『オズのドロシー』
第二幕 扉の開くままに
今回の冒険の参加者が揃いました、こうして皆で明日出発することになりまして皆で準備をはじめました。
その中で、です。ファイター大尉は言いました。
「今回の冒険は何処に行くんでしょうか」
「さて、どうしようかしら」
ドロシーはこう返しました。
「一体」
「これから考えますか」
「実は何処に行こうかとかはね」
そうしたことはというのです。
「考えていなかったの」
「そうでしたか」
「もうそうしたことはね」
それこそというのです。
「これからね」
「考えることで」
「それでね」
そうであってというのです。
「本当にね」
「考えていなかったんですね」
「ええ、何処にいこうかしら」
準備を進めつつ首を傾げさせました。
「言われてみると」
「オズの国の冒険はあれでしょ」
つぎはぎ娘は楽しく踊りつつ準備をしています、そうしながらドロシーにとても明るく言いました。
「思ったところに行く」
「その時にね」
「それでどうなってもね」
「楽しむものね」
「大体あんたの冒険ってね」
つぎはぎ娘はドロシー自身にも言いました。
「いきなりが多いでしょ」
「そうね、いきなりオズの国に来てね」
ドロシーも笑顔で応えます。
「冒険がはじまったしね」
「僕達が出会った冒険だったね」
かかしも言ってきました。
「あの時ドロシーは本当にいきなりだったね」
「カンサスからオズの国に来てよ」
「冒険がはじまったね」
「都までね」
「最初からいきなりだったね」
樵はあの時のことを楽しく思い出してお話します。
「しかも色々あった」
「大冒険だったわね」
「うん、西の魔女もやっつけた」
「凄い冒険だったわ」
「冒険は行きべき場所に行く」
臆病ライオンの言葉です。
「そうなるかな」
「あの時の私達もそうだったし」
「今回もかな」
「何かが起こって」
そしてと言うドロシーでした。
「その解決に行くことがね」
「僕達は多いね」
「それで冒険に出ようと思ったら」
それならというのです。
「冒険の方からね」
「呼んでくれるね」
「その場所にね」
「オズの国には色々な神々がおられて」
オズマがにこりと笑ってお話しました。
「その中には冒険の神様もおられるのよ」
「キリスト教だけじゃないわね」
トロットが応えました。
「オズの国の神様は」
「エジプトや中国や外の世界の色々な国の神様がおられてね」
「孫悟空さんもだし」
「オズの国には最初からね」
「オズの国の神々がおられるわね」
「その中に冒険の神もおられて」
そしてというのです。
「導いてくれるのよ」
「そうなのね」
「だから冒険に出たら」
「冒険の神様が導いてくれるわね」
「そうなのよ」
これがというのです。
「だからいざ足を踏み出すと」
「後は冒険の神様のお導き」
トロットはオズマのお話を受けて言いました。
「そういうことね」
「そうなるわ」
「とはいっても足を踏み出すのはどの方角か」
ベッツィは考えるお顔で言いました。
「それが問題ね」
「それは気の赴くままでいいんじゃないかな」
モジャボロが答えました。
「もう考えないでね」
「適当になのね」
「今回の冒険の主催者はドロシーだから」
それでというのです。
「ドロシーに任せて」
「私達は一緒に行けばいいのね」
「そうしたらね。乗りものに乗るにしても」
「オズの国って乗りものも多いね」
トトはモジャボロの言葉を受けて言いました。
「というか多くなったね」
「昔は自動車や飛行機や戦車なんてなかったしね」
腹ペコタイガーが応えました。
「どんどん出て来たね」
「ヘリコプターだってね」
「そうなったから」
だからだというのです。
「乗りものを使うにしても」
「何を利用するか」
「悩むね」
「そこもドロシーの気分次第かな」
「こうした時ドロシーの決断って早いけれどね」
ガラスの猫は何でもないといった調子で言いました。
「もう一瞬で決めるわね」
「私迷わないのよね」
ドロシ―本人が答えました。
「基本ね」
「特に冒険だとね」
「何でか冒険だと」
それこそというのです。
「もうその場その場でね」
「迷わないで」
「即断即決で」
それでというのです。
「決めるわ」
