『オズのアリス』
第四幕 森に出発
不思議の森と鏡の森はギリキンにありますがその森に出発する時が来ました。
「では今から行きましょう」
「本当にあっという間だったわね」
アリスはオズマに言われてそのことについて思いました。
「出発の時が来たわね」
「時が経つのは早いものよ」
オズマはアリスに笑顔で答えました。
「それに待っている間も色々やることがあるとね」
「そのことに気が向いてなのよ」
ドロシーも言います。
「そうなってね」
「余計に早く感じるのね」
「そうなるのよ」
まさにというのです。
「これがね」
「そうなのね」
「それで今からね」
「私達もなのね」
「その時が来たから」
「森に向けて出発するのね」
「そうよ」
そうだというのです。
「皆でね」
「いや、凄い顔ぶれだね」
兎も周りを見て言います。
「オズの国の名士がこれだけ揃うなんて」
「ははは、大所帯になったね」
魔法使いが笑って応えました。
「今回は」
「ここまで大勢になることも珍しいかな」
キャプテンも言います。
「旅に出ても」
「今回は使節団でもあるから」
それでと言うトロットです。
「大勢になったのよ」
「お茶会に出るのもね」
それもと言うベッツィです。
「政治なのよね」
「外交だよね」
ハンクが言ってきました。
「それもまた」
「交流も深めるし」
それでと言う臆病ライオンでした。
「そうなるんだよね」
「それで僕達も行くよ」
腹ペコタイガーは笑顔で言いました。
「皆でね」
「もう準備は出来たから」
それでと言うトトです。
「行こうね」
「そして行ったら」
エリカは自分の身体をぺろぺろと舐めて手入れをしつつ言います。
「皆で楽しむのよ」
「まずは森の入り口に行くのよね」
ガラスの猫はこのことを確認しました。
「そうよね」
「ええ、そうよ」
つぎはぎ娘が踊りながら答えます。
「まずはね」
「そしてーーですーーね」
チクタクもいて言います。
「森の中をーー進みーーますーーね」
「そうなるよ」
チクタクにモジャボロが答えます。
「それもまた旅だよ」
「面白い旅になるね」
弟さんはモジャボロに笑顔で言いました。
「今回も」
「さて、どういった旅になるか」
かかしも言います。
「まずは森に行ってからだよ」
「森の場所はわかっているから」
それでと言う樵です。
「まずはそこまで行こうね」
「本当に今回物凄く大勢だけれど」
ジャックはそれでもと言います。
「道もわかっているし迷わないよ」
「若しはぐれましても」
大尉はその時のことをお話しました。
「それぞれの携帯電話に付いているGPSで場所がわかるので安心して下さい」
「森にいる諸君はどうしているかな」
教授は楽しそうに言います。
「森のフィールドワークも出来るね」
「朝ご飯も食べたし」
ビリーナはこのことで満足しちえます。
「今からよ」
「あの、出発することは嬉しいけれど」
それでもと言うアリスでした。
「ちょっと」
「どうしたの?」
「はじめて見る人がいるけれど」
アリスは自分に聞いてきたドロシーに答えました。
「あの人は誰かしら」
「ポリクロームよ」
ドロシーはその人を見て微笑んで答えました。
「私達のことを携帯電話でお話したら参加したいって言ったからね」
「来てくれたのね」
「そうなのよ」
ポリクローム自身も言います、その場でくるくると踊りながら。
「宜しくね」
「凄く奇麗ね」
アリスはポリクロームのお顔と髪の毛それに服を見て思いました。
「この娘も」
「この娘は妖精なの」
ドロシーはアリスに笑顔で答えました。
「天界に住む虹の妖精なのよ」
「虹の?」
「そうなのよ」
「わかったわ、私はアリスよ」
アリスはドロシーの説明に頷いてからポリクロームに挨拶しました。
「宜しくね」
「こちらこそね」
ポリクロームはにこりと笑って応えました。
「お友達になりましょう」
「これからね」
「では列車に乗って」
オズマが言ってきました。
