『オズのドロシー』




                第七幕  港に着くと

 一行はポセイドン神の神殿を後にし港に着きました、まずはその街で一泊しました。
「ここでね」
「はい、まずはですね」
「一泊ですね」
「この港町で」
「そうしてですね」
「あらためてですね」
「陸路でね」 
 ドロシーは恵梨香達五人にお話しました。
「オリンポスに向かうわ」
「そうしますね」
「ポセイドン神殿の次はですね」
「オリンポスですね」
「ゼウス神を主神としたオリンポスの十二神」
「その神々とお会いしますね」
「そうなってね」
 そしてというのです。
「素敵な楽しみを味わえるわ」
「楽しみにしていてね」 
 オズマも言ってきました。
「オリンポスも」
「はい、それでオリンポス山は」
 恵梨香が言ってきました。
「高くて険しい山でしょうか」
「何か神話を読んでいますと」 
 神宝も言ってきました。
「どうもですよね」
「神々がおられるだけに特別な場所で」
 ジョージも言います。
「果たして行けるかどうか」
「人では無理な様な」
 行くのがとです、カルロスも言いました。
「そんな感じがします」
「そんなに楽に行けるでしょうか」
 ナターシャは心配になっていました。
「私達が」
「簡単に行けるわよ」
 オズマが心配する五人に笑顔で言いました。
「バスでね」
「そうなんですか」
「神々のおられる場所ですから」
「どうかって思いましたが」
「楽に行けるんですね」
「そうなんですね」
「これまでの神々にも楽に行けてお会い出来たわね」 
 オズマはこれまでのことからもお話しました。
「そのことと同じだよ」
「オズの国は人と神々が一緒に暮らしている国だよ」
 かかしはこう言いました。
「生きものも妖精もね」
「皆仲よく暮らしているんだよ」
 樵も言います。
「この国ではね」
「僕達だってそうじゃない」
 臆病ライオンは自分達もと言いました。
「人も生きものも妖精もね」
「そういえばオズマって妖精だよ」
 トトはこのことをお話しました。
「人間でなくてね」
「そうなんだよね」
 腹ペコタイガーはトトのその言葉に頷きました。
「実は」
「とても奇麗で素敵な妖精よね」
 ベッツィも笑顔で言います。
「オズの国の国家元首で」
「私達にしても色々だしね」
 トロットも自分達を見回しています。
「種族も姿形も」
「そうだよね」
 ハンクはトロットの言葉に頷きました。
「生まれもだけれど」
「それでいいでしょ」 
 つぎはぎ娘はくるくると踊りつつ言いました。
「何もおかしなことはないわ」
「むしろ面白いわよ」
 ガラスの猫はこう言いました。
「色々な人や生きものや妖精がいてね」
「若し皆同じなら」
 キャプテンは思いました。
「面白さが減るかな」
「ええ、そうなるわね」
 エリカはキャプテンにその通りだと応えました。
「まさにね」
「そうですね」
 大尉も頷きました。
「こうして色々な人がいてこそ面白いんですよ」
「だから神々もおられて」
 魔法使いはそれでとお話しました。
「楽しく遊べるんだよ」
「エジプトやメソポタミアも神々もおられて」
 そしてと言うジュリアでした。
「ギリシアの神々も」
「中国の神々もいるよ」
 ムシノスケは孫悟空達のことからお話しました。
「そして他の神々もね」
「世界の神々が集まる国でもあるね、オズの国は」
 モジャボロはにこりと笑って言いました。
「色々な人や生きものや妖精に」
「身体も色々だしね」
 木挽の馬は自分のことから言います。
「食べる必要のない身体だったり」
「こうした身体もいいものだよ」
 ジャックはにこりと笑っています。
「飲んだり食べたり寝たり休んだりする必要がないからね」
「随分とーー気楽ーーです」
 チクタクもにこりとしています。
「私はーーゼンマイを巻くだけーーですーーし」
「身体も色々でいいね」
 モジャボロの弟さんはチクタクを見て言いました。
「それぞれの個性があって」
「個性があって何が悪いのか」
 ビリーナは思いました。
「駄目って言う人はあんたの個性はどうなのかしら」
「そうなることよ」
 グリンダはビリーナの言葉に応えました。
「まさにね」
「何か難しいお話してるけれど」
