『オズのアリス』
第一幕 迷い込んだ女の子
その時までエメラルドの都の宮殿はとても穏やかでした、オズマもドロシーもお仕事を終えてくつろごうとしていました。
「今からお茶にしましょう」
「いいわね」
ドロシーはオズマの提案に笑顔で応えました、二人は丁度二人の執務室でお仕事を終えたばかりです。
「皆を呼んでね」
「おやつも食べましょう」
「そうしましょう。おやつは何がいいかしら」
ドロシーは笑顔で考えはじめました。
「今日は」
「バウンドケーキはどうかしら」
オズマは少し考えてからこれはと言いました。
「お茶はミルクティーでね」
「イギリス風ね」
「ええ、それでもっとイギリス風にして」
そうしてというのです。
「ティーセットはどうかしら」
「そうね、それじゃあね」
ドロシーはそれならと応えました。
「三段セットにしてね」
「ティーセットをね」
「上段はバウンドケーキで」
オズマが言ったそれでというのです。
「中段はレーズンが入ったクッキーで」
「いいわね」
「それで下段はフルーツサンド」
「生クリームが入った」
「それでどうかしら」
「最高ね」
オズマは満面の笑顔で応えました。
「それならね」
「これからティ―タイムにしましょう」
「丁度いい時間だしね」
「三時でね」
「それで食べ終わったら」
ティーセットをです。
「その後はね」
「遊びましょう」
「スポーツをしてね」
「晩ご飯までね」
そうお話をしてでした。
王宮にいる皆を呼んでティータイムとなりました、そうしてミルクティーとティ―セットを楽しみますが。
ここで、です。一緒に楽しんでいるベッツィが言いました。皆で宮殿のお庭に出てそこで飲んで食べています。
「今ナターシャ達はどうしているかしら」
「外の世界で楽しく過ごしているわ」
トロットが応えました。
「そうしているわ」
「あら、そうなの」
「ええ、外の世界の時間で一週間前にこっちに来てくれてね」
「楽しく遊んで」
「外の世界に帰ったけれどね」
「今は外の世界で楽しく過ごしているね」
「そうよ、ただね」
トロットはベッツィに紅茶を飲みつつ言いました。
「あの子達また来てくれるわ」
「そうしてくれるのね」
「大体外の世界で二週間位ごとに来てくれるから」
「外の世界であと一週間経てばなのね」
「また来てくれるわ」
「それは楽しみね。ただね」
ベッツィはクッキーを食べつつ言いました。
「オズの国の世界の時間の経ち方って違うのよね」
「外の世界とはね」
「オズの国で何ヶ月過ごしても」
「外の世界だと一時間位だったりするわね」
「オズの国はお伽の国だから」
そうであるからだというのです。
「時間の経ち方もね」
「独特なのよね」
「そうなのよね」
「これがね」
まさにというのです。
「この国の特徴の一つよ」
「そうよね」
「幾ら時が経ってもね」
オズの国ではです。
「私達は歳を取らないわ」
「死なないしね」
「そうよ、けれど外の世界では」
「歳も取るわね」
「そうもなるわ」
「それが外の世界ね」
「そうよ、日本はね」
五人が今いるこの国はといいますと。
「四季があるしね」
「時間と共に景色も気温も変わるわね」
「そうなるわよ」
「そう、日本はそうした国だよ」
キャプテンも言ってきました。
「四季があって徐々にだよ」
「時間が経つと変わっていくね」
キャプテンの傍の席にいるハンクが応えました、キャプテンはにこにことしてフルーツサンドを手にしています。
「そうだね」
「そうだよ、それこそ人月単位でね」
「変わっていくね」
「そうした国だよ」
「そうだね」
「そして」
それでというのです。
「その一週間の間にもね」
「変わっていくね」
「だからあの子達もね」
ナターシャ達もというのです。
「徐々にでもね」
「季節が変わっていくんだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「少しでもね」
「そうした国だね」
「何か一週間っていうと」
臆病ライオンは大きなカップ人の頭程もあるそれに入っているミルクティーを飲みながら言ってきました。
「あっという間でね」
「何もない時間だけれど」