「そうよね」
「冒険って咄嗟の判断が必要な時が多いから」
ジャックはそれでと言いました。
「ドロシーはいいね」
「うん、ドロシーの長所の一つだよ」
魔法使いも言ってきました。
「即断即決はね」
「そうだよね」
「本当に冒険の時はだよ」
「特にだね」
「迷わないから」
だからだというのです。
「いいよ」
「冒険って本当に咄嗟の判断と決断が必要な時あるからね」
「ドロシーが迷わないことはね」
「いいことだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「全く以てね」
「そうだね」
「私も迷わないけれどね」
エリカは自分のことをお話しました。
「ドロシーは特によね」
「迷う位なら動く」
ハンクがエリカに続きました。
「決めてね」
「立ち止まらないわね」
「ドロシーはね、そしてその咄嗟の判断と決断が」
それがというのです。
「とてもね」
「いいのよね」
「周りと皆と状況をよく見ているから」
「その決断は正しいわ」
「そうなんだよね」
「ドロシーはオズの国きっての冒険家だよ」
ムシノスケ教授はドロシーについてこう言いました。
「それだけに経験もあるよ」
「経験がどれだけ重要か」
キャプテン=ビルもわかっています。
「最高の教師の一つだからね」
「そう、頭でわかっていても」
「実際に経験すると違うよ」
「賢者は歴史に学ぶといっても」
それでもというのです。
「経験からも学ぶ」
「そうしたものだよ」
「そしてドロシーはいつも冒険に出ているから」
「冒険の経験は豊富だね」
「オズの国で最もね」
「だから安心出来るね」
「そうだよ」
その通りだというのです。
「とてもね」
「その通りだね」
キャプテンは教授の言葉に頷きました。
「だからだね」
「ドロシーの判断と決断は信頼していい」
「何処に足を踏み入れるかもね」
「私達はーーです」
チクタクが言うにはです。
「一緒に行くーーだけーーです」
「うん、何があっても安心だよ」
木挽の馬が続きました。
「これだけのメンバーがいるから」
「オズの国はーー安全ーーですーーし」
「そのこともあるしね」
「ドロシー王女ーーと共にーーです」
「冒険に出よう」
「それだけーーです」
「乗りものを使うにしても」
それでもというのです。
「その場合もね」
「同じーーです」
「そうだね」
「はっきり言って考えなくてもいいのよ」
ビリーナはきっぱりと言い切りました。
「今はね」
「いいんだ」
「ええ、いいのよ」
モジャボロの弟さんに答えました。
「後はどうなるかわからないから」
「オズの国の冒険はね」
「楽しいものになって」
「かつ安全で」
「素敵なものになるけれど」
それでもというのです。
「一瞬先もわからないのよ」
「オズの国の冒険はね」
「だったら何処に行くかとか」
「何に乗るかとか」
「考えなくてもね」
そうしてもというのです。
「いいのよ」
「その都度考えていくことだね」
「それでいいのよ」
「ボタン=ブライトみたいになってもだね」
「いいのよ、何時何処に出るかわからなくても」
「どうとでもなるね」
「だからいいのよ」
「あの子もどうにもなっているし」
グリンダはドロシーに言いました。
「だったら貴女もよ」
「今回の冒険はなのね」
「貴女の赴くままにね」
気のというのです。
「足を踏み出せばいいのよ」
「乗りものを使うにしても」
「その場合もね」
「そうすればいいのね」
「そう、それで何処に行っても」
「その都度周りと皆と状況を見て」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「判断してね」
「決断すればいいのね」
「その通りよ」
「そうですね」
ジュリアはグリンダの言葉に頷きました。
「今回はです」
「ドロシーがリーダーになるし」
「王女についていけばいいですね」
「そうよ、しかもドロシーはオズの国一の冒険家だから」
このこともあってというのです。
「本当にね」
「安心して」
「ついていくだけですね」
「何かあればフォローする」
「助け合う」
「そうしていけばいいのよ」
「お空でも海の中でも地中でも」