 ボタンは眠そうなお顔で言いました。
「皆それぞれ個性があって尊重することだね」
「ええ、そうよ」
 ドロシーはボタンにその通りだと答えました。
「それぞれの種族があってね」
「個性もあるね」
「そのことを理解して受け入れる」
「お互いにね」
「そのことが大事でね」
「オズの国はそうした国だから」
「人も生きものも要請も神様も一緒に暮らしているのよ」
 そうしているというのです。
「だからオリンポスにもね」
「楽に行けるね」
「そうよ、だからね」 
 それでというのです。
「今日はこの街のホテルに一泊して」
「そうしてだね」
「明日出発しましょう」
「それでなんですが」
 ここで恵梨香が言ってきました。
「この街は古代ギリシャ風ですね」
「そうした街並みね」
「石造りで」
「そうよ、それでホテルもね」
 こちらもというのです。
「外観は古代ギリシャのね」
「赴きで」
「そしてね」
 そうであってというのです。
「設備は現代よ」
「そうしたホテルですか」
「神話の時代と現代が一緒にあるの」
 ドロシーは恵梨香ににこりと笑ってお話しました。
「そうした街だから」
「それで、ですね」
「街の観光もして」
「ホテルもですね」
「楽しんでね」
「わかりました」
 恵梨香はドロシーの言葉に頷きました、そうして街を観て回ると本当に古代ギリシャの中にいる様でして。
 海はきらきらとマリンブルーに輝いていてとても静かです、その海の上をイルカ達が飛び跳ねたりしています。
 ホテルに入るとでした。
 古代ギリシアの大理石の神殿の様な内装で。
「絨毯が敷かれていて」
「お風呂はとても奇麗で大きくて」
「ベッドは白くて」
「オリーブや葡萄の木もあって」
「素敵なホテルね」
「そう、こちらに一泊するのよ」
 ドロシーは恵梨香達五人にお話しました。
「新鮮な魚介類や果物も沢山出るから」
「果物ですね」
「色々な甘い果物が沢山あるから」
 恵梨香にお話します。
「そちらも楽しんでね」
「わかりました」
「それで港町だから」
「魚介類って言われましたね」
「そちらもあるから」 
 だからだというのです。
「そちらも楽しむことですね」
「そうしてね」
「それでは」 
 恵梨香は笑顔で応えました、そして実際に新鮮な魚介類や果物も楽しみました。大きなお風呂にも入ってです。
 ホテルで一泊しました、そのうえで朝ご飯、ビュッフェのそれを食べてからオリンポス行きのバスに乗ろうとしますと。
 ここで、でした。一行の前に。
「いいでしょうか」
「あら、貴方は」
 ドロシーは皆の前に出て来た大柄なお年寄りを見て言いました。
「カロン神ね」
「はい、そうです」
 お年寄りはその通りだと答えました。
「皆さんのお迎えに来ました」
「貴方がお迎えということは」
「ハーデス神が是非です」
 この神様がというのです。
「我等の宮殿に来て欲しいとのことです」
「ハーデス神がなの」
「地下の宮殿に」 
 そちらにというのです。
「そう言われています」
「あの神様がなの」
「それでどうされますか」
「喜んで」
 笑顔で、です。ドロシーは答えました。
「お邪魔させて頂きます」
「そうですか」
「はい、そして」
 そうであってというのです。
「こちらもお楽しみを」
「それでは」
「あの、カロン神というと」
 恵梨香はそのカロン神を見て言いました。
「確か渡し守ですよね」
「そう、アケローン河のね」
 ドロシーは恵梨香に答えました。
「渡し守の神様よ」
「そうですよね」
「アケローン河は千佳を流れる川でね」
「そこを渡ってですね」
「ハーデス神の宮殿に行くのよ」
「地下の」
「そうするから」
 だからだというのです。
「今からお邪魔しましょう」
「カロン神の案内を受けて」
「そうしてね」
「実は船はもう港にあるよ」
 カロン神は恵梨香に穏やかな笑顔でお話しました。
「それでそれに乗って」
「そうしてですね」
「そのままアケローン河に移って」
「地下に行くんですね」
「もう船に乗れば一瞬で」
 それでというのです。
「アケローン河に行けるんだ」
「そちらまで瞬間移動するのでしょうか」
「そうだよ」
 カロン神はその通りだと答えました。
「神様の船だからそれ位はね」
