『新オズのグリンダ』
第一幕 赤い宮殿
ドロシーはオズマにエメラルドの都の宮殿の中で言われました。
「ねえ、今度二人でグリンダの宮殿に行かない?」
「カドリングの?」
「実は訪問することになったのよ」
オズマはドロシーにこのこともお話しました。
「だからね」
「私も一緒になのね」
「どうかしら」
「いいわね、ただね」
ここでドロシーはオズマに言いました。
「グリンダで思い出したけれど」
「あっ、私達二人で出て」
「一度行方不明になってね」
「皆が集まってね」
「大捜索になったわね」
「ええ、そうだったわ」
ドロシーにその時のことをお話しました。
「あの時は」
「ああしたことはもうね」
「二度と起こらない様にね」
「気を付けないといけないから」
だからだというのです。
「二人だけではね」
「行かないことね」
「そうしましょう」
「それじゃあね」
いつも通りドロシーの足元にいるトトが言ってきました。
「僕も行くよ」
「いつも私と一緒にいるし」
「うん、どうかな」
「お願いするわ」
ドロシーはにこりと笑って応えました。
「貴方も一緒よ」
「うん、今回もね」
「私もね」
オズマも言いました。
「ジュリアにお願いしようかしら」
「いいわね」
ドロシーはオズマの提案に賛成しました。
「それではね」
「ええ、あの娘にも声をかけて」
「是非と言ったらね」
「一緒に来てもらいましょう」
オズマはすぐにジュリア=ジャムを呼んでお誘いをかけました、するとジュリアはにこりと笑って答えました。
「私は侍従長でオズマ様のお傍にいつもいますので」
「それじゃあね」
「宜しくお願いします」
「これで四人ね」
「そうね、あとね」
ドロシーはさらに言いました。
「またあの子達を呼んだらどうかしら」
「神宝達ね」
「最近こちらに来ていないから」
「声をかけるのね」
「それで一緒に行きたいって言ったら」
それならというのです。
「あの子達も一緒にね」
「そうね、じゃああの子達にもね」
「声をかけましょう」
ドロシーはすぐに自分のスマートフォンを出しました、そのうえで神宝にかけました。この時神宝達五人は一緒に学校の校庭で遊んでいましたが。
神宝は自分のスマートフォンが鳴ってです、恵梨香達に言いました。
「ドロシーさんからだ」
「あら、何かしら」
恵梨香はすぐどうしたのかと考えました。
「一体」
「そういえば最近オズの国に行ってないね」
カルロスはこのことに気付きました。
「こっちの世界で運動会があって」
「その間何かと忙しくてね」
ジョージはそれでと言いました。
「行っていないね」
「一ヶ月前だったわ」
ナターシャは前に行った時を思い出しました。
「ずっと行きたいって思っていても」
「中々ね」
神宝は残念そうに言いました。
「最近は行けなかったよ」
「そうだったわ」
「けれど今は時間あるし」
「オズの国にも行けるね」
「そうよね」
「うん、じゃあ今から出るね」
神宝は恵梨香達に応えました、そして電話に出ると早速挨拶をされました。
「こんにちは、神宝」
「こんにちは、ドロシーさん」
神宝も挨拶を返しました。
「お元気そうですね」
「いつも通りね、それでね」
ドロシーは早速神宝に言いました。
「実は私とオズマがグリンダ゙の宮殿に行くことになったの」
「カドリングの国のですか」
「ええ、それでね」
そうなったからだというのです。
「私達二人で行くと行方不明にもなるし」
「あっ、それで大騒ぎになりましたね」
神宝もこのことを知っています。
「そうでしたね」
「そうしたこともあってね」
「皆で、ですか」
「行くことになって」
それでというのです。
「トトにジュリアも一緒になって」
「僕達もですか」
「どうかしら」
神宝にお誘いをかけました。
「貴方達五人もね」
「オズの国に行って」
「そしてね」
「グリンダさんの宮殿までですか」
「そうよ、そして宮殿ではね」
グリンダのというのです。
「楽しいパーティーもあるわ」
「パーティーですか」
「勿論美味しいものも一杯あるわ」
「そうなんですね」
「それでどうかしら」
スマートフォンの向こうでも笑顔であるのがわかる言葉でした。
「今からね」
「皆行くよね」
神宝はドロシーの提案を受けてから皆に尋ねました。
「やっぱり」
「勿論よ」
「最近行ってなかったし」
「運動会のことで頭が一杯でね」
「お誘いを受けたなら是非よ」
四人はまさにと答えました、それで神宝はドロシーに返事をしました。
