『新オズのグリンダ』




                第十一幕  王様と女王様

 一行は歴訪するカドリングの国々の中で最後の国に向かっていました、その国はどういった国かといいますと。
「リンキティンク王の国ですか」
「あの王様のお国なんですね」
「あの国もカドリングにありますし」
「歴訪するんですね」
「今回の最後に」
「そうよ、最後にあの国に行ってね」 
 オズマが神宝達五人に答えました、今もタンクに乗って進んでいます。
「そしてね」
「グリンダさんのお城に行きますね」
「カドリングの都に」
「そうしてですね」
「あの街でパーティーですね」
「皆さんに来てもらって」
「そうなるわ、そしてね」
 それでというのです。
「リンキティンク王だけれど」
「お元気ですよね」
 神宝がこのことを尋ねました。
「あの人は」
「やっぱりいつも笑っていて」
 そしてと言う恵梨香でした。
「賑やかですね」
「そうじゃないとあの人じゃないですね」
 ジョージは笑顔で言いました。
「それこそ」
「そしてボボ王子も一緒で」
 カルロスはこの人のことを忘れていませんでした。
「楽しく過ごしていますね」
「何かもう暗いあの人なんて」
 それこそと言うナターシャでした。
「考えられないですから」
「勿論いつもの調子よ」
 オズマは五人に笑顔で答えました。
「安心してね」
「やっぱりそうですよね」
「あの人が暗くなっているとか考えられないです」
「落ち込んでいたり沈んでいたり」
「そうなっているなんて」
「とても」
「そうでしょ、そんなことはないから」
 絶対にというのだ。
「リンキティンク王とも楽しい時間を過ごしましょう」
「是非ね、しかしね」 
 ここでドロシーが言ってきました。
「あの人のところに行くのはね」
「ドロシーは久し振りなのね」
「そうなのよ」
 オズマにお話しました。
「これがね」
「だからちょっと懐かしいのね」
「気持ち的にね」
 そうだというのです。
「私としてはね」
「そうなのね」
「久し振りって程じゃないけれど」
 トトも言います。
「ちょっと行ってないと気分が違うよね」
「そうなのよね」
 ドロシーはトトにも言いました。
「これが」
「僕達はね」
「リンキティンク王はどうなのか」
「前に会った時と変わっているか」
「そのことがね」
「気になるね」
「どうにもね」
 こうしたお話をしました、そしてです。
 皆でリンキティンク王の国に来ました、するとリンキティンク王が皆の予想通り物凄く明るく出て来ました。
「ハッハッハ、よく来てくれたな」
「ええ、お邪魔するわね」
 ビリーナが応えました。
「今回もね宜しくね」
「ホッホッホ、早速もてなさせてもらうぞ」
「どうしてもてなしてくれるの?」
「歌と踊りとな」
 それにというのです。
「お菓子でな」
「もてなしてくれるのね」
「薔薇の庭園でな」
「薔薇?薔薇っていっても」
 ビリーナはそう聞いて言いました。
「あんたの国にあったかしら」
「この前造ったんだ」
 リンキティンク王の隣にいたボボ王子が応えました。
「実はね」
「そうなの」
「このことを知っている人はここでは」
「私とオズマね」 
 グリンダが応えました。
「そうね」
「そうですね」
「カドリングの国家元首の私とね」
「オズの国全体の国家元首のオズマ姫はですね」
「知っているわ、けれど他の人は」
「私も初耳だよ」
 魔法使いも言ってきました。
「そうしたものを造っていたんだ」
「そうでした」
「成程ね」
「そういえばね」 
 エリカは今のやり取りを聞いて言いました。
「三日会わないとっていうわね」
「刮目して見よ、よね」
 グリンダが応えました。
「そうよね」
「そうそう、そう言ってね」 
 グリンダに応えました。
「国も暫く来なかったら」
「違う部分があったりするわ」
「そうよね」
「だからね」
 それでというのです。
「リンキティンク王の国もね」
「薔薇の庭園が出来たのね」
「そうなのよ」
 まさにというのです。
