『オズのドロシー』
第五幕 海に出て
船は川を下っていきます、オズの国の西の海に向かう中でドロシー達は船旅を楽しんでいます。その中で、でした。
皆今はダンスホールで社交ダンスを楽しんでいます、かかしはつぎはぎ娘と踊りながら笑顔で言いました。
「こうした踊りもいいね」
「あたし踊りは何でも好きよ」
つぎはぎ娘は笑顔で応えました。
「だから社交ダンスもよ」
「好きなんだね」
「そうよ、だから今とても楽しいわ」
「それは何よりだよ、では今はね」
「一緒に踊りましょう」
「僕の踊りはどうかな」
樵はドロシーと踊りながら彼女に尋ねます。
「こちらの練習もしているけれど」
「とても上手よ」
ドロシーは笑顔で答えます。
「素敵なダンスよ」
「そうなんだね」
「ええ、私も負けていられないわ」
「そうなんだ」
「ええ、これからもダンスの練習をするわ」
「ダンスは楽しくするものよ」
オズマは魔法使いと踊りつつ言いました。
「練習もね」
「そう、笑顔でね」
「音楽を聴いてそれに合わせて」
「明るく楽しくだよ」
「踊るものよ」
「その通りだよ、実際に踊る時もそうだし」
「練習も楽しくしないとね、どんなダンスも」
社交ダンスに限らずというのです。
「そうするものよ」
「その通りだね」
「だから今もね」
「楽しんでいるね」
「とてもね」
こうお話しながらです。
皆で明るく楽しく踊ります、それで休憩の時にモジャボロは林檎のジュースを飲んでから笑顔で言いました。
「いい運動にもなったね」
「うん、ダンスはスポーツでもあるよ」
教授は林檎のパイを食べつつ応えました。
「だから踊れば汗をかいて」
「身体も心もすっきりするね」
「そうなるから」
だからだというのです。
「学問にもいいんだよ」
「気持ちがすっきりして向かえるからだね」
「学問にもね」
「よく動いてよく学ぶ」
弟さんも言ってきます。
「そういうことだね」
「そう、その通りだよ」
教授は弟さんに笑顔で答えました。
「だからいいんだよ」
「そうですね、では僕も後で本を読みますね」
弟さんは笑顔で言いました。
「生きものについての本を」
「そうしたらいいよ」
「僕も読もうか」
モジャボロも言いました。
「僕は植物の本をね」
「本を読むのもいいけれど」
臆病ライオンはこんなことを言います。
「眠くなってきたね」
「そうだね、じゃあお菓子や果物をお腹一杯食べてから」
腹ペコタイガーは今も食いしん坊です。
「寝ようか」
「いいね」
臆病ライオンも賛成でした。
「それならね」
「うん、食べてね」
「それから寝よう」
「沢山動いて沢山食べたら眠くなるわ」
エリカも言います。
「これがいいのよね」
「そうよ、寝ることはいいことよ」
ビリーナにしてもです。
「だからお昼寝もいいわね」
「いや、あと少しで晩ご飯だよ」
ですがハンクがエリカ達にこう言います。
「お昼寝するにしてもね」
「ああ、今三時ね」
「だったら近いわね」
エリカもビリーナも頷きます。
「じゃあ今は起きて」
「後で寝ることね」
「今日の晩ご飯はお鍋でして」
ジュリアは晩ご飯のお話をしました。
「河豚鍋です、お刺身や唐揚げもあります」
「河豚のなのね」
「左様です」
ジュリアはトロットに答えました。
「日本のお料理です」
「河豚鍋に河豚のお刺身に唐揚げ」
「これまたいいわね」
ベッツイは笑顔で言いました。
「私大好きよ」
「私もよ」
「河豚は確かに美味しいわ」
グリンダも同じ考えでした。
「あっさりしていてね」
「食べやすくてね」
「最高よ」
「外の世界では毒があるけれど」
「オズの国ではないし」
「心配なく食べられるわ」
「昔は河豚は気にもしなかったね」
ジャックは昔のオズの国のお話をしました。
「食べる人達も」
「そうだったよ」
木挽の馬車も言います。
「お魚を食べてもね」
「河豚は誰も食べようとしなかったよ」