「森の入り口に行きましょう」
「列車で行くのね」
「そう、オズの国のね」
アリスに答えました。
「あのお空を飛んでね」
「進む列車ね」
「その列車に乗ってね」
「森の入り口に行くのね」
「そうよ、今からね」
「列車の旅大好きなの」
アリスはにこりと笑って言いました。
「イギリスにもあるから」
「イギリスは列車を生み出した国だったわね」
「ええ、最初は蒸気機関車で」
「今は電車ね」
「そうなの、けれどオズの国は」
「蒸気機関車もあるわ」
そうだというのです。
「外見はね」
「あの列車のままね」
「今回もね。その列車に乗って」
「お空を進んで」
「それで行くのよ」
「楽しみだわ」
ドロシーは心からこう思いました、そしてです。
皆で都の正門の前に来た列車に乗りました、列車は走りはじめるとすぐにお空に浮かび上がりそのうえを進んでいきますが。
車窓から景色を見てです、アリスは驚きました。
「本当にお空を飛んでいるみたいね」
「そうなのよね」
ナターシャがにこりと笑って応えました、今六人で列車のパーティー用の車両に入って白いテーブルシーツがかけられた円卓を囲んでトランプをしています。
「オズの国の列車は」
「しかも速いからね」
カルロスは笑顔で言いました。
「あっという間に着くよ」
「夜も進めるから」
それでと言うジョージです。
「星空の中も進めるよ」
「しかも目的地まで停まることもないから」
神宝はこのことをお話しました。
「尚更すぐに着くよ」
「それまで楽しみましょう」
恵梨香はトランプを手に言います。
「景色とトランプをね」
「そうさせてもらうわ」
アリスは五人に笑顔で応えました。
「是非ね」
「そうしましょう」
「この旅も楽しいしね」
「列車の旅も」
「そうしてね」
「トランプもね」
「ええ、それでだけれど」
ここでドロシーはナターシャが出したハートのクイーンを見て言いました。
「トランプをやっているとね」
「あの人達思い出すのね」
ナターシャが尋ねました、一緒にババ抜きをしています。
「そうなのね」
「ええ、そうなの」
アリスはハートのクイーンと一緒に出されたダイヤのクイーンも見て言います、見れは二人の女王はそっくりです。
「やっぱりね」
「忘れられないわよね」
「物凄い経験だったから」
女王と会ったことはというのです。
「それでね」
「ずっと覚えていて」
「今も思い出したわ」
「成程ね」
「あの時はどうなるかって思ったけれど」
それでもというのです。
「そこで戻ったのよ」
「元の世界にね」
「オズの国で言う外の世界にね」
そちらにというのです。
「そうだったのよ」
「物凄いお話だったわね」
「夢かと思ったけれど」
「違っていたわね」
「ええ、後でわかったのよ」
夢でなかったことがというのです。
「私の傍にあちらの世界にあったものがあったから」
「それでだね」
「トランプのカードがね」
それがというのです。
「あったからね」
「わかって」
「また行くのね」
「そうね、そして」
それでというのです。
「またね」
「女王と会うわね」
「今度はね」
アリスは自分の前に置いてあるミルクティーを飲んで言いました。
「仲よくしたいわね」
「今度は大丈夫よ」
「ここはオズの国だからね」
「平和な国だから」
「安心していいよ」
「皆いい人達だから」
ナターシャだけでなく五人全員で言います。
「女王様もね」
「勿論王様もだよ」
「死刑執行人の人は今は侍従さんだし」
「物騒なお話もないよ」
「全くね」
「公爵夫人共悶着があったけれど」
それでもと言うアリスでした。
「大丈夫ね」
「ええ、オズの国だから」
「楽しいことばかりでね」
「平和だしね」
「明るいし」
「とてもいい人達になっているわ」
「それは楽しみね。それじゃあね」
さらに言うアリスでした。
「紅茶も飲みながらね」
「楽しむのね」
「ミルクティーをね」
その紅茶をというのです。
「そうするわ」
「今もミルクティーね」
