『新オズのブリキの樵』
第十二幕 最高のツアー
ツアー前日となりました、レイさんとアイドルの六人の娘達合わせて七人のエルフの女性達はです。
最初のコンサート会場に向かってその傍のホテルに入りました、ドロシー達はその七人と笑顔でまた明日とお話してです。
自分達のホテルに入りました、そこでドロシーは言いました。
「ではいよいよね」
「明日からだよ」
樵が応えました。
「ツアーがはじまるよ」
「そうなるわね」
「だからね」
それでというのです。
「楽しみだよ」
「私もよ」
「そうだね、では今夜はね」
「ええ、ゆっくりとね」
樵に笑顔で言いました。
「ホテルのお部屋でね」
「休もうね」
「そうしましょう」
「休める人達は皆休んでね」
かかしも言ってきました。
「そうしてね」
「あたし達は休まないけれどね」
つぎはぎ娘は軽く踊って言いました。
「それでもよ」
「けれどだね」
「休める人はね」
臆病ライオンにお話しました。
「ゆっくりと寝てね」
「そうさせてもらうよ」
「今夜はよく寝れそうだよ」
カエルマンはにこにことして言いました。
「いよいよ明日とわくわくするが」
「これまでずっと皆で働いてきて」
アン王女も言います。
「心地よく疲れているから」
「だからだよ」
「ええ、ゆっくりとね」
「ベッドに入ったらね」
「すぐに寝られるわ」
「そうだね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「明日の朝は」
「とてもいい目覚めになるよ」
「絶対にね」
「よく寝ますと」
クッキーも言います。
「そうするとね」
「ええ、これ以上はないまでにね」
エリカが応えました。
「気持ちがいいわ」
「体も心も充実して」
「だからよ」
それでというのです。
「私達はこれからね」
「よく寝ることね」
「そうすべきよ」
「本当にね」
「実際眠くなってきたわ」
「心地よい感じで」
「それならね」
「今夜はよく寝ましょう」
「朝までね」
「眠れない夜なんてなかったけれど」
それでもと言うビリーナでした。
「けれどね」
「それでもだね」
トトが応えます。
「今夜もそうなら」
「それならね」
「これ以上はないまでに幸せだよ」
「そうよね」
「僕の趣味はね」
トトはにこにことしてお話しました。
「遊んで食べてね」
「寝ることよね」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「どれも大好きだよ」
「だから今夜もなのね」
「よく寝るよ」
そうだというのです。
「それこそね」
「朝までよね」
「じっくりと寝るよ」
「私もするわ」
「さて、お風呂に入ってパジャマに着替えて」
モジャボロはとても楽しそうに言いました。
「ベッドに入ったら」
「寝よう」
教授も言います。
「睡眠は学問にもいいからね」
「頭を休めるからだね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「休めて回復して」
「まただね」
「学ぶものだからね」
それ故にというのです。
「ここはね」
「ゆっくりとだね」
「休んで」
そうしてというのです。
「明日の朝からだよ」
「また頑張ろう」
「そうしよう」
「しかし」
ここで、です、ラベンダー熊は言いました。
「寝る必要がないのなら」
「うむ、夜もである」
「楽しもうぞ」
王様と伍長が応えました。
「歌って踊って」
「お喋りもしてな」
「丁度観たい映画もあるし」
「それならである」
「皆で観ようぞ」
「休むことは楽しいことでも」
休める人はです。
「休む必要がないなら」
「それならである」
「夜も楽しめばいいである」
「それではである」
「歌って踊ってお喋りをしてである」
そうしてとです、王様も伍長も言います。
「そしてである」
「楽しむことである」
「映画もね」
今から観ることも楽しみにしています、そうしたお話をしてです。
皆で寝る準備に入ります、それぞれのお部屋に入って身体を奇麗にしてパジャマを着てそうしてですが。
寝ようとしますがジョージ達五人はドロシ―と同じお部屋で同じ天幕付きの白いベッドで寝ると聞いてです。
「いいんですか?」
「ドロシーさんと一緒なんて」
「同じお部屋で休んで」
「しかも同じベッドなんて」
「いいんでしょうか」
「いいのよ、皆で寝るのもね」
ドロシーは驚いている五人に笑顔で言いました。
「いいものよ」
「ですが」
ジョージはそれでもと言いました。
「ドロシーさんは王女様です」
「オズの国の」
神宝も言います。
「そんな人と同じ別途で寝るなんて」
「幾ら仲よくしてもらっても」
それでもと言うカルロスでした。
「流石に」
「いいのか」
恵梨香は明らかに戸惑っています。
「果たして」
「あの、私達でしたら」
ナターシャも言いました。
「別のベッドでそれぞれ寝ますけれど」
「いいの、だって私は皆と家族と言っていい位の間柄になりたいから」
ドロシーはそれでと答えました。
「だからね」
「それで、ですか」
「同じベッドで寝るんですか」
「これから一晩」
「そうしていいんですね」
「一緒に」
「実はね」
ドロシーは五人に言いました。
「オズの国にスーホーって人がいるの」
「ええと、確かその人は」
「モンゴルの人ですよね」
「童話の主人公で」
「モンゴルと言えば馬で」
「馬にまつわるお話でしたね」
「その人から聞いたのよ」
五人にさらにお話します。
「モンゴルでは同じベッド、モンゴルの寝具の中で一緒に寝たら」
「そうすればですか」
「どうなるかですか」
「その時はですね」