腹ペコタイガーは物凄い量のバウンドケーキやクッキーを食べつつ応えました。
「外の世界では経っていくんだね」
「季節がね」
「移ろいでいくね」
「そうだね、それじゃあ」
臆病ライオンは言いました。
「外の世界でも楽しんでいるね」
「ナターシャ達もね」
「そうだよね」
「楽しんでくれているなら」
それならというのです。
「それでいいね」
「あの子達がね」
「誰にも迷惑をかけないで楽しめるなら」
「それでいいよ」
「幸せだね」
「そうね、幸せはね」
ドロシーはにこにことしつつ言いました。
「誰にも迷惑をかけないで楽しめることよ」
「そうね。それでオズの国はね」
オズマはバウンドケーキを一口食べてから応えました、皆で円卓を囲んでそのうえで飲んで食べています。
「それがよ」
「皆が出来るからね」
「いいのよ」
「そうよね」
「そう、幸せは何か」
魔法使いも紅茶を飲んでから言います。
「今のお話通りだよ」
「誰にも迷惑をかけないで楽しめる」
「そうなればね」
それでというのです。
「凄くね」
「幸せね」
「私もそう思うよ」
「そうなのね」
「オズの国に来て」
そうしてというのです。
「それで今こうしていられて」
「幸せね」
「うん、外の世界でも幸せだったけれど」
「今はもっとなのね」
「オズの国を治めていた時よりも」
その時よりもというのです。
「幸せだよ」
「そうだったのね」
「けれどね」
オズマが魔法使いに言ってきました。
「貴方の統治は決して悪くなかったわ」
「今もそう言ってもらってるよ」
「オズの国はずっと平和で穏やかで」
そうであってというのです。
「悪い魔女が二人いてもね」
「大事にはならないで」
「魔女達の悪事を常に防いでいて」
「やっぱりね」
魔法使いはオズマに言いました。
「悪いことはさせないことだよ」
「そうよね」
「人に迷惑が生じない」
「そうなる様に心掛けていたわね」
「いつもね」
そうだったというのです。
「私もね」
「それでオズの国全体のことを見ていてね」
「考えていたからなんだ」
「それでね」
そうであってというのです。
「貴方の統治もね」
「よかったんだね」
「かかしさんの統治もね」
それもというのです。
「よかったわ」
「彼もオズの国のことを考えているから」
「今もね」
「皆のことを」
「それでね」
そうであってというのです。
「よかったわ」
「そうなんだね、けれどどうも私は国家元首にはね」
「向いていないの」
「だから手品を使って色々化けてね」
「姿を隠していて」
「そうして統治していたし」
そうであってというのです。
「あまりね」
「国家元首にはなの」
「向いていないとね」
その様にというのです。
「今は実感しているよ」
「そうなの」
「オズの国の国家元首はオズマだよ」
本人に言うのでした。
「最初からそうあるべきで」
「そうなってなの」
「いいと思うよ、そして統治もね」
「私のものが一番いいの」
「そのオズマを助ける一人でいて」
オズの国でというのです。
「皆によくしてもらってお友達も多くて手品も出来る」
「それで貴方は幸せなのね」
「これ以上はないまでにね」
そうだというのです。
「そう思っているよ」
「そうなのね」
「うん、今が一番ね」
「幸せなのね」
「新しい出会いもあるしね」
オズマに紅茶を飲みながらお話しました。
「私は今最高に幸せだよ」
「オズの国に戻って」
「そうだよ」
「私もよ」
ドロシーも笑顔で言ってきました。
「オズの国をあちこち冒険出来て皆と一緒にいられて」
「そして新しい出会いもあるから」
「だからね」
「幸せなのね」
「最高にね」
「そうだね、ドロシーのお顔は明るいよ」
足元にいるトトが言ってきました。
「オズの国に入ってからはいつもね」
「楽しいことばかりで幸せだから」
「カンサスにいた時はね」
「何かとあったから」
「うん、大変だったよね」
「お家も畑もどうなるかわからない時もあったわ」
「そうだったね」
トトも頷きます、知っていることなので。
「本当にどうなるかね」
「わからない状況で」
それでというのです。
「そうした時にね」
「おじさんもおばさんもオズの国に入って」
「今に至るけれど」
「カンサスにいた時は」
その時はというのです。