「トランプをする時もね」
「それでお茶会でもよね」
「ミルクティーよ」
そのミルクティーを飲みながら答えます。
「こうして頂くわ」
「そうするのね」
「ええ、是非ね」
こうしたお話をしている間に森の前に着きました、そのうえで列車から出るとその先頭車両は蒸気機関車で。
アリスはここでもです、にこりと笑って言いました。
「電車もいいけれど」
「蒸気機関車が好きなんだね」
「列車で一番好きなのはね」
お隣にいる兎に答えます。
「そうなのよ」
「イギリスで生まれたからだね」
「鉄道はイギリスで生まれて」
「その生まれたのがだね」
「蒸気機関車だったから」
それでというのです。
「その外見も気に入ってるんだね」
「そうなのよ」
まさにというのです。
「だから一番好きなの」
「そうなんだね」
「けれどもうね」
「外の世界ではないね」
「どの国でもね」
「電車になっているね」
「ディーゼルの列車もなくなって」
今はというのです。
「そうなっているわね」
「それどころか」
兎は考えるお顔になってお話しました。
「リニアモーターカーだね」
「そういうのも出て来ているわ」
「実現するんだね」
「そうなろうとしているわ」
「物凄く速いらしいけれど」
「オズの国でも出るのかしら」
「私は乗ったことがないけれど」
兎はそれでもとお話しました。
「あるよ」
「もうあるの」
「オズの国は魔法と科学があるね」
「その両方が」
「そしてね」
そうであってというのだ。
「リニアモーターカーもね」
「実現されているの」
「そうなんだ」
オズの国ではというのです。
「外の国より先にね」
「じゃあ私も乗れるの」
アリスは兎に尋ねました。
「リニアモーターカーに」
「乗れるよ」
そうだというのです。
「乗りたいならね」
「わかったわ」
アリスは兎の言葉に頷きました。
「じゃあ機会があれば」
「あまり興味がない感じだけれど」
「一番好きなのは蒸気機関車だから」
アリスとしてはです。
「それでね」
「そちらはなんだ」
「あまりね」
実際にというのです。
「ないと言えばそうなるわ」
「そうなんだね」
「それで」
そうであってというのです。
「出来ればね」
「また蒸気機関車に乗りたいんだ」
「そちらの列車にね」
兎にお話します。
「そうしたいわ、外の世界ではないし」
「そのこともあってだね」
「そうしたいわ」
「だったらね」
オズマはアリスのそのお話を聞いて言いました。
「是非ね」
「乗っていいのね」
「オズの国はあるから」
その蒸気機関車がです。
「だからね」
「それじゃあそうさせてもらうわね」
「またね」
「ええ、またね」
アリスは蒸気機関車についてはにこりと笑って答えました、そうして森に皆と一緒に入りました、するとです。
早速です、木の上からでした。
「久し振りだな」
「その声が」
「おいらだよ」
見ればチェシャ猫がいます、一行をにたりと笑って見下ろしています。
「まさかオズの国に来るなんてな」
「ええ、兎さんを追ってきたのよ」
アリスはチェシャ猫を見上げて答えました。
「今回もね」
「そこは同じなんだな」
「ええ、それでね」
アリスはさらに言いました。
「貴方はここでも随分楽しそうね」
「いい国だからな」
それでというのです。
「凄くだよ」
「楽しんでいるのね」
「そうだ、不思議の国が丸ごとだよ」
「オズの国に来たの」
「そうさ、それでおいらもここにいてな」
「暮らしているってことね」
「兎の旦那と顔見知りになって」
そうしてというのです。
「それでな」
「それで?」
「オズマ姫達ともな」
「お知り合いになっての」
「そうだよ、そこのお嬢ちゃん達ともな」
エリカとガラスの猫を見て言います。
「そうなってるぜ、素敵なお嬢ちゃん達だよ」
「奇麗でしょ」
「この世で最もね」
そのエリカとガラスの猫が胸を張って言ってきます。
「そうでしょ」
「あんたから見ても」
「実際そう思うぜ、他のお歴々とも知り合えたんだよ」