「これがね」
「そういうことね」
「ハッハッハ、その通りじゃ」
 リンキティンク王も笑って言ってきました。
「わしは常に動いておるな」
「そうだね、貴方は」
「そして考えてもおるのじゃ」
「楽しいことを」
「そうしておるからな」
 だからだというのです。  
「薔薇の庭園を造ることもな」
「考えたんだね」
「奇麗な薔薇に囲まれてな」
 そうしてというのです。
「歌って踊ってな」
「楽しいものを食べたらね」
「楽しいからな」 
 そう考えてというのです。
「造ったのじゃ」
「そういうことね」
「うむ、ではな」
「これからだね」
「庭園に入ってじゃ」
 その薔薇の庭園にというのです。
「そしてじゃ」
「皆で楽しむんだね」
「ホッホッホ、そうしようぞ」 
 リンキティンク王はいつも通り賑やかに笑いました、そうして皆をお国の中に向かい入れてでした。
 そのうえでその薔薇の庭園に案内しました、するとそこは。
「色々な薔薇があるね」
「そうだね」
「赤、白、紫、黄色、ピンクに青に」
「他の色の薔薇もあって」
「とても奇麗だわ」
「ホッホッホ、この庭園ではあらゆる薔薇が咲いておるのじゃよ」
 リンキティンク王は薔薇を見てうっとりとなっている神宝達に笑顔で言いました。
「この通りな」
「橙色とかもあって」
「金色や銀色の薔薇もあるし」
「物凄いね」
「外の世界にない薔薇もあって」
「不思議だわ」
「ハッハッハ、不思議大好きじゃ」
 まさにと言うリンキティンク王でした。
「薔薇も不思議であるべきじゃ」
「そうね、けれどね」 
 ここでグリンダが言ってきました。
「一つ気になることは」
「何じゃ?」
「ここまで薔薇があるのは」 
 その薔薇達を見つつお話します。
「オズの国でも薔薇の国だけなのに」
「その薔薇の国に協力してもらったんです」
 ボボ王子が答えました。
「実は」
「それでなのね」
「はい、オズの国のあらゆる薔薇がです」
 この庭園はというのです。
「あります」
「そうなのね」
「ない薔薇はないです」
 それこそというのです。
「この庭園には」
「そうなのね」
「はい、そして」
 王子はさらにお話しました。
「この庭園の中で」
「今から楽しむのね」
「そうしましょう、今日は女王も来られています」
「薔薇の女王がなの」
「あの方は庭園を造ったことを機にリンキティンク王と仲よくなりまして」
 そうなってというのです。
「今では国家同士でもです」
「友好国なのね」
「そうなっています」
「そうなのね」
「ですから」
 それでというのです。
「女王にも来て頂きますし」
「皆でなのね」
「楽しみましょう」
「それではね」 
 グリンダはそれならと応えました、そしてです。
 王子は薔薇の女王も呼びました、すると緑の茎と葉のドレスを着て髪の毛が真紅の薔薇になっているとても奇麗な人が来ました。
 その人を見てです、神宝達五人は言いました。
「ああ、この人は」
「薔薇の女王様だね」
「ドロシーさん達とも会った」
「その人ね」
「私達はじめてお会いしたわ」
「そうね、はじめましてね」
 まさにとです、女王も答えました。
「私達は」
「はい、はじめまして」
「僕達外の世界から遊びに来ています」
「時々お邪魔しています」
「そうして楽しませてもらっています」
「こうして」
「お話は聞いているわ」 
 女王もです。
「貴方達のことは」
「そうなんですね」
「私達のことはご存知なんですね」
「お会いしたことはなかったですが」
「それでもですか」
「私達のことを聞いておられましたか」
「そう、それでね」 
 そうであってというのです。
「知っているのよ」
「僕達有名人なんですね」
「オズの国で」
「女王様までご存知なんて」
「それは嬉しいです」
「知ってもらっていて」
「貴方達も私のことを知っていてくれているし」
 それでと言う女王でした。
「嬉しいわ」
「お互い様じゃ」
 リンキティンク王が笑って応えました。
「これは」
「そうなりますね」
「うむ、そして今会って」