「けれどオズの国に日系人の人達が来てくれて」
「食べる様になったよ」
「他の色々なーーお料理もーーですーーが」
チクタクも言います。
「和食もーーですーーし」
「それで河豚もだね」
トトもお話に入ります。
「食べる様になったね」
「オズの国でも河豚を食べられるなんて」
恵梨香は笑顔で言いました。
「いつもとても嬉しいわ」
「最初食べる時は心配だったよ」
ジョージは外の世界のお話をしました。
「大丈夫かってね」
「中国でも昔は食べていたけれど」
それでもと言う神宝です。
「今は殆どだしね」
「日本では食べても」
カルロスは外の世界の日本以外の国のお話をします。
「他の国では違うしね」
「けれど食べてみるととても美味しくて」
ナターシャは微笑んでお話します。
「今夜も食べられて嬉しいわ」
「そうよね、河豚はね」
まさにと言う恵梨香でした。
「とても美味しいお魚よ」
「そう、だから今夜はその河豚を食べるのよ」
ドロシーも言います。
「だから楽しみにしていてね」
「それで何処で食べるの?」
ガラスの猫は食べる場所を尋ねました。
「これまでプールサイドでも甲板でも食べてるけれど」
「食堂よ」
ドロシーはそちらでと答えました。
「船のね」
「朝はいつもあそこで食べているわね」
「そう、それで今夜はね」
「あちらで食べるのね」
「オーケストラを聴きながらね」
「そのオーケストラですが」
大尉がこちらのお話をしました。
「和食だと雅楽になって中華料理でもです」
「中国の楽器になるわね」
「アメリカの料理の時はジャズで」
「そう、その国のお料理に合わせてね」
ドロシーは笑顔で答えました。
「音楽も変えてくれるのよ」
「この船の音楽隊は」
「欧州だとクラシックでね」
「オーケストラですね」
「そちらで演奏してくれるのよ」
「グラスバンドの時もあるわよ」
オズマも笑顔で言います。
「音楽は」
「そうよね、グラスバンドもいいわよね」
ドロシーはオズマにも応えました。
「音楽は」
「お食事の時もね」
「それでね」
そうであってというのです。
「今夜はね」
「雅楽ね」
「日本のね。琴や笛の音と共にね」
「皆河豚を食べるわね」
「そうなるわ」
「素敵ね、それで私達が食べる前に」
「もう音楽隊の人達は食べていて」
そうしてというのです。
「元気にね」
「演奏してくれるわね」
「そうよ」
実際にというのです。
「そうしてくれるわ」
「そうよね」
「だからね」
「私達もいただくのね」
「美味しいものをね」
「そういえば」
恵梨香はふと気付いた様なお顔になって言いました。
「船員さんや音楽隊の人達は何時何処で何を召し上がられてるんでしょうか」
「私達と同じものを船員さん達の食堂で食べているのよ」
ドロシーはすぐに答えました。
「船の中にあるね」
「そうなんですか」
「それぞれのお仕事に合わせた時間でね」
「そうなんですね」
「だからね」
ドロシーはそれでとお話しました。
「食べていないということはね」
「ないんですね」
「そう、それに食べるものは同じだし」
ドロシーはこのことについてあらためてお話しました。
「安心してね」
「誰もが同じものを食べていますね」
「そうよ、私達は皆ね」
「同じものを食べて」
「同じ船に乗っているのよ」
「同じですね」
「お客さんと船員さんっている立場の違いはあっても」
それでもというのです。
「同じよ」
「そうなんですね」
「そう、そして」
それでというのです。
「一緒にね」
「行きますね」
「まずは海に出るわよ」
「これからですね」
「そうなるわ」
「こんな大きな川を大きな船が進んでいて」
恵梨香はそうしてと言います。
「海も進むなんて」
「不思議なのね」
「そのことが」
「日本だとそうよね」
「本当に日本の川は大河でなくて」
今自分達がその上にいる様なというのです。
「それで、です」
「船も川の船は小さいわね」
「そうです、ですから」