恵梨香は自分達のこれまでの冒険を思い出してお話しました。
「何処でも行きます」
「オズの国の何処でも」
ナターシャも微笑んで言います。
「そうさせてもらいます」
「僕達も何かあれば助けさせてもらいます」
神宝は助力を申し出ました。
「是非」
「皆で力を合わせて楽しみましょう」
こう言ったのはジョージでした。
「今回の旅も」
「何処に行ってもいいと思います」
カルロスが思うにです。
「絶対に楽しい素敵な冒険になりますので」
「皆がそう言うなら」
ドロシーは皆の言葉を受けて笑顔で言いました。
「明日出発の時にね」
「決められますね」
「その時に」
「何処に行くか」
「乗りものを使うにしても」
「そうされますね」
「その時にね、そして」
そうしてというのです。
「出発するわ」
「はい、それでは」
「明日ですね」
「明日決められますね」
「そして今はですね」
「準備に専念ですね」
「そうしましょう」
こう言って皆で準備を進めていきます、そしてでした。
皆この日は全員で冒険の準備をしました、それから晩ご飯を食べてお風呂に入って寝ました。そうしたことをする必要がない人達は自由に過ごしました。
それからです、朝起きて朝ご飯を食べてです。
いよいよ出発の時にドロシーは皆に言いました。
「オリンポス山に行きましょう」
「ギリキンの北西の端のあの山ね」
オズマが応えました。
「あの山に行くのね」
「ええ、そしてね」
「オリンポスというとね」
オズマは微笑んで言いました。
「オリンポスの神々ね」
「そう、あの方々にね」
「お会いするのね」
「ゼウス神にもね」
「そういえば」
オズマはこうも言いました。
「ギリシアの神々の世界は三つあって」
「オリンポスはゼウス神の世界よ」
「海はポセイドン神でね」
「冥界はオズの国にはないから」
「誰も死なないから」
「地下はハーデス神ね」
「それぞれ分かれているわね」
そうなっているというのです。
「ギリシアの神々の世界はね」
「そうなっているわね」
「ゼウス神が一番偉いかというと」
恵梨香も言いました。
「違いますね」
「そう、三つの世界があってね」
ドロシーは恵梨香に詳しくお話しました。
「それぞれの世界によ」
「一番偉い神様がおられますね」
「ギリシアの神々はね」
「そうなんですね」
「三柱の神々はご兄弟だしね」
「それぞれが」
「そのこともあってね」
それでというのです。
「三つの世界それぞれにね」
「一番偉い神様がおられますか」
「主神とも言われるわ」
ゼウス、ポセイドン、ハーデスのそれぞれの神様はというのです。
「これがね」
「そうですね」
「そして」
ドロシーはさらにお話します。
「アテナ神やアポロン神はゼウス神の下でね」
「オリンポスにおられますね」
「そうなっているのよ」
「ゼウス神がお父さんで」
「それでね」
「そうですか。確か」
恵梨香はドロシーとお話をする中で言いました。
「ゼウス神は天空の神様ですね」
「そうよ、オリンポスの主神はね」
「天空の神様ですね」
「だから雷も使えるの」
こちらもというのです。
「そちらもね」
「そうでしたね」
「兄弟でそれぞれの世界を治めておられて」
そしてというのです。
「兄弟三柱で遊ぶこともあるわ」
「そうですか」
「それでオリンポスの神々は言えるかしら」
「十二柱の」
「ええ、どうかしら」
恵梨香達五人に微笑んで尋ねました。
「全員言えるかしら」
「それは」
五人は少し考えてから答えました」
「そのゼウス神に奥さんのヘラ女神」
「ヘパイストス神、アテナ女神、アフロディーテ女神」
「デメテル女神にアポロン神、アルテミス女神」
「ヘルメス神にディオニュソス神、アーレス神」
「そしてヘスティア女神ですね」
「正解よ」
ドロシーは五人の回答を聞いて笑顔で答えました。
「それで全員よ」
「ポセイドン神とハーデス神はそれぞれの世界の主神で」
「オリンポスとは別ですね」
「ゼウス神とは言うなら同格で」
「世界を分け合っている」
「そうなっていますね」
「そうなっているからね」
だからだというのです。
「その十二神になるわ」
「この中でね」
トトは少し考える感じでドロシーに言いました。