 神宝にそれでとお話しました。
「知り合ったな」
「そうなりましたね」
「実際にな、そしてじゃ」
「そして?」
「知り合って絆が出来たからな」
 こうもです、リンキティンク王は言うのでした。
「その絆を大事にしてな」
「そうしてですか」
「仲よくすることじゃ」
 お互いにというのです。
「そうすることじゃ」
「私もそうしたいわ。知り合ったのだから」
 女王も言います。
「貴方達五人ともね」
「お友達になってくれんるんですか」
「女王様が」
「そうですか」
「それならお願いします」
「是非」
「ええ、そうなりましょう」 
 笑顔でやり取りをしてでした。
 女王と五人はそれぞれ握手をしました、そうしてでした。
 女王のお国の薔薇の国の人達がやってきてとても華やかな踊りを踊りはじめました、庭園のステージにおいて。
 そしてです、歌も歌ったので」
「見事じゃ」
「そうね」
 グリンダは魔法使いの言葉に応えました。
「踊りだけじゃなくてね」
「歌もじゃ」
「ただ上手なだけでなくて」
 踊りも歌もというのです。
「暖かさもあるわ」
「そうであるな」
「何かね」
 さらに言うのでした。
「昔の薔薇の国の人達は」
「奇麗ではあったがな」
「温もりはね」
 それはというのです。
「感じられなかったわね」
「そうであったわ」
「それがね」
「変ったな」
「奇麗であることに加えて」
「温もりもあるな」
「そうした人達になったわ」
 こうリンキティンク王に答えました。
「今はね」
「うむ、まことにな」
「いいことよ」
「私達も変わりますので」
 一緒にいる女王が言ってきました。
「ですから」
「それでなのね」
「はい」 
 グリンダに礼儀正しく答えます。
「今はです」
「温もりも備えたのね」
「オズの国の色々な人達とお付き合いをして」
 そうしていってというのです。
「優しさ、温もりの素晴らしさを知って」
「そのうえで」
「努力して備えようとして」
「供えられたのね」
「そうなりました」
 まさにというのです。
「私達も」
「そういうことね」
「そして備えたら」
 そうすればというのです。
「何ともです」
「素晴らしいものだったわね」
「はい」
 そうだというのです。
「本当に」
「そう、温もりここで言う優しさはね」
「とても素晴らしいものですね」
「そうなのよ、これ以上はないまでにね」
「素晴らしいものですね」
「そのうちの一つでね」 
 そうであってというのです。
「持っていればね」
「人に優しくなれて」
「自分も優しい気持ちになれるね」
「素晴らしいものですね」
「思いやりとも言うわね」
 優しさはというのです。
「人のことを考える」
「親身になって」
「そうしたものであってね」
「貴重な宝ですね」
「それがあるのとないのとでね」
「全く違いますね」
「そうよ」 
 まさにというのです。
「そう言っていいまでのね」
「素晴らしいものですね」
「そのうちの一つよ」
 こう女王にお話しました。
「凄くね」
「そのことがわかりました」
 女王は優しい笑顔で応えました。
「オズの国の人達とお付き合いをしていって」
「貴方達もオズの国の人達だから」
「ですから」
「そうじゃ、変わるものじゃ」
 リンキティンク王はここでまた言いました。
「皆な。あらゆることはな」
「変わるわね」
「左様、それでじゃ」
「この薔薇園も造られて」
「薔薇の国の人達も変わったのじゃ」
 グリンダに言うのでした。
「何もかもがな」
「国も人も」
「他のものもじゃ、それでじゃ」 
「そうであって」
「わしも変わったであろう」
「さらに明るくなりましたね」 
 王子が言ってきました。
「王様は」
「以前よりもか」
「はい」
 まさにというのです。
「そうなりました」
「そうなのじゃな」
「以前から明るかったですが」
 それでもというのです。
「今はです」
「尚更か」
「明るくなりまして」  
 それでというのです。
「お日様みたいです」
「ハッハッハ、わしはお日様か」
「それ程までに明るくなりました」
