『オズの魔法の谷』
第十二幕 最後の来客
ピクニックの次の日の朝にオズマ達が空飛ぶ列車に乗って谷まで来ました、まずはオズマが列車から降り立ってです。
かかしと樵、臆病ワイオンに腹ペコタイガーそれにジャックも一緒です。見れば魔法使いも一緒でした。
「あら、貴方もなの」
「うん、来られる様になってね」
魔法使いはドロシーに笑顔で答えました。
「それで急私もだよ」
「今回のメンバーに参加したのね」
「不思議の谷への国賓団にね」
「そうなのね」
「いや、嬉しいわ」
ハイジはオズマ達を出迎えてにこりとして言いました。
「これだけの人達が一度に来てくれるなんて」
「全くだね」
横にいるペーターも言います。
「こんないいことはないよ」
「そうよね」
「この方々の宿泊先も用意してあるから」
クララはこちらのお話をしました。
「だからね」
「ええ、まずはそこに入らせてもらうわ」
オズマはにこりと笑って応えました。
「是非ね」
「そうしてくれますか」
「今からね」
「さて、それからだね」
かかしは楽しそうに言いました。
「皆で楽しむのは」
「宿泊先はペンションだったね」
樵はそちらのお話をしました。
「ドロシー達が泊まっているペンションの隣の」
「まずはそこに入って荷物を置いて」
そうしてと言う臆病ライオンです。
「皆で楽しもう」
「さあ、何を食べようか」
腹ペコタイガーは舌なめずりしてもう食べることのお話をします。
「やっぱりチーズフォンデュかな」
「まあまずは皆でペンションに入ろう」
ジャックはその腹ペコタイガーに言いました。
「そうしようね」
「そうよ、それからよ」
オズマも言います。
「物事には順番があるから」
「まずはペンションに入るのね」
「そうさせてもらうわ」
ハイジにも答えます、そうしてオズマ達は彼女達が泊まるペンションに行って荷物を置いてそれからもう一度皆と合流しまして。
そうして楽しく遊びはじめました、まずはスキーをしましたが。
「いや、凄くね」
「楽しいね」
かかしと樵はスキーをして笑顔でお話します。
「やっぱりね」
「スキーはいいスポーツだね」
「ずっと滑っていたいよ」
「全くだね」
「二人共休む必要がないから」
ベッツィ画素の二人を見て言います。
「それぞれの身体がそうだから」
「ええ、それでなのよね」
トロットも言います。
「違うのよね」
「うん、僕も滑るけれど」
ジャックも言ってきました。
「休む必要がないとね」
「ずっと滑っていられて」
「その分上達するわね」
「そうだよ、食べる時間もね」
多くの人がそうする時間もというのです。
「その時もね」
「普通によね」
「そう、普通にね」
まさにというのです。
「スキーが出来るから」
「上達するわね」
「夜だって滑られるし」
皆が寝る時もというのです。
「それが出来るから」
「皆上達が凄いね」
トトも言いました。
「ずっと滑っていられると」
「そうした身体って便利だってね」
ハンクは心から言いました。
「つくづく思うよ」
「それぞれの身体があるから」
ドロシーは今はスノーボードをして遊んでいます、そのうえで言います。
「その特徴を活かせばいいのよ」
「それぞれのだね」
「そうなのよ」
自分と同じくスノーボードをしているオジョに言います。
「そうすればね」
「いいんだね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「私達もね」
「自分達の身体を活かして」
「そうしてね」
「スキーを楽しめばいいね」
「そうよ、自分の身体を悪く思うことは」
そう思うことはというのです。
「ないのよ。それぞれの身体があるから」
「そのことを受け入れることだね」
「そうすることよ」
こう言うのでした。
「大切なことはね」
「そういうことだね」
「そして」
それでというのです。
「まずは楽しみましょう」
「そのことだね」
まさにとです、ノーム王も応えました。この人もスキーをしています。
「上手かどうかより」
