『オズのドロシー』




                第九幕  オリンポス

 ドロシー達一行はオリンポスのプールサイドでワインや果物を楽しみながらくつろいでいました、そこにです。
 長いストレートの黒髪を腰まで伸ばしたやや面長で凛とした顔立ちで背の高いすらりとしたスタイルの若い女性が着ました、脚もとても長くて白と青の競泳水着が似合っています。
「ようこそ、オリンポスに」
「お久し振りです」
 ドロシーは席を立ってその人と握手をして挨拶をしました。
「お邪魔しています」
「待っていたわ、この子達がなのね」
 ここで恵梨香達五人を見て言いました。
「オズの国の名誉市民の」
「はい、その子達です」
「はじめまして、アテナよ」  
 自分から名乗りました。
「知恵と学問、戦いの女神よ」
「貴女がですか」
「アテナ神ですか」
「漫画にもなっている」
「その方ですね」
「お話は聞いています」
「漫画?日本のものね」
 アテナ神はすぐに応えました。
「聖闘士が出て来る」
「はい、その漫画です」
「僕達も読んでいます」
「アテナ神は聖闘士の主でいて」
「とても立派な女神様です」
「それで僕達も言いました」
「あの漫画の私とオズの国の私は違うわ」
 アテナ神は微笑んで言いました。
「日々学問とトレーニングに勤しんでいるから」
「全く、真面目過ぎて困る」
 ゼウス神は苦笑いで言ってきました。
「お洒落をしても真面目だからな」
「貴方が不真面目過ぎるのです」
 アテナ神はこうゼウス神に返しました。
「道楽ばかりで」
「道楽こそがいいのではないか」
「ですが過ぎます」
「そうであるか」
「はい、とても」
「アテナ神の言う通りですよ」
 今度は長い銀髪をポニーテールにした若い女性が出てきました、お顔は小さくやや童顔です。この方も背が高くすらりとしています。着ているのは銀色と青の競泳水着です。
「貴方は道楽が過ぎます」
「お主もそう言うか」
「何度でも言います」
 こう返すのでした。
「いつもですか」
「困ったな」
「この方がアルテミス神よ」
 ドロシーは恵梨香達にお話しました。
「知っているわね」
「月の女神様ですね」
「狩猟と」
「あとお産もですね」
「そうしたことを司る女神様で」
「スポーツ大好きでしたね」
「大好きよ」
 アルテミス神も恵梨香達に気さくに答えました。
「だから今はね」
「泳いでおられましたね」
「プールで」
「アテナ神と一緒に」
「そうされていましたね」
「拝見させてもらっていました」
「それは何よりね。それでゼウス神にはね」
 アルテミス神も言うのでした。
「私もよく言うわ」
「言われても聞かぬがな」 
 ゼウス神はサングラスをかけて何処からか出したトロピカルジュースをストローで飲みながら言いました。
「わしはわしだ」
「こんな神様だからよ」
 ヘラ神が困ったお顔で言いました。
「私も困っているわ」
「いやいや、そこまで言うことはないかと」
 短い癖のある金髪で若々しいお顔の長身で引き締まった体格の黄色いトランクスタイプの水着を着た整った外見の方が来て言いました。
「ゼウス神もお考えがあってのこと」
「そう言う兄さんもね」
 アルテミス神はその方に憮然として言いました。
「結構以上によ」
「道楽者かい?」
「そうよ」
 こう言うのでした。
「もう少し真面目であってくれたら」
「ははは、アルテミスが真面目過ぎるんだよ」
「そうかしら」
「いや、真面目でないと」
 大柄で逞しい体格と岩の様なお顔立ちで赤いお肌に赤髪の方が出ました。この人は水着ではなくつなぎの赤い作業服を着ていて安全靴を履いています。
「やはりよくないよ」
「全くです」 
 アテナがその神様の言葉に頷きました。
「兄上の仰る通りです」
「そう言ってくれるかい」
「心から」
「アルテミス神のお兄さんってことは」 
 恵梨香はわかりました。