「ははは、楽しい御仁だよ」
魔法使いが応えました。
「チェシャ猫氏は」
「魔法使いさんいつもそう言ってくれるよな」
「お話してみるとそうだからね」
「嬉しいぜ、それでどうしてここに来たんだい?」
チェシャ猫は魔法使いとのやり取りからアリスにお顔を戻してあらためて彼女に対して尋ねました。
「迷い込んだんじゃないよな、今回は」
「お茶会に行くの」
アリスはすぐに答えました。
「王様と女王様が開くね」
「へえ、そうなのかい」
「あの時は大変なことになったけれど」
「おいらの首を刎ねるとも言ってたな」
「今回は平和らしいわね」
「オズの国だからな」
それ故にと答えるチェシャ猫でした。
「安心しなよ」
「ああしたことはないのね」
「絶対にな」
「それは何よりね」
「一番いいのは何か」
チェシャ猫はにたにたと笑いながら言いました。
「平和だよな」
「平和が一番いいわよね」
「そうだよな」
「私もそう思うわ」
「外の世界には何かあると戦争だって言う奴いるな」
「残念なことにね」
「そうだよな」
チェシャ猫も言います。
「自分は行かないのにな」
「それで戦争をする人を平和好きとか言うわね」
「嘘吐いてるな」
「嘘なのね」
「平和好きな人が物騒なことばかり言ってな」
そうしてというのです。
「まして戦争なんかするか」
「絶対に違うわよね」
「そうだろ、オズの国だとな」
今自分達がいる国ならというのです。
「前のノーム王だよ」
「誰だったかしら」
「ラゲドー氏だよ」
この人だというのです。
「って知らないんだな」
「私オズの国に来たばかりだから」
「ボームさんが紹介してくれたお話も知らないか」
「ドロシーさんが竜巻に乗って来てからのお話は知ってるわ」
そのお話はというのです。
「けれどね」
「その後はか」
「詳しくないの」
「オズマ姫もか」
「こっちに来るまで殆どね」
「そうなんだな、まあ仕方ないな」
チェシャ猫はアリスの返答に納得して頷きました、そのうえで彼女を見下ろしながらさらに言うのでした。
「お話が幾つもあったら最初だけってことはよくあることだ」
「そうなの」
「赤毛のアン嬢だってな」
この人もというのです。
「今はオズの国にいるけれどな」
「あの人そうなの」
「ああ、それであの人もな」
どうかといいますと。
「娘さんのお話まであるんだよ」
「子供の頃だけじゃないの」
「そうだよ、ずっとお話が続いてな」
「赤毛で終わりじゃなくて」
「学校の先生にもなってな」
そうしてというのです。
「結婚して娘さんも出来てな」
「娘さんのお話もあるの」
「そうなんだよ」
これがというのです。
「長いんだよ」
「そうだったのね」
「そんな話は多くてな」
「オズの国もそうなのね」
「そうだよ、嬢ちゃんが行った国は二国でな」
「オズの国のお話は多いのね」
「今だっておいら達がここにいるだろ」
チェシャ猫は笑ってお話しました。
「だからな」
「その分なのね」
「外の世界にお話として伝わってな」
「知られるのね」
「そうだよ、それでここから先に行くとな」
チェシャ猫は話題を変えてきました。
「そうするとな」
「色々あるのね」
「色々な人がいるぜ」
「私が知っている」
「感動の再会になるかどうかは嬢ちゃん次第だ」
そうだというのです。
「嬢ちゃんの態度と言葉でな」
「感動の再会にもなるのね」
「それがまずかったらな」
その時はといいますと。
「揉めるからな」
「気を付けるわ」
「そうしろよ」
「そうするわね」
アリスは真面目な顔で頷きました、そうしてです。
チェシャ猫と別れました、他の皆も一緒で森の先を進んでいきます。すると今度は鼠が出て来てでした。
ドードー鳥も出ました、ナターシャ達五人はドードー鳥を見て驚きました。
「オズの国にいることは知っていて」
「僕達も見たことあるけれど」
「ここで会えるなんてね」
「嬉しいしいね」
「不思議の国そのものよ」