「大河を大きな船で進んで」
「そのまま海に出ることも」
このこともというのです。
「凄くです」
「不思議で」
「夢みたいです」
そうだというのです。
「本当に」
「多くの国で自然なくても」
「オズの国でもですね」
「日本ではそうね」
「そうです、国によって違いますね」
「川や船のこともね」
「はい、そして」
恵梨香はさらに言いました、
「今川にイルカがいましたが」
「カワイルカね」
「このこともです」
「外の世界でもいるでしょ」
「国によっては。ブラジルでも」
「エイがいたりもするわね」
「そうですが」
それでもというのです。
「日本ではいないので」
「不思議ね」
「そうです、あとオズの国のカワイルカって色々いますね」
ばしゃんと海面を出て跳ねるイルカ達を見て言います。
「今の海にいるみたいなイルカもいますと」
「外の世界にもいるカワイルカもいるわね」
「はい」
まさにというのです。
「そうなっていますね」
「このこともね」
「オズの国ですね」
「外の世界と違って」
「川にも色々なイルカがいますね」
「海にいるお魚もいるし」
そうであってというのです。
「他のお魚もね」
「いますね」
「そうなのよ」
オズの国ではです。
「お空にもいるしね」
「そうですよね」
「地下の川や湖にもよ」
そうした場所にもというのです。
「沢山のお魚や生きものがいるのよ」
「外の世界では海にいる様な」
「恐竜だっているし」
「あっ、今見えました」
見れば水面ににゅっと首の長い恐竜が出てきました、恵梨香達五人はその恐竜を見てすぐに笑顔になりました。
「恐竜ね」
「あれは海の恐竜ね」
「プレシオサウルスかな」
「今は大型の水棲爬虫類っていうんだよね」
「その種類だね」
「オズの国には恐竜もいるから」
ドロシーは五人にお話しました。
「川にもね」
「陸にもいますし」
「そして海にも」
「勿論お空にも」
「オズの国のあちこちにいますね」
「恐竜も」
「そうよ、ドラゴンだっているし」
この生きものもというのです。
「恐竜だっているのよ」
「お伽の国だからですね」
「外の世界にはもういない生きものもいてね」
「恐竜もですね」
「そうよ」
実際にというのです。
「いるのよ」
「そのことも嬉しいです」
「私も恐竜をはじめて見たのはね」
「オズの国に来てですね」
「そう、その時がね」
まさにというのです。
「はじめてだったのよ」
「そうでしたね」
「だからね」
恵梨香にさらにお話します。
「私も最初は驚いたわ、図鑑も読んでなかったし」
「カンサスにおられた頃は」
「おじさんおばさんに色々教えてもらったけれど」
それでもというのです。
「それでもね」
「恐竜のことを教わっても」
「具体的にどんな恐竜がいたかなんて」
そうしたことはというのです。
「全くね」
「知らなかったですか」
「そうだったから」
「オズの国ではじめて見て」
「驚いたわ」
そうだったというのです。
「オズの国でね、それで勉強したのよ」
「オズの国で」
「この国に定住する様になって」
そうしてからというのです。
「それからね」
「学ばれたんですか」
「色々なことを学んで」
そうしてというのです。
「生きもののこともそうで」
「恐竜のこともですね」
「学んでね」
「色々な恐竜を学ばれたんですね」
「そうよ、そしてね」
ドロシーも首を出している恐竜を見ています、船の横を何でもないといった感じで泳いでいる恐竜を見て言うのです。
「詳しくなったつもりよ」
「恐竜について」
「どの恐竜が何処に棲息しているか」
「どういった外見で大きさか」
「ご存知ですね」
「あの恐竜はプレシオサウルスね」
恵梨香に具体的に言いました。
「首の長さや全体の大きさを見ると」
「プレシオサウルスですか」
「ええ、そうよ」
そうだというのです。
「その恐竜よ」
「その種類の恐竜ですか」
「貴女達が言う通りにね」