「ヘスティア女神はね」
「目立たないっていうのかしら」
「竈の女神様であることは知っているけれど」
それでもというのです。
「ちょっとお話ないかな」
「他の神様は色々オズの国でも動いておられるわね」
「活発にね」
「孫悟空さんみたいにね」
「悟空さん程でなくても」
それでもというのです。
「何かとね」
「活発だよね」
「私達と変わらない性格でね」
「そうそう、陽気で剽軽なところもあって」
トトは笑って応えました。
「面白いよ」
「そうした神々よ」
「そうだね」
「けれどヘスティア女神って確かに」
トロットも言いました。
「これといったお話ないわね」
「そうよね、実はね」
ベッツィも言います。
「私あの女神様のお姿あまりね」
「覚えていないの」
「お会いしたことはあっても」
それでもというのだ。
「これといってね」
「そう言われると私もね」
「そうでしょ」
「物凄く目立つ神様ばかりなのに」
「ギリシアの神様って」
「性格も陽気で剽軽で」
「私達と変わらないのに」
そうであってもというのです。
「気さくだしね」
「一緒にいたら敬語なんていいっていう位に」
「そうだけれど」
「ヘスティア女神については」
「あまり知らないわね」
「お顔も思い出しにくいわ」
「どうもね」
こうお話します、ですが。
ドロシーは二人にです、笑顔でお話しました。
「思い出せないならね」
「それならね」
「お会いすればいいわね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「その為にもね」
「オリンポスに行くのね」
「そうするのね」
「そうよ、これで行先は決まったわ」
冒険のというのです。
「それではね」
「オリンポスね」
「あちらに行くのね」
「そうしましょう」
ギリキンの北西の端にあるその街にというのです。
「そうしましょう」
「それではね」
「行きましょう」
トロットとベッツイは笑顔で頷きました、他の皆もそうしようと頷きました。そうして皆オリンポスに行くことになりましたが。
ドロシーは皆にです、どうして行くか尋ねました。
「皆どうしてオリンポスに行きたいかしら」
「そうだね」
「乗りものは何でもいいかしら」
「自動車でも飛行機でも」
「列車でも飛行船でも」
「戦車でもヘリコプターでも」
「そうなのね、何でもいいなら」
ドロシーはそれならと答えました。
「まずは港に列車で行こうかしら」
「港にだね」
「ええ、まずはそちらに行ってね」
魔法使いに答えました。
「そしてそこから船でね」
「オリンポスに行くんだね」
「ギリキンの北西の港町にまでね」
「船で行って」
「そこからは多分バスでね」
それでというのです。
「オリンポスに行きましょう」
「列車と船とバスの旅だね」
「そうした旅でどうかしら」
「いいね」
魔法使いは笑顔で賛成しました。
「それではね」
「ええ、そうして行きましょう」
「オリンポスまでね」
「そうしましょう」
こうお話してどうして行くのかも決まりました、そうして都の西門に出ますと皆の前にすぐにでした。
最先端の技術を用いた新幹線が来ました、恵梨香はその新幹線を見た瞬間に明るい笑顔になって言いました。
「新幹線なのね」
「恵梨香新幹線好きだね」
神宝が恵梨香に横から言いました。
「よくお話するし」
「日本の鉄道といえば新幹線だからね」
ジョージはこう言いました。
「全国を走っていて一番有名で」
「だからだね」
カルロスも言ってきました。
「新幹線が来て嬉しいね」
「私達も好きだけれど」
それでもと言うナターシャでした。
「恵梨香は特によね」
「そうなの、大好きなの」
恵梨香は四人にまさにと答えました。
「私は特に鉄道が好きな訳じゃないけれど」
「それでもだね」
「新幹線は好きだね」
「だから今もこうして乗れて」
「嬉しいのね」
「そうなの、早く乗りたいわ」
新幹線を前に言います。
「オズの国の新幹線にね」
「そうなのね、けれど焦ることはないわ」
オズマは笑顔で恵梨香にお話しました。
「今から乗るから」
「だからですね」
「そう、焦らないでね」
「待つことですね」
「それで中はね」
新幹線のというのです。