「そうなのじゃな」
「お陰で、です」
 リンキティンク王がさらに明るくなったからだというのです。
「国全体がです」
「前よりもか」
「明るくなっています」
「そうなのじゃな」
「ですから国民もです」
「王子もか」
「勿論です」
 王子は満面の笑みで答えました。
「その明るさに気持ちが高まっています」
「明るくなっているか」
「そうです」
 こう言うのでした。
「まことにな」
「それはよいことじゃ、ではこれからもな」
「明るくですか」
「なっていくぞ」 
 さらにというのです。
「是非な」
「そうなられますね」
「そしてな」
 そのうえでというのです。
「この国をさらにじゃ」
「賑やかにされますね」
「明るく楽しくな」
 そうであってというのです。
「皆が笑顔でいられる国にするぞ」
「それも常に」
「そうじゃ、しかしな」
 リンキティンク王は王子に言いました。
「王子、そなたもじゃ」
「変りましたね」
「ロバの時はな」
「ええ、不平不満ばかりで」
「悪態をついてな」
「そんな風でしたね」
「わしは気にしていなかったが」 
 そうしたことを気にするリンキティンク王ではありません。
「しかしな」
「周りの人達はですね」
「色々思っておったな」
「やはりそうですね」
「しかしそれがな」
「人間の姿に戻って」
「うって変ってな」
 その性格がというのです。
「別人の様なな」
「性格になりましたね」
「変ったわ」
 見事にという口調でした。
「お主も」
「はい、それでです」
「今はじゃな」
「皆のことを考えて」
「明るく楽しくな」
「そうしてです」
 そのうえでというのです。
「遊びもしまして」
「楽しんでおるな」
「私自身も」
「そうなったな」
「そう、変わらないものはないよ」
 魔法使いも言いました。
「どんなものもね」
「変わるな」
「そう、そしてオズの国はね」
 変わるにしてもというのです。
「いい方向にだよ」
「変っていくな」
「お伽の国だから」 
 それ故にというのです。
「いい人ばかりでね」
「いいことを考えてな」
「いい方向に努力をするからね」 
 だからだというのです。
「オズの国の神々の力もあって」
「いい方に変わるな」
「そうなるんだよ」
「ホッホッホ、いいことじゃ」
 リンキティンク王は笑って応えました。
「そのこともな」
「全くよね、私だってね」
 エリカはリンキティンク王の言葉に頷いて言いました。
「変ったしね」
「あんたはトラブルメーカーだったのがね」 
 ビリーナが応えました。
「そうでなくなってね」
「普通の猫になったでしょ」
「ええ、ただ普通の猫ってね」
 ビリーナは言いました。
「やんちゃで我儘でしょ」
「そうかしら」
「基本ね、あんたはその中でも特によ」
「そうした性格で」
「トラブルメイカーだったけれどね」
「揉めごと起こさなくなったわね」
「そうなったわ」
 実際にというのです。
「そう変わったわ」
「いいことね」
「そういえば」
 ジュリアは周りのお話を聞いて思いました。
「オズの国は昔はここまで色々とです」
「なかったわね」
「そうでしたね、今よりずっとです」
 オズマに応えて言いました。
「シンプルな感じでした」
「人もものもね」
「国も」
「あらゆる物事がね」
「そうでした」
「私もそう思うわ」 
 オズマにしてもです。
「昔はね」
「もっとですね」
「シンプルでね」
「楽しい国でしたが」
「今より静かだったわね」
「そうでしたね」 
 そうした国だったというのです。
「本当に」
「何もかもが変わるということはね」
「その通りですね」
「時代が進むとね」
「全くですね」
「それでね」
 オズマはさらに言いました。
「私が思うには」
「何でしょうか」
「ええ、テレビもパソコンも出てね」
 オズの国にというのです。
「インターネットもで」
「そうした変化はですね」
「素晴らしいわ、ガスも水道もね」
「そして電気もですね」
「出てね」
 そうして変ってというのです。
「本当にね」
