『オズのドロシー』




                第三幕  港町での観光

 新幹線はお昼前に港町に着きました、港町は美術館になっている宮殿と水路にチューリップ畑もある石畳と煉瓦のオランダ風の街でした。
 その街に着いてです、皆まずは街のホテルの一つにチェックインしましたがそのホテルがまたでした。
「凄いわね」
「うん、宮殿みたいだよ」
「絨毯もシャングリラも奇麗で」
「立派なレストランまであって」
「凄いホテルね」
「このホテルは大人気なのよ」
 ドロシーは皆にお部屋の中で恵梨香達五人に対して言いました、そこは最上階のロイヤルスイートです。
「この街のホテルでもね」
「そうなんですね」
「だからこんなに立派なんですね」
「まるで宮殿です」
「物凄く立派です」
「ここで暮らしたい位です」
「そうよね、そしてね」
 ドロシーはさらにお話しました。
「荷物は置いたし」
「レストランですね」
「じゃあ行きましょう」
「今から」
「それで美味しいものを食べましょう」
「皆で」
「私達はーー食べないーーですーーが」
 チクタクが言ってきました。
「皆さんとーーご一緒ーーーさせてもらいーーます」
「美味しいものを飲んで食べる笑顔がいいのよ」
 つぎはぎ娘も言ってきます。
「本当にね」
「それを見せてもらうよ」 
 木挽の馬が続きました。
「今回もね」
「皆は楽しんでね」
 ガラスの猫は食事をと言いました。
「存分にね」
「僕達は僕達で楽しむからね」
 ジャックは美味しいものを食べて笑顔になる皆の顔を見てそうするつもりです、今からそうなのです。
「存分にね」
「では行きましょう」
 大尉も笑顔です。
「そのレストランに」
「この街はレストランも色々あってね」
 かかしはこのことを知っていました。
「何処に入るか悩む位だそうだね」
「皆はもう行くお店が決まっているみたいだけれど」 
 それでもと言う樵でした。
「行ってきたらいいよ」
「うん、楽しみだよ」 
 腹ペコタイガーはここでも舌なめずりをしました。
「どんな美味しいものを食べられるのか」
「魚介類で有名な街だから」
 それでと言う臆病ライオンです。
「そちらになるね」
「お魚に貝に海老に蟹」
 魔法使いは微笑んで言います。
「烏賊に蛸に海鼠とね」
「本当に魚介類が有名な街で」
 モジャボロの弟さんも微笑んでいます。
「素晴らしいですね」
「他にも魚介類で有名な街はあるにしても」 
 教授も自然と笑顔になっています。
「この街はオズの国のそうした街の中でもトップクラスだよ」
「何処が一番とは言えないけれど」 
 それでもと言うモジャボロです。
「この街が素晴らしいことは事実だね」
「しかもドロシーが紹介するお店だから」
 トロットはうきうきとした感じです。
「絶対にいいお店よ」
「美味しくてサービスのいい」
 ベッツイはトロットの隣で言います。
「素敵なお店ね」
「わしは魚介類が大好きだから」
 キャプテンは海の男だけあってそうなのです。
「今から楽しみだよ」
「お顔に出てるよ」
 ハンクはそのキャプテンに言いました。
「僕は海草が楽しみだよ」
「何でも食べるわよ」
 エリカはそうなのでした。
「お魚とか聞いただけで喉が鳴るわ」
「尻尾が動くよ」
 実際にトトは尻尾をぱたぱたと振っています。
「今からね」
「待ち遠しいわね」
 ビリーナにしてもです。
「本当に」
「お店の場所は近いですね」
 ジュリアはドロシーに尋ねました。
「そうですね」
「ええ、歩いてすぐよ」 
 ドロシーはその通りだと答えました。
「だからすぐにね」
「行きましょう」 
 オズマもドロシーに言いました。
「今からね」
「皆でね」
 ドロシーも応えてでした。
 そのうえでホテルからレストランに向かいました、最高級のロイヤルスイートルームからとても豪奢な感じのレストランに入ってです。
 ブイヤベース、鱈のムニエルにオイルサーディン、亀の卵のスープにオマール海老の丸焼き、鯛や貝柱、蛸に鮭のカルパッチョに鱧のアクアパッツァ、海草のサラダに烏賊のフライ、亀のオリーブ煮とです。
 様々なメニューを前にしてです、恵梨香達五人も言いました。
「凄いわね」
「物凄いね」