「出来るんですね」
「神の力でね」
「海から地下の川まで一瞬ですか」
「そうだよ、そしてオズの国の地下はね」
 こちらはといいますと。
「とてもね」
「楽しい場所ですね」
「そうだからね」
 それでというのです。
「期待していてね」
「それじゃあ」
 恵梨香も他の皆もカロン神の言葉に頷いて神様の案内を受けてそのうえで港に停泊してあった古代ギリシアの大型の船に乗りました、すると。
 船は一瞬で地下の川の上に出ました、両岸は木々ではなく様々な宝石が枝のある木の様な形で連なっていてです。
 とても奇麗です、恵梨香はその宝石達を見て言いました。
「こんなに奇麗なんですね」
「オズの国の地下はね」 
 恵梨香はそうだと答えました。
「この通りね」
「そうなんですね」
「オズの国は地下も色々な場所があって」
 そうであってというのです。
「こうした色々な宝石達の森もあってね」
「川の両岸にあるんですね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「とても奇麗でしょ」
「うっとりとします」
「ハーデス神の宮殿もね」
 こちらもというのです。
「とても素敵な場所だから」
「それで、ですね」
「期待していてね」
「どれだけ奇麗で素敵な宮殿か」
「そうね」
「ははは、一度見たら心を奪われるよ」
 カロン神は船の操舵を動かしつつお話しました。
「きっとね」
「それ程素敵なんですね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「本当にね」
「そうですか」
「だからね」
 それでというのです。
「期待していてね」
「わかりました」
「そして」
 さらにです、カロン神は言いました。
「美味しいものもね」
「ありますか」
「地下にも果樹園や畑や牧場があるんだ」
 そうだというのです。
「オズの国ではね」
「地下農業よ」
 ドロシーがお話しました。
「光る苔や茸の光を使ってね」
「行われていますか」
「オズの国の地下はそうしたもので明るいでしょ」
「とても」
「そうでもあるから」
 だからだというのです。
「そちらも使ってね」
「そうしてですか」
「そう、そのうえでね」
「農業も行っていて」
「農作物も豊かなのよ」
 オズの国の地下はというのです。
「そうなのよ」
「素晴らしいですね」
 恵梨香はそのお話を聞いて素直に思いました。
「流石はお伽の国ですね」
「そう思うわね」
「はい」
 恵梨香は心から思って答えました。
「そう思います」
「そうでしょ、だからね」
「ハーデス神の宮殿でも」
「お食事もね」
 そちらもというのです。
「楽しめるわ」
「そうなのですね」
「そして」
 そうであってというのです。
「今からね」
「ハーデス神の宮殿にですね」
「お邪魔しましょう」
「わかりました」
「このまま船で宮殿に行けるよ」
 カロン神はこうもお話してくれました。
「宮殿に波止場があってね」
「それで、ですか」
「そこに停泊してね」
「そこからですか」
「そのまま宮殿に入られるよ」
「そうですか」
「地下でも水が豊富だからね」
 そうだというのです。
「オズの国は」
「地下を流れる川や湖も多いですね」
「空間も広がっていて」
 そうでもあってというのです。
「それでね」
「そうした場所もあって」
「それでだよ」
 さらにお話するのでした。
「その中にね」
「ハーデス神の宮殿がありますか」
「そしてそこにね」
 その宮殿にというのです。
「ギリシャの地下の神々がいるんだ」
「ハーデス神を主神として」
「あの方をね」
「そうですね」
「そうした場所で色々な神様がいるよ」    
 そうだというのです。
「だからね」
「色々な神様とお会い出来ますね」
「地下でもね」
「それじゃあ」
「もうすぐで着くよ」
「もうすぐですか」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「ここからね」
「あっという間ですね」
「この船は速いから」
 だからだというのです。
「もうすぐで着くんだ」
「そして着いたら」
「そこで案内するよ」
 カロン神は恵梨香に気さくに言いました。