「楽しむことよ」
「そのことが大事だね」
「そう、楽しんで」
「熱心にやっていく」
「そうすればいいのよ、滑って上がって」
そうしてというのです。
「遊ぶわよ」
「そうしようね」
こうしたお話をしてでした。
皆でスキーそれにスノーボードを楽しみました、そしてお昼ご飯は今回はチーズをたっぷりと使ったマカロニグラタンでしたが。
腹ペコタイガーはそのグラタンを食べてそうして言いました。
「物凄く美味しいね」
「そうだね」
臆病ライオンは彼の言葉に頷いて一緒に食べるのでした。
「凄くね」
「そうだよね」
「どんどん食べて」
そうしてというのです。
「満腹になって」
「楽しい思いをしよう」
「そうしようね」
「そして」
それでというのです。
「飲みものも楽しもうね」
「牛乳やジュースもね」
「そうしたものもね」
こうお話してさらに食べます、ですがここでお爺さんは言いました。
「マカロニはパスタだけれどね」
「オズの国では普通に食べられるのよね」
ハイジも言います。
「パスタも」
「そうだね」
「私パスタも大好きよ」
「わしもだよ」
「本当に美味しいです」
カルロスもそのパスタを食べて言います。
「このマカロニグラタンは」
「マカロニとチーズってよく合うんですよね」
ナターシャもグラタンを食べています、そのうえでの言葉です。
「パスタ自体が」
「この谷はチーズが名産なので」
それでと言う神宝です。
「パスタは丁度いいですね」
「中のソーセージや玉葱も美味しいです」
ジョージはそうしたものも食べて言います。
「本当にいいマカロニグラタンですね」
「お昼に丁度いいですね」
恵梨香はにこりとして言いました。
「このグラタンは」
「だからどんどん食べてね」
ハイジは五人にも言いました。
「私も食べるし」
「皆でよね」
「そうよ、皆でね」
オズマにも応えます。
「食べましょう、そして午後はね」
「何をするのかしら」
「今日の午後は橇に乗って谷のあちこちを巡って」
そうしてというのです。
「楽しみましゅう」
「橇ね」
「犬が曳くね」
「犬橇ね」
「馬の橇もあるけれど」
それでもというのです。
「今回はね」
「犬橇ね」
「犬に何匹も来てもらって」
そうしてというのです。
「そのうえでね」
「轢いてもらうのね」
「そう、そうして」
そのうえでというのです。
「楽しみましょう」
「それじゃあね」
こうお話してでした。
皆午後は犬橇で遊びます、犬達は誰も何も言わなくてもそれぞれ快適かつ速く橇を曳いてくれます。それでです。
キャプテンは笑顔でこんなことを言いました。
「もう何もね」
「言うことはないね」
ボームさんが応えました、二人はそれぞれ別の橇に乗っています。皆何台かの橇にそれぞれ分かれて乗っています。
「犬達は賢く動いてくれるから」
「私達が何も言わなくても」
「だからいいね」
「快適な橇遊びだよ」
「何でも言っていいよ」
犬のうちの一匹が言ってきました。
「そうしたらね」
「その通りに動いてくれるんだ」
「そうだよ」
こう答えるのでした。
「僕達はね」
「そうなんだね、けれどね」
魔法使いが応えました。
「皆凄くいい動きをしてくれるから」
「だからなんだ」
「何も言うことはないよ」
そうだというのです。
「だからね」
「このままだね」
「曳いていっていいね」
「そうしてね」
こう言うのでした。
「私達は君達に任せるよ」
「任せてくれるんだ」
「そうだよ」
犬ににこりと笑って答えます。
「私達はね」
「それではね」
こうお話しつつ橇遊びをしていきます、何台もの橇達が右に左に山を進んでいきます。そうしてでした。
ふとです、カルロスは橇を進みつつ遠くに見えた山を見て言いました。
「今も奇麗ですね」
「山がなのね」
「はい」
一緒に乗っているオズマに答えました。
「この谷の山は」
「上の方は真っ白で下は奇麗な青で」
「それがです」
その白と青がというのです。
「凄くです」
「奇麗で」
「それで、です」