「客船みたいになっているから」
「そうなんですか」
「そう、新幹線の席ではあってもね」
「アレンジされて」
「四人用のテーブルが並んでいてね」
「それで、ですか」
「そう、そしてね」
そうであってというのだ。
「皆座って飲んだり食べたりお喋りもして」
「景色も楽しむね」
「車窓から見えるそれをだね」
かかしと樵が言ってきました。
「そうしていくね」
「まずは」
「そうよ、港町までね」
「その港町だけれど」
キャプテンがそちらのお話に入りました。
「都とウィンキーの境にある」
「そう、あの街よ」
まさにとです、ドロシーはキャプテンに答えました。
「あの街に行くわ」
「そうするね」
「新幹線ですぐに赴いて」
そうしてというのです。
「そしてね」
「あの街からだね」
「船に乗るのよ」
「川の港町ですね」
恵梨香はそう聞いてこう言いました。
「オズの国には多いですね」
「あっ、日本にはなかったのよね」
つぎはぎ娘は恵梨香のお話を聞いて言いました。
「そうだったわね」
「そうなの、日本は周りが海に囲まれていて」
恵梨香は自分の母国で今はナターシャ達四人も暮らしている街のお話をしました。
「それで海の港町は凄く多いけれど」
「川や湖の港町は少ないのね」
「河口の街はあるけれど。大阪もそうだし」
「川や湖の流れや岸辺の中にある様な」
「そうした港町は少ないわ」
そうだというのです。
「海の方と比べてね」
「そうなのね」
「他の国から見て日本って細長いし」
「だからーーですーーね」
チクタクがここでこう言いました。
「川もーー湖もーーー多いですーーが」
「そうなの、そちらの港町は少ないの」
「細長いーー川はあまりーー長くないーーので」
「湖は狭くて」
「そういうことーーですーーね」
「だから川の港町は結構珍しく感じるわ」
「けれどオズの国では普通だよ」
ジャックが言ってきました。
「四角い感じの形の大陸で大きな川が大陸中に流れているからね」
「大きな湖も沢山あって」
「そうした国だから」
だからだというのです。
「川や湖の港毬もだよ」
「多いわね」
「そうだよ」
そうなっているというのです。
「この国はね」
「そういうことね」
「その国で違うものね」
ガラスの猫は自分のガラスの身体を舐めて奇麗にしながら言います。
「港町についても」
「そういうことね」
「だからね」
それでというのです。
「そのことは受け入れて」
「そのうえでね」
「楽しむことよ」
「そうすることね」
「何でもね。特にオズの国ではね」
「お伽の国で何でも楽しいから」
「そうしましょう」
まさにというのでした。
「新幹線のなかも港町に行くこともね」
「それじゃあね」
「まずは港町に入って」
そしてと言うドロシーでした。
「港町も楽しむわ」
「それも旅の一つだね」
「そうよ」
トトに笑顔で答えました。
「そうなるわ」
「そうだよね」
「だからね」
それでというのです。
「港町も楽しみにしてね」
「是非ね」
トトは尻尾を振って応えました。
「そうしよう」
「港町の街並みも観てね」
「お料理もだね」
「魚介類が美味しい街よ」
「それは嬉しいね」
「それはいいことを聞いたわ」
エリカは喜んで言いました。
「魚介類が美味しいなんて」
「そうだね」
腹ペコタイガーも舌なめずりして言います。
「お魚も貝も蟹も海老も大好きだよ」
「蛸も烏賊もよね」
「僕はね。たこ焼きもいいね」
「いか焼きはどうかしら」
「そちらもいいね」
「扉が開いたよ」
新幹線のとです、臆病ライオンが言ってきました。
「それじゃあ中に入ろう」
「うん、そうしよう」
「これからね」
モジャボロと教授が応えました。
「そしてまずは新幹線の中でだよ」
「旅を楽しもう」
「列車の旅も素敵なものよ」
オズマは目を細めて言いました。
「だから今から入って楽しみましょう」
「はい、ではですね」
「ええ、今からね」
ジュリアに答えました。
「乗りましょう」
「それでは」
こうしてでした。
皆新幹線に乗りました、新幹線は皆を乗せるとすぐに出発しました。そして港町に向かうのですが。
その速さにです、大尉は城跡に座って車窓からの景色を楽しみつつ言いました。
