『オズのドロシー』
第六幕 海の神の宮殿
船で海を進むドロシー達は今はプールで遊んでいます、ドロシーはプールの中から青いおソラを見上げて言いました。
「お空も奇麗ね」
「ええ、とてもね」
オズマもお空を見上げて頷きます。
「奇麗ね」
「そうよね」
「海も奇麗だけれど」
それと共にというのです。
「お空もね」
「奇麗よね」
「とても澄んでいて」
そのお空はです。
「宝石みたいよ」
「お空全体がね」
「サファイアを広げた」
「そんな風ね」
「海もそうだけれど」
「お空もね」
こちらもというのです。
「そうよね」
「いいものよ」
「凄くね」
「そして」
さらに言うオズマでした。
「鴎も飛んでいるわね」
「それもいいわね」
「鳴き声もするし」
「とてもいいわね」
「こうしてプールで泳ぎながら見ると」
青いお空をというのです。
「幸せよね」
「それだけでね」
「こうして船旅を楽しみながらね」
トトも泳いでいます、そうしながら言うのです。
「青空も見るといいよね」
「ええ、それもまたよ」
ドロシーはトトにも応えました。
「素敵なことよ」
「その通りだね」
「それでだけれど」
ドロシーはこうも言いました。
「私今緑のビキニを着ているわね」
「とても似合っているよ」
「そう、はじめて着るけれど」
その水着はというのです。
「似合っているならね」
「嬉しいね」
「それだけでね」
「私もはじめて着る水着なのよね」
オズマもでした、見れば黒と黄色の競泳水着です。
「ビキニもいいけれど」
「競泳水着もいいわね」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「今日はこの水着を着てみたけれど」
「本当に似合ってるわ」
「それならいいわ、ドレスもいいけれど」
「水着もいいわね」
「言うならね」
ドロシーはこうも言いました。
「水着は海やプールでのドレスよ」
「お洒落でもあるわね」
「だからね」
「素敵なものを着たいわね」
「似合っている」
そうしたというのです。
「素敵な水着を着たいわ」
「そういえばね」
ここでかかしが言ってきました、樵と一緒にプールの安楽椅子に座っています。そのうえでくつろいでいます。
「ギリシアの神々はよく海で遊ぶよね」
「ええ、そうなのよね」
ドロシーはその通りだと答えました。
「どの神様もね」
「プールとかでもね」
「水着になって遊んでおられるわ」
「そうしているね」
「どうもね」
樵も言ってきました。
「その身体を見せるのがお好きだね」
「水着になってね」
「そうだね」
「ギリシアの芸術だと」
それならというのです。
「身体をよく描くから」
「そうだね」
「絵でも彫刻でもね」
「それで普段は服を着ていても」
「遊ぶ時はね」
「水着とかになるね」
「よくね」
こうお話します。
「どの神様も」
「面白いね」
臆病ライオンはかかしと樵の傍に寝そべっています、そのうえで言うのです。
「そうしたところも」
「ええ、神々も水着になる」
「人間みたいにね」
「それで遊ぶから」
「本当に人間みたいだね」
「神様でもね」
「何ていうか」
腹ペコタイガーはこう言いました。
「ギリシャの神様ってそうだよね」
「人間的でしょ」
「僕もそう思うよ」
ドロシーにお話します。
「本当に」
「そうよね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「飲んで食べることもね」
「お好きよ」
「そうなんだよね」
「本当に人間的で」
ギリシャの神々はというのです。
「親しみやすいのよ」
「それで外の世界では色々なお話が残っているよ」
教授が言ってきました、見れば皆プールサイドでくつろいでいます。プールで泳いでいるのはドロシーとオズマ、トトです。
「神話でね」
「ギリシャ神話だね」
「そうだよ」
教授はモジャボロに答えました。
「沢山のお話があるよ」
「ギリシャ神話には」
「神様も人間も同じ様に」
「人間的だね」
「そうなのだよ」
「そこが面白いね」
「それでよね」
トロットも言います。
「神様女神様も水着になるのね」