「ハーデス様の御前までね」
「そうしてくれますか」
「私がね」
「あの、何か」
 恵梨香はカロン神のお言葉を聞いて思いました。
「かなりです」
「かなり?」
「気さくな感じですね」
「皆こうだよ」
 カロン神は恵梨香に笑顔で答えました。
「地下の神々はね」
「そうなんですか」
「別に地下でもね」
 そちらの神々でもというのです。
「暗くなくて」
「明るいですか」
「そうだよ、明るく楽しくね」
 そうした風にというのです。
「毎日を過ごしているよ」
「そうですか」
「だからね」
 そうであってというのです。
「暗いとか怖いとかね」
「思うことはないですか」
「全くね」
 そうだというのです。
「安心してね」
「そうなんですね」
「ハーデス様も」
 この神様もというのです。
「特にね」
「怖くないですね」
「地下、外の世界では冥界だね」
「死んだ後の世界ですね」
「そちらの神様が怖いというのはね」
 それはといいますと。
「偏見だよ」
「そうですか」
「そう、別にね」
「地下の神様でもですね」
「変わらないよ」
 他の神様と、というのです。
「だからね」
「安心していいですね」
「そう、ハーデス様とお会いしても」
「明るく楽しくですね」
「お話出来るよ、宴もね」
 そちらもというのです。
「開かれるし」
「それで、ですね」
「そちらも楽しんでね」
「わかりました」
 そうしたお話をしてでした。
 一行はハーデス神の宮殿に着きました、宮殿は黒い大理石と様々な宝石それに金と銀で飾られています。
 黒い中にとても明るい輝きに満ちた宮殿の中をカロン神に案内されてです、恵梨香は目を驚かせて言いました。
「この宮殿も素晴らしいわ」
「うん、黒い奇麗な大理石で造られていて」
 ジョージが応えました。
「色々な宝石や金銀で飾られていて」
「黒いのに明るいよ」 
 神宝も言いました。
「宮殿の中は」
「宝石や金銀が輝いていて」
 それでと言うカルロスでした。
「とても明るいよ」
「キャンドルも沢山あって」
 ナターシャはそちらを見ています、そのうえでの言葉です。
「その灯りを宝石や金銀が照らしているのね」
「こんな宮殿もあるのね」 
 しみじみとして言う恵梨香でした。
「不思議な宮殿よ」
「オズの国だからよ」 
 その恵梨香にドロシーが言ってきました。
「不思議なことがね」
「普通にありますね」
「だからね」
 そうした国だからだというのです。
「こうした不思議な宮殿もね」
「普通にありますね」
「そうよ、そしてこれからね」
「ハーデス神にですね」
「お会いするわ」
 そうなるというのです。
「とても明るくて気さくな神様だから」
「ポセイドン神みたいな」
「兄弟でしょ」
「そうでしたね」
「だからね」
「性格も似ているんですね」
「そうよ、それで格もね」
 そちらもというのです。
「やっぱりね」
「同じですね」
「ポセイドン神は海の主神で」
「ハーデス神は地下の主神ですね」
「ゼウス神は天界の主神でね」
「それぞれ同格ですね」
「兄弟でね」
 そうであってというのです。
「格はね」
「同じですね」
「よくゼウス神が一番偉いと思われるけれど」
「ギリシャの神々の中で」
「そうじゃないのよ」
「三柱の主神がおられるんですね」
「そうよ、それでオズの国ではね」
 この国ではというのです。
「三つの世界の交流もね」
「盛んですね」
「そうなのよ」
 そうなっているというのです。
「仲よくね」
「そうなんですね」
「そしてどの神様も子供が好きよ」
「私達がですか」
「子供と一緒に楽しく遊ぶのも好きで」
 そうであってというのです。
「パーティーに招くのもね」
「お好きですか」
「そうよ、そうした神々だから」
「怖がらずに」
「楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
 それならとです、恵梨香も応えてでした。
 皆でハーデス神のお部屋に案内してもらいました、すると黒い玉座に黒い縮れた髪の毛とお顔の下半分を黒いお髭で覆った大柄で逞しい身体の初老の男の人の姿をした神様が古代ギリシャの服を着て座っていました。
 その神様は一行を見ると明るく笑って言いました。