そうであってというのです。
「嬉しいです」
「そうね、この谷にいるとね」
オズマはにこりと笑って答えました。
「山と森がね」
「凄く奇麗で」
「見ていて惚れ惚れするわ」
「そうですよね」
「凄くね」
オズマもうっとりとしています、そしてです。
ふとです、オズマはこんなことも言いました。
「何かね」
「何か?」
「橇に乗っていると」
その橇に曳かれつつ言うのでした。
「サンタさんを思い出すわね」
「サンタクロースさんですね」
「そうなるわ」
「そういえば」
カルロスもサンタさんと言われて応えました。
「サンタさんも橇に乗りますね」
「そうだね」
「サンタさんといえば橇だよ」
「トナカイの乗る橇に乗って」
「そうしてお空を飛ぶわ」
五人全員でお話します。
「お空に乗って世界中を飛び回って」
「皆にプレゼントしてくれるわ」
「それがサンタさんだから」
「サンタさんイコール橇だね」
「大抵の国だとね」
「オズの国でもそうよ、ただビーチだとね」
オズマはそちらのサンタさんのお話をします。
「水着でサーフィンをしてね」
「サングラスかけてですね」
「海から来ますね」
「お空からでなくて」
「橇に乗らないで」
「そうして来てくれますね」
「ビーチではそうよ」
そちらではというのです。
「それもまた楽しいわ」
「はい、外の世界でもです」
カルロスはオズマに応えました。
「オーストラリアだと」
「サンタさんはサーフィンをするわね」
「そうして来てくれます」
「そうした国もあるわね」
「外の国では。あとサンタさんの服の色も」
そちらもというのです。
「赤とはです」
「限らないわね」
「国によっては」
「そうなの、オズの国でもね」
「サンタさんはそれぞれですか」
「それぞれの地域で違うの、けれどサンタさんというと」
そうなると、というのです。
「オズの国でも大抵はね」
「トナカイが曳く橇に乗って」
「そうしてね」
そのうえでというのです。
「来てくれるわ」
「やっぱりそうですね」
「色々なサンタさんがいるけれど」
それでもというのです。
「まずはね」
「何といっても」
「トナカイの橇のサンタさんね」
「お空を飛ぶ」
「沢山いるサンタさんのリーダーよ」
そうだというのです。
「本当にね」
「まさかね」
ここでこう言ったのは橇を曳く席にいるペーターでした。
「サンタさんが大勢いるなんて」
「思わなかったわね」
「はい、一人だと思っていました」
サンタさんはというのです。
「本当に」
「そうだったわね、けれどね」
「けれど?」
「考えてみたら一晩で世界中の子供達にプレゼントを配るのよ」
そうするというのです。
「そう考えるとね」
「一人じゃ無理ですね」
「だから世界中にサンタさんが飛んで」
そうしてというのです。
「団体で」
「そうしてですね」
「子供達にプレゼントを配っているのよ」
「オズの国でもですね」
「そうよ、外の世界でもそうで」
「オズの国でもですね」
「そうなっているのよ」
サンタさんが沢山いてというのです。
「一晩でね」
「皆で、ですね」
「そうしているのよ、さて今年はどのサンタさんが来てくれるか」
「そのことも楽しみですね」
「そうしたらいいのよ」
笑顔でお話します、そしてです。
橇は進んでいきます、何時間かそうして進んでいって夜になると皆で谷で一番大きな温泉に入ったのですが。
お風呂上りに休んでいる炉夕方で夕陽が見えます、そうするとでした。
「奇麗だね」
「そうだね」
「奇麗な夕焼けね」
「この谷は夕陽も奇麗ね」
「本当に」
カルロス達五人はうっとりとして温泉の中で言います、ですがここで。
ふとです、ハイジは眉を曇らせてこんなことを言いました。
「混浴ってあるわね」
「そんなの恥ずかしいよ」
オジョが応えました。
「女の子と一緒に入るなんて」
「そうよね、けれど何でも昔の日本だと」
「混浴があったんだ」
「それも普通だったそうよ」
「凄いね」
「そう、そして」
そうであってというのです。
「それを禁止することもね」