「何でもある感じだね」
「どれから食べようかな」
「困る位よ」
「本当に」
「好きなものを食べていいのよ」
 ドロシーは笑顔で答えました。
「皆ね」
「じゃあ私はまずはカルパッチョを」
 ドロシーはそちらをと言いました。
「いただきます」
「僕はフライを」 
 神宝はこちらでした。
「美味しそうなので」
「僕はアクアパッツァにします」
 ジョージはこちらを選びました。
「鱧好きなので」
「最初はサラダですね」
 ナターシャはこう言いました。
「お料理は」
「そうですね、亀がいいですね」
 カルロスは亀のオリーブ煮を選びました。
「こちらは」
「それではね。あとね」
 ドロシーは皆にブイヤベースを前に言いました。
「トマトやラディッシュのお野菜も沢山あるから」
「そうしたものもですね」
「是非ですね」
「食べることですね」
「魚介類だけじゃなくて」
「お野菜も」
「デザートはフルーツの盛り合わせだし」
 見れば林檎や葡萄、洋梨にオレンジ等が小さく切られてあります。
「ヨーグルトをかけてね」
「いただくんですね」
「デザートは」
「こちらも美味しそうですね」
「凄く」
「見てますと」
「楽しんでね、あと夜はパエリアとね」
 このお料理と、というのです。
「生牡蠣と蝦蛄よ」
「牡蠣と蝦蛄ですか」
 恵梨香はそう聞いてさらに明るい笑顔になりました。
「嬉しいですね」
「貴女どちらも好きなのね」
「はい、牡蠣も大好きで」
 そしてというのです。
「蝦蛄もです」
「それは何よりね」
「それでパエリアも」
 このお料理もというのです。
「大好きです」
「それは何よりね」
「牡蠣って美味しいですよね」
「だから私も大好きなの」
 ドロシーは笑顔で応えました。
「それでね」
「夜はですね」
「牡蠣と蝦蛄よ」
「パエリアと」
「皆も好きだしね」
「そうなんですね」
「ええ、オズの国では川や湖にも牡蠣がいるから」
 オズマが言いました。
「こうした川の港町でも食べられるわ」
「そうなのよね」
「今私達の前にある魚介類もね」
「外の世界には海にいるものだけれど」
「オズの国では川や湖にもいるわ」
「そうなのよね」
「それなら」
 恵梨香は二人のお話を聞いて言いました。
「河豚や鮟鱇もですね」
「いるでしょ」
「それで食べられますね」
「鱧もね」
「そう、実はです」
 恵梨香はドロシーにお話しました。
「オズの国では鱧普通に食べていますね」
「美味しいからね」
 ドロシーはそれでと答えました。
「今もアクアパッツァに使われているわね」
「はい、そうですね」
「けれどそのことは」
「はい、外の世界では日本位しか食べないみたいで」
 そうであってというのです。
「それも関西です」
「東の方では食べないのね」
「どうも」
「そうなのね」
「ですからオズの国で食べられて」
 鱧をというのです。
「嬉しいです」
「そうみたいなんです」
「鱧は日本位しか食べなくて」
「しかも西の方だけで」
「私達も聞いて驚きました」
 カルロス達四人も言います。
「私達神戸で暮らしていますが」
「神戸は日本の西の方にありまして」
「鱧も食べます」
「明石が傍にありますし」
「元々鱧は明石で獲りまして」
 そしてと言う恵梨香でした。
「京都にも運んでいましたし」
「日本の昔の首都ね」
「はい、そちらまで」
 こうお話します。
「それで神戸でもです」
「鱧を食べるのね」
「大阪でもです、ですが」
「東の方では食べなくて」
「それでオズの国でも食べられて」
 それでというのです。
「嬉しいです」
「そうなのね」
「ですからアクアパッツァも頂きます」
 是非にというのです。
「そうさせて頂きます」
「鱧のアクアパッツァね」
「そちらも」
「では私もね」
「いただきますか」
「そうさせてもらうわ」
 満面の笑顔で言いました。
「是非ね」
「それでは」
「鱧って確かに美味しいわね」
 ドロシーは今は蛸のカルパッチョを食べつつ言いました。
「あっさりしていてね」
「はい、しかもお料理のしがいがあります」
 ジュリアはその鱧のアクアパッツァを食べつつ応えました。
「鱧は」
「小骨が多くて」
「お魚の中でもです」
「独特のお料理があるのね」
「はい、ですから」