「そうね」
横でオズマも頷いてきました。
「あの恐竜はね」
「そうよね」
「貴女達の言う通りね」
オズマも恵梨香達にお顔を向けて言います。
「プレシオサウルスよ」
「そうですか」
「やっぱりあの恐竜はそうですか」
「プレシオサウルスですか」
「あの恐竜ですか」
「そうなんですね」
「そうよ、正解よ」
微笑んでこうも言いました。
「見事ね」
「よかったです」
「他の恐竜だったら」
「間違いだったら」
「恥ずかしかったです」
「そうじゃないかなって思って」
「間違えてもいいのよ」
オズマは恥ずかしいという言葉にはこう返しました。
「そこから正しいことを知ったらね」
「それならですか」
「間違えてもいいですか」
「そうなんですね」
「正しいことを知るなら」
「そうであるなら」
「そうよ、問題はね」
それはというのです。
「正しいことを知ることよ」
「それなら間違えてもいいんですか」
「失敗してもね」
恵梨香にお話しました。
「いいのよ」
「そうなんですね」
「人は間違えて失敗して」
そうしていってというのです。
「徐々にね」
「覚えていきますか」
「オズの国でもそうよ、だからオズの国ではね」
この国ではというのです。
「間違えても失敗してもね」
「いいんですね」
「むしろいいことだってね」
その様にというのです。
「なっているの」
「そこから正しいことを知るので」
「だからね」
その為にというのです。
「いいことよ」
「間違えて失敗する」
「そう、そして」
「正しいことを知るのね」
「失敗は成功の母とも言うわね」
ドロシーはにこりと笑ってこの言葉も出しました。
「そうでしょ」
「はい、本当に」
恵梨香もその通りだと答えます。
「そうですね」
「だからね」
それでというのです。
「間違えて失敗することはね」
「オズの国ではいいことね」
「それが正しいことを知ってね」
「成功にもつながるからですね」
「いいのよ」
「そうですか」
「ええ、だから恐竜を間違えてもね」
「いいですね」
「そうよ、他のこともね」
恐竜のことだけでなくというのです。
「どんどんね」
「間違えていけばいいんですね」
「そのうえでね」
「正しいことを知ることですね」
「間違えて違うとわかれば覚えるから」
そうなるからだというのです。
「私だって物凄く間違えてるわよ」
「ドロシーさんもですか」
「もう星の数だけね」
それだけというのです。
「間違えてきているわ」
「そうなんですね」
「だからね」
「私達も間違えることですね」
「失敗をしてね」
こうしたお話をです、川の水面から首を出して泳いでいる恐竜を見てお話しました。そうしてなのでした。
船は遂に海に出ました、河口を見ると沢山のマナティー達がいましたが船が近くに来るとゆっくりと道を開けてくれました。
そのマナティー達にです、ドロシーは笑顔で言いました。
「通らせてもらうわね」
「どうぞ」
そのマナティー達が言ってきました。
「通ってね」
「海への道は開けたから」
「そうしてね」
「ええ、通らせてもらうわ」
笑顔で応えてでした。
皆を乗せた船はマナティー達が開けた海への道を通って海に出ました。船が通り過ぎるとマナティー達はすぐに元の場所に戻りました。
その彼等を船尾で見送って手を振ってです、ドロシーは笑顔で言いました。
「川とは一時のお別れで」
「海に出たね」
「そうなったわ」
トトに笑顔のまま応えました。
「今ね」
「そうだね、しかしね」
「しかし?」
「川から海に出たら」
トトはドロシーにお話しました。
「同じお水の上にいるけれど」
「何かが違うわね」
「潮風の香りがするよ」
トトは尻尾を振ってお話しました。
「海に入った瞬間から」
「この香りがいいのよね」
「海に来たって実感するね」
「凄くね。それでこれからは」
「海を進んで」
「オリンポスの最寄りの港町に行くのよ」
そうするというのです。
