「イギリス料理でもね」
「美味しいのね」
「その筈よ、じゃあね」
「ええ、晩ご飯も楽しみましょう」
「お風呂とね」
笑顔でお話してでした。
そうして皆お風呂も入って晩ご飯も食べました、どのお料理も凄く美味しくて食べられる人達は皆満足しました。