「いや、僕は普通にいるよ」
ドードー鳥は驚き喜ぶ五人を見て言いました。
「ここにね」
「外の世界では違うから」
ナターシャが言いました。
「貴方達もういないから」
「昔はいたのよ」
恵梨香も言います。
「外の世界にはね」
「けれどもういなくて」
それでと言う神宝です。
「残っているものも殆どないんだ」
「そんな状況だから」
カルロスはドードー鳥をまじまじと見つつお話します。
「会えてお話出来て嬉しいよ」
「オズの国は外の世界にいない生きものもいて」
ジョージは本当に嬉しそうです。
「君達もいてくれて嬉しいよ」
「そう、君達は外の世界ではもういないんだ」
教授も言います。
「モーリシャス諸島という場所にいたがね」
「アフリカの方だったよ」
船乗りのキャプテンはよく知っています。
「そこがあったのは」
「私はドードー鳥のことはオズの国で知ったわ」
トロットはそうでした。
「外の世界にはもういないこともね」
「私もよ」
ベッツィも同じでした。
「知らなかったわ」
「いなくなると知ることも難しくなるんだね」
ハンクはこのことを学びました。
「残念だね」
「そうだね」
トトはハンクのその言葉に頷きました。
「そうしたこともあるんだね」
「アメリカでもそうしたお話があるよ」
モジャボロは祖国のことを思い残念そうに言いました。
「リョコウバトだね」
「あの鳥は物凄くいたそうだけれど」
弟さんも残念そうです。
「今は見た、まだいるんじゃっていうお話がある位だよ」
「かつては何十億羽もいたそうだね」
魔法使いもいつもの闊達さを消してお話します。
「それがだからね」
「何十億って凄いわよ」
エリカはその数に驚きました。
「それでもいなくなるの」
「まだいるんじゃっていうお話があるから」
臆病ライオンはそのエリカに言います。
「希望はあるよ」
「そうだね、リョコウバトはオズの国にはいるけれど」
腹ペコタイガーが続きます。
「外の世界でも希望はあるよ」
「ただあんたはどうなのかしらね」
つぎはぎ娘はドードー鳥に言いました。
「オズの国にいてもね」
「あんたは凄く目立つけれど」
ガラスの猫はその姿を見てお話しました。
「外の世界じゃ目立つとよくない場合もあるそうね」
「そうなんだ」
鼠が答えました。
「実はね」
「やっぱりそうなんだ」
ジャックは鼠の言葉に頷きました。
「外の世界だとね」
「そもそも我々の様な人もいないですし」
大尉はジャックに言いました。
「何かと違います」
「外の世界は外の世界だよ」
かかしもこうお話します。
「そこはわかることだよ」
「そうだね」
樵はかかしのその言葉に頷きました。
「色々とね」
「それであんたは飛べなかったわね」
ビリーナはドードー鳥に尋ねました。
「私達鶏と同じで」
「うん、飛べないよ」
ドードー鳥もそうだと答えます。
「君達鶏みたいに跳んだり速く走ることもね」
「飛ばないーー鳥もーーいます」
チクタクは言いました。
「ペンギンもーー駝鳥も」
「そうした鳥と同じで」
それでと言うドードー鳥です。
「僕もなんだ」
「そうよね、けれどね」
ドロシーはドードー鳥のお話を聞いて言いました。
「飛ぼうと思えばね」
「飛べるのかな」
「飛べるわ」
そうだというのです。
「オズの国ではね」
「そうなんだ」
「オズの国はお伽の国よ」
こうお話します。
「だからね」
「それでなんだ」
「貴方もね」
「飛べるんだね」
「そうなのよ」
「まさか」
鼠もこのお話には驚きました。
「ドードー鳥が飛べるなんて」
「オズの国のお空ではお魚が沢山いるわね」
オズマも言ってきました。
「そうよね」
「うん、いるよ」
鼠はまさにと答えました。
「お伽の国だからね」
「お魚が飛べて」
「そしてそこにペンギンもいて」
この鳥もというのです。
「飛んでいるわ」
「そうなんだ」
鼠は目を丸くして言いました。
「それでドードー鳥君も」
「同じよ」
そうだというのです。
「飛ぼうと思えばね」