「幸せでもね」
「困ったことも多かったわね」
「そうだったから」
それでというのです。
「オズの国に来られて」
「嬉しいわ」
「幸せだね」
「最高ね」
まさにというのです。
「凄くね」
「僕もだよ、ただね」
ここでこうも言ったトトでした。
「何か今匂いがしたよ」
「私は音が聞こえるわ」
エリカはそうでした、トトの横でクッキーを楽しんでいます。
「どうもね」
「君はそうなんだ」
「ええ、それで何の匂いがしたの?」
「兎だよ」
この生きものだというのです。
「兎の匂いがね」
「したのね」
「どういう訳かね」
「私は駆ける音が聞こえるわ」
エリカはそうでした。
「これがね」
「駆ける?」
「そう、かなりね」
そうだというのです。
「これがね、小さな生きものが二本足でね」
「四本じゃなくて」
「二本ね、遅刻だ遅刻だともね」
その様にというのです。
「言ってるわ」
「そうなんだ」
「何かしら」
「私も聞こえるわ」
ガラスの猫も言ってきました。
「何かね」
「小さな生きものが二本足で駆けているわね」
「そう、それでね」
そのうえでというのです。
「遅刻だ遅刻だってね」
「言ってるわね」
「何かね」
そうだというのです。
「これが」
「そうよね」
「何かしら」
ガラスの猫は首を傾げさせて考えました。
「焦っている様でそうでもないわね」
「不思議と落ち着いている感じね」
「駆けながらもね」
「それでこっちに来ているわ」
そうだというのです。
「これがね」
「そうなのね」
つぎはぎ娘はトト達のお話を聞いて言いました。
「お客さんかしら」
「お客さん?」
「このお茶会に呼ばれたね」
「ここにいる人達で全部よ」
ですがオズマが言ってきました。
「呼んだ人達はね」
「そうなの」
「貴女達を含めてね」
自分の席に立ってくるくる踊るつぎはぎ娘に言います。
「そうよ」
「あら、じゃあ違うわね」
「それに小さな生きもの。しかも」
オズマはさらに言いました。
「兎ね」
「そうだよ」
「うん、そうだね」
「兎の匂いがするよ」
トトだけでなく臆病ライオンと腹ペコタイガーも言ってきました。
「僕達も今匂いを感じ取ったよ」
「そうだよ」
「そうだね、兎は」
トトは考えるお顔で言いました。
「宮殿で誰か関係している人がいたかな」
「ええと、僕のお友達でいるけれどね」
モジャボロが言ってきました。
「けれどね」
「それでもだね」
「宮殿やその周りにはね」
「お友達の兎はいないんだ」
「そうだよ」
こうトトにお話します。
「僕はね」
「うん、兄さんはお友達が物凄く多いけれど」
モジャボロの弟さんも言ってきます。
「けれどね」
「都とその周りにいる兎ではね」
「お友達はいないね」
「そうだよ」
モジャボロは弟さんにもお話しました。
「これがね」
「そうだね」
「だからね」
それでというのです。
「誰なのかな」
「どんな兎なのかな」
「気になるね」
「ええと、兎というと」
ドロシーは考えつつ言いました。
「日本の童話では兎と亀に」
「因幡の白兎もあったわね」
オズマも言ってきました。
「そうだったわね」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「兎と亀だとね」
「兎は走っているわね」
「そうだけれど」
「遅刻だ遅刻だって言っているのは」
「違うから」
それでというのです。
「この兎さんじゃないわね」
「そうね」
「どの兎さんかしらね」
二人も気になっているところにです、その兎が来ました。確かに二本足で歩いていて黒いシルクハットを被りタキシードを着てモノクロの眼鏡をかけて海中時計を手にしています。
それで時計で時間を確認していますが。
「あれっ、あの服装は」
「イギリス風ね」
ドロシーもオズマも言いました。
「昔のね」
「十九世紀位のね」
「その時の服だけれど」
「そちらの兎さんかしら」
その兎はそのままお庭を走っていきましたが。
何処かに行ったので皆首を傾げさせました。
「何だったのかしら」
「急に出て来て何処かに行って」
「何処に行くのかしら」
「気になるわね」
「どうもね」
皆でお話します、ですが今度はです。