 そうだからだというのです。
「私もです」
「鱧をお料理するの好きなのね」
「小骨を丹念に切って」 
 そうしてというのです。
「お料理します」
「そうなのね」
「それがよくて」
 それでというのです。
「私も好きです」
「そうなのね」
「本来は日本のお魚なので」
「和食に使うわね」
「茹でたり揚げたり」
 そうして調理してというのです。
「お吸いものにもです」
「するわね」
「ですがこうしてです」
「アクアパッツァとかにしてもなのね」
「いいです」
 そうだというのです。
「鱧は」
「そうなのね」
「ですからこうしてです」
「鱧をなのね」
「いただきましょう」
「それではね」
 ドロシーは鱧もいただきました、そして皆で食べられる人は皆それぞれのお料理を心ゆくまで堪能しました。 
 勿論デザートも食べました、そこでオズマが言いました。
「小さく切ったフルーツにね」
「ヨーグルトをかけたら」
「これがね」
「また最高なのよね」
「ええ、病みつきになるわ」
 こうドロシーに言うのでした。
「素敵な組み合わせよ」
「そうよね」
「フルーツにヨーグルトはね」
「合うわね」
「牛乳もね」
「ええ、けれど」
 ドロシーは食べながらこうも言いました。
「今回食べているのはフルーツだけじゃないわね」
「果物だけじゃないわね」
「確かに林檎や葡萄や梨が入っているけれど」
「オレンジやバナナもね」
「苺やパイナップルもあるから」
「西瓜もね」
「そうしたものはお野菜なのよね」
 このことを言うのでした。
「これが」
「そう、甘くてね」
「果物に思えるけれど」
「苺やパイナップルは畑で採れるから」
 だからだというのです。
「お野菜よ」
「西瓜もね」
「けれど甘いから」
「ヨールグルトにも合うわね」
「これがね」
 桃も入っていてそれも食べてから言います、そしてトトもドロシーに対してこうしたことを言ってきました。
「この組み合わせも身体にいいんだよね」
「凄くね」 
 ドロシーはその通りだと答えました。
「いいのよ」
「そうだよね」
「フルーツにビタミンが沢山あってね」
「ヨーグルトに蛋白質やカルシウムがあって」
「ただ美味しいだけじゃなくて」
「身体にもいいね」
「そうよ」 
 まさにというのです。
「だからどんどん食べるとね」
「いいんだね」
「健康になって」
 美味しく食べてというのです。
「身体もどんどん大きくなるわ」
「外の世界だとそうだね」
「そう、オズの国は不老不死でね」
「子供は子供のままだね」
「だから私達は大きくならないけれど」 
 ドロシーは実際に女の子のままです。
「けれどね」
「外の世界だとね」
「大きくなるのよ」
「フルーツとヨーグルトを一緒に食べても」
「もっと言えば牛乳をどんどん飲めば」
 そうすればというのです。
「大きくなれるわ」
「そうなんだね」
「それでね」
 ドロシーはトトに恵梨香達五人を見て言いました。
「恵梨香達も大きいでしょ」
「大きいですか?」
「僕達大きいですか?」
「あの、どう見てもです」
「ドロシーさん達の方が大きいです」
「やっぱり」
「それは私達が貴女達より年齢が上だからよ」
 ドロシーは五人に微笑んで答えました。
「私が言うのは昔の十一歳の子よりもね」
「私達は大きいですか」
「昔の十一歳の子よりも」
「同じ年齢でも」
「そうなんですか」
「僕達は」
「牛乳をいつも沢山飲んでいて」
 そうしていてというのです。
「他にも栄養のあるものを沢山食べているからよ」
「栄養を充分採っていて」
「それで、ですか」
「僕達大きいですか」
「昔の十一歳の子と比べて」
「そうなっていますか」
「オズの国の人達も」
 彼等もというのです。
「昔よりずっと大きいしね」
「そういえばそうですね」
「オズの国はアメリカが反映されますが」
「昔は大人の男の人で平均して一四〇代で」
「今は一七〇代後半ですね」
「随分大きくなりましたね」
「昔のアメリカ人はもっと大きかったけれど」
 オズの国の人達よりというのです。
「やっぱりね」
「昔のアメリカ人もですね」
「今のアメリカ人より小さくて」
「それで、ですか」
「それが影響して」
「オズの国の人達も小さかったんですね」