「ギリシャ神話の神々は」
ベッツィが応えました。
「私達みたいに」
「飲んで食べてね」
「そうするのよね」
「最初聞いて驚いたよ」
ハンクは笑って言いました。
「神様が水着になってビーチで遊んでいてね」
「ゼウス神がそうしていたわね」
エリカは毛づくろいをしつつハンクに応えました。
「私も見たわ」
「泳いでね」
「ご老人の姿でもね」
「逞しい身体で」
「それを見せつけてどうだって言ってたわね」
「面白かったよ」
「本当にギリシャの神々は人間みたいなのよね」
つぎはぎ娘が見てもです。
「ダンスも踊るし」
「貴女とも踊りましたね」
「ええ、一緒に踊ったことがあるわ」
大尉にお話します。
「楽しくね」
「それもラップダンスを」
「ヘルメス神とね」
「神様がラップを踊るとか普通はないわね」
ビリーナも笑って言います。
「それも進んで」
「そうそう、あたしにお誘いかけたのよ」
つぎはぎ娘はビリーナに応えました。
「一緒にどうかってね」
「動画にもしたわね」
「その時のダンス投稿したわ」
「そうだったわね」
「人間的ーーならーーです」
チクタクも言います。
「親しみーーやすいーーですーーね」
「そうだね」
木挽の馬も思うことです。
「とてもね」
「そうよね、私は勿体ぶるよりね」
ガラスの猫にしてみるとです。
「気さくで親しみやすい」
「その方がいいね」
「神々もね」
「悟空さんもそうよね」
恵梨香はこの神様のことを思い出しました。
「そういえば」
「そうなんだよね、あの神様は」
神宝が頷きました。
「気さくで剽軽でね」
「あの神様も凄く人間的で」
ジョージが見てもです。
「親しみやすいね」
「ご自身から声をかけてくる位だからね」
カルロスも言います。
「あの神様は」
「それでギリシャの神々も」
ナターシャは微笑んでお話しました。
「親しみやすいわね」
「人間的でね」
「私達にも友達感覚なのよ」
ドロシーはプールの中からプールサイドで一緒にテーブルを囲んでジュースを飲んでいる五人にお話しました。
「神様でもね」
「そうなんですね」
「それじゃあオリンポスに行ってもですね」
「いつも通りですね」
「オズの国の他の場所にいるみたいに」
「楽しい時間を過ごせますね」
「そうよ」
まさにというのです。
「そうなるからね」
「あっ、見て」
ここでトトが海を見て言ってきました。
「マンタが飛んでいるよ」
「そうね」
ドロシーも海を見て応えました。
「海の上に出てね」
「そうしているね」
「イルカも海の上を跳ぶけれど」
「マンタもそうしてね」
「その場面を見られてね」
「嬉しいね」
「凄くね」
笑顔で応えました。
「私も」
「そうだね」
「海にいたらね」
それならというのです。
「色々なものを見られるわね」
「そうだよね」
「マンタだってね」
「見られるね」
「そのことも嬉しいわ」
「僕もだよ」
「青いお空を見られて」
「マンタもでね」
「嬉しいわ」
「今もね」
笑顔でお話します、そうしたお話をしながらプールで楽しく泳ぎます。そうしているとなのでした。
船長さんが泳ぎ終えてドレスに着替えたドロシーとオズマにこんなことを言ってきました。
「ポセイドン神からお誘いが来ています」
「そういえばこの海から近くだったわ」
ドロシーは言われて思い出しました。
「ポセイドン神の宮殿は」
「海の中にありますね」
「ええ、海底にね」
「この辺りに」
「それで、です」
船長さんはお話しました。
「ただ今です」
「お誘いが来たのね」
「ご自身の宮殿に」
「そうなのね」
「それでどうされますか」
「折角のお誘いだから」
ドロシーはそれでと答えました。
「もうね」
「お受けして」
「お邪魔させてもらいましょう」
こう答えました。
「船が潜航して」
「そのうえで」
「行きましょう」
「それでは」
「あの、海の神様の宮殿なら」
恵梨香がお話を聞いて言ってきました。
「海の中にあるので」
「あっ、僕達息出来るかな」
「海の中にあるなら」
「どうなのかしら」
「宮殿の中空気あるのかな」
「あるわよ」
ドロシーはすぐに答えました。
「宮殿に入ったら普通に空気があるのよ」