「あったんだ」
「そうらしいな」
「そんな国もあるんだね」
「私も男の子と一緒に入るなら」
お風呂にというのです。
「水着が必要よ」
「水着を着てね」
「そうじゃないとね」
さもないと、というのです。
「とてもね」
「お互い一緒に入られないね」
「そうよね」
「暖かいお風呂でもね」
「川や湖で泳ぐ時みたいにね」
「そうするね」
「今はないわよ」
ドロシーは二人に笑ってお話しました。
「日本でもね」
「混浴じゃないのね」
「ええ、それは昔のことで」
そうであってというのだ。
「今はね」
「ちゃんと別れているのね」
「そうよ」
そうなっているというのです。
「だからね」
「水着を着る必要はないわね」
「そうなっているわ」
お風呂上がりのすっきりとしたお顔でお話します。
「ちゃんとね」
「最初そのお話を聞いて驚いたけれど」
「それは昔から。昔と今はね」
「また違うわね」
「外の世界でもね」
「オズの国もそうだし」
「そこは同じだから」
外の世界でもというのです。
「本当にね」
「そうなのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「偏見は駄目よ」
「日本はそうだって」
「その頃の日本はそうだったということで」
「その頃の日本ね」
「それぞれの国や地域で文化があるわね」
ドロシーはハイジにこうも言いました。
「それでよ」
「その頃の日本は混浴が普通だった」
「そうだったということよ、それぞれの国や地域に文化があって」
そうしてというのです。
「それをまともに学ばないで駄目だと決め付けたらよくないの。ハイジだってチーズを食べることにどうかと言われたくないでしょ」
「そんなの絶対に嫌よ」
ハイジはすぐに答えました。
「チーズ大好きなのに」
「それと同じよ、食べるものだってそうだし」
「お風呂のこともなのね」
「そうよ、だからね」
それでというのです。
「そうだったということで」
「受け入れたらいいのね」
「今は違うということもね」
このこともというのです。
「そうしていきましょう」
「わかったわ」
ハイジはにこりと笑って頷きました、そうしたお話をしてでした。
晩ご飯となりました、今晩はお外で皆でチーズやバターをたっぷりと使ったハンバーグやサラダを食べています。
そこで、です。オズマは夜空を見て言いました。
「今夜はお月様がはっきり見えるわね」
「大きくね」
「それも奇麗にね」
かかしと樵が応えます。
「見えるね」
「いい月だね」
「ええ、黄色く優しく光っていて」
オズマは微笑んでこうも言いました。
「いいわね」
「ずっと見ていたいね」
ジャックも見ています、食べる必要のない人達は着席して食べて飲んで楽しんでいる皆の笑顔を心の栄養にしています。
「今夜の月は」
「月の光は全てを癒してくれるんだよ」
魔法使いはにこりと笑ってお話しました。
「それも優しくね」
「そうだね」
臆病ライオンはその光を浴びて頷きました。
「お日様の光とはまた違うんだよね」
「お日様の光もいいけれど」
腹ペコタイガーはいつも通りとても沢山食べつつ言います。
「お月様の光もいいね」
「そうだね、癒されるよ」
まさにと言うハンクでした。
「魔法使いさんの言う通りね」
「特に今夜のお月様はいいね」
トトもドロシーの傍でお月様を見ています、そのうえでの言葉です。
「大きくて奇麗でね」
「ずっと見ていたいね」
キャプテンも言います。
「今夜の月は」
「どうかな。食べた後は皆で詩を作ったら」
ボームさんは皆に提案しました。
「そうしたら」
「いいわね」
ドロシーはボームさんのその提案に笑顔で頷きました。
「寝る前までね」
「そうしましょう、詩を作ることってとても素敵なことよ」
クララは目を輝かせて言いました。
「だからね」
「ううん、僕詩は柄じゃないって思ってるけれど」
それでもと言うペーターです。
「悪くないね」
「うん、皆で作ろう」
ハイジは明るく言いました。