「そうだったの、それがどんどん大きくなって」
 オズの国の人達もというのです。
「今ではそうなっているわ」
「色々な人もいる様になりましたし」
「白人の人達だけじゃなくて」
「アジア系やアフリカ系の人達も」
「ラテン系の人達も」
「それで色々な種族の人達もいますし」
「そうなったのよ、それでね」 
 ドロシーはさらにお話しました。
「二メートルある人もいるわね」
「今ではね」
 オズマが笑って頷きました。
「そうなっているわね」
「もう関羽さんみたいに大きな人もいるわ」
「そうなっているわね」
「若し関羽さんが昔のオズの国に来たら」
「巨人と間違えたわ」
「物凄く大きいから」
「関羽さんは本当に大きいね」
 トトが見てもです。
「二メートル超えてるからね」
「もう私達なんてね」 
 それこそとです、ドロシーはトトにお話しました。
「軽々と持ち上げる」
「それ位だね」
「物凄く大きくて」
「しかも力持ちでね」
「本当に私達なんてね」
「軽々だね」
「あの人はね。プロレスラーの人みたいよ」 
 関羽さんはというのです。
「大きさも体格もね」
「力だってね」
「お髭も立派で」
 ドロシーは関羽さんのこのこともお話しました。
「印象に残るわね」
「全くだね」
「その関羽さんも今ではオズの国の住人で」  
 オズマはドロシーにお話しました。
「あそこまで大きな人もよ」
「それで私達も大きくなったわね」
「昔と比べるとね」
「そうなっているわね」
「それで恵梨香達はね」
 五人はといいますと。
「昔の同じ年頃の子達と比べると」
「大きいわね」
「そうなっているわ」
「そうですか。私達は大きいですか」
 恵梨香はドロシー達のお話をここまで聞いて言いました。
「昔の同じ年頃の人達と比べると」
「そうなのよ、沢山食べて飲んでいるから」
 ドロシーは再び恵梨香にお話しました。
「大きいのよ」
「そうなんですね」
「昔と今ではね」
「人の体格も違いますね」
「ええ、そのことも覚えておいてね」
「わかりました」
 笑顔で、です。恵梨香は他の子達と一緒に頷きました。そうしてさらに食べていってそうしてなのでした。
 皆お昼が終わると街の観光を楽しみました、煉瓦の街並みの中を歩いて美術館となっている宮殿の中の絵や彫刻を見て回ってです。
 船に乗って水路の中を進みます、ドロシーはその船の中で言いました。
「こうして街の水路の中を船で進むのもいいわね」
「うん、面白いよね」
 今も傍にいるトトが応えます。
「本当に」
「だからね」
 それでというのです。
「今こうしてね」
「皆で乗って楽しんでいるね」
「そうしているのよ」
 実際にというのです。
「私達はね」
「そうだよね」
「そしてね」
 ドロシーはさらに言いました。
「この船もいいわね」
「ガラスで覆われていて天井もあってね」
「それでボタンを押すと」
 そうすると、というのです。
「三百六十度モニターになって」
「運河の中まで観られるわ」
「今から押していいかしら」 
 エリカが言ってきました。
「私早く見たいから」
「ええ、いいわ」 
 ドロシーは笑顔で答えました。
「お願いするわ」
「それじゃあね」
 エリカはすぐにボタンを押しました、するとです。
 運河の真横に中も見えました、運河の中には沢山のお魚や烏賊や蛸が泳いでいて底には貝がいます。岩も海草もあります。
 その底を見てです、恵梨香は思わず言いました。
「スキューバダイビングをしているみたいね」
「うん、お水の中を見られてね」
 カルロスが応えました。
「そうした感じだね」
「運河を船で進むだけでも楽しいのに」
 神宝はそれでもと言いました。
「周りを全部見られてね」
「オズの国ではよく三百六十度見られるけれど」
 ジョージはそうした乗りものに乗ってきたことを思い出しながら言いました。
「この船もそうだしね」
「オズの国に来ると色々楽しめるけれど」
 それでもとです、ナターシャは言いました。
「この三百六十度のモニターもなのよね」
「ええ、こうして見られて嬉しいわ」
 恵梨香はにこりと笑って皆に言いました。
「運河の中までね」
「そうでしょ、だから存分に楽しんでね」
 ドロシーは五人ににこりと笑って告げました。