「そうなんですね」
「宮殿の外は海でも」
「中は空気があって」
「僕達も呼吸が出来ますね」
「普通に」
「そう、だからね」
それでというのです。
「安心してね」
「わかりました」
「じゃあ僕達もです」
「宮殿にお邪魔させてもらいます」
「ポセイドン神の宮殿に」
「そうさせてもらいます」
「素敵な場所だよ」
魔法使いが笑顔で言ってきました。
「ポセイドン神の宮殿はね」
「海の中にあるから」
グリンダも言います。
「ところどころにお水が流れていてお魚も泳いでいるのよ」
「宮殿の外は海で海中も見られるんだ」
「珊瑚や真珠で飾られているのよ」
「それなら」
是非にと言う恵梨香でした。
「是非です」
「お邪魔したくなったね」
「ポセイドン神の宮殿に」
「そう思いました」
実際にというのです。
「本当に」
「そう、とても素敵な場所だから」
ドロシーも言ってきます。
「楽しみにしていてね」
「そうしています」
「宮殿も」
「それでこれからですね」
「宮殿に行くんですね」
「潜って」
「はい、これより潜航します」
船長さんが答えました。
「これより」
「それではね」
ドロシーが頷いてでした。
船は早速潜航しだしました、そしてです。
潜って海の宮殿に向かう途中でドロシーはふと言いました。
「出来ればね」
「どうしたの?」
「ボタン=ブライトもね」
オズマにお話します。
「今回の旅に誘いたかったのよ」
「ああ、彼ね」
「そう、けれどね」
「今はいないから」
「何処にも見当たらなかったからね」
「誘えなかったわね」
「あの子はね」
さらに言うドロシーでした。
「寝ている間に何処に行くかわからないから」
「まさに神出鬼没で」
「それでね」
そうであるからだというのです。
「あの子はね」
「誘えなかったわね」
「そのことが残念よ」
どうにもというのです。
「本当に」
「仕方ないわ」
オズマは少し苦笑いになって答えました。
「あの子は本当に神出鬼没で」
「今もだけれど旅に出る時何処に出るかわからないから」
だからだというのです。
「それでよ」
「仕方ないのね」
「行方がわからないなら」
それならというのです。
「誰も誘えないわ」
「あの子のスマートフォンに連絡したけれど」
「どうだったの?」
「連絡がつかなかったのよ」
「オズの国にいるのよね」
「そのことは間違いない筈だけれど」
それでもというのです。
「けれどね」
「連絡がつかなくて」
「それでね」
そうであってというのです。
「誘えなかったのよ」
「スマートフォンでもなのね」
「オズの国で連絡がつかない場所は」
オズマはそれならと言いました。
「天界とか海の底とか地下深くとか」
「そうした場所ね」
「本当に神様の傍の」
「ええ、若しかしたら」
ドロシーは考えるお顔で言いました。
「ボセイドン神の宮殿かオリンポスか」
「地下のハーデス神の神殿か」
「いるのかしら」
「そうした場所にね」
「そうかも知れないわね」
「だったら」
それならと言うオズマでした。
「近いうちに会うかもね」
「そうよね」
こうしたお話をしました、そしてです。
宮殿に入りました、大理石で造られた古代ギリシャの神殿を思わせる造りで大理石は青く奇麗に輝いていてです。
あちこちに水路や噴水があってお水が流れています、水路の中にお魚が泳いでいて宮殿全体を珊瑚や真珠が照らしていてです。
サファイアも沢山あります、恵梨香達はその中に入って思わず息を飲みました。
「奇麗ね」
「壮麗でね」
「凄い場所だね」
「まさに神様の宮殿よ」
「素晴らしい場所だよ」
「そうでしょ、ここがポセイドン神の宮殿なのよ」
ドロシーははじめて来た五人にお話しました。
「この世のものとは思えないわね」
「窓の外は海で」
「海にはお魚が泳いでいて」
「それでいて空気もあって」
「不思議な場所ですね」
「とても」
「そうでしょ、そしてこの中にね」
ドロシーはさらにお話します。
「ポセイドン神がおられるのよ」
「そして今からですね」
「ポセイドン神にもお会いしますね」
「その為に今進んでいますね」
「宮殿の中を」
「そうしていますね」