「そうしましょう」
「いいね、皆で作って楽しもう」
お爺さんも言いました。
「食べた後は」
「そうしましょう」
ハイジはお爺さんに笑顔で応えました、そしてです。
晩ご飯の後実際に皆でお月様を見つつ詩を作りはじめました、ですが。
ふとです、トロットはお月様を見つつ言いました。
「あら、お月様の前に」
「ええ、何か来たわ」
ベッツィも言います。
「黒い点が」
「あれは何かしら」
「?あれは」
キャンディマンはその黒いものを見て言いました。
「橇に乗ってる人かな」
「そうだね」
「少しずつ見えてきたけれど」
ドットとトットも見て言います。
「そうみたいだね」
「どうも」
「というと」
蝋人形の女王は言いました。
「まさか」
「サンタさんかしら」
「そうだね」
フラウ王女とバド王子は思いました。
「少しずつ近付いてきているけれど」
「そう見えてきたわ」
「こっちに来ているわね」
イックスの女王ははっきりとそう認識しました。
「橇は」
「トナカイが曳いているし」
ハラはこのことをはっきりと認識しました。
「サンタさんだね」
「間違いないよ」
チックは確信しました。
「サンタさんだよ」
「そういえばサンタさんのお話をしたね」
ドウ一世はこのことを思い出しました。
「それは縁だったのかな」
「いや、まさか」
ハイジは今サンタさんをはっきりと見て言いました。
「サンタさんが来るなんて」
「思わなかった?」
「全くよ」
ボタンに答えました。
「誰か来るかしらって思ったけれど」
「勘でね」
「そうしたらね」
「サンタさんが来るなんてね」
「流石にね」
それこそというのです。
「思わなかったわ」
「僕もだよ」
「わしもだよ」
ノーム王は唸って言いました。
「まさかサンタさんが来てくれるなんてね」
「本当にね」
「ましてや今はクリスマスじゃないし」
「それなのに」
サンタさんを乗せたトナカイが曳く橇はお空を飛んで次第に近付いてきます、そして皆の前に降り立ってきました。
「皆元気そうだね」
「あの、どうしてこちらに来られたんですか?」
カルロスは橇から降り立って挨拶をするサンタさんに尋ねました。
「不思議の谷に」
「サンタさんってクリスマスですよね」
ナターシャもサンタさんに尋ねました。
「今日はクリスマスじゃないですが」
「それで皆の前に出てくれたのはどうしてですか?」
恵梨香も尋ねます。
「今回は」
「いきなり出てきてくれて驚いています」
ジョージは心から言いました。
「本当に」
「けれど本当にどうしてか」
神宝も言います。
「クリスマスでないのに」
「今日は国賓として来たんだよ」
サンタさんは五人に笑顔で答えました。
「それでだよ」
「あっ、確かに」
ハイジはここで今回来てくれる国賓のリストを見て言いました。
「もう一人ね。オズマ姫やギリキンの北の国々の人達と」
「それがわしだったんだよ」
サンタさんは笑顔で応えました。
「実は」
「そうだったのね」
「そう、そして」
それでというのです。
「これからいいかな」
「ええ、どうぞ」
ハイジはサンタさんにも明るい笑顔で応えました。
「楽しんでね」
「この谷をね」
「おもてなしさせてもらうわ」
「いや、まさか」
それこそと言うカルロスでした。
「サンタさんが来られるなんて」
「思わなかったんだね」
「はい」
サンタさんに答えました。
「本当に」
「そうなんだね」
「はい、ですがこれから」
「皆と一緒にだよ」
それこそというのです。
「楽しませてもらうよ」
「そうしてくれるんですね」
「皆詩を書こうとしているのかな」
「はい」
カルロスはそうだと答えました。
「これから」
「いいね、わしも詩は好きで」
「作られるんですか」
「そうだよ、クリスマスの曲も多いね」
「はい、とても」
カルロスはそうだと答えました。
「沢山の曲があります」
「その中にはわしを歌ってくれた曲も多いしね」
「だからですか」
「音楽が好きで」
そうであってというのです。
「詩もだよ」