「アポロン神ね」
「こちらの方はヘパイストス神ね」
 ナターシャはアテナ神が兄と言った肩を見ています。
「そうなるかしら」
「作業服に安全靴ってことは」
 ジョージは服装から言いました。
「何か肉体労働をされていたのかな」
「ヘパイストス神って鍛冶と火の神様だから」
 それでと言う神宝です。
「やっぱり何かされていたのかな」
「そうじゃないかな」
 カルロスは新法の言葉に頷きました。
「汗かいておられるし」
「ははは、その通りだよ」 
 ヘパイストス神も笑って答えました、お口の周りを覆っている硬くて多い赤髭がとても豪快な感じです。
「ずっと工房で何かと造っていたんだ」
「それがヘパイストス神の楽しみだからね」
 それでと言うアポロンでした。
「いつも楽しんでいるね」
「うむ、そうしている」
「そうだね」
「全く。無骨なんだから」
 ここで物凄く奇麗な方が出てきました。波打つ豊かな金髪に艶やかな黒い目に泣き黒子に形のいい顎と高いお鼻に豊かな胸とくびれた腰を持っていてピンクのビキニが似合っています。
「趣味を満喫してね」
「ははは、プールも嫌いじゃないが」
「貴方は造るのが好きね」
「そうなのだよ」
「この方はまさか」
 恵梨香は今出て来た方を見て言いました、水着の方はどなたも身体も髪の毛も濡れていてヘパイストス神だけが汗まみれです。
「フロディーテ神ですか」
「そうよ」
 オズマが答えました。
「この方がね」
「やっぱりそうですね」
「美と愛の女神よ」
 アフロディーテ神自身が微笑んで名乗りました。
「わかるのね」
「はい、とても奇麗な方なので」
「そう言ってくれるのね」
「はい、本当に」
「あのーーです」
 ここでチクタクが言ってきました。
「オリンポスのーー神々はーー十二柱ーーですね」
「あと一柱はね」
 木挽の馬が言ってきました。
「ヘスティア神だったね」
「最近注目されてるよね」
 ジャックが続きました。
「竈の女神様で」
「日本で人気らしいわね」
 ガラスの猫はこう言いました。
「何でも」
「ライトノベルやアニメやゲームで話題で」 
 大尉はこちらでと言いました。
「人気が出ましたね」
「実際いい神様だよ」
 かかしはこう言いました。
「面倒見がよくてね」
「そうそう、気さくでね」
 それでと言う樵でした。
「ユーモアもあって」
「けれど今は姿が見えないね」
 臆病ライオンは周りを見回してヘスティア髪を探しましたがいません。
「オリンポスの神々が揃っているのね」
「まさか外出中とか?」
 腹ペコタイガーはまさかと考えました。
「ひょっとして」
「有り得るね」
 トトは腹ペコタイガーの言葉に頷きました。
「ギリシャの神様って旅行も好きだし」
「実際ヘルメス神なんか大の旅行好きでね」
 ハンクはこちらの神様を見て言います。
「インスタグラムでしょっちゅう書いてるし」
「画像も載せてるわね」
 エリカもヘルメス神を見て言いました。
「何を食べたとか何処に行ったとか」
「それでヘスティア神もかな」
 モジャボロもこう考えました。
「今は旅行中かな」
「あれっ、皆さん揃っていなかった?」
 けれど弟さんがお兄さんにこのことを言いました。
「確か」
「そんな話だったかな」
 教授は弟さんの言葉にこう返しました。
「そうだったかな」
「じゃあここにおられるんじゃない?」
 つぎはぎ娘はいつも通り踊りつつ言いました。
「じゃあ待ってればいいのよ」
「いや、探しましょう」
 ビリーナはそうしようと提案しました。
「ここはね」
「ヘスティア神は竈の女神様なので」
 ジュリアはこのことから考えました。
「キッチンにおられるのでは」
「うん、あの方はお料理が大好きだったね」
 それでと言う魔法使いでした。
「ギリシャの女神様はそれぞれお料理を作るのがお好きだけれど」
「ヘスティア神は特に有名だね」 