「これからね」
「そうするね」
「そして」
そのうえでというのです。
「港町に着くまでも」
「船で楽しい時間を過ごすね」
「そうするわ」
「そういえば」
ここでオズマが言ってきました。
「あの港町の近くにね」
「ええ、ポセイドン神の宮殿があるわね」
「海の底にね」
「立派な宮殿がね」
「あの宮殿にお邪魔して」
「挨拶するのね」
「ポセイドン神と海の神々にね」
そうするというのです。
「是非ね」
「あの、何か」
ここで恵梨香が言ってきました。
「ポセイドン神もギリシャの神様達って女の人が好きで」
「女神様だと男の人が好きよね」
ナターシャも言います。
「どうも」
「何かすぐに声をかけて」
そうしてと言うカルロスでした。
「奇麗な人可愛い人には目がない」
「そんな神様女神様多いですね」
ジョージが続きました。
「どうも」
「大丈夫ですか?皆さんは」
神宝は心から心配しています。
「言い寄られたりとか」
「ないわよ」
ドロシーは心配する五人に笑顔で答えました。
「どの神様も気さくな紳士よ」
「そうなんですか」
「何か神話のお話聞くと凄いですが」
「殆どの神様女神様が奇麗な人可愛い人が好きで」
「すぐに声をかけますが」
「違うんですね」
「ギリシャ神話とオズの国は違うから」
だからだというのです。
「安心してね」
「どの神様もいい神様だよ」
かかしが笑顔でお話します。
「変なことは絶対にしないからね」
「だから安心してね」
樵も言います。
「僕達は皆さんと顔馴染みだしね」
「神様女神様と」
「それでどういった方々か知っているからね」
臆病ライオンも恵梨香に言いました。
「確かにお話出来るよ」
「だからお会いする時を楽しみにしているといいよ」
魔法使いが笑顔でお話しました。
「ギリシャの神々とお会いするのもね」
「そうですか、それじゃあ」
恵梨香はお話を聞いてから言いました。
「楽しみにさせてもらいます」
「そうしてね。それとね」
ここでさらに言うドロシーでした。
「皆これから何がしたいかしら」
「これから?」
「これからですか」
「今からですね」
「何をしたいか」
「そのことですね」
「そう、何をして遊ぶのかしら」
船の中でというのです。
「これからは」
「何がいいかしら」
「考えてなかったね」
「そうよね」
「さっきまで景色を眺めていたけれど」
「今からどうするか」
五人でドロシーのお話を受けてお話しました。
「ダンスをしてプールで泳いで」
「船の中でかくれんぼもしたし」
「船の中をお散歩したり」
「ティータイムを楽しんで」
「景色も楽しんだけれど」
「そうだ、映画を観ようよ」
ここでジャックが提案しました。
「皆でね」
「映画?」
「映画を観るんだ」
「これから」
「皆で」
「そうするんだ」
「どうかな、今回の旅ではこれまで映画を観ていなかったし」
だからだというのです。
「今回はね」
「いいわね」
「そうだね」
「それじゃあね」
「映画を観ましょう」
「今から皆で」
「いいわね」
トロットは五人が頷いてからジャックに笑顔で賛成の言葉を述べました。
「それじゃあね」
「これからだね」
「船の映画館に入ってね」
「皆で観よう」
「そうしましょう」
「映画を観ることもいいことよね」
ベッツィも言いました。
「素敵な遊びね」
「そうよ、そういえば今回は今まで映画を観ていなかったわ」
ドロシーはベッツイに応えました。
「だからね」
「いい機会ね」
「私も考えていなかったわ」
「一人では考え付かないことでも」
それでもと言うグリンダです。
「皆がいるとね」
「誰かが考え付いてくれるわね」
「気付いてくれることもね」
そうであることもというのだ。
「あるわ」
「そうよね、だから皆がいて」
そうしてというのです。
「仲よく進めていったら」
「それでね」
「誰かが気付いてくれて」
「ことが進められるわ」
「いい流れでね」