「そうよ、そして周りにいるのはね」
見れば青い古代ギリシャの服を着た奇麗な人達や兵隊さんがいます。
「ポセイドン神にお仕えする神々や従者の人達よ」
「ギリシャの海の神様ですね」
恵梨香が応えました。
「そうですね」
「そうよ」
「普通のお姿ですね」
「人と変わらないわね」
「そう思います」
「お姿もね」
ドロシーはお話しました。
「変わらないのよ」
「ギリシャの神様は」
「私達とね」
「そうなんですね」
「そう、だから少し見ただけではね」
それではというのです。
「全くね」
「人間と見分けがつかないですね」
「性格だけじゃなくてね」
「お姿も」
「そう、ただお力はね」
それはというのです。
「やっぱりね」
「神様だけあって」
それだけにというのです。
「凄いわよ」
「そうなんですね」
「ええ、それではね」
「これからですね」
「その海の神々の主神のね」
「ポセイドン神とお会いしますね」
「そうしましょう」
こうお話してです。
皆で宮殿の中を進んでいきます、本当に奇麗な古代ギリシャの服を着た神様や女神様それに神様に仕える人達や兵士の人達がいます。
壮麗で青い宮殿を進みつつです、一行は宮殿の中や窓から見える海にうっとりとなっていたのですが。
何とです、不意に目の前にでした。
ボタン=ブライトがいて寝ていました。
「さっきお話をしたら」
「出て来たわね」
オズマとドロシーが気持ちよさそうに寝ている彼を見て言いました。
「ここで」
「そうよね」
「お話をすれば出て来るのよね」
「私達がね」
「本当に不思議な子ね」
「全く以てね」
「ああ、この子だけれど」
ここでギリシャの鎧兜を着て鉾を持った神様トリトン神が言ってきました。
「朝からここにいるんだ」
「朝からですか」
「気付いたらね」
ドロシーにお話します。
「時々この宮殿に来るけれどね」
「そうなんですか」
「ゼウス神のオリンポスの宮殿にもそうらしくて」
トリトン神はさらにお話します。
「地下のハーデス神の宮殿にもだよ」
「時々出てきますね」
「そうなんだ」
これがというのです。
「朝になったらね」
「寝ていますね」
「不思議な子だよ」
笑ってこうも言いました。
「本当に」
「はい、寝ているうちにです」
「本人が意図せずに何処かに行っているね」
「瞬間移動でオズの国の何処かに」
「だからポセイドン様もご存知で」
そうであってというのです。
「寝たいだけ寝る様にね」
「させていますか」
「そうなんだ」
こうお話します。
「それで我々も起こさないで」
「そのまま寝かせているんですね」
「そうしているんだ」
「そうですか、わかりました」
「うん、そういうことでね」
たまたま通りかかったトリトン神はこうお話をしました、そしてその場を後にします。そのやり取りが終わるとでした。
すぐにです、ボタンは目を覚まして言いました。
「誰かいるの?」
「ここにいるよ」
かかしが起き上がったボタンに笑顔で答えました。
「いつも通り急に会ったね」
「あれっ、皆いるね」
ボタンは一行を見て言いました。
「オズの国で有名な人達が」
「実はこれからオリンポスに行くんだ」
樵もお話します。
「その途中にポセイドン神の宮殿に招かれてお邪魔しているんだ」
「ここポセイドン様の宮殿なんだ」
ボタンは言われてわかりました。
「そうなんだ」
「うん、そうだよ」
「僕またここに来たんだね」
まだ寝惚けていて床の上に座って言うのでした。
「そうなんだね」
「そうだよ、しかし君前は何処にいたのかな」
「リンキティンク王の国にいたんだ」
ボタンは臆病ライオンに素直に答えました。
「昨日の夜までね」
「それでリンキティンク王と遊んでいたのかな」
「ボボ王子とね」
「そうだったんだ」
「それでどうしてここに来たのかは」
トトが尋ねました。
「やっぱりかな」
「わかんなーーい」
ボタンはいつもの返事で答えました。
「僕もね」
「そうだね」
「うん、寝たらね」
「起きたらここにいたんだね」
「そうなんだ」
「いつも思うけれど不思議な子ね」
ドロシーはくすりと笑って述べました。
「本当に」
「僕不思議かな」