「よかったですね」
「そう思うわ」
 こう言うのでした。
「私はね」
「そうですね、そしてこれからも」
「変っていくわ」
「そうなりますね」
「オズの国もね」
 オズマは笑顔で言いました、薔薇の庭園でそんなお話をしました。そしてその場でお昼となりましたが。
 お昼ご飯を見てです、トトは笑顔で言いました。
「僕の大好物の一つだよ」
「パエリアはね」
「そしてトマトが一杯入ったサラダ」
 ドロシーにそちらも見てお話しました。
「ドレッシングをかけた」
「こちらもいいわね」
「凄くね」 
 まさにというのです。
「そう思うよ」
「トマトだけじゃないわよ」
 女王が言ってきました。
「薔薇も入っているわね」
「花びらがね」 
 見れば色々な色の薔薇のそれが入っています。
「そうね」
「薔薇は食べられるからね」
「サラダに入れてくれたのよ」
「そういうことだね」
「私達はお花だから」
 女王はそれでと言いました。
「食べないけれどね」
「飲むだけだね」
「ポリクロームと同じね」 
 にこりと笑って言いました。
「そのことは」
「そうだよね」
「だからね」 
「パエリアとサラダは食べないね」
「ジュースを頂くわ」 
 そうするというのです。
「私達はね」
「ホッホッホ、それもまたよしじゃ」
 リンキティンク王はここでも笑って言いました。
「ジュースもじゃ」
「楽しめばいいわね」
「そうするとよい、楽しめるものをじゃ」
 赤ワインが入ったグラスを片手に言います。
「楽しめばいいのじゃ」
「そうよね」
「だからな」
 それでというのです。
「今から飲んで食べてな」
「楽しみましょう」
 笑顔でお話してパエリアとサラダそれにジュースやワインを楽しむのでした。薔薇の庭園に設けられたテーブルの上で。
 そしてパエリアを食べてです、王子は言いました。
「うん、美味しいね」
「ご飯いいですね」 
 神宝はそちらを食べて言います。
「スパイスで味付けされていて」
「このトマトも」
 ジョージはパエリアの中のそちらを食べています。
「いいです」
「海老も貝も」
 カルロスはそういったものを楽しんでいます。
「美味しいです」
「鶏肉だって」
 ナターシャも言います。
「いいです」
「この大蒜の味が」 
 恵梨香はパエリアの中のそれを笑顔で指摘しました。
「美味しさを引き立てていますね」
「全くだね」 
 王子は五人に応えました。
「何もかもがね」
「絶妙にですよね」
「合わさっていて」
「とても美味しいですね」
「いいパエリアですよね」
「最高の」
「全くだよ、ではね」
 それではというのでした。
「お昼はね」
「このパエリアとですね」
「サラダですね」
「それにジュース」
「チーズもパンもありますし」
「皆楽しめばいいですね」
「そうするといいよ、そしてね」
 王子はさらに言いました。
「デザートも期待していてね」
「そちらも楽しみじゃ」
 リンキティンク王はまさにと応えました。
「わしは普通の食事も好きじゃが」
「甘いものはですね」
「特に好きでな」
 そうであってというのです。
「いつもデザートがな」
「楽しみですね」
「山盛りの果物にお菓子をな」
 それをというのです。
「楽しむのじゃ」
「いつもそうされていますね」
「毎食な」
「特にお菓子ね」
 グリンダはサラダを食べて赤ワインを飲んでから言いました。
「貴方は」
「チョコレートにケーキにな」
「キャラメルにアイスクリームに」
「そういったものがじゃ」
 本当にというのです。
「大好きでな」
「それでよね」
「よく食べておる」
「それでいつもデザートは」
「果物そしてそのお菓子のじゃ」
「盛り合わせね」
「それを食べておる、パフェなんてじゃ」
 このスイーツはといいますと。
「まことにじゃ」
「大好きよね」
「うむ」
 そうだというのです。
「そちらもな」
「甘いものが一杯入っているから」
「よく食べておる」
「そうよね」
「そしてこのお昼はな」
 どうかといいますと。
「果物とお菓子の盛り合わせじゃ」