 キャプテンは魔法使いの言葉に応えました。
「それならだね」
「キッチンにおられるなら」 
 グリンダはそれならと考えました。
「今はお料理中かしら」
「それはいいけれどボタンは何処かしら」
 ベッツィは彼がいないことに気付きました。
「まさかここで」
「根て何処かに行ったのかしら」
 トロットも彼がいないことを確認して考えました。
「そうかしら」
「あの、いいかな」
 ここで、でした。
 小柄で童顔で膝まである蜂蜜色の髪をツインテールにした茶色の目の胸がとても大きい黒いメイド服と白いエプロン姿の十五歳位の外見の方がボタンと一緒にプールサイドにやってきました。
「ボタン君がいきなりキッチンに来たけれど」
「寝てる時に来たみたいなんだ」
 そのボタンが寝惚け眼で言ってきました。
「プールサイドの席に座ってうとうとしてね」
「全く、君は不思議だよ」 
 その方はボタンに笑って言いました。
「いつも急に出て来るんだからな」
「この方がですね」
 恵梨香はその肩を見てドロシーに尋ねました。
「オリンポス十二神の」
「そう、ヘスティア神よ」
「そうですね」
「竈の女神だよ」
 ヘスティア神は紹介を受けて言いました。
「宜しくね」
「はい、お願いします」
「竈の女神だからお料理が好きでね」 
 そうであってというのです。
「よく作っているんだ」
「そうですか」
「それで今ゼウス神が飲んでいるトロピカルジュースもね」
「貴女が作られたんですね」
「そうだよ」
「実は女神それぞれで作るお料理の得意分野があるのよ」
 ヘラ神が恵梨香に言ってきました。
「これがね」
「さっきそうしたお話をされていましたね」
「そう、私は家庭料理でね」
「私はお野菜や果物を使ったお料理なの」
 デメテル神はこう言いました。
「どちらかというとね」
「私はコースなの」
 アフロディーテ神はこちらでした。
「奇麗な感じのね」
「私はアウトドアなの」
 アルテミス神は微笑んで言いました。
「お肉とかを使った」
「私は手の込んだお料理で」 
 アテナ神はそうでした。
「いつも時間をかけてじっくり作ってるわ」
「それで僕は色々何でも作るんだ」
 ヘスティア神はにこりと笑って言いました。
「穀物系が一番得意でね」
「穀物ですか」
「ジャガイモだってよく使うよ」
 この作物もというのです。
「それでなんだ」
「よく作られていますか」
「そうなんだ、それでゼウス神のトロピカルジュースを作って」
 そうしてというのです。
「今度はクッキーをって思ったら」
「ボタンがですね」
「来たんだ」 
 こうドロシーにお話します。
「本当にいつも急に出て来るね」
「この子はそうですね」
 ドロシーもそうだと答えます。
「本当に」
「いつも驚かされるよ」
「その驚きがいいんじゃないか」
 ゼウス神は今度はマスカットを食べて言いました。
「面白くて」
「君はお料理している時にキッチンで子供がいきなり出ていたら驚かないのかい?」
「面白いと思うだけだな」 
 ゼウス神はヘスティア神のむっとした声に笑って返しました。
「わしは」
「全く君という神様は」
「面白いことが一番だ」
「そう言うんだね」
「可愛い子奇麗な子と」
「それで今もだね」
「こうして傍にいてもらっているのだよ」
 恵梨香やドロシー達を見て言います。
「そしてボタンー=ブライトも」
「一緒にだね」
「いてくれたら嬉しいぞ」
「じゃあ元の席に戻るね」
 ボタンは今は空いている自分の席を見て言いました。
「そうするね」
「そうしてくれると嬉しいな」
「それじゃあね」
「何かです」
 恵梨香はゼウス神とお話をしたヘスティア髪を見て思いました。
「小説や漫画に出て来る」
「ヘスティア神のままなのね」
「はい、そっくりです」
 こうドロシーに言います。
「イメージのままです」
「僕はオズの国ではこの姿なんだ」  