「お願いします」
「五人皆ね」
「はい」
そうだというのです。
「お願いします」
「それじゃあね、待っているわ」
「今すぐ行きます」
こうドロシーにお返事をしてでした。
皆はすぐにオズの国への出入り口がある五人が通っている小学校と同じ敷地内にある大学の時計台に向かいました、そしてです。
その最上階にある出入り口である青い渦の前に来ましたが。
「この渦は変わらないね」
「いつも通りだね」
「じゃあ今からこの渦に入って」
「オズの国に行きましょう」
「そうしよう」
五人でお話してそうしてでした。
一人ずつ渦に入りました、そうするとでした。
丁度オズマとドロシーがいる場所に出ました、するとトトが言いました。
「暫く振りだね」
「うん、君も元気そうだね」
「この通りだよ」
トトは神宝に尻尾を振って答えました。
「オズの国だからね」
「皆いつも元気だね」
「そうだよ、それでね」
トトはさらに言いました。
「僕達はね」
「うん、グリンダさんのところに行くね」
「これからね」
「そういえばね」
神宝はトトの言葉を受けて言いました。
「僕達オズの国に来るのは暫く振りで」
「それでなんだ」
「グリンダさんとはね」
この人とはというのです。
「オズの国に来てお会いしていなかったよ」
「ずっとかな」
「考えてみればね」
「じゃあいい機会ね」
オズマは新法の言葉を聞いてそれならと言いました。
「グリンダの宮殿までね」
「オズマさん達と一緒にですね」
「ええ、行きましょう。そしてね」
「グリンダさんともお会いするんですね」
「そうしましょう」
「そうですね」
神宝は笑顔で応えました。
「皆で」
「行きましょう」
「是非共」
「では出発の準備に入りますが」
ジュリアも言ってきました。
「今日はこれからです」
「ええ、お昼ね」
「お食事の用意ができています」
オズマに微笑んで答えました。
「ですから」
「ええ、皆で食べましょう」
「食堂へどうぞ」
「お昼のメニューは何かしら」
ドロシーはジュリアに尋ねました。
「それで」
「はい、サンドイッチとお野菜と茸のスープです」
「その献立ね」
「ハムサンドに卵サンドにです」
それにというのです。
「野菜サンド、ツナサンド、カツサンドにハンバーグサンドとです」
「色々あるのね」
「スープにはベーコンに人参、玉葱、様々な茸が入っています」
「美味しそうね」
「シェフの方もそう言っておられます」
ジュリアはにこりとして答えました。
「ですから今から」
「ええ、いただくわ」
「デザートもありますが」
ジュリアはこちらのお話もしました。
「フルーツの盛り合わせです」
「そちらね」
「はい、そちらもです」
「いただくわね」
「では食堂に」
「貴方達もいらっしゃい」
ドロシーは神宝達に声をかけました。
「それで一緒にね」
「お昼をですね」
「お昼まだよね」
「はい」
神宝はその通りと答えました。
「まだです」
「それなら丁度いいわね」
「食堂で、ですね」
「一緒にお昼食べましょう」
「そちらもご一緒していいんですね」
「そうよ」
笑顔での返事でした。
「だからね」
「行かせてもらいます」
こうしてでした。
神宝達はお昼も一緒にとなりました、メニューはジュリアがお話した通りサンドイッチと野菜と茸のスープにです。
フルーツの盛り合わせがあります、飲みものには牛乳やジュースがあります。
皆でいただきますをしてから食べます、そこでオズマはツナサンドを食べて言いました。
「サンドイッチは色々と挟めるのよね」
「そうですよね」
「それがいいところですよね」
「手を汚さずに食べることが出来て」
「それで何でも挟める」
「いい食べものですよね」
「手頃に食べられてね」
それでというのです。
「しかも美味しいのよね」
「本当にそうですね」
「ではですね」
「皆で食べてですね」
「楽しみますね」
「今は」
「そうしましょう」
今度はです。
オズマは牛乳を飲みました、そしてまた言いました。
「牛乳も美味しいわ」
「はい、こちらも」
神宝もその牛乳を飲んで言いました。
「美味しいです」
「サンドイッチにもよく合うわね」
「そうなんですよね、ですが」
「ですが?」
「実は中国ではです」
神宝はお国のお話をしました。
「長い間牛乳は飲みませんでした」
「そうだったのね」
「そして乳製品もです」
「チーズやヨーグルトもなのね」
「あまり縁がありませんでした」