「飛べるんだ、僕も」
ドードー鳥は驚くを隠せず言いました。
「今ここでも」
「そう、飛べるわ」
オズマはきっぱりと答えました。
「飛ぼうと思えばね」
「じゃあ私もかしら」
ビリーナも言いました。
「飛べるのね」
「そうよ」
オズマはその通りだと答えました。
「貴方もね」
「それじゃあ飛んでみるわね」
「僕もだよ」
ドードー鳥も言います、そしてです。
二羽は羽ばたいてみて走って空に上がってみました、するとです。
「飛べるわ」
「そうだね」
「少しだけれどね」
「飛べるよ」
「そう、オズの国はお伽の国だから」
それでと言うオズマでした。
「飛べない鳥も飛べるのよ」
「凄いことね」
アリスも驚いて言います、そのうえで言うのでした。
「奇跡みたいね」
「奇跡が普通にある国なのよ」
ドロシーが言ってきました。
「オズの国はね」
「魔法と科学があって」
「そうした国だから」
「奇跡は普通にあって」
「それでね」
そうした国であってというのです。
「普通にね」
「ドードー鳥も鶏も飛べるのね」
「そうなんだよ」
「いや、驚いたよ」
ドードー鳥は少し飛んでから着地しました、ビリーナもそうでした。そのうえでアリスに言うのでした。
「僕はずっとだよ」
「オズの国でもなのね」
「飛べないってね」
その様にというのです。
「思っていたよ」
「そうだったの」
「けれど飛べるんだね」
オズの国ではです。
「そのことを知ったよ」
「知らなくてはですね」
ジュリアが言いました。
「出来ないですね」
「実は出来ることでもなんだ」
ボタンはそのジュリアに尋ねました。
「出来ないんだ」
「はい、出来ると知っていないと」
「出来ないんだね」
「知ってこそです」
まさにというのです。
「そこからです」
「出来る様になるんだね」
「何ごとも」
「そうなんだね」
「人は翼がないからそれを使っては飛べないけれど」
オズマは今度はこう言いました。
「飛行機や気球、それに魔法でね」
「飛べるわね」
ドロシーが応えました。
「そうね」
「魔法だと箒に乗ったら」
オズマはドロシーにお話します。
「飛ぶのが常でしょ」
「魔法ならね」
ドロシーはまさにと頷きました。
「そうよね」
「他にも飛び方があるわね」
「魔法だとね」
「科学でもね」
そちらでもというのです。
「色々あるでしょ」
「そうね」
「お空を見て」
そうしてというのです。
「人間は飛べないってね」
「ずっと思っていたわね」
「外の世界ではね、けれどね」
「飛べるって思って」
「どうしたら飛べるか」
「そう考えてよね」
「色々考えて造ってね」
オズマはさらにお話しました。
「その結果よ」
「飛べる様になったわね」
「何でもそうでしょ、知ればね」
「出来る様になるわね」
「そして無理だ不可能だと」
その様にというのです。
「思うとね」
「そこで終わりね」
「けれど出来るって思ったら」
その時はというのです。
「そこで努力して」
「必死に考えてね」
「調べて造ってみてね」
「出来るのね」
「飛べる様にもなって」
そうしてというのです。
「他のこともね」
「同じね」
「そう、出来るし」
「出来ることも知る」
「そうじゃないとね」
さもないと、というのです。
「駄目よ」
「知ることも大事ね」
「知識もね」
「わかったわ」
まさにとです、アリスも頷きました。
「よくね」
「貴女もなのね」
「ええ」
そうだとです、オズマに頷いて答えました。
「ドードー鳥も飛べるし」
「オズの国だとね」
「知ったわ」
「これからは飛ぶよ」
ドードー鳥は目を輝かせて言いました。
「好きな時にね」
「そうするのね」
「そう、知ったからね」
自分が飛べることをというのです。
「是非ね」
「そうしてね」
「それでアリス嬢も元気そうだし」
鼠は笑顔で言いました。
「いいことばかりだよ」
「貴方達もね」
「うん、それで今回この森に来たのはどうしてかな」
「お茶会に行くの」