「今もね」
「そうさせてもらいます」
「とても楽しいですし」
「運河の中まで観られて」
「それも底まで」
「ずっと見させてもらいます」
「運河を進む中でね」
「さて、船遊びをしながらだよ」 
 魔法使いはここでワインのボトルを空けました、グラスも用意してクラッカーやチーズ、サラミを出しています。
「ワインも楽しもうかな」
「あっ、いいね」
「そうしよう」 
 モジャボロと教授が応えました。
「是非ね」
「ワインも楽しもう」
「お昼ご飯を食べたばかりですが」 
 弟さんも言います。
「そうしましょう」
「いや、こうした時に飲むワインは最高だよ」
 キャプテンもそこに加わります。
「本当にね」
「全くだね、ちなみにワインは赤も白もあって」
 魔法使いはキャプテンに実際にそうしたワインのボトルも見せます。
「ウィンキ―名産のね」
「黄色いワインもあるね」
「そうだよ、今は赤を空けたけれど」
 そちらのワインをというのです。
「どれがいいかな」
「まず赤をいただいて」
 キャプテンは笑顔で答えました。
「そしてね」
「白や黄色をだね」
「いただいていいかな」
「じゃあそうしよう」
 魔法使いは笑顔で答えました。
「まずは皆で赤を飲もう」
「そして白や黄色を飲もう」
「チーズやサラミを楽しみながら」
「そうしよう」
 こうして船にワインも楽しみます、そして皆で船旅を満喫してから陸上に戻ります。そうするとでした。
 ドロシーは皆と一緒に港に来ました、港には多くの船が停まっていたり出港したり入港したりしています。
 港だけでなく船達も見てです、こう言いました。
「港町で港に来て船を見ないとね」
「足りないね」
「そう思うね」
 かかしと樵が応えました。
「どうしても」
「そうなるよね」
「ええ、船に乗るのは明日だけれど」
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「見ないとね」
「明日またここに来て船に乗っても」
「そう、そしてね」 
 それでというのです。
「もうすぐ夕方で」
「空も川も赤くなっていく」
「その景色もいいね」
「そう思うわ」
 ドロシーは笑顔で言いました。
「今はお空は青くてね」
「川もね」
「青くてそこに銀色があるね」
「それが徐々にね」
 その青い世界がというのです。
「赤くなるのよ」
「そうなっていく」
「そのことも楽しもうね」
「そうしましょう、あと少しで赤くなっていくわ」
「そして赤からね」
 臆病ライオンが言ってきました。
「夜になってね」
「そう、紫になるのよ」
 ドロシーは笑顔で答えました。
「夜のね」
「夜もいいよね」
「お日様が沈んだら」
 そうなればというのです。
「次はね」
「お月様だね」
「そう、お月様が出るのよ」
 そうなるというのです。
「夜はね」
「お月様もいいよね」
「そして夜になれば」
 それからはといいますと。
「晩ご飯を食べてお風呂にも入ってね」
「寝るね」
「そうしましょう」
「その夜のことですが」 
 ジュリアが言ってきました。
「ディナーはホテルでいただきます」
「用意してくれているわね」
「はい、最高級のディナーを」
 そちらをというのです。
「用意してくれています、そしてお風呂は」
「ロイヤルスイートのね」
「都の宮殿にも負けない様な」
 そこまでのというのです。
「とても奇麗で広い」
「素敵なお風呂ね」
「そちらに入りまして」
 そしてというのです。
「身体を奇麗にされて」
「温まるのね」
「そうしてです」
 そのうえでというのです。
「皆さんで天幕の大きなベッドで、です」
「寝るわね」
「そうなります」
「いいわね、私は冒険の間のテントの中で寝るのも好きで」
「皆さんで寝られるのもお好きですね」
「同じベッドでね」
 ジュリアに笑顔で答えます。
「そうすることもよ」
「お好きですね」
「そう、そのことも楽しみだわ」
 赤くなってきたお空と川を見つつ言います。
「寝る時もね」
「そうですね、では」
「ええ、今は夕陽を見てね」
 そしてというのです。
「赤くなっていって」
「夜になる世界も見て」
「そのうえでね」
「夜も楽しみましょう」
「皆でね」