「中国っていうと」
ドロシーはこの国ならと言いました。
「何でも食べるってね」
「思いますね」
「それで牛肉も食べるし」
そうであってというのです。
「牛乳は、なの」
「ずっとそうでした」
「そうだったのね」
「確かに何でも食べる国ですが」
「牛乳や乳製品はなのね」
「あまり、でした」
神宝は今度はカツサンドを食べています、そのうえでの言葉です。
「これが」
「中国でもそうした食べものあるのね」
「飲みものもです」
「そうなのね、しかしね」
こうも言ったドロシーでした。
「今は違うわね」
「結構食べます」
「そうなっているわね」
「美味しいですよね、牛乳も」
「チーズやヨーグルトもね」
「そうですよね」
「牛乳は身体にもいいから」
オズマは今はハムサンドを食べています、そのうえでの言葉です。
「どんどんね」
「飲むといいですね」
「そう、栄養の塊よ」
牛乳はというのです。
「本当にね」
「だからいいですね」
「飲むとね」
「よく聞きますが」
神宝はまた牛乳を飲んで言いました。
「栄養が凄くありますね」
「だから飲みましょう」
「はい、今も」
「そうしてね」
そのうえでというのです。
「サンドイッチもスープもね」
「いただきます」
「このスープもです」
ジュリアもいて食べています、そのうえで言うのでした。
「とても美味しいです」
「そうですね」
「お野菜も茸も沢山入っていまして」
「物凄く美味しいです」
「ベーコンも入っていますし」
「食材の味がよく出て」
「コンソメスープにです」
ジュリアは神宝達五人にお話しました。
「様々なお野菜と茸を入れてです」
「ベーコンも入れて」
「それでじっくり煮込んでいますね」
「どのお野菜も柔らかいです」
「とても食べやすくなっています」
「茸も」
「ですから美味しいですね」
ジュリアはにこりと笑ってお話しました。
「本当に」
「はい、それにです」
神宝はスープを飲んで言いました。
「大蒜も入っていますね」
「そうですよね」
「そちらの味も出ていますね」
「塩胡椒で味付けされていまして」
「大蒜もですね」
「大蒜がありますと」
そうであるならというのです。
「香辛料でもあるので」
「いい味が出ますね」
「身体にもいいですし」
「本当にそうですね」
「ではスープもいただきましょう」
「そうさせてもらいます」
「またデザートもです」
こちらはといいますと。
「様々なフルーツが用意されています」
「フルーツもいいですね」
「お菓子もいいけれど」
オズマが笑顔で言ってきました。
「フルーツも大好きよ」
「姫様はそうですね」
「ええ、昔からね」
ジュリアに答えました。
「そちらもね」
「左様ですね」
「だからね」
「楽しみですね」
「どういったフルーツがあるのかしら」
「葡萄にです」
ジュリアはまずはこの果物を出しました。
「桃、洋梨にオレンジにバナナにキーウィです」
「キーウィもあるのね」
「そうです」
「キーウィもいいわね」
「お好きですね」
「あの甘酸っぱさがね」
キーウィのというのです。
「大好きなのよ」
「実は私もです」
ジュリアは微笑んで言いました。
「キーウィは大好きです」
「そうよね」
「やはりです」
「あの甘酸っぱさよね」
「あれが大好きです」
「それじゃあ皆でね」
「フルーツもいただきまして」
そうしてというのです。
「キーウィもです」
「いただきましょう」
「それでは」
笑顔で言ってでした。
ジュリアも他の皆もフルーツまで楽しみました、見ればどのフルーツもエメラルドの都のもので緑色です。
その緑色のフルーツを食べてです、神宝はこんなことを言いました。
「グリンダさんの宮殿はカドリングにあるので」
「うん、赤なのよね」
「カドリングは赤い国だからね」
「そうなっているのよね」
「オズの国はそれぞれの国の色があるから」
「その赤い食べものを食べるね」
恵梨香達四人にも言いました。
「これが」
「ええ、それも楽しみよね」
「赤い食べものを食べることも」
「カドリングにも最近行ってなかったけれど」
「そうすることもね」
「全くだね、そしてね」
それにというのです。
「グリンダさんともお会いしようね」
「そうしましょう」
「グリンダさんとお会いするのも楽しみだよ」
「久し振りだしね」
「オズの国に行っても最近お会いしていなかったし」
「そうでしょ、だからね」
オズマは五人にお話しました。
「何かとね」
「楽しみにさせてもらいます」