一人のブロンドの髪の毛の女の子が来ました、長いブロンドの髪の毛で青い目で整ったお顔立ちで青いドレスに白いエプロンとストッキングという服装です。
その娘を見てドロシーは言いました。
「また女の子が来たけれど」
「走ってきたわね」
オズマも言います。
「そうして来たわね」
「そうね」
「見たことのない娘だけれど」
「どういった娘かしら」
「あれっ、ここは何処かしら」
その女の子がここで周りを見回しました、そして立ち止まって言いました。
「一体」
「ここはオズの国よ」
ドロシーが答えました。
「お伽の国よ」
「お伽の国?」
「そう、それでね」
そうであってというのです。
「不思議なことが一杯ある国よ」
「それなら」
女の子はドロシーのお話を聞いて言いました。
「私がこれまで行った国と同じね」
「これまで?」
「そうなの、夢の中でね」
ドロシーに立ったままお話します。
「不思議の国と鏡の国に行ったけれど」
「そうだったの」
「今度はオズの国に来たのね」
「貴女のこれまでのことはわからないけれど」
それでもと応えるドロシーです。
「ここはオズの国よ」
「お伽の国ね」
「そうよ、それで貴女のお名前は」
「あれっ、何か」
ここでベッツィは思いました。
「不思議とか鏡とか」
「何処かで聞いたことがあるわね」
トロットも言います。
「そうね」
「そうよね」
「それにさっきの兎さんもね」
「何処かで聞いたわね」
「そうよね」
「この娘もね」
「何処かで会ったことがあるかしら」
二人で考えるその前で、でした。女の子は名乗りました。女の子がお話したその名前はといいますと。
「アリスっていうの」
「アリスって」
「まさか」
その名前を聞いたベッツィとトロットははっとなりました。
「あの不思議な旅をした」
「鏡の国にも行った」
「あの娘ね」
「イギリス人の」
「ええ、私はその二つの国を巡ってね」
アリス自身も言います。
「イギリス人よ」
「やっぱり」
「あの娘なのね」
「ええと、何処かで聞いたかしら」
ドロシーはこう言いました。
「アリスっていうと」
「あれっ、ドロシー知らないの」
「アリスのことを」
「不思議の国のアリスよ」
「鏡の国のアリスよ」
二人でドロシーに言います。
「物凄く有名よ」
「本も出てるでしょ」
「外の世界なら誰でも知ってるわよ」
「アニメにもなっていて」
「私カンサスにいた頃お家に本は聖書位しかなかったの」
ドロシーは二人に言いました。
「それでね」
「他のお話知らなかったの」
「聖書のお話以外は」
「ええ、それでね」
そうであってというのです。
「色々なお話はオズの国の本を読んで知っていったけれど」
「その二つのお話は知らなかったのね」
「不思議の国のアリスと鏡の国のアリスを」
「そうなの」
ドロシーは二人のお話を聞いて頷きました。
「はじめて知ったわ」
「そうなのね」
「これまで読んだことがなかったのね」
「色々お話を知ってるつもりでも」
オズの国で沢山の本を読んできてです。
「そのお話は知らなかったわ」
「あんた結構色々知ってるのに」
つぎはぎ娘も言ってきました。
「知らなかったのね」
「アリスのことはね」
「あたしも知ってたわよ」
つぎはぎ娘もでした。
「童話の絵本とアニメで観たから」
「そうだったの」
「ええ、まあ誰でも何でも知ってる訳じゃないからね」
それでというのだ。
「そうしたこともあるわね」
「私がアリスを知らないこともなのね」
「そうよ、この娘有名人よ」
つぎはぎ娘は笑って言いました。
「それこそ孫悟空さんや若草四姉妹と同じだけね」
「そこまでなの」
「ハイジともね」
この娘ともというのです。
「同じ位よ、あんたにも負けないわよ」
「そうだったの」
「それでね」
つぎはぎ娘はさらにお話します。
「これからどうするの?」
「この娘となのね」
「これから予定はあるかしら」
オズマがアリスに尋ねました。
「兎さんを追いかけていたけれど」
「また私の前に出たから今度はどの世界に行くのかしらと思って追いかけたけれど」
アリスはオズマに答えました。
「それでもね」
「予定はないのね」
「これといってね」
「そうなの、だったらお茶をどうかしら」
アリスに微笑んで勧めました。