 ジュリアに笑顔で応えてでした。
 皆で夕方になる港を見て夜になるとでした。
 ホテルに戻って素敵なディナーにお風呂を楽しんで皆でとても大きな天幕のベッドに一緒に入って寝ました。
 そして翌朝ビュッフェの朝ご飯オムレツやゆで卵、ソーセージにハムにサラダ、フルーツやヨーグルトがあるそれを楽しみまして。
 ドロシーは皆にです、こう尋ねました。
「船に乗るまで少し時間があるけれど」
「街の何処かに行くんですね」
「ええ、そう出来るけれど」
 恵梨香に答えました。
「何処がいいかしら」
「でしたら」
 恵梨香はそれならと答えました。
「美術館でしょうか」
「そうね」
「もう一度行きたいね」
「奇麗な芸術品が一杯あって」
「宮殿自体もお庭も奇麗だしね」
 ナターシャ達四人も頷きます。
「それじゃあね」
「あそこに行こう」
「芸術品を見てお庭も見て」
「それで楽しみましょう」
「そうね、私達はそちらね」
 まさにと言う恵梨香でした。
「時間があるなら行くとしたら」
「いいわね」
「そうね」
 ベッツィとトロットは恵梨香達に賛成しました。
「私達も美術館がいいわ」
「行くとしたらね」
「そうね、ここは美術館よ」
 ビリーナも賛成でした。
「芸術に触れるのもいいことよ」
「私も奇麗だけれどあそこの絵や彫刻も奇麗だし」
 それでと言うガラスの猫でした。
「私も賛成よ」
「他の皆はどうかしら」
 ドロシーは他の面々に尋ねました。
「美術館でいいかしら」
「いいと思うよ」
 皆こう答えました、こうして船に乗るまでの間に美術館に行くことにしました。そして白い奇麗な宮殿に入りまして。
 見事な内装の中にある絵や彫刻達を見てです、恵梨香達は言いました。
「昨日も観たけれど」
「やっぱり奇麗ね」
「どの絵も彫刻も」
「そして宮殿の中も」
「お庭も全部」
「だからこの美術館は人気があるのよ」
 ドロシーはうっとりとして観て回る五人にお話しました。
「この街の中でもね」
「やっぱりそうですよね」
「こんなに素敵な場所ですから」
「人気が出て当然ですね」
「何もかもが奇麗で」
「いるだけで幸せな気持ちになれますから」
「それでデートスポットでもあるのよ」
 そうだというのです。
「私達には関係ないけれどね」
「デートですか」
 恵梨香はそう聞いて遠くを見る目になってお話しました。
「私達はまだですね」
「子供だとね」
「あと少し先ですね」
「ええ、ジンジャー将軍もね」
 この人もというのです。
「ご主人と一緒にね」
「こちらに来られたことがあるんですね」
「そうなのよ」
「そうしたことがあったんですね」
「それで他の人達もね」
 さらにお話します。
「そうしてね」
「ここで、ですね」
「デートも楽しむのよ」
「それじゃあ」
 恵梨香はドロシーのお話を受けて言いました。
「この街の他の場所も」
「そうよ、運河も港もそうでね」
 デートスポットであってというのです。
「他の場所もね」
「そうですか」
「この街で暮らしている人達は」
「皆さんデートを楽しまれていますか」
「夫婦やカップルの人達はね」 
 そうした人達はというのです。
「どの人達もよ」
「デートを楽しまれていますか」
「お仕事の合間にね」
「そういえば」
 恵梨香は美術館の中の絵達を見て言いました。
「カップルや夫婦の絵が多いですね」
「彫刻にもあるでしょ」
「はい」
 そうなっているというのです。
「本当に」
「デートスポットでもあるからね」
「そうなったんですね」
「オズの芸術家の人達が贈ってくれたのよ」 
 この美術館にというのです。
「そうなったのよ」
「そうですか」
 恵梨香はドロシーの言葉に頷きました、そして美術館から港に行く時にチューリップの花壇の道を通りましたが。
 赤に白、紫にオレンジに青に黄色のチューリップ達を見てでした、つぎはぎ娘はその中を飛び跳ねつつ言いました。
「チューリップもいいわね」
「そうですね」
 大尉はにこにことして応えました。
「芸術品も素敵ですが」
「チューリップも負けていないわ」
「全くです」
「あたしどのお花も好きで」
 それでというのです。
「チューリップもなのよ」
「お好きですね」
「大好きよ」
「チューリップっていいよね」