 ヘスティア神ご自身の言葉です。
「気に入っているよ」
「そうですか」
「古代ギリシャでは崇めてもらっても」
 それでもというのです。
「今一つ出番がなかったんだよ」
「そうだったんですか」
「他の神様と比べてね」
「貴女は真面目で大人しいから」
 デメテル神が言ってきました。
「どうしてもね」
「お話が少ないね」
「神話の中でね」
「そうだね、けれど今はね」
「日本で物語が出来ているわね」
「うん、嬉しいよ」
 デメテル神ににこりと笑って答えました。
「僕もね」
「私もね。けれどね」
「けれど?」
「貴女は小柄な娘が好きな人達に人気があって」
「君は妙齢の美人さんが好きな人に人気だね」
「胸が大きいね」
「そうだね」
 デメテル神のその言葉に頷きました。
「それでインスタグラムに画像出しても」
「そうした人に人気よ」
「僕とそこが違うね」
「確かにね」
「わしはダンディなおじさんとして人気だぞ」
 ゼウス神は笑って言いました。
「明るくて気さくなな」
「お騒がせ神様としてですよ」
 ヘルメス神が少し苦笑いて言ってきました。
「どちらかというと」
「ははは、遊んでだな」
「そうです、羽目を外して」
「よくやるな」
「この前マンチキンで飲み比べしましたね」
「孫悟空殿とな」
「日本の妖怪諸君と盆踊りを踊られて」
 そうもしてというのです。
「法被姿で太鼓も叩かれて」
「そちらも楽しかったぞ」
「そうしたことばかりで」
 それでというのです。
「ほんとうにです」
「わしはお騒がせ神様ですか」
「ダンディなおじさん神というよりは」
「ですからいつも言っているのです」
 アテナ神は真面目に言いました。
「もっとです」
「真面目にか」
「されて下さい」
「アテネ神の言う通りよ」
 ヘラ神も言ってきます。
「何かとやらかして話題になっているから」
「話題作りもいいことじゃないか」
「変なお話でないとね」
 そうでないと、というのです。
「いいのに」
「だからそういうのが面白いのに」
 アポロン神は笑って言いました。
「オズの国の人達を楽しませるんだし」
「兄さんも同じだから困るのよ」
 アルテミス神はアポロン神にぷりぷりとしています、両手を腰に当ててそのうえでむっとしたお顔になっています。
「遊び好きでお騒がせ神様で」
「皆喜んでくれているよ」
「話題になってよね」
「だからよくないかな」
「よくないわ」
 すぐに返すのでした。
「全くね」
「そうなんだね」
「そうよ、困ったことよ」
「まあそこは神それぞれということで」
 それでと言うヘパイストス神でした。
「ここは皆で楽しもう」
「それがいいね」
 ディオニュソス神はワインを飲みつつ頷きました。
「お客さん達も来てくれてるし」
「だからだよ」
「おもてなしをしよう」
「ふんだんに」
「そうしよう」
 是非にというのでした。
「ここは」
「そうだね」
 まさにと頷きました。
「早速ね」
「皆でおもてなしをしよう」
「そう、その為にね」
 ヘスティア神も言ってきました。
「僕もクッキーを作っていたんだ」
「そうだったんですね」
「そうだよ」 
 恵梨香に答えました。
「これまでね」
「そうだったんですね」
「美味しいよ」
 ヘスティア神はにこりと笑ってこうも言いました。
「チョコレートも果物もね」
「使ったんですね」
「そうしたクッキーでね」
 それでというのです。
「凄くね」
「美味しいんですね」
「自信作だよ」
 そうだというのだ。
「僕のね」
「そうなんですね」
「だから食べてね」 
 恵梨香に笑顔で言います。
「是非ね。あと僕も泳ぐよ」
「ヘスティア神もですか」
「お料理が終わったらね」
 そうなると、というのです。
「そうさせてもらうよ」
「そうされますか」
「是非ね」
 こう言って一旦戻ってでした、すぐに沢山のクッキーを持って来て戻ってきました。そのクッキーが来るとです。 