「紅茶だけれど」
「あら、ティータイムね」
アリスは皆がそれを楽しんでいることに気付きました。
「そうなのね」
「ええ、丁度楽しんでいたし」
それでというのです。
「よかったらね」
「私もなのね」
「どうかしら」
微笑んだまま勧めます。
「これからね」
「いいのね」
「遠慮は駄目よ」
こうアリスに答えました。
「オズの国では遠慮はしてはいけないの」
「そうなの」
「だからね」
それでというのです。
「貴女もね」
「そう言ってくれるなら」
アリスはスカートの両端を摘まんでお辞儀をしました、そうしてそのうえで用意された席に座ってです。
皆と一緒にティ―タイムを楽しみはじめました、ここでトトがドrシーの足元から言いました。
「ねえ、今思ったけれど」
「どうしたの?」
「多分ナターシャ達もアリスのことを知ってるね」
「かなり有名な娘みたいだから」
それでと答えるドロシーでした。
「だからね」
「うん、それでね」
「あの子達にも連絡して」
「よかったらね」
ナターシャ達がというのです。
「会いに来るってね」
「オズの国に来て」
「勧めてみたらどうかな」
「いいわね」
ドロシーはトトの提案に笑顔で頷きました。
「それじゃあね」
「うん、連絡しよう」
「今からね」
ドロシーは早速ナターシャにメールを送りました、すると早速ナターシャは自分の携帯電話にそのメールを受け取ってです。
恵梨香達四人にお話しました、そうしてラインでお話しました。
「皆でオズの国に行く?」
「うん、行こう」
カルロスが応えました。
「アリスさんが来てくれるなんて凄いよ」
「アリスさんにお会い出来るなんてそうそうはないよ」
神宝も言います。
「だから行こう」
「それでアリスさんにお会いしよう」
ジョージが続きました。
「そうしよう」
「私もそれがいいと思うわ」
恵梨香も言ってきました。
「折角のお誘いだしね」
「決まりね、じゃあ学園の時計塔の渦から行きましょう」
そうしてとです、ナターシャがお話してでした。
そのうえで五人でオズの国に行くと出て来たのはブリキの樵のお城でした、そこには樵だけでなくかかしとジャック、ファイター大尉がいて一緒にお庭のブリキの席に座ってお喋りを楽しんでいましたが。
そこに出て来てです、かかしと樵が言いました。
「やあ君達また来てくれたんだね」
「そして僕のお城に出てくれたんだ」
「それでどうしたのかな」
「今回は何があったのかな」
「はい、実は」
ナターシャがお話します、すると二人はすぐに自分達の携帯電話を確認してそのうえで言いました。
「僕達にも来てるよ」
「ドロシーから連絡がね」
「アリス嫦がオズの国に来たんだ」
「あの娘が」
「今度はあの人が来てくれたんですね」
ナターシャは微笑んで言いました。
「それでお邪魔したんですが」
「都には出ないでここに出たんだね」
ジャックが応えました。
「そうなんだね」
「はい、そうなんです」
ナターシャはそうだと答えました。
「これが」
「成程ね」
「はい、そして」
そうであってというのです。
「これから都に向かいたいですが」
「それなら丁度いい具合にだよ」
大尉が答えてくれました。
「今お城に列車が来るよ」
「都行きのですか」
「お城の前にね」
「そうなんですね」
「僕達にもお誘いが来てるし」
大尉も自分の携帯電話を見ています、かかしと樵とジャックもです。
「だからね」
「それで、ですね」
「うん、今からね」
早速というのです。
「都行きの列車に乗ってね」
「都に行って」
「アリス嬢とお会いしよう」
「それじゃあ」
五人は笑顔で応えました、そうしてです。
皆でお城の前に行くとその瞬間に列車が来ました、黄色い先鋭的なデザインの列車でそれに乗ってです。
都に向かいます、皆で席に座ってお話しますが三つの四人用の席にそれぞれ座っていますがここで、でした。
ナターシャ達五人はそれぞれです、こんなことを言いました。
「オズの国は色々な物語の人達がおられて」
「歴史上の人達もですが」
「アリスさんもですね」
「今回来てくれたんですね」
「今度はあの人ですね」
「そうなったね、けれどあの娘も不思議なことに縁があるからね」
かかしは五人にそれでとお話します。