 ハンクは目を細めさせています。
「コップみたいな形だしね」
「その形もいいわよね」
「茎や葉だってね」 
 こちらもというのです。
「素敵よ」
「そうよね」
「確か食べられるんだよね、チューリップって」
 腹ペコタイガーはこちらのお話をしました。
「そのこともいいよね」
「そういえばそうだったね」 
 ジャックは腹ペコタイガーのその言葉に頷きました。
「言われてみれば」
「奇麗なだけじゃなくてね」
「そこは薔薇と同じだね」
「薔薇も食べられるしね」
「そうしたお花もあるね」
「そうだよね」
「ええ、私は薔薇もチュ0-リップも好きよ」 
 グリンダも食べられるお花のお話に加わりました。
「サラダにもお菓子にもね」
「ああ、お菓子にいいかな」
 木挽の馬はグリンダのお話を聞いて言いました。
「言われてみれば」
「そうでしょ」
「僕は食べないから思うだけだけれどね」
「見栄えもよくなるのよ」
「お花を入れると」
「色が加わってね」
「色はーー大切ですーーね」
 チクタクはグリンダのその言葉に頷きました。
「私もーーそうーー思いまーーす」
「ええ、それでチューリップの中にね」
 グリンダはさらにお話しました。
「赤に紫、青に黄色もあるわね」
「白やオレンジもあって」
 ドロシーが応えました。
「そうした色もあるわね」
「この四色わかるわね」
「オズの国のそれぞれの色よ」
「赤はカドリングでね」
 グリンダは自分の国からお話しました。
「紫はギリキンで」
「青はマンチキンで」
「黄色はこのウィンキーよ」
「それぞれの色よ。そしてね」
 ドロシーはさらに言いました。
「緑はね」
「エメラルドの都のね」
「茎や葉よ」
「そうしたものは緑でね」
「オズの国だと茎や葉もその国の色の場合もあるけれど」
 それでもというのです。
「緑のお花もあってね」
「茎や葉が緑の場合もあるわね」
「どれもね」
「そうよね」
「それでね」
 見れば緑のチューリップもあります、その茎や葉の色はといいますと。
「黄色いわね」
「ウィンキーの色ね」
「そう、緑と緑じゃなくて」
「緑とその国の色ね」
「そうよ」
 そうなっているというのです。
「これがね」
「オズの国ではそうなっているわね」
「青いチューリップですが」
 恵梨香はそのチューリップを見て言いました。
「外の世界では最近までなかったです」
「薔薇と同じね」
「はい、色々工夫をして」
 そうしてというのです。
「生まれました」
「青いチューリップは」
「そして青い薔薇も」
 こちらもというのです。
「生まれました」
「外の世界ではそうね」
「オズの国では最初からありますね」
「ええ、青いチューリップもね」
 ドロシーは笑顔で答えました。
「そして青い薔薇もね」
「そうですよね」
「そしてね」 
 そうであってというのです。
「私最初見て驚いたのよ」
「その頃は外の世界になかったので」
「そうだったからね」
「そうでしたか」
「そうだったわ」
 恵梨香に笑顔でお話します。
「オズの国で最初見た時は」
「そうでしたか」
「けれど見ているうちに受け入れていったわ」
「青いチューリップや薔薇も」
「ええ、それで外の世界でもよね」
「今はあります」 
 青いチューリップや薔薇がというのだ。
「とても奇麗です」
「お伽の国にある様なお花がね」
「今では外の世界にありますね」
「人は工夫して努力すれば」
 そうすればというのです。
「そうしたものも生み出せるのよ」
「お伽の国にある様なものも」
「魔法の様なものもね」
「工夫して努力すればですね」
「そうよ」
 こう言うのでした。
「だからね」
「外の世界でもですね」
「工夫して努力することよ」
「そうすればですね」
「青いチューリップや薔薇も生み出せたし」
 そうであってというのです。
「他にもね」
「素晴らしいものを生み出せますね」
「お伽の国にある様なものをね」
 笑顔で言います、そうしてでした。
 皆でチューリップ達を見ながらまた港に入りました、そのうえで船に乗り出港してから船で川を進んでいくのでした。








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