「楽しみよね」
「左様じゃ。そういえばな」
「そういえば?」
「今朝わしは苺を食べたが」
 そうしたがというのです。
「これがまた美味くてな」
「よかったのね」
「ホッホッホ、あまりに美味くてな」
 そうであってというのです。
「沢山食べたわ」
「苺が美味しくて」
「ジャムも食べてな」
 苺のそれをというのです。
「ジュースも飲んだ」
「今朝は苺尽くしだったのね」
「うむ」 
 まさにというのです。
「それでじゃ」
「楽しんで」
「そしてな」
 そのうえでというのです。
「皆を迎えてな」
「今はここで楽しんでいるわね」
「薔薇達を観てな」
 皆と一緒にというのです。
「歌に踊りにな」
「このお昼に」
「それに皆と会ってな」
「そうもして」
「そしてな」
 そうであってというのです。
「まことにじゃ」
「楽しいのね」
「幸せじゃ」
 ローズのワインを飲んで言いました。
「ワインも美味しいしな」
「あら、ローズのワインを飲んでいるわね」
 グリンダはこのことに気付きました。
「さっきは赤だったのに」
「薔薇であるからな」 
 それでとです、リンキティンク王はグリンダに答えました。
「それでじゃ」
「薔薇の庭園にいるから」
「そして薔薇を観ておるからな」
「変えたのね」
「この方がいいと思ってな」
 それでというのです。
「そうしたのじゃ」
「そういうことね」
「それで飲んでいるとな」
 そのローズのワインもというのです。
「やはりな」
「美味しいわね」
「うむ」
 そうだというのです。
「それでじゃ」
「満足しているわね」
「心からな」
 そうだというのです。
「今もな」
「それは何よりね」
「全くじゃ、あとワインはな」
 こちらはといいますと。
「わしは甘いものが好きじゃ」
「そこも甘いのがいいのね」
「甘いものは飲みものでもじゃ」
 こちらでもというのです。
「大好きでな」
「それでなのね」
「ワインもじゃ」
「甘いものが好きで」
「そちらを飲んでおる」
 そうしているというのです。
「こうしてな」
「甘いワインいいわね」
 グリンダも確かにと頷きました。
「私もそう思うわ」
「そうであるな」
「ええ、ではね」 
 それならと言いました。
「今これからね」
「甘いワインをじゃな」
「いただくわ」
「それではな」
 こうお話して実際にでした。
 グリンダは甘いローズのワインを頂きました、そのワインも楽しんでそうしてパエリアやサラダを楽しみまして。
 デザートもでした、そのデザートの中にアイスクリームがありますが。
 神宝はそのアイスクリームを食べてです、笑顔で言いました。
「アイスも美味しいね」
「そうよね」
「物凄く甘くて冷たくて」
「美味しいよ」
「適度な固さだし」
 恵梨香達四人も頷きます、そして五人全員で言うのでした。
「甘いソースもかけて」
「苺やチョコレートの」
「そうして食べると」
「尚更美味しくて」
「幸せな気持ちになれるよ」
「ホッホッホ、他のものも美味いぞ」 
 リンキティンク王は五人に笑顔で言いました。
「チョコレートもケーキもな」
「アイスだけじゃなくて」
「他のお菓子もですね」
「だからですね」
「他のものも食べればいいですね」
「そうしたらいいですね」
「是非な」
 まさにというのです。
「そうしたらいいぞ」
「そうさせてもらいます」
「アイスだけじゃなくて」
「チョコレートもケーキも」
「他のお菓子も」
「これから」
「甘いものに囲まれた暮らしはじゃ」 
 それはといいますと。
「最高の贅沢じゃ」
「あら、オズの国じゃ普通でしょ」
 ドロシーは笑って言うリンキティンク王に応えました。
「甘いものに囲まれているのは」
「外の世界でも今は多くの国でじゃな」
「果物やお菓子をね」
「ふんだんに食べられるな」
「そうなっているわ」
「その普通のことがじゃ」
 まさにというのです。
「わしにとってはじゃ」
「最高の贅沢なのね」
「だから最初からな」 
「貴方は最高の贅沢を楽しんでおるのね」