 ゼウス神は仕えている従者の人達にホットコーヒーを持って来てもらってです、クッキーと一緒に楽しみながら従者の人達に言いました。
「そなた達も楽しむのだ」
「そうしていいのですね」
「もっと言えば仕事を離れるとな」
 その時はというのです。
「存分にだ」
「楽しんでいいですか」
「皆で楽しめばわしだけで楽しむよりずっといい」
 だからだというのです。
「そなた達もな」
「お仕事が終わればですね」
「楽しむのだ」
「それでは」
 従者の人のお一人が応えてです。
 従者の人達十二神のそれぞれに仕えている人達も楽しみます、そうして水着になってプールでも泳ぎますが。
 神様も一緒です、一緒に泳いだり水球をして遊んでいますが。
 その中にヘスティア神もいます、ヘスティア神は白いビキニ姿でプールの中で泳ぎながら恵梨香達に言いました。
「君達は泳がないのかい?」
「泳ぎましょう」 
 ドロシーは水色のワンピースの水着を着ています、ところどころに可愛いフリルがあります。
「水着に着替えてね」
「はい、ですが今は」
「お菓子を頂いていますから」
「そちらを食べ終わってからです」
「水着に着替えまして」
「ご一緒させてもらいます」
 五人で答えます、見ればです。
 ゼウス神もプールの中にいます、そこで奇麗な水着姿のニンフ達に囲まれて一緒に遊びつつ言いました。
「いや、最高だな」
「またそんなことをして」
 ちょっと離れたプールの中でヘラ神がむっとして言います。
「貴方という神は」
「だから浮気はしておらんぞ」
「可愛い娘達に囲まれて」
「これ位はいいだろう」
「オズの国で浮気はないけれど」
 それでもというのです。
「本当に好きね」
「大好きだ、そなた達も来るのだ」
 美少年の従者さん達にも声をかけます。
「共に楽しむのだ」
「楽しみ過ぎよ」
「君は過ぎるんだよ」
 ヘスティア神もゼウス神に言います。
「可愛い子奇麗な子をね」
「好き過ぎるか」
「そうだよ、僕だって嫌いじゃないけれど」
 それでもというのです。
「一人にしないのかい?」
「わしにそんな考えはない」
 ゼウスは笑って言いました。
「常にな」
「うん、君にはないね」
「一人ではなく大勢だ」
「いつもね」
「逆にゼウス神が可愛い子達に周りにいてもらっていなかったら」
 どうかとです、ディオニュソス神はプールサイドの席でワインを飲みつつ言いました、今のワインは白ワインです。
「違うかな」
「うん、違うね」 
 ヘスティア神もプールの中から頷きます。
「ゼウス神じゃない気がするよ」
「そうだよね」
「同じオリンポスの神としてね」
「ポセイドン神もハーデス神もそうしたところがあるし」
「そうじゃないとおかしくなったかってね」
「逆に思うよ」
「そうだね」
 こんなお話をします、そしてです。
 ヘスティア神は水着に着替えた恵梨香達五人が準備体操を終えるとそのままプールの中から誘いをかけました。
「入ってきなよ」
「はい、そうさせてもらいます」
 ピンクのワンピースの水着の恵梨香が応えました。
「これから」
「お菓子もいただきましたし」
 ナターシャは黒の下が半ズボンタイプのビキニです。
「泳がせてもらいます」
「準備体操はしましたし」
 カルロスは黄色い水着です、男の子の水着は三人共膝近くまでぴっしりとしています。
「今からプールに入ります」
「僕達と一緒に遊んでくれます?」
 神宝はヘスティア神に尋ねました。
「これから」
「泳いで遊んで」
 それでと言うジョージでした。
「仲よくしてくれますか」
「勿論だよ」 
 ヘスティア神は五人ににこりと笑って応えました。
「一緒に遊ぼうね」
「お願いします」
 五人で応えてでした。
 プールに入ってヘスティア神と共に遊びます、そこにデメテル神も来て五人にこうしたことを言いました。