「何時乗っても速いですね」
「うん、新幹線はね」
ハンクが答えました。
「物凄い速さだね」
「まさに風の様ですよ」
「風に乗っているみたいでね」
「何時乗っても驚きます」
「本当にね」
「風に乗っている様ですね」
「僕もそう思うよ。それにね」
ハンクは大尉にこうも言いました。
「揺れないよね」
「そのことも凄いですね」
「こんな列車あるなんてね」
「どれだけ驚くか」
「日本の列車だけれど」
それでもと言うビリーナです。
「日本では科学だけで造っているのよね」
「うん、オズの国の新幹線は魔法の技術も使っているよ」
モジャボロの弟さんが自分が座っている席のテーブルの上に立っているビリーナに言いました。大尉は向かい側の席にいてハンクは傍に立っています。
「そうだよ」
「そうよね」
「けれど日本ではね」
外の世界のこの国ではというのです。
「科学だけでね」
「新幹線を造って動かしているわね」
「日本全土でね」
「全く以て凄いことね」
「僕もそう思うよ」
「確か六十年以上前に出たんだったね」
かかしが言いました、ドロシーに樵、臆病ライオンが同席していて臆病ライオンは籍の上に四本足の生きものの座り方でいます。トトはテーブルの上にいて隣の席では恵梨香達五人が男の子三人女の子二人で向かい合っています。
「新幹線は」
「はい、そうです」
その恵梨香が答えました。
「最初の新幹線は昭和三十九年に出ました」
「一九六四年だね」
「外の世界の暦で」
「そうだったね」
「よく六十年前に造られたよ」
樵は素直に賞賛しました。
「勿論今の新幹線と違っているけれど」
「昔の新幹線は今のものと全く違うんだったね」
臆病ライオンも言ってきました。
「ひかりやこだまは」
「うん、やっぱり旧型だよ」
「そうだよね」
「けれどね」
かかしはそれでもとお話しました。
「そこにある技術はだよ」
「凄いものだったね」
「当時の世界の鉄道の世界を驚かせる様な」
そこまでのというのです。
「凄いものだったよ」
「そうだね」
「そして進歩を続けて」
そうしてというのです。
「今はね」
「さらに凄くなっているね」
「そしてね」
そうであってというのです。
「オズの国の新幹線は魔法の技術も用いてね」
「造られているね」
「だから線路は必要なくて」
「お空も飛べて何処でも進めて」
「線路がない場所でもね」
外の世界の鉄道と違ってです。
「そうして進めてね」
「そしてだね」
「まさに風の様な速さで進んでね」
「揺れなくて」
「あっという間に快適に目的地に行けるんだ」
「凄いね、オズの国の新幹線は」
「全く以てだよ」
笑顔でお話するかかしでした。
「だから僕も好きだよ」
「そう言われると僕も好きだね」
「僕もだよ」
臆病ライオンだけでなく樵も言いました。
「新幹線好きだよ」
「まさに文明の利器だね」
「新幹線もね」
「色々な列車があるけれど」
オズの国にはとです、ドロシーはレモンティーを飲みつつ言います。そのレモンティーの表面は全く揺れていません。
「こちらにしたの」
「新幹線がそうした列車だからだね」
「そうよ」
トトに笑顔で答えます。
「とても速くて揺れなくて」
「快適だからだね」
「今回はね」
「新幹線を選んだんだね」
「そう、そしてね」
そうであってというのです。
「このままね」
「快適にだね」
「港町に行きましょう」
「それじゃあね」
「あの、港町は何時到着するんでしょうか」
恵梨香が尋ねました。見れば五人で日本のお茶に羊羹やお団子といった日本のお菓子を楽しみながらお喋りをしています、
「一体」
「お昼前には着くわ」
ドロシーは恵梨香に答えました。
「その頃にはね」
「お昼にですか」
「そう、そしてね」
ドロシーはさらにお話しました。
「お昼ご飯はあちらでね」
「いただくんですね」
「ホテルに入って荷物を置いてから」
それからというのです。
「レストランに行ってね」
「いただくんですね」
「そうなるわ。そしてレストランでね」
お昼ご飯のお話もします。
「川の幸のね」
「お料理を頂きますね」
「そうなるわ」
そうだというのです。
「これがね」
「そうですか」
「オマール海老に淡水魚に貝にね」