「しかも国民はよき者ばかりで友達も多くな」 
 そうであってというのです。
「やはりな」
「いい人達ばかりで」
「楽しい物事にも囲まれ」
 そうもなっていてというのです。
「最高のさらにじゃ」
「最高なのね」
「わしはな」
 そうなっているというのです。
「全く以て幸せじゃ」
「最高のさらになのね」
「最高じゃ」
「貴方は」
「うむ、そしてな」
「そして?」
「わしが思うにはな」  
 さらに言うのでした。
「甘いものには魔法がかかっておる」
「人を幸せにする」
「美味しい思いをさせてくれてな」
 そうしてというのです。
「それでな」
「そうだっていうのね」
「だからな」
 それでというのです。
「わしはその魔法の中にいつも囲まれていてな」
「最高に幸せなのね」
「常にな、若し甘いものがないなら」
 それならというのです。
「わしは甘いものがある場所にじゃ」
「行くわね」
「そうする」 
 こう言うのでした。
「そしてそこでじゃ」
「甘いものを楽しむのね」
「最高の贅沢をな」
 それをというのです。
「そうするぞ」
「そうするのね」
「そしてな」 
 さらにというのです。
「今はこうしてケーキをじゃ」
「食べるのね」
「抹茶ケーキじゃが」 
 緑色のケーキです、カドリングの赤いお茶ではなくエメラルドの都の緑色のものを使っていて緑色なのです。
「これもな」
「美味しくて」
「贅沢じゃ」
 そうだというのです。
「実にな」
「抹茶ケーキも美味しいわね」
「最初見た時にじゃ」
 ドロシーにお話しました。
「これは美味いとじゃ」
「思ったのね」
「食べる前からな」 
 その時点でというのです。
「そう思って実際にじゃ」
「食べると」
「実際にそうであってな」
 甘くて美味しくてというのです。
「今もこうしてじゃ」
「食べているのね」
「うむ、そして皆でじゃ」
「甘いものを食べると」
「尚更じゃ」
 それこそというのです。
「贅沢とじゃ」
「思うのね」
「左様じゃ」
 まさにというのです。
「一人よりもじゃ」
「皆ね」
「楽しめばな」
「尚更いいわね」
「一人で楽しむ贅沢は嬉しくともな」
 リンキティンク王が考えている贅沢をというのです。
「狭い、しかし皆で楽しめばな」
「贅沢をなのね」
「左様、お菓子に囲まれるな」
「皆がそうなれば」
「まさにじゃ」
 それこそというのです。
「最高じゃ、それで今もな」
「お菓子に囲まれて」
「贅沢を満喫しようぞ」
「お菓子に囲まれると贅沢ね」
「最高の気持ちになることが贅沢じゃ」
 リンキティンク王はドロシーに言いました。
「わしはそう思っておる」
「だからなのね」
「お菓子に囲まれるとな」
「最高の贅沢で」
「皆お菓子に囲まれるのじゃ」
「それは貴方のお国だけではないわね」
「オズの国全体じゃ、そして外の世界もな」
「お菓子に囲まれることね」
「そうなるのじゃ、お菓子を食べれば皆幸せにもなる」 
 リンキティンク王はこうも言いました。
「だからな」
「贅沢ね」
「幸せイコール贅沢じゃな」
「贅沢を感じている人は幸せね」
 グリンダも言いました。
「つまり貴方が言う贅沢はし幸せを感じることで」
「皆幸せになるのじゃ、わしはこの国の王としてな」
「お国の皆を幸せにするわね」
「そしてな」
 そのうえでというのです。
「出来ればオズの国も外の世界もな」
「皆が幸せになる」
「そのことを願っておる」
 心からという言葉でした。
「ずっとな、ではな」
「ええ、今はね」
「お菓子を食べようぞ」
 こう言って率先してお菓子を食べます、今リンキティンク王はとても幸せでそして皆も同じでこの人が言う贅沢を満喫しました。
 それはリンキティンク王の国にいる間ずっと続いてでした。
 皆は滞在期間が終わるとリンキティンク王達に見送られて出発しました、もうすべての国を歴訪していたので後はグリンダのお城に帰るだけでした。








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