「食べものことも」
「そしてグリンダさんとお会いすることも」
「カドリングに行って」
「そのうえで」
「そうしてね、それとね」
オズマはさらに言いました。
「今回は他に誰が一緒に行ってくれるか」
「私達だけだとね」
ドロシーはオズマにも応えました。
「どうもね」
「ええ、少ないからね」
「探さないといけないわね」
「他の誰かをね」
「お昼が終わったら」
ドロシーはエメラルドの都のバナナの緑色の皮を剥いて白い中身を出してそれを食べつつ言いました。
「宮殿にいる人に聞いてみましょう」
「それがいいわね」
オズマも確かにと頷きました。
「今回はね」
「ええ、そしてね」
そうしてというのです。
「そのうえでね」
「一緒に行ってもらいましょう」
「グリンダの宮殿までね」
笑顔でお話しました、そしてお昼を食べてからです。
ドロシーは宮殿に放送でグリンダの宮殿に一緒に行く人を募集と言いました、そうするとすぐにでした。
まずはです、エリカとビリーナが名乗り出ました。
「面白そうじゃない」
「行かせてもらうわ」
「グリンダに会うのも久し振りだし」
「それならね」
「ええ、宜しくね」
オズマはエリカとビリーナに笑顔で応えました。
「一緒に行きましょう」
「そうしましょう」
「これからね」
「私もいいかな」
魔法使いも名乗り出ました。
「グリンダとはね」
「貴方が一番の仲よしね」
「だからね」
それでというのです。
「また魔法のことでね」
「お話をして」
「新しい魔法も生み出したいし」
だからだというのです。
「ここはね」
「一緒によね」
「行かせてもらいたいんだ」
「貴方が来てくれるなら最高よ」
ドロシーは魔法使いに笑顔で応えました。
「グリンダは魔女でね」
「魔法を使うしね」
「そして貴方も魔法使いで」
「魔法を使うよ」
「だからね」
そうであるからだというのです。
「本当にね」
「私も一緒ならだね」
「これ以上はないまでにね」
「有り難いと言ってくれるんだね」
「そうよ」
その通りだというのです。
「それじゃあね」
「ご一緒させてもらうよ」
「それじゃあね」
「それでね」
オズマがここでまた言ってきました。
「グリンダの宮殿に行くまでにね」
「他の国を巡るのね」
「ええ、そうしてね」
そのうえでというのです。
「お話をしていくわ」
「歴訪ね」
「そうなるわ」
「今回は」
「それで真帆使いさんの使う」
魔法使いを見つつドロシーにお話します。
「飛行船やヘリコプターは使わないで」
「それでなのね」
「各国を歴訪するわ」
「今回は列車で行くのかしら」
ドロシーはまずはこちらをと言いました。
「それか自動車かしら」
「いえ、実はね」
「実は?」
「キャタピラで動くね」
そうしたというのです。
「タンクでね」
「行くの」
「そう、別に誰かを攻撃したりしないけれど」
それでもというのです。
「タンクを使って」
「行くのね」
「このタンクは特別で」
「何かあるのね」
「そう、水陸両用で」
そうであってというのです。
「陸地を進めてね」
「お水の上も進めるの」
「そうなの、それに乗って」
そうしてというのです。
「今回はね」
「各国を巡って」
「グリンダの宮殿に行くわよ」
「わかったわ」
ドロシーは笑顔で頷きました。
「それじゃあね」
「宜しくね」
「ええ、オズの国は色々な乗りものがあるわね」
ドロシーはしみじみとして言いました。
「本当に」
「凄いですよね」
神宝も言ってきました。
「オズの国に来ていつも思います」
「科学だけじゃなくて魔法もあって」
ナターシャも言います。
「色々なものが出るんですね」
「科学だけじゃないから」
ジョージはしみじみと思いました。
「外の世界以上に色々なものがあるんですね」
「水陸両用車は外の世界にもありますが」
それでもと言うカルロスでした。
「絶対にもっと凄いものですよね」
「一体どんなタンクか」
恵梨香も期待しています。
「楽しみです」
「期待してもらったら嬉しいわ」
オズマも笑顔で応えます。
「それではね」
「はい、そのタンクに乗って」
「そうしてですね」
「今回は旅をしますね」
「まずは各国を歴訪して」
「そしてですね」
「その最後に」
「グリンダの宮殿よ、カドリング中を巡るわ」
そうなるというのです。
「宜しくね」
「あのタンクはね」
魔法使いはにこにことして言いました。
「私の自信作の一つだよ」
「そういえばあんた宮殿の工房で造ってたわね」