「オズの国に来るのは当然と言えばね」
「当然ですか」
「そうなるんですね」
「言われてみればそうですね」
「むしろ今まで来られなかったのが不思議ですね」
「アリスさんは」
「そうだね、けれど来てくれて」
それでと言うかかしです。
「僕も嬉しいよ」
「素敵なレディーだそうだね」
樵は微笑んで言いました。
「だからお会いするのが楽しみだよ」
「レディーですか」
「まだ女の子ですけれど」
「むしろ僕達より年下だったんじゃないですか?」
「まだ十歳になっていなかったんじゃ」
「そうした娘ですが」
「どんな子でもちゃんとしていると紳士でね」
そうであってというのです。
「レディーなんだよ」
「じゃあ私達もですから」
「ちゃんとしていると紳士なんですね」
「それでレディーなんですね」
「そうなるんですね」
「皆そうなんですね」
「そう、年齢や立場に関係なくね」
まさにというのです。
「その振る舞いでだよ」
「レディーになって紳士になる」
「そうですか」
「じゃあ逆に言えばですね」
「幾つになってもちゃんとしていないと」
「紳士でもレディーでもないですか」
「そうだよ、だから僕もね」
樵もというのです。
「ちゃんとする様にしているよ」
「これは身だしなみだけじゃなくてね」
かかしは再び言いました。
「振る舞いや生き方もだよ」
「そうだね、生き方もだね」
ジャックはかかしのその言葉に頷きました。
「紳士やレディーになる要素だね」
「幾ら着飾っても生き方が駄目なら」
大尉も言います。
「確かに駄目ですね」
「そうだよね」
「はい、品性があるかどうですね」
大尉はジャックにも言いました。
「紳士やレディーになるには」
「振る舞いとね」
「そう考えますとです」
大尉は明るい微笑みになってお話しました。
「オズマ姫は素晴らしいレディーですね」
「これ以上はないまでのね」
「左様ですね」
「そう思いますね」
「僕もね」
ジャックもというのです。
「そう思うよ」
「最高のレディーですね」
「お姫様であってね」
最高のというのです。
「そうだよね」
「全くですね」
そんなお話をしているうちに都に着きました、そして都に入って宮殿に着きますと皆は確かにでした。
アリスを見ました、それで五人は言いました。
「間違いないわ」
「お話に出ている通りの服だね」
「まさにアリス嬢よ」
「金髪でね」
「それもストレートのロングヘアで」
「どうもね」
ドロシーは席に着いてティ―セットを頂いている五人にお話しました。
「この娘のスタイルは決まっているみたいね」
「はい、そうです」
「アリス嬢といえば金髪です」
「それでストレートのロングヘアです」
「服は水色のドレスと白いカチューシャです」
「ストッキングも白です」
「そうなのね、どういう訳かね」
ドロシーは首を傾げさせて言いました。
「私はこの娘をよく知らないのよ」
「あの、本当にです」
ナターシャが言いました。
「アリス嬢は有名です」
「それもかなりよね」
「世界の誰もが知っている」
そこまでのというのです。
「ドロシーさんに負けない位です」
「有名な人なの」
「そこまでの人です」
「私は別に」
アリス本人が言いました、ミルクティーを誰よりも美味しそうに飲んでいます。
「有名とは」
「思っていないの」
「はい」
ナターシャに答えます。
「特に」
「そうなの」
「二つの国に行きましたが」
不思議の国に鏡の国にというのです。
「ですが」
「有名とは思っていないの」
「はい、ただ行っただけで」
二つの国にというのです。
「たまたま。ですが」
「それでもなの」
「気付いたらです」
「有名になっていて」
「凄くです」
それこそというのです。
「驚いています」
「そうなのね」
「はい」
こうお話するのでした。
「私としては」
「というか何でドロシーがアリス嬢を知らなかったのかな」
モジャボロはそのことが不思議でした。
「カンサスにいた時は仕方なくても」
「お家に本は聖書しかなかったからよね」
「学校も行っていないね」
「読み書きはおじさんとおばさんに教えてもらっていたの」
そうだったというのです。
「それで学問はね」
「オズの国に来てからだね」