「寝ている間に何処かに行くことはね」
「そうなんだね」
「それで貴方がよかったら」
ドロシーはボタンにあらためて言いました。
「私達今冒険の旅をしているけれど」
「オリンポスに行くって言ってたね」
「ええ、それでね」
そうであってというのです。
「貴方がよかったらね」
「一緒に行っていいんだ」
「ええ、どうかしら」
こう提案するのでした。
「私達の旅にね」
「うん、じゃあリンキティンク王に今はポセイドン様の宮殿にいるってね」
自分のスマートフォンを出して言います。
「連絡するね」
「そうするわね」
「何処に行ったのかなって思ってるだろうし」
それ故にというのです。
「そうするね」
「それではね」
「うん、連絡するよ」
こう言ってでした。
ボタンはリンキティンク王に連絡しようとしました、ですが。
「あれっ、電源が入っていなかったよ」
「だから連絡が取れなかったのね」
ドロシーもその言葉を聞いてわかりました。
「そうだったのね」
「ずっと入っていなかったみたいだよ」
「気を付けてね、電源を入れていないとね」
ドロシーはボタンに言いました。
「連絡が取れないから」
「そうだよね」
「けれど電源を入れたから」
「見たらドロシーからのメールも来ているね」
「そうでしょ」
「うん、それじゃあね」
それならというのです。
「これからは電源を入れていくよ」
「出来る限りそうしていてね」
「そうするよ」
「しかし本当にいつも急に会うわね」
恵梨香は立ち上がったボタンを見て思いました。
「この子とは」
「そうなのよね」
ナターシャも言います。
「神出鬼没でね」
「会う時はいつも寝ている時に会うんだよね」
カルロスは笑って言いました。
「寝ている間に移動しているから」
「それで何故かお話に出すと出会うね」
神宝はこのことをお話しました。
「面白いことにね」
「本当に面白いよ」
ジョージも笑って言います。
「オズの国の人だってわかってね」
「うん、僕オズの国の子だよ」
ボタン自身も言います。
「それでどういう訳かね」
「寝ている間にね」
「時々移動しているわね」
「瞬間移動して」
「それでだね」
「お話をしたら出会うね」
「そうだよ。自分でもどうしてかはわからないんだ」
寝ている間にオズの国の何処かに瞬間移動していることはです。
「不思議なことだよ」
「貴方のそのことはずっと調べれているわ」
ドロシーがそうだとお話します。
「オズの国でも貴方だけのね」
「不思議なことだからだね」
「ええ、それでよ」
その為にというのです。
「調べているけれどまだね」
「どうしてかはわからないんだね」
「そうなの。けれどね」
それでもというのです。
「貴方はそうした子ということはわかっているから」
「いいのかな」
「いいわ、不思議が普通なのがオズの国だから」
そうであるからだというのです。
「不思議を受け入れて」
「それでなんだ」
「楽しくやっていきましょう」
「このままだね」
「そう、このままね」
こうしたお話をしてでした。
ボタンも加わってそのうえでポセイドン神がいる主神の座に入りました、すると黒い癖のある髪の毛と濃いお髭の威厳に満ちたお顔の筋肉質で大柄なギリシャの服を着た五十代位の男の人の姿をした神様が青くかか役玉座に座っていまして。
一行が入室して深々と一礼すると笑顔で言いました。
「よくぞ来てくれた」
「はい、お招き頂き感謝しています」
オズマが一行を代表して応えました。
「参上しました」
「待っていたぞ、それでだ」
神様は恵梨香達を見て言いました。
「その子達がだな」
「オズの国の名誉市民の五人です」
「そうだな、わしがポセイドンだ」
五人に言いました。
「ギリシャの神々の海の主神だ」
「貴方がですね」
「うむ、そうだ」
恵梨香に笑顔で答えます。
「見れば可愛い子達だな」
「私達可愛いですか」
「とてもな、しかしわしは奥さん一筋になった」
「そうなのですか」
「我等の兄弟では違う者もいるが」
こうも言うのでした。
「全く、あの者は無体をしなくなっただけよいが」
「それでもですか」
「今もすぐ目がいく」
そうだというのです。
「美男美女にな」