「私達は古い付き合いでね」
「オリンポスで、ですね」
「ずっとご一緒でしたね」
「そして今もですね」
「オズの国で」
「一緒に暮らしておられますね」
「そうなの。この娘はね」
 ヘスティア神はというのです。
「ずっと今一つ目立たなかったけれど」
「神殿はありましたね」
 ドロシーが言ってきました。
「ヴェスタの神殿が」
「ええ、それはあったけれど」
 それでもとです、デメテル神は言いました。
「私達の中ではね」
「物語はですね」
「これといってなくて」
 そうであってというのです。
「あまりね」
「目立たなかったですね」
「そうだったのよ」
「うん、誰かとどうなったかとか何をしたかとか」
 ヘスティア神ご自身も言います。
「なかったよ」
「そうだったわね」
「最近日本で注目されているけれど」
「あの国ね」
「噂には聞くけれど」
 それでもというのです。
「色々不思議な国だね」
「そんなに不思議ですか?」
 日本人の恵梨香は首を傾げさせて応えました。
「日本って」
「かなり不思議だよ」
 ヘスティアは一緒に遊びつつ答えました。
「日本の神々や日本からオズの国に来た人達とも遊んでるけれどね」
「そうしてもですか」
「お侍にお公家さん、お坊さんに神主さんに力士さんって」
「色々な人がいるのよね」  
 デメテル神も言います。
「忍者もね」
「着物だってね」
「とても不思議だな」
「そんな服だね」
「ははは、着物も最高だ」
 ゼウス神がここでまた言ってきました。
「着流しも紋付き袴もな」
「着物着られるんですか」
 恵梨香はゼウス神のその発言に驚いて尋ねました。
「そうなんですか」
「だからわしはお洒落でね」
「それで、ですか」
「日本の服も好きでな」
 そうであってというのです。
「着ているぞ」
「そうですか」
「紋付羽織り袴を着てな」
 そうもしてというのです。
「お洒落をするぞ」
「そうですか」
「だからゼウス神はお洒落大好きなんだよ」
 ヘスティア神がまだ驚いている恵梨香にお話します。
「それで日本の着物もだよ」
「着られますか」
「そうなんだ」
「ギリシャの神様が」
「僕だって着るよ」
 ヘスティアは笑って答えました。
「日本の着物をね」
「浴衣いいわね」
「うん、あと十二単だね」
「あちらもいいわね」
「雅な感じがするよ」
「日本の服を着られるなんて」 
 ギリシャの神々がとです、恵梨香は驚くばかりでした。
「凄いですね」
「あら、さっきお話に出てたでしょ」  
 ドロシーが何でもないといった口調で言ってきました。
「ゼウス神が盆踊りに出られて」
「太鼓を叩かれたんですね」
「そうしたこともね」
「普通ですか」
「オズの国ではね」
「色々な方が色々なものに触れる」
「そうして楽しむものよ」
 そうだというのです。
「オズの国はね」
「不思議ですが」
「その不思議がね」
 まさにというのです。
「普通にあるのよ」
「お伽の国だからですね」
「そうよ」
 その通りだというのです。
「本当にね」
「そうですか」
「そしてね」
 さらにお話をするドロシーでした。
「このオリンポスで盆踊りもね」
「することがありますか」
「中華料理を楽しんだりロックを演奏したりね」
「色々ですね」
「あらゆることをね」
「楽しむんですね」
「サンバもするしアオザイも着たり」
「この前北欧の神々とビュッフェを楽しんだよ」
 ヘスティア神はにこりと笑って言いました。
「バイキングとも言うあれをね」
「そうだったんですね」
「あちらの服を着てね」
「貴女随分とロキ神と言い合っていたわね」
「何かね」 
 ヘスティア神は微妙なお顔になって答えました。
「あいつとは妙にね」
「相性がいいのか悪いのか」
「言い合うことになるよ」
「そうなのね」
「悪友かな」
「それぞれの神話は違っても」
「妙に縁があって」 
 そうしてというのです。