「やっと来たか」
「やっとですか」
「待っていたんだよ」
 こうオズマに言います。
「だからだよ」
「待ち遠しくてですか」
「やっととな」 
 その様にというのです。
「思った訳だ」
「そうでしたか」
「そう、そして」  
 ハーデス神はさらに言いました。
「これからパーティーを開くが」
「明るく楽しくですね」
「美味いものを食べよう」
 こう言うのでした。
「そうしよう」
「それじゃあ」
「色々なものを食べよう」
 こうも言いました。
「ご馳走を」
「今からですね」
「そうしよう、地下の幸をふんだんに使った」
「沢山のご馳走があるんですね」
「お肉にお魚にお野菜に果物に」
 それにというのです。
「茸もある」
「茸もお好きですね」
「そちらも食べよう」
「わかりました」
 オズマは笑顔で応えました、そしてです。
 皆は今度は宮殿の宴の間に案内されました、見ればビュッフェ形式で沢山のお料理が用意されていますが。
 パスタにピザ、生ハムにトマトやチーズをふんだんに使ったイタリア料理が沢山あります。ベッツイはそのお料理達を見て言いました。
「イタリア料理が多いわね」
「そうよね」
 トロットが応えました。
「大蒜やオリーブオイルを使った」
「そうしたお料理が多いわね」
「サラダもオリーブオイルも使ってるし」
「パスタにピザも多くて」
「トマトやチーズも使っていて」
「ギリシャとイタリアは縁が深いだろう」
 ハーデス神はトマトやアボガドをふんだんに使ったサラダを見つつお話しました。
「それでだよ」
「イタリア料理もですね」
「お好きなんですね」
「そうだよ、そして」 
 そのうえでというのです。
「わしは大好きなのだよ」
「イタリア料理がですか」
「ギリシャ料理以外にも」
「如何にも。オリーブを使ったものが」
 そうしたお料理がというのです。
「大好きだよ」
「ああ、オリーブですね」
 トロットはこの果物について言いました。
「ギリシャでもですね」
「昔から使われていたんだよ」
「お料理に」
「中にはお風呂にもだよ」
 そちらにもというのです。
「入れる人がいたんだ」
「ギリシャでは」
「私も入れるよ」
「お風呂にですか」
「時として」
 オリーブオイルをというのです。
「楽しんでいるよ」
「そうですか」
「そのオリーブも楽しんで欲しいよ」
 是非にというのです。
「大蒜もふんだんに使っているしね」
「そのイタリア料理をですね」
「これからですね」
「皆で楽しもう」
 笑顔でお話してでした。
 一行はハーデス神が出してくれたイタリア料理を楽しみました、お肉やお魚のお料理も大蒜やオリーブオイルがふんだんに使われています。
 恵梨香はアクアパッツァを食べてです、笑顔で言いました。
「物凄く美味しいわ」
「お魚も貝もね」
「地下世界の魚介類かな」
「こちらも美味しいね」
「とてもね」
「そう、地下世界の魚介類だよ」 
 ハーデス神は恵梨達五人にお話しました。
「どれもね」
「やっぱりそうですね」
「地下の魚介類ですね」
「地下の川や湖で獲れたもので」
「それをお料理したんですね」
「イタリア料理として」
「そうだよ、アクアパッツァもフライもあれば」
 それにと言うハーデス神でした。
「カルパッチョもあるしね」
「蛸や烏賊もありますね」
 恵梨香は蛸のカルパッチョも食べて言いました。
「そうですね」
「そうしたものも地下にいるからね」
「地下の川や湖に」
「養殖もしているよ」
「それで皆さん楽しまれていますね」
「如何にも。お肉もあるから」 
 こちらもというのです。
「楽しんでくれるね」
「肉料理もですね」
「凄い分厚いステーキだね」
 トトはその肉料理のうちの一つを見て言いました。
「物凄く美味しそうだよ」
「このステーキにしても」
 ドロシーが応えました。
「地下の牧場の牛さんよ」
「やっぱり地下だね」
「地下でもね」
 こちらでもというのです。
「普通にね」
「魚介類を養殖していて」
「牧場もあるのよ」
「田畑や果樹園もだね」
「そう、そしてね」
 そうであってというのです。
「こうして食べられるのよ」
「嬉しいことだね」
「そうよね、それで貴方はステーキを食べるのね」 
 ドロシーはトトに尋ねました。