エリカが言ってきました。
「そうだったわね」
「そうそう、何かとね」
ビリーナも言いました。
「熱心に造っていたわね」
「また何か造ってると思ってたけれど」
「何かと思っていたら」
「タンクだったのね」
「それだったのね」
「そうなんだ、タンクは外の世界では戦争に使うけれど」
それでもというのです。
「戦争でなくてもね」
「使えるのね」
「便利なものなのね」
「そうだよ、格好いいしね」
その外見はというのです。
「いいものだよ」
「そうなのね」
「タンクもなのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「造ってみたけれどこれがね」
「自信作で」
「よかったんだね」
「そうなんだ」
これがというのです。
「乗り心地もいいよ」
「それはいいね」
トトも笑顔で言ってきました。
「じゃあ今回はね」
「そのタンクに乗ってだよ」
「移動するんだね」
「もうどんな場所でもだよ」
魔法使いはトトにもお話しました。
「行くことが出来るんだ」
「道がなくても」
「キャタピラでね」
「そうなんだね」
「そして水陸両用だから」
それでというのです。
「お水でもね」
「行けるんだね」
「川もお池もで」
そうであってというのです。
「海でもね」
「行けるんだね」
「そう、そしてね」
そうであってというのです。
「後は乗ってみてのお楽しみだよ」
「他にもありますね」
「うん、オズの国だからね」
ジュリアにもお話しました。
「やっぱりね」
「科学と魔法を用いていて」
「他の技術もね」
そうなっていてというのです。
「そうなっていて」
「そしてね」
それでというのです。
「凄くね」
「素晴らしいものになっていますね」
「他のものもそうで」
そうであってというのです。
「凄いからね」
「乗って移動してみて」
「お楽しみということでね」
「期待させてもらいます」
「それではね」
「はい、しかしタンクは外の世界では」
ジュリアは魔法使いとのお話の中で言いました。
「戦争に使うんですね」
「そうなんだ」
これがというのです。
「聞くところによるとね」
「外の世界では戦争が絶えないですね」
「もうあらゆるものを用いてね」
そうしてというのです。
「それでね」
「戦っていて」
「かつては飛行船や列車も兵器として使っていて」
そうであってというのです。
「ヘリコプターも航空機もね」
「使っていますか」
「潜水艦だってね」
「本当に何でもですね」
「そしてタンクもね」
こちらもというのです。
「使っているんだ」
「本当に何でもですね」
「けれどね」
魔法使いはそれでもとお話しました。
「兵器も使い方次第だよ」
「人を傷付けるのではなくですね」
「人を守ったりね」
「楽しいことにも使える」
「そうしたものにもなるんだ」
「そうですか」
「だからね」
それでというのです。
「私は兵器でもね」
「人を守ってですか」
「そして人を楽しくさせる」
「そうしたものにされますか」
「ジープってあるよね」
この自動車のお話もしました。
「元々は軍隊で使われていた」
「兵器でしたね」
「けれど今は普通に使われているね」
「オズの国でも」
「自動車としてね」
「そうなっていますね」
「例え最初は兵器でも」
それでもというのです。
「本当にね」
「使い方次第ですね」
「それでね」
「変わりますね」
「何でもね、包丁はお料理に使うけれど」
「そうです、外の世界ではです」
ジュリアはすぐに答えました。
「人を傷付けることにもです」
「使えますね」
「だからね」
それ故にというのです。
「本当に何でもね」
「使い方次第ですね」
「タンクが戦争に使われるから」
兵器だからだというのです。
「悪いか」
「違いますね」
「使い方次第だから」
そうであるからだというのです。
「無闇に嫌わないで」
「どう使うかを考えることですね」
「そしてね」
それでというのです。
「楽しいタンクを生み出せたよ」
「その自信がおありなんですね」
「そうなんだ」
実際にというのです。
「私もね」
「そういうことですね」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「今回はそのタンクに乗って」
「移動ね、本当に楽しみだわ」
ドロシーも言ってきました。
「貴方は色々なものを生み出す天才ね」
「天才なんだ、私は」