「今回もそうであって」
グリンダはそれでとお話しました。
「楽しくね」
「遊ぶことね」
「皆でね」
「映画は学問の一環だよ」
教授はやや気取った姿勢で言いました。
「だからどんどん観ていいのだよ」
「本を読むことと同じね」
「そう、いい学問になるから」
それでというのです。
「機会があれば」
「どんどん観るといいのね」
「そうだよ、ではね」
「今から映画館に入りましょう」
「そして観よう」
皆でお話してです、船の映画館に入って皆で映画を鑑賞しました。その映画はどういったものかといいますと。
「いや、あの時のお話だね」
「うん、オズマ姫とドロシー王女が二人で冒険に出て」
モジャボロと弟さんが映画が終わってからお話します。
「皆で探しに行った」
「あの時だったね」
「グリンダさんが活躍された」
「外の世界だとオズのグリンダという本になっている」
「あの時だったね」
「懐かしいお話だけれど」
それでもと言う弟さんでした。
「映画になっていてね」
「僕達が観るなんてね」
「思わなかったよ」
「そうだね」
「いや、あの時が映画になっていたことは知っていたけれど」
それでもと言うキャプテンです。
「今観るとは思わなかったよ」
「作品に出会うにも運命でしょ」
つぎはぎ娘が言ってきました。
「だからね」
「観てよかったんだね」
「実際にそう思ってるでしょ」
「とても面白かったよ」
キャプテンは笑顔で答えました。
「いい映画だったよ」
「あたしもそう思うわ」
つぎはぎ娘もでした。
「凄くね」
「面白かったね」
「満足したわ」
「あの時も色々あったね」
ハンクは映画になったお話でのことを思い出しつつ言います。
「それが全部映画になっていて嬉しいよ」
「うん、役者さん達の演技もよかったし」
それでと言う木挽の馬でした。
「音楽も演出もよかったよ」
「映像もね」
「何もかもがよかったよ」
「そうですね、まるで僕達が出ているみたいでした」
大尉は笑ってお話しました。
「本当に」
「そんな筈がないのに」
腹ペコタイガーが続きます。
「そうだったね」
「はい、衣装なんかもよくて」
「素敵だったよ」
「まことに」
「よく私になれたわね」
ガラスの猫はしみじみとした口調で述べました。
「褒めてあげるわ」
「普通の猫を魔法の特殊メイクであんたそっくりにしてたわね」
ビリーナが言ってきました。
「凄い技術よ」
「全くよ、褒めてあげるわ」
「あれもまたーーオズの国の技術ーーですーーね」
チクタクも言います。
「素晴らしいーーです」
「ええ、昔は出来なかったけれど」
それでもと言うガラスの猫でした。
「今は私そっくりのメイクも出来るのね」
「左様ーーですーーね」
「オズの国も凄いわ」
「ご本人でなくてもそっくりに出来る」
ジュリアは微笑んでお話しました。
「それもオズの国ですね」
「そうね、私を演じている女優さんも私そっくりだったし」
オズマが見てもです。
「凄くよかったわ」
「むしろ私達自身が出るよりよかったわね」
ドロシーが続きました。
「むしろ」
「そうだったわね」
オズマはドロシーの言葉に頷きました。
「私達は女優さんじゃないし」
「お芝居をしてもね」
「女優さんと比べたら」
「全然違うわ」
「だから私達そっくりのメイクに衣装で」
「演じてくれたから」
映画の中でというのです。
「よかったわ」
「本当にね」
「あの、まさか」
ここで恵梨香が言ってきました。
「ボームさんが紹介してくれたお話は」
「映画になっているかっていうのね」
「どうなんでしょうか」
「ええ、なっているわ」
ドロシーはその通りだと答えました。
「どのお話もね」
「やっぱりそうですか」
「そしてボームさんの後の人達が紹介してくれたお話もね」
「映画になっているんですね」
「そうよ、私が最初に来た時のお話も」
「カンサスから竜巻で飛ばされて」
「あの時のこともね」