「付き合いのあるね」
「それで何かあると合うわね」
「しかもあいつ変身が得意で」
 そうであってというのです。
「女の子にもなれるしね」
「その時も言い合うわね」
「そうなんだよね」 
 これがというのです。
「どうもね」
「そうよね」
「そういえば」 
 恵梨香は二柱の女神のお話を聞いて思い出したことがありました、そしてその思い出したことをそのままお話に出しました。
「日本のお話でも」
「僕とあいつはだね」
「何かとありますね」
「日本は別に神話や宗教が違っても気にしないね」
「はい、これといって」
 恵梨香もそうだと答えました。
「そうした国です」
「そうしたところもだよ」
「不思議ですか」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「これ以上はないまでにね」
「そうですか」
「だからね」
 それでというのです。
「僕もこう言うんだよ」
「色々な宗教や神話が一緒にあるので」
「オズの国はお伽の国だからね」
「それも普通ですね」
「そうだけれど」
 それでもというのです。
「外の世界で普通にそうなのはね」
「ないんですね」
「そうはね」
 そうだというのです。
「やっぱりね」
「そうですか」
「中国もそうしたところがあるけれどね」
「道教と仏教ですね」
 ドロシーが応えました。
「そうですね」
「しかしそれがいい」
 ゼウス神も言ってきました。
「ローマもそうだったしな」
「ローマ帝国ですね」
「色々な神が信仰されていてな」
 ドロシーにお話します。
「凄くな」
「いい雰囲気でしたか」
「そうだったからな」
「色々な宗教や神話が一緒にある」
「それはいいことだ」
 ニンフや美少年達に囲まれつつ言います。
「わしもそう思う」
「そうした意味でもオズの国はいい国ですか」
「全く以てな」
 そうだというのです。
「わしはそう思う」
「そうですか」
「だから他の神々ともな」
「交流されていますか」
「どんどんな」
「そうなんですね」
「どの神とも仲よく遊ぶ」
 それがというのです。
「最高のことだ」
「そうですか」
「そしてな」
 それでというのです。
「諸君達ともだ」
「こうしてですね」
「楽しく過ごしている」
「そうですか」
「そしてな」
 そのうえでというのです。
「今夜もだ」
「今夜はパーティーだよ」
 ゼウス神と一緒にいるヘルメス神も言ってきました。
「歌って踊って飲んで食べて」
「そうしてですか」
「楽しもうね」
「期待しています」
「期待は裏切らない」 
 決してというのです。
「それが神だからね」
「夜もですね」
「楽しんでもらうよ」
「今みたいに」
「絶対にね」
 こうドロシーに言うのでした。
「そうしてもらうよ」
「それでは」
「夜もお洒落だ」
 ゼウス神はまた言いました。
「楽しみだな」
「今夜は西洋のパーティーよ」
 アテネ神がドロシーに今夜のお話をしました。
「タキシードやドレスを着てね」
「そうしてですか」
「クラシックの演奏を聴いて」
 そうしてというのです。
「社交ダンスを踊って」
「お料理も楽しみますね」
「そうよ、地中海のお料理とワインをね」 
 そうしたものをというのです。
「楽しむわ」
「そうですか」
「そしてね」 
 そうであってというのです。
「ジュースもあるわよ」
「そちらもですね」
「スイーツやフルーツもね」
 そうしたものもというのです。
「あるわよ」
「ビュッフェで出すけれど」
 それでもとです、アルテミス神も言ってきました。
「お料理は私達がそれぞれね」
「作ってくれますか」
「私達皆それぞれ得意なお料理があるから」
 その分野がというのです。
「それでね」
「作ってくれるんですね」
「従者のニンフの娘達が手伝ってくれてね」
「任せてくれ給え」
 ヘスティア神は両手を腰にやって胸を張って言いました。