「お好きなんですね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「わしはね」
「じゃあこれからなのね」
ドロシーが応えました。
「サンタさんも詩を作るのね」
「そうさせてもらうよ」
是非というのでした。
「楽しくね」
「それじゃあね」
「私の勘が当たって」
それでと言うハイジです。
「しかも来てくれたのがサンタさんなんて」
「流石に驚くよね」
「全くよ」
ペーターにそうだと答えました。
「本当にね」
「そうだよね」
「けれど思えば」
「考えるとだね」
「サンタさんのお話もしたし」
「来てくれるっていうものはあったね」
「縁ね、それがね」
それがというのです。
「あったわ」
「そうだよね」
「それでね」
ハイジはさらに言いました。
「今からね」
「楽しくだね」
「サンタさんと詩を作りましょう」
「そうしようね」
「ところでサンタさん今の服赤いね」
ボタンはこのことを言いました。
「そうだね」
「ははは、色々なサンタがいてだよ」
サンタさんはボタンに答えました。
「わしはそのリーダーなんだよ」
「サンタさんのリーダーだね」
「そのわしはだよ」
「その恰好なんだ」
「そうなんだよ」
こうボタンにお話します。
「これがね」
「そうなんだね」
「そう、そして」
サンタさんはさらにお話します。
「わしはいつもだよ」
「赤いサンタさんの服なんだね」
「それを着ているよ」
そうだというのです。
「この通りね」
「そうなんだね」
「青い服や緑の服のサンタもいて」
「赤い服のサンタさんもだね」
「いてね、若い人もいて」
そしてというのです。
「女の子のサンタもいるよ」
「最近はそうね」
オズマが応えました。
「サンタさんも変わったわ」
「そうだね」
「そして」
そうであってというのです。
「確かに若い女の子のサンタさんもいるわ」
「今はね」
「変わったんだよ」
サンタさんはオズマに答えました。
「そこもね」
「そうですよね」
「本当に変わりました」
ここでサンタさんの服を着た子供達が橇から出てきました、そうしてそのうえでこう言うのでした。
「僕達も」
「子供のサンタさんもいますし」
「そういう君達は確か」
お爺さんは二人の子供達を見て言いました。
「サンタさんの弟子である」
「はい、リルです」
「ヌックです」
二人で答えました。
「サンタクロースのお仕事もしています」
「クリスマスは」
「そうだったね、君達も一緒なんだ」
「サンタさんのお付きで」
「お邪魔しました」
「そうなんだね」
お爺さんは二人の言葉に頷きました。
「わかったよ」
「いや、この子達も来るなんて」
ペーターは笑顔で言いました。
「賑やかだね」
「そうね、凄くね」
クララも笑顔で頷きます。
「そうなったわね」
「そうだね、これは楽しみだね」
「これからが」
「まずは詩を書こうね」
かかしが二人に言います。
「僕もはじめているしね」
「僕もだよ、詩を作ることもいいことだよ」
樵の手にはペンと紙があります。
「中々書けなくてもね」
「考える間もいいね」
「そうだよね」
「詩がすらすら出る人は凄いわ」
トロットは心から思いました。
「それだけでね」
「全くだわ」
ベッツィもそうでした。
「中々出ない時ってあるわね」
「どうしてもね」
「それでもすぐに出る人ってね」
「どんな時もね」
「凄いわよ」
「中々そうはならないわよ」
二人でお話します、そしてです。
そうしたお話をしてでした、二人は詩を作りましたがその出来には二人共微妙なお顔になって言うのでした。
「どうかしらね」
「出来はどうもね」
「よくないわね」
「自信ないわ」
「自信なんていいんだよ」
その二人にボームさんが言います。
「作って楽しむことに意義があるんだよ」
「詩はそうなの」
「出来じゃないの」
「そうだよ、出来はね」
それはというのです。
「本当にだよ」
「楽しんで作る」