「そうした神様は」
「ゼウスだ、我が兄弟の一柱でな」
そうであってというのです。
「美女が好きで美男もだ」
「お好きですか」
「オズの国では見るだけだがな」
「そうなのですね」
「そうなのだ、それでそなた達折角来たのだ」
それでというのです。
「丁度昼だし食べていくのだ」
「そうして宜しいですか」
ドロシーが尋ねました。
「この宮殿で」
「遠慮は無用だ、今日の昼は寿司だ」
こちらを食べるというのです。
「日本料理のな」
「お寿司ですか」
恵梨香はこのお料理の名前を聞いて目を丸くさせました。
「ギリシャの神様もお好きですか」
「好物の一つだ」
恵梨香に明るく笑って答えます。
「一度食べてから大好きになった」
「そうですか」
「いや、魚介類は昔から好きだ」
そうだというのです。
「海の主神だからな」
「それで、ですか」
「好きでな、これから食するが」
そうであるがというのです。
「そなた達も共に食するのだ」
「それでは」
ドロシーが一行を代表して応えました、そしてです。
皆で宮殿の食堂に行って職人の人が握ってくれるお寿司を食べます、そのお寿司を食べてそうしてでした。
ポセイドン神は満面の笑顔でこう言いました。
「刺身や天婦羅もよいが」
「お寿司もですね」
「よいものだ」
恵梨香に答えました。
「実にな」
「和食お好きうですか」
「海の幸は全部好きだ」
そうだというのです。
「イタリア料理でも中華料理でもな」
「フランス料理やスペイン料理でも」
「うむ、実はな」
「実は?」
「昔からよく食べていた」
蛸の握りを食べつつ言います。
「蛸もな」
「そういえば蛸って」
恵梨香は蛸と聞いて言いました。
「食べない国多いですね」
「食べられると知らぬ者もいるな」
「そうですよね」
「しかしだ」
それでもというのだ。
「ギリシャではな」
「食べていたんですね」
「そしてな」
そのうえでというのです。
「わしはよく食べていた」
「昔から」
「そうだ、そして今は調味料や香辛料も豊富にある」
そうだというのです。
「醤油もあるな」
「魚介類にはお醤油ですね」
「寿司にもな」
実際にお醤油に漬けて食べています。
「そうしておる」
「そうなんですね」
「酢にオリーブオイル、胡椒も生姜もある」
「山葵も」
「ははは、最初食べて驚いた」
今度は貝柱を食べて言います。
「山葵はな」
「一気にきますね」
「鼻にな、あれは凄い」
山葵はというのです。
「強烈だ」
「私何とか最近食べられる様になりました」
「僕もです」
「私もです」
「僕もやっと」
「僕も克服しました」
「子供にあの刺激は強烈だ」
今度は鮪を食べて言うのでした。
「わしも最初驚いた位だしな、それでだ」
「それで?」
「それでといいますと」
「何かあったんですか?」
「山葵について」
「一体何が」
「ギリシャの神々に振る舞ったのだ」
それぞれのネタを楽しんでいる五人にお話します。
「寿司に山葵を入れた、するとだ」
「あっ、はじめての山葵に」
「その刺激にですか」
「皆さん驚かれたんですね」
「お鼻がつんとして」
「泣きそうになられましたか」
「そうなった、あの時の皆の顔と言えば」
大きなお口を豪快に開けてです、ポセイドン神は言いました。
「なかったわ」
「悪戯ですか」
「要するに」
「神々にされたんですか」
「そうでしたか」
「何ていいますか」
「ギリシャの神々は皆悪戯が好きでな」
そうであってというのです。
「そうしたことをし合うのだ」
「あの、何か」
恵梨香は烏賊を食べつつ微妙なお顔になって言いました。
「人間的といいますか」
「人間と変わらない性格だな」
「そう思いました」
「わし等はそうだ」
そうだというのです。
「皆な」
「人間と同じ性格ですか」
「そうなのだ」
こう言うのでした。
「それでだ」
「それで、ですか」
「悪戯も好きだ」
「そうなんですね」
「尚山葵を食べさせた後皆怒ってな」
ギリシャの神々はというのです。
「日本酒を一升瓶で五本飲まされた」
「よく飲まれましたね」
「しかし飲み切った」
見れば今その日本酒を飲んでいます。
「そして翌朝二日酔いになった」