「そうするのね」
「うん、頂くよ」
 トトは尻尾を左右に振って答えました。
「そうさせてもらうよ」
「それならね」
「是非だね」
「私も戴くわ」
 ステーキをというのです。
「それでよ」
「楽しく食べようね」
「そうしましょう」
 笑顔でお話してでした。
 ドロシーもステーキを食べました、見ればハーデス神はその横でアメジストのグラスに入った赤ワインを飲んでいます。
 そうしてです、こんなことを言いました、
「よく冷えたワインをストレートで飲む」
「そのことがですね」
「最高だよ」
 ドロシーに応えて言います。
「昔はこうして飲まなかったんだ」
「ワインはですね」
「古代はワインは割って飲んでいたんだ」
 そうだったというのです。
「お水とかでね」
「そうらしいですね」
「ワインは高価で」
 そうしたものでというのです。
「それでだよ」
「ストレートで飲まずに」
「割ってね」
 お水等でというのです。
「そうしていたんだ」
「そうでしたか」
「神でもね」
「ワインはそうしてですね」
「飲んでいて」
 そうであってというのです。
「またすっぱかったんだ」
「保存技術もですね」
「今よりずっと劣っていてね」 
 そうであってというのです。
「ワインはすぐだよ」
「すっぱくなって」
「それを割ってだよ」
「飲んでいましたね」
「そうだったんだ」
 そうだというのです。
「古代はね」
「冷えたワインもですね」
「なくてね」 
 そうであってといいうのです。
「こうしてストレートで冷えた甘いワインを飲むなんて」
「なかったんですね」
「とてもだよ、オリーブも貴重で」
 そうであってというのです。
「こうしてふんだんにはだよ」
「使われなかったですね」
「お料理にもね」
「古代ギリシャでは」
「あの頃も楽しんでいたけれど」
 日々の生活をというのです。
「今は遥かにだよ」
「楽しんでおられるんですね」
「トマトもあるしね」
「昔のギリシャにはトマトもなかったですね」
「なかったよ、しかし最初に食べて」
 今度はサラダの中のトマトを食べて言います。
「感激したよ」
「美味しくて」
「色々な香辛料もふんだんに使えるし」
「いいですね」
「今の時代そしてオズの国は」
 この国はというのです。
「来てよかったよ」
「私もそう思います、若しです」 
 ドロシーはカンサスにいた頃を思い出しつつお話しました。
「カンサスにいたままですと」
「それならだね」
「どうなっていたか」
「君のお話は聞いているよ」
 ハーデス神にしてもです。
「アメリカにいたね」
「カンサスに」
「畑を売って」
「どうなっていたか」
「わからなかったです、ですが」
 その状況がというのです。
「オズの国に来て」
「君の人生は変わったね」
「はい」
 そうなったというのです。
「明るく楽しいものに」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのです。
「本当によかったです」
「オズの国にだね」
「ずっとこの国にいられますから」
「嬉しいね」
「何の不満もありません」
「それはいいことだよ、不満があれば解消すればいいけれど」
「努力して」
 ドロシーはすぐに応えました。
「そうすることですね」
「そう、けれどね」
 それでもというのです。
「不満なくね」
「努力してよく出来れば」
「それに越したことはないよ」
「昨日よりよくなって」
「今日はね、そして明日は」
「今日よりよくなる」
「どうしたらよりよくなるのか」
 それはというのです。
「そう考えてね」
「やっていくことがいいですね」
「そう、そして」
 そうであってというのです。
「オズの国はそうした国だね」
「楽しみながらその楽しみがどうしたらもっと楽しめるか」
「そう考えてね」
「皆努力していきますね」
「私もその考えだよ」
 ハーデス神にしてもというのです。
「それでだよ」
「やっていっていて」
「そしてね」
 そうであってというのです。
「地下を治めているよ」
「地下の神々の世界を」
「そうしているんだ」
「そうですか」
「そう、そして」
 そうであってというのです。
「努力しているよ」
「努力はいいことですね」
「誰だってね」