「そのことに意義があるのね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「だからそうしたことは考えないで」
「それでよね」
「作ればいいのね」
「私も作るからね」
ボームさんは言って実際に書きました。そのうえで言うのでした。
「もう一作ね、そして詩は量でもないんだよ」
「作ることを楽しむ」
サンタさんは一作書いてから言いました。
「そのことがだね」
「意義があるんだよ」
「そうだね、じゃあね」
それならというのでした。
「また一作書こう」
「そうするね」
「楽しんでね」
そうしてというのです。
「書いていくよ」
「こうしたことも楽しいわね」
ハイジも詩を考えながら言います。
「私いつもお外で遊んでいるけれど」
「詩を作ることもいいでしょ」
「そうね」
ドロシーに応えます。
「楽しいわ」
「そうでしょ、だからね」
「どんどん書いてね」
「そうしていくわ」
「楽しんでね、英語の詩にね」
それにというのです。
「漢詩に和歌もね」
「作るの」
「そうしてみるわ」
「漢詩も書けるの」
「ええ、和歌もね」
こちらもというのです。
「作られるわ」
「和歌は日本の詩よね」
「そうよ、ハイジも知っているわね」
「知っているけれど」
それでもというのです。
「作ったことはないわ」
「そうなの、自然をよく詠うから」
「あら、自然を詠うなら」
ハイジはドロシーの今の言葉を聞いて言いました。
「丁度いいわね」
「貴女にはね」
「私いつも自然と親しんでね」
「大好きでしょ」
「ええ、そうよ」
その通りだというのです。
「心からね」
「だったらね」
それならというのです。
「どんどん詠ってね」
「そうさせてもらうわ」
「ええ、じゃあね」
ハイジはドロシーの様に筆と短冊を持って言いました。
「これからね」
「和歌も作るわね」
「そうするわ」
「ははは、わしもそうしよう」
サンタさんも言いました。
「和歌を作ろう」
「サンタさんもですか」
「和歌を詠われるんですか」
「サンタさんって北欧ですけれど」
「元々は」
「それでもですか」
「わしは世界中を巡っているからね」
カルロス達五人に笑顔でお話します。
「オズの国でもそうだしね」
「だからですか」
『色々な詩を詠えて」
「和歌もですか」
「そちらも作られるんですね」
「そうなんですね」
「そうだよ、漢詩も作られるから」
こちらもというのです。
「後で作るよ」
「和歌を作ったら」
「その後はですか」
「漢詩ですか」
「そちらも作られるんですね」
「じゃあ私達も」
「皆で作ろう、月を詠って」
その月を見て言うのでした。
「この谷もね」
「はい、詠いましょう」
「是非」
「僕達もそうします」
「そうして楽しみます」
「そうさせてもらいます」
五人も作ります、そしてクララもですが。
「和歌もいいわね」
「漢詩もね」
ハイジはそちらも作っています。
「いいわね」
「そうね、谷を詠ってもね」
「いいわね、それじゃあ」
「ええ、今からね」
クララも筆を手に言います。
「漢詩も作るわ」
「これからはね」
ハイジはさらに言います。
「詩もね」
「作っていくのね」
「そうしていくわ、芸術も」
こちらもというのです。
「楽しんでいくわ」
「そうしたらいいわ」
ドロシーが応えました。
「何でもね」
「楽しむことね」
「それがオズの国でしょ」
「そうね、じゃあこれからはね」
「身体を動かして飲んで食べるだけじゃなくて」
「芸術もね」
そちらもというのです。
「是非ね」
「楽しんでいくわ」
「皆でね、それとね」
「それと?」
「また来てね」
ハイジは皆に言いました。
「今回の訪問が終わっても」
「ええ、何度も来るわ」
ドロシーは笑顔で応えました。
「この谷にね」
「そうしてくれるわね」
「そう、そして」
そのうえでというのです。
「また楽しみましょう」
「皆でね」
笑顔でお話してでした。
そのうえで皆で色々な詩を作っていきます、それもまたとても楽しいものでした。
オズの不思議な谷 完
2025・11・11