「お話になっていますね」
「そうなのよ」
これがというのです。
「実際にね」
「そうですか」
「だからね」
「機会があればですね」
「観てね」
そうしてというのです。
「楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
恵梨香は笑顔で答えました。
「その時は」
「ええ、それとね」
「それと?」
「映画を観る時何を食べたかしら」
ドロシーはこのことを尋ねました。
「貴女達は」
「クレープでした」
恵梨香はすぐに答えました。
「美味しかったです」
「そうだったわね、実は私もね」
「クレープ召し上がられていましたね」
「中にアイスが入ったね」
「美味しかったですね」
「ええ、そうでしょ。だからまたね」
ドロシーは恵梨香にお話しました。
「是非ね」
「映画を観ながらですね」
「クレープを食べましょう」
「皆で一緒に」
「そうしましょう」
「いいね、じゃあ映画も終わったし」
トトが言ってきました。
「これから晩ご飯だね」
「少し経ったらね」
「今夜は何かな」
「中華料理よ」
ドロシーは笑顔で答えました。
「上海蟹を頂くわ」
「蟹だね」
「勿論蟹以外にもね」
蟹料理以外にもというのです。
「麺や点心も出るから」
「楽しめるね」
「そうよ」
その通りだというのです。
「だからね」
「今夜も期待出来るね」
「そうよ。貴方も蟹好きよね」
「大好きだよ」
トトは尻尾をぱたぱたと振って答えました。
「オズの国に来てはじめて食べて」
「好きになったわね」
「そうなったよ」
実際にというのです。
「とても美味しくてね」
「私もよ。一緒に食べましょう」
「うん、上海蟹っていうと」
トトはその蟹ならとお話しました。
「蒸すのかな」
「そうよ。丸ごと蒸してね」
「それを食べるね」
「皆でね」
「それも楽しみだね」
「蟹はいいですよね」
恵梨香も笑顔で言ってきました。
「美味しいですよね」
「そうよね」
ドロシーが応えました。
「蟹はね」
「それでドロシーさんもですね」
「カンサスにいた頃は」
「海がなくて」
「お魚も食べたことはあまりなくて」
そうであってというのです。
「蟹それに海老もね」
「なかったですね」
「今晩は蝦蛄も出るけれど」
それでもというのです。
「蝦蛄もね」
「食べたことがなかったですか」
「そうだったわ」
「そうだったんですね」
「けれどね」
「今はですね」
「大好きよ」
そうだというのです。
「蟹も海老も蝦蛄もね」
「だから皆で食べて」
「楽しむわ」
「そうされますね」
「是非ね、中華料理もいいわね」
お料理自体のお話もしました。
「オズの国でも食べられて」
「嬉しいですね」
「今はそうなってね」
それでというのです。
「嬉しいわ」
「海を見ながら食べましょう」
オズマはこう提案しました。
「甲板の席でね」
「皆で座って」
「そしてね」
「夜の海ね」
「今夜は満月だし」
オズマはこのこともお話しました。
「だからね」
「満月と夜の海ね」
「しかも夜の海には満月が照らされているのよ」
「ロマンチックね」
「音楽も演奏してもらえるし」
このこともあってというのです。
「本当にね」
「とてもロマンチックね」
「そのロマンも楽しみながら」
「中華料理を食べる」
「上海蟹をね」
「素敵過ぎるわね。だったら」
ドロシーはさらに言いました。
「服も着替えようかしら」
「中国の服ね」
「ええ、着替えられる人は皆ね」
それこそというのです。
「着替えてね」
「そのうえで」
「そう、皆でね」
まさにというのです。
「そうしてね」
「中国の音楽だし」
「そちらも堪能しながらね」
「いいわね」
オズマは笑顔で頷きました。
「それじゃあね」
「皆でね」
「ええ、皆でね」
「楽しみましょう」
こうしたお話もしてでした。
皆で船の旅を楽しんでいきます、そのうえでオリンポスに向かうのでした。