それにというのです。
「烏賊もクラゲもね」
「淡水のクラゲですね」
「オズの国にはいるから」
淡水生のクラゲもというのです。
「頂きましょう」
「わかりました」
「海草を使ったサラダもあるし」
こちらもというのです。
「素敵にね」
「いただけますね」
「ええ、その港町はオリーブも名産で」
「オリーブオイルですね」
「魚介類にも使っているから」
「そうなんですね」
「オリーブオイルもいいわね」
笑顔での言葉でした。
「本当に」
「魚介類にも合いますね」
「そうでしょ」
「私も好きです」
「そちらも楽しみにしてね」
「わかりました」
「思えばオリーブも」
この果物そしてそれから採れるオリーブオイルもというのです。
「カンサスにはなかったわ」
「そうだったね」
「オズの国に来てね」
「知ったね」
「そうだったわ」
テーブルの上に立っているトトに答えました。
「思えばね」
「カンサスの日々は懐かしくてね」
「楽しかったね」
「けれどね」
それでもというのです。
「今よりずっとね」
「ものがなかったね」
「ええ、草原の中でおじさんおばさんそれにトトと暮らしていて」
「周りにお家もなくて」
「畑と井戸があって」
「他はね」
「何もなかったわ」
そうだったというのです。
「本当にね」
「何もかもが」
「お勉強はお家でおじさんおばさんに教えてもらって」
「読み書きをね」
「食べるものも質素で」
そうであってというのです。
「畑で採れたものに行商人の人が売ってくれるものだけだったわ」
「調味料や油はお塩や胡椒、バターだったね」
「他はこれといってだったわ」
「本当に質素だったね」
「だからオリーブオイルは」
そちらはというのです。
「なかったわ」
「本当にオズの国に来て知ったね」
「他の色々なものもね」
「そうだったわ」
これがというのです。
「そしてオズの国に来て」
「色々なものを見て楽しんで」
「味わうこともね」
「色々とだね」
「オリーブオイルもね、その他のものも」
「楽しめる様になっているね」
「カンサスのことはいい思い出でも」
それでもというのです。
「オズの国に来られてどれだけよかったか」
「わからないね」
「全くね」
そうだというのです。
「心から思うわ」
「僕もだよ、ずっとオズの国にいられてね」
「これ以上はないまでに幸せよ」
「そう、貴女はね」
向かい側の席のオズマが言ってきました。ジュリアとベッツイ、トロットと四人で座ってそちらにいます。
「オズの国に来られてね」
「これ以上はない位幸せになったわね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「オズの国も絶対にね」
「私にいて欲しいと思って」
「いてもらっているのよ」
「そうなのね」
「オズの国は縁のある命全てを愛するけれど」
「私もなのね」
「そう、もうオズの国の象徴のね」
そう言っていいまでのというのです。
「一人なのよ」
「そうなのね」
「いつも言うけれどね」
「私はオズの国に愛されていて」
「招かれてね」
オズの国にというのです。
「今ではね」
「オズの国で暮らしているのね」
「若し貴女がいなかったら」
オズマはこうも言いました。
「本当に皆ね」
「オズの国を知ることが出来なかった」
「いつも言ってるわね」
「そうした意味でもなのね」
「貴女はオズの国の象徴よ」
そうだというのです。
「本当にね、そしてオズの国の王女でね」
「首相ね」
「私の一番の親友でもあるから」
このこともあってというのです。
「オズの国は貴女なくしては」
「そこまでなんて」
「そこまでよ、だからね」
そうであるからだというのです。
「これからもね」
「オズの国の為に働いて」
「オズの国をもっと素敵な国にして」
そしてというのです。
「冒険もね」
「していくのね」
「そうしてね、そしてね」
「ええ、港町に着いたら」
「そうしたらね」
その時はというのです。
「今度はね」
「ええ、美味しいものを食べましょう」
「港町も楽しんでね」
こうしたお話をしました、そのうえで今は新幹線での旅を楽しむのでした。新幹線は風の様な速さで進んでいっています。