「僕も作るからね」
「さっきも作ってもらって」 
 恵梨香はそれはと返しました。
「夜もですね」
「好きで作るからね」
「いいですか」
「遠慮は無用だよ、遠慮するなら」 
 それ位ならというのです。
「食べることだよ」
「女神の方々が作ってくれたお料理を」
「そちらをね」
 まさにというのです。
「そうしてくれ給え」
「それじゃあ」
「実はわしも料理を作る」
 またゼウス神が言ってきました。
「趣味の一つだ」
「貴方のお料理は凝って手間がかかって」
 それでと言うヘラ神でした。
「癖のある味だから」
「美味くてもか」
「そう、趣味のお料理でね」
 ゼウス神のというのです。
「お客さん達にもてなすには」
「問題があるか」
「ええ、どうもね」
 そうだというのです。
「そこが問題よ」
「そうなのか」
「だから今回もね」
「おもてなしの料理はだな」
「私達が作るから」
 そうするというのだ。
「貴方は待っていてね」
「それではな」
「あの、ゼウス神の得意なお料理は」
 恵梨香はゼウス神に尋ねました。
「一体」
「何でも作るぞ」
「何でもですか」
「わしの好きなものをな」
「お好きなものをですか」
「念入りにな、カレーもな」
 こちらもというのです。
「スパイスを一から調合してな」
「それは凄いですね」
「食材も厳選してな」
 そのうえでというのです。
「じっくりとな」
「作られますか」
「カレーも他の料理もな」
「だから趣味でね」
 ヘラ神は恵梨香にもお話しました。
「あくまでね」
「それで、ですか」
「お客さんにおもてなしするには」
「向いていないんですね」
「時間がかかり過ぎて」
 そうであってというのです。
「パーティーとかに間に合わない場合も考えられるし」
「凝り過ぎて」
「味もね」 
 そちらもというのです。
「凝り過ぎて美味しくてもね」
「癖がありますか」
「だからね」 
 そうであるからだというのです。
「本当にね」
「オリンポスではですね」
「お料理は基本ね」
「女神の方々が作られているんですね」
「そうよ」
 こう答えるのでした。
「私達もね」
「そうですか」
「そしてね」
 それでというのです。
「今回は地中海のお料理で」
「ギリシャやイタリアやスペインですね」
「それにフランスね」
 この国もというのです。
「エスカルゴもあるわ」
「エスカルゴですか」
「実は昔から食べられているよ」
 再びヘスティアがお話してきました。
「エスカルゴはね」
「そうなんですね」
「ローマの頃からね」
 その頃からというのです。
「仕込みをしっかりしてね」
「そのうえで」
「食べていたんだ」
「そうだったんですね」
「そして僕達もね」
 オズの国で暮らすオリンポスの神々もというのです。
「同じだよ」
「エスカルゴもですね」
「食べているんだ」
「そうなんですね」
「エスカルゴ美味しいよ」
 ヘスティア神はにこりと笑って言いました。
「本当にね」
「皆も食べたことがあるな」 
 ゼウス神は恵梨香達に尋ねました。
「エスカルゴも」
「はい、何度か」
「外の世界でもありますけれど」
「オズの国でもです」
「何度かいただいています」
「美味しいですね」
 ゼウス神に五人で答えます。
「エメラルドの都の宮殿でも出ます」
「フランス料理を食べる時は結構」
「イタリア料理の時も出ます」
「本当に美味しくて」
「私達も好きです」
「そうだな、では今夜も食べよう」
 ゼウス神は明るく食べて言いました。
「エスカルゴも」
「わかりました」
 五人で笑顔で応えます、そうしてでした。
 今はプールサイドで楽しみました、そして夜は夜でパーティーを催して楽しむことになるのでした。








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