「努力するとよりよくなります」
「神だから最高じゃないんだ」
 そうだというのです。
「どんどんよくなれるんだ」
「最高でなく」
「果てしなくね、お料理も」
 今楽しんでいるこちらもというのです。
「昔と比べたら」
「今の方がですね」
「遥かに美味しいからね」
 だからだというのです。
「本当にだよ」
「いいですね」
「そう、そして」
 そうであってというのです。
「君もオズの国にいて」
「よかったと思っていまして」
「楽しく努力しているね」
「そうしています」
「それも皆と仲よく」
「オズマ達と」
「何よりだよ。私も今は」
 オズの国ではというのです。
「兄弟そして周りの神々と仲よくね」
「楽しくですね」
「努力しているよ」
「そうですね」
「昨日よりもね」
「今日ですね」
「よりよくなることだよ」
 こう言ってラザニアを食べます、ラザニアのトマトとひき肉それにチーズの味も楽しんでそうして言うのでした。
「こうしたものも食べられるしね」
「努力すると」
「そうだよ、君もラザニア好きかな」
「大好きです」
 ドロシーは満面の笑顔で答えました。
「本当に」
「そうだね、ラザニアも美味しいね」
「本当に」
「シェフが努力してね」
「作ってくれましたね」
「ラザニアもね」
 このお料理もというのです。
「だからね」
「そのことに感謝して」
「楽しく食べよう」
「はい、いただきます」
「ステーキも食べたね」
「頂きました」
 見ればもう完食しています。
「とても美味しかったです」
「そして次はラザニアをね」
「頂きます」
 笑顔でそのラザニアを受け取ってでした。
 そのうえで食べます、そうして言いました。
「美味しいわ」
「そうですよね」
 恵梨香もラザニアを食べて言います。
「他のお料理も美味しいですが」
「ラザニアもね」
「美味しいです」
「とてもね」
「そうですね」
「カンサスにいた時は」
 その時はといいますと。
「ラザニアもです」
「食べたことがなかったんだね」
「それどころか」
 ハーデス神にお話しました。
「存在すらです」
「知らなかったんだ」
「とても」 
 こう言うのでした。
「パスタもです」
「パスタすらもなんだ」
「ラザニアもパスタですが」 
 それでもというのだ。
「知りませんでした、海も山もです」
「見たことがなかったんだ」
「森も」
「カンサスは大平原だね」
「そうだったので」
「そこにずっといると」
「他のものは見たことがなかったです」
 そうだったというのです。
「本当にオズの国に来てから」
「色々なものを見て食べてだね」
「知りました」
 そうだったというのです。
「本当に」
「そうした意味でもだね」
「オズの国に来てよかったです」
「君が色々なことを知るはじまりでもあったね」
「知らないと」
 さもないと、というのです。
「何もならないですね」
「何も知らなくて」
「そうですね、ですからオズの国に来てよかったですし」
「今この国に来てだね」
「嬉しいです」
「私もそう思うよ。じゃあ皆にプレゼントがあるよ」
 ここでハーデス神はあるものを出しました、それは何かといいますと。
 柘榴でした、それを出して言うのでした。
「皆食べてね」
「あの」 
 恵梨香はその柘榴を見て言いました。
「食べると食べた粒の数だけ何かあるとか」
「この地下で暮らすとか」
「そういうのあります?」
「神話でそうしたお話ありませんでした?」
「何か」
「ここはオズの国だよ」
 ハーデス神は何かあるのかと思った恵梨香達五人に笑顔で答えました。
「行き来は自由だね」
「地下からも離れられる」
「そうですね」
「このオズの国は」
「だからですね」
「安心していいですね」
「純粋なプレゼントだよ」 
 その柘榴はというのです。
「だからね」
「いただいていいですね」
「そのまま」
「そうなんですね」
「じゃあ皆で、ですね」
「食べさせてもらいますね」
「そうしてくれると嬉しいよ」
 笑顔で言うハーデス神でした、そして皆でその柘榴の実も食べました。地下の柘榴もとても美味しかったです。








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