「そうなったんですね」
「だから風呂に入ってすっきりした」
「お風呂って二日酔いにいいっていいますね」
「そう、そしてな」
それでというのです。
「すっきりした、しかし山葵でな」
「そうしたお話があったんですね」
「今では皆楽しんでおる」
今度は蝦蛄を食べて言います。
「実にな」
「そうなんですね」
「うむ、そしてな」
そうであってというのです。
「今もだ」
「山葵が入ったお寿司を楽しまれていますね」
「この通りな」
こうお話しつつです。
皆でお寿司を楽しみました、その後で皆で遊びますがポセイドン神はこんなことも言ったのでした。
「今夜は泊まっていくといい」
「この宮殿にですか」
「うむ、そうするのだ」
ドロシーに笑顔で言います。
「夕食も食べて風呂にも入ってな」
「そうもして」
「それで明日の朝にだ」
「オリンポスに出発すればいいですね」
「そうするといい」
笑顔で言うのでした。
「是非な」
「そこまでしてもらえるとは」
「いやいや、普通ではないか」
ポセイドン神は笑って返しました。
「これ位は」
「おもてなしとして」
「普通にな」
そうだというのです。
「むしろな」
「そうですか」
「だからな」
それでというのです。
「遠慮なくな」
「一泊ですね」
「朝食も食べるのだ」
そちらもというのです。
「是非な」
「そうしてですね」
「オリンポスに向かうのだ」
是非というのです。
「いいな」
「それでは」
「それでお主だが」
今度はボタンに声をかけました。
「また急に来たな」
「うん、今回もね」
ボタンはこう答えました。
「お邪魔したよ」
「いつもそうして来るな」
「寝ている間にね」
「不思議なことだ」
ポセイドン神が見てもです。
「他にこうした者はおらぬ」
「ギリシャでもかな」
「おらぬ」
そうだというのです。
「とてもな」
「そうなんだ」
「お主はオズの国でも特別だ」
ボタンにこうも言いました。
「寝ている間に何処かに行くことがあるなぞな」
「やっぱり僕以外いないんだ」
「心当たりがない」
そうだというのです。
「これがな」
「そうなんだね」
「うむ、しかしな」
「しかし?」
「それが面白い」
そうだというのです。
「お主はな」
「オズの国でもなんだ」
「最初見た時はどうして来たのかな」
海の底にあるこの宮殿にというのです。
「わからなかった」
「この娘についてはです」
魔法使いもお話します。
「今も調べています」
「どうして寝ている間に移動しておるか」
「はい、ですが」
それでもというのです。
「全くです」
「わからぬな」
「これが」
そうだというのです。
「どうにも」
「そうであるか」
「実に不思議で」
そうであってというのです。
「わかりません、ですが調べ続けています」
「調べることはいいことだ」
ポセイドン神は笑顔で言いました。
「そのことがわからずともな」
「それでもですね」
「他のことがわかったりな」
そうしたことがあってというのです。
「また何時かわかる」
「そうもなりますね」
「だからな」
そうであるからだというのです。
「調べることはだ」
「いいことですね」
「無駄にはならぬ」
決してというのです。
「調べることそして努力はな」
「この子のことも」
「うむ」
こう言うのでした。
「無駄にはならない」
「他のことがわかったり」
「やがてわかったりな」
「しますね」
「だから調べるのだ、さてそれでだが」
ポセイドン神はここで、でした。
楽しそうにです、ドロシーにこうも言いました。
「オリンポスに行く前にだ」
「その前にですか」
「港に着いたらな」
それからはというのです。
「我が兄弟ハーデスの宮殿に行くか」
「ハーデス神のですか」
「あれで寂しがりで遊び好きでな」
そうであってというのです。
「そなた達が来ると楽しい」
「港町から行けましたね」
「あの者の地下の宮殿にな」
「だからですね」
「港町に着いたらな」
その時はというのです。
「是非な」
「ではそうさせてもらいます」
ドロシーは笑顔で応えました、そして宮殿を後にするまでポセイドン神それに海の神々と楽しく遊ぶのでした。