「図書館で本を読んであちこち巡って」
そうしてというのです。
「知っていったの」
「そうだったんだね」
「けれど本ではね」
「アリス嬢のお話は読んでいないんだね」
「漫画でもアニメでもね」
オズの国にというのです。
「知らなかったわ、ただ見ればアリスのファッションは」
「見たことがあったね」
「ええ」
そうだったというのです。
「思えばね」
「そう、本当に有名だから」
モジャボロはそれでと言います。
「アリス嬢はね」
「アリスを知らなくてもなのね」
「彼女にまつわることはね」
「触れているのね」
「そうだよ、そこまでの有名人だからね」
アリスはというのです。
「ドロシーもだよ」
「触れていてなの」
「名前は知らなくても」
「そのファッションは見ているのね」
「あの兎もね」
彼もというのです。
「何処かで見たことはね」
「あるのね」
「そうじゃないかな」
「言われてみれば」
ドロシーも応えました。
「見たことがあるわ」
「そうだね」
「あのファッションの兎をね」
「二本足で駆けていて遅刻だ遅刻だって言うね」
「シルクハットを被った」
「そうだね」
「今知ったから」
それでと言うキャプテンでした。
「いいね」
「知らなくてもなのね」
「誰でも最初は知らないね」
「どんなことでも」
「それで知っていくから」
だからだというのです。
「ドロシーも今知ったからね」
「アリスのことを」
「それでいいんだよ、後はアリス嬢本人から聞くか」
「本やアニメで知るのね」
「そうすればいいよ」
アリスのことをというのです。
「そうすればね」
「いいのね」
「そう、そして」
そのうえでというのです。
「これからも知らないことをね」
「知ればいいわね」
「そうだよ、知らないなら知る」
「それだけだね」
「まして相手が知らないことを知っている様に聞くことは」
そうした行いはといいますと。
「よくないよ」
「意地悪よね」
「そうだよ、教えることが必要で」
相手が知らないことをというのです。
「知らないことをわかっていてね」
「知っているかと聞いて知らなくて」
「それを言うことはね」
「意地悪でね」
「やってはいけないよ」
そうした行いだというのです。
「本当にね」
「そうよね、自分の中では常識でも」
「相手の人にそうとは限らないよ」
「その通りね」
「だからそうしたことはしない」
「絶対にね」
「意地悪をする紳士やレディーはいないよ」
モジャボロはこうも言いました。
「決してね」
「私もしないわ」
アリスも言ってきました。
「意地悪なんて」
「そんなことしたら駄目でしょ」
エリカが応えました。
「そんなことは」
「そうよね」
「オズの国だとね」
この国ではというのです。
「前のノーム王やウグがよ」
「その人達が意地悪だったのね」
「そうだったのよ」
これがというのです。
「酷かったわ」
「あと女巨人もね」
こう言ったのはガラスの猫です。
「酷かったのよね」
「そうだったよ」
かかしが応えました。
「彼女もね」
「オズの国にもそうした人達がいたわ」
「それで関わると大変だったよ」
「相手から仕掛けることもあったしね」
「騒動にもなったわね」
「オズマがいなくなったりね」
「あの時は大騒ぎだったわ」
ドロシーはオズマがいなくなったその時を思い出して言います。
「本当にね」
「ウグさんがそうしてきてね」
トロットが応えます。
「とんでもなかったわ」
「あの時のあの人は本当に意地悪だったから」
ベッツィも言います。
「大変だったわ」
「本当にね」
「けれどね」
それでもというのです。
「今はああした意地悪な人もいなくなって」
「オズの国はよくなったわね」
「そのことからもね」
「さらによくなったわ」
「その通りだね、それで本物の紳士やレディーは意地悪をしないよ」
モジャボロの弟さんも言います。
「決してね」
「そう、それでだよ」
モジャボロは弟さんに応えました。
「アリス嬢はレディーだよ」
「立派なレディーだね」
「そうなっているよ」
年齢に関係なくです、そうしたお話をしてでした。
一行はまずはアリスと一緒にお茶を楽しみました、紅茶もバウンドケーキもクッキーもフルーツサンドもとても美味しかったです。