アリスは鼠に答えました。
「そうするの」
「王様と女王様が開催する」
「そのお茶会にね」
「そうするんだね」
「あの時は大騒ぎになったけれど」
「ここはオズの国だからね」
それでというのです。
「明るく楽しくね」
「お茶会が出来るわね」
「実はね」
「実は?」
「女王様も反省していたな」
アリスを死刑にしようとしたこの人もというのです。
「かっとなって無闇に死刑を言うなんて」
「よくないって」
「そう、反省して」
そうしてというのです。
「そのうえで君にしたこともね」
「反省しているのね」
「小さな女の子にするものじゃないって」
「死刑を言うとか」
「もっと言えば何ごとも寛容に」
その様にというのです。
「あるべきだってね」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのです。
「君が女王様と再会してもね」
「今度は平和ね」
「そう、平和にね」
その様にというのです。
「ことを進められるよ」
「それは何よりね」
「人は反省するから」
だからだというのです。
「そこから成長もするよ」
「女王様もなの」
「そう、女王様もね」
この人もというのです。
「そうしてね」
「成長して」
「今はね」
「私ともなの」
「仲よくね。それに」
鼠はさらにお話します。
「何ごとも穏やかになったよ」
「言うことも政治も」
「全部ね」
そうなったというのです。
「今はね」
「本当に変わったのね」
アリスはここまで聞いて唸って言いました。
「あの人も」
「そうだよ、だからね」
「お茶会に出ても安心出来るのね」
アリスは笑顔で言いました。
「嬉しいわ」
「僕達も行くからね」
「ええ、一緒に楽しみましょう」
「そうしようね」
「お茶は大好きだよ」
ドードー鳥も言います。
「ティーセットもね」
「美味しいわよね」
「うん、それでアリス嬢の好きなお茶は何かな」
「ミルクティーよ」
アリスはにこりと笑って答えました。
「そのお茶よ」
「そのお茶ならね」
ドードー鳥はお話を聞いて言いました。
「女王様もね」
「お好きなんだ」
「そうだよ」
まさにというのです。
「あの人もね」
「同じなのね」
「全部同じじゃないけれど」
それでもというのです。
「同じこともあるね」
「人と人には」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「アリス嬢もミルクティーが好きで」
「女王様もなのね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「これがね」
「あの時大変な目に遭ったけれど」
「女王様も実は決して悪い人じゃないから」
「人?」
「あっ、妖精になるね」
ドードー鳥は言い換えました。
「正しくは」
「そうなるわね」
「うん、身体は人間じゃないからね」
「トランプの女王様で」
「ハートのね」
そうであってというのです。
「だから身体はね」
「元々はトランプのカードで」
「そうであってね」
それでというのです。
「人間じゃなくてね」
「妖精ね」
「けれどその心はね」
それはといううのです。
「人間と同じだから」
「そこは安心していいのね」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「それで君と同じでミルクティーが好きだから」
「楽しめるのね」
「決して悪い人じゃないし」
またこう言うドードー鳥でした。
「あの時はお冠だっただけだよ」
「誰だって怒るとね」
「ああなるからね」
「だからなのね」
「今度はね」
お茶会の時はというのです。
「安心してだよ」
「仲よく出来るのね」
「そうなれるから」
だからだというのです。
「安心してね」
「それじゃあね」
アリスも頷きました、そうしてです。
ドードー鳥と鼠と一時のお別れの挨拶をしてから先に進みました、不思議の森での旅はまだ続きます。