「ええ、いつも九十九パーセントの努力をして」
そうしていてというのです。
「それで一パーセントの閃きを持っている」
「だからなんだ」
「天才よ」
そうだというのです。
「本当にね」
「そう言ってくれるんだね」
「天才とは何か」
「エジソンさんも言ってけれど」
「まずは九十九パーセントの努力」
「そしてね」
それに加えてです。
「一パーセントの閃きよ」
「閃きがないと、と言ったるね」
「あの人はね」
「その二つが合わさったら」
「素晴らしいことが出来るわ、そしてね」
それでというのです。
「貴方はいつも努力していて」
「そしてだね」
「物凄く閃くから」
だからだというのです。
「素晴らしい、面白いものを開発する」
「天才なんだね」
「そうよ」
「そうですよね、魔法使いさんは」
神宝も言ってきました。
「面白いものを開発する」
「天才よね」
「科学と魔法を用いて」
「手品みたいにね」
「あっ、手品が」
ここで神宝ははっとなって頷きました。
「魔法使いさんの閃きの」
「元よね」
「そうですよね」
「そう、手品もね」
「やっているとですね」
「何かとね」
「閃きますね」
「頭と手を動かして」
そうしてというのです。
「不思議なことをするから」
「だからですね」
「本当にね」
手品はというのです。
「閃きのね」
「源泉ですね」
「そうであってね」
それでというのです。
「魔法使いさんもね」
「何かとですね」
「閃くのよ」
「そうですね」
「確かにね」
魔法使い本人も言います。
「手品をしているとね」
「閃きますね」
「その時造っているもの、これから造るものについてね」
「閃いて」
「そしてね」
そうなってとです、神宝にお話します。
「出来ていくよ」
「そうですね」
「閃きはね」
これはといいますと。
「神様の恩恵の一つだけれど」
「どうして出て来るかは」
「何かをしていて」
そうであってというのです。
「頭や手を動かしているとね」
「やって来ますね」
「そうしたものだね、余計にね」
「そうなんですね」
「少なくとも私はそうだよ」
「手品をされていて」
「元々のお仕事のね」
そうであるというのです。
「それをしていてね」
「それで、ですね」
「そう、本当にね」
まさにというのです。
「閃くんだ」
「それじゃあいつもですか」
「時間があるとね」
その時はというのです。
「趣味でもあるし」
「手品をされていますか」
「手品はマジック、魔法であって」
その手品のお話もします。
「科学の知識も用いるから」
「だからですね」
「科学と魔法と使ったものを造るなら」
それならというのです。
「本当にね」
「いいんですね」
「閃きが下りてくれるんだ」
「そうですか」
「そうだよ、何かをしていると」
「閃きが来てくれて」
「そしてね」
そうであってというのです。
「素晴らしいものを生み出してくれるんだ」
「じゃあこれからも」
「うん、手品はね」
「やっていかれますね」
「こちらも楽しいしね」
それでというのです。
「本当にね」
「やっていきますか」
「そうだよ、ただね」
「ただ?」
「何もしていないと」
そうであると、というのだ。
「閃きも中々ね」
「下りないんですね」
「うん、何かをしていたら」
「手品でなくても」
「閃きは来てくれるよ」
「そこで九十九パーセントの努力もですね」
「あればね」
それならというのです。
「素晴らしいものを生み出せるよ」
「そうですから」
「だからね」
それ故にというのです。
「手品はね」
「これからもですね」
「私はしていくよ」
「そうしてね」
ドロシーも言ってきました。
「やっぱり魔法使いさんはね」
「手品をしてこそだね」
「魔法使いさんだから」
「思えばこの国に来てもね」
「私達に会った時もね」
「色々な姿になってみせたけれど」
最初の出会いの時をお話します。
「あの時もね」
「今思うと手品だったわね」
「広い範囲で言うとね」
「そうよね、だからね」
それでというのです。
「これからもね」
「手品はしていくわね」
「そうしていくよ」
是非にというのです。
「私はね」
「応援しているわね」
「その応援受けさせてもらうよ」
「ええ、それじゃあね」
「うん、これからもだよ」
「手品をしていくわね」
「そうさせてもらうよ」
楽しくこうしたお話もしました、そしてです。
皆でグリンダの宮殿に行く準備を進めることにしました、今度の冒険の旅もまた楽しいことになると思いながら。