「スーホーさんにお話してもらったんですね」
「あの人に」
「そうなの、そうしたら兄弟みたいな間柄になれて」
同じ寝具の中で寝ればというのです。
「永遠の絆が生まれるから」
「だからですね」
「これからですね」
「皆で寝るんですね」
「同じベッドの中で」
「六人で」
「丁度それだけの大きさがあるしね」
見ればとても大きなベッドです、子供六人位普通に入って広々と寝られるくらいの大きさがあります。
「だからね」
「それで、ですか」
「皆も入られるので」
「僕達五人とですね」
「家族みたいな間柄になるんですね」
「一緒に寝て」
「そうするのよ、いいわね」
笑顔で言うドロシーでした。
「これからね」
「僕はね」
トトがここで言ってきました。
「いつもだよね」
「私と一緒に寝ているわね」
「夜はね」
「そうよね、お風呂に入ってね」
「それで身体を奇麗にして」
そうしてというのです。
「毛も拭いて」
「ベッドに入ってね」
「一緒に寝ているね」
「そうしているわね」
「それこそだよ」
トトはさらに言いました。
「カンサスにいた頃からね」
「私とトトはそうしているわね」
「そうだね、僕達は友達同士で」
「そして家族だから」
本当にカンサスにいた頃からというのです。
「そうしてきているわね」
「ずっとね」
「それで僕達もですね」
ジョージが応えました。
「これから」
「一緒に寝ましょう」
「はい」
五人全員で頷きました、そしてです。
ジョージはあらためてです、ドロシーに言いました。
「お願いします」
「今夜は皆でね」
「同じベッドに入って」
「そうしてね」
そのうえでというのです。
「寝ましょう」
「そうしましょう」
こうお話してでした。
皆で同じベッドに入って寝ました、そして朝起きるとホテルにエルフの人達七人も呼んでそのうえで朝ご飯となりますが。
その朝ご飯を食べてです、七人全員が言いました。
「美味しいわね」
「はい、凄く」
「このホテルのお料理最高です」
「とても美味しいです」
「幾らでも食べられます」
「朝からこんな美味しいもの食べられるなんて」
「幸せです」
こう言うのでした、そしてです。
レイさんは六人にです、サラダを食べながら言いました。
「朝はね」
「はい、しっかりとですね」
サキはオムレツを食べつつ応えました。
「食べることですね」
「一日のはじまりなので」
ユウはソーセージを食べつつ言いました。
「沢山食べることですね」
「こうして」
ヒミカはチーズを食べています。
「食べることですね」
「食べないと駄目ですよね」
ミユはトーストを食べています。
「こうして」
「とても美味しいので」
トモキはハムを食べています。
「沢山食べたいです」
「皆で食べます」
アズキはコンソメスープを飲んでいます。
「こうして」
「そうしてね」
レイさんは是非にと言いました。
「そして今日が初日だから」
「頑張ります」
「笑顔ではじめます」
「六人全員で」
「そうさせて頂きます」
「是非共」
「しっかり食べて」
「そのうえで」
六人全員で応えます。
「サラダも卵もハムも食べて」
「お野菜も沢山ありますし」
「果物もありますね」
「ミルクも飲みます」
「ヨーグルトもいただいて」
「ジュースもありますし」
「そうしてね、しかしこうして」
レイさんは小さなグラスのシャンパンを飲んで言いました。
「シャンパンも飲めるなんて」
「朝からだね」
樵が応えました、食べる必要のない人達の前にはお水が入っているボールがあって皆の笑顔を楽しんでいます。
「嬉しいね」
「はい、実は私はです」
レイさんは樵に微笑んで答えました。
「シャンパンが好きで」
「そうなんだね」
「ですから」
「飲めてだね」
「嬉しいです」
そうだというのです。
「とても」
「それは何よりだね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「このホテルのシャンパンは特にです」
樵ににこりと笑ってお話します。
「美味しいです」
「そうなんだね」
「ですから」
「満足しているかな」
「はい」
笑顔のままでの返事でした。
「とても」
「それは何よりだね」
「私もステージに出ます」
「そうするんだ」
「今回のツアーでは毎回」
「七人になるね」
「そうですね、変身もします」
そちらもというのです。
「今回は」
「黒猫に変身して」
「そしてです」
「ステージで活躍するんだね」
「そうします」
まさにというのです。
「今回は」
「レイさんも頑張るんだね」
「そのつもりです」
「七人になると」
樵はどうかと言いました。
「尚更ね」
「いいですか」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「だって七人だとね」
「それならですか」
「虹になるからね」
「虹は七色なので」
「だからね」
そうであるからだというのです。
「六人、六色よりもね」
「いいですか」
「そうだと思うよ」
「そうなのですね」
「だからね」
それ故にというのです。
「今回はね」
「七人で、ですね」
「行うなら」
それならというのです。
「僕もいいと思うよ」
「そうですか」
「そしてね」
それにというのでした。
「一つ言うことがあるよ」
「何でしょうか」
「レイさんの色は黒だね」
「はい」
その通りだという返事でした。
「私達は」
「虹の色ではないけれど」
「それでもですね」
「七色になるから」
虹と同じくというのです。
「それでもね」
「いいですか」
「そうじゃないかな」
「そうですね」
レイさんも言われて頷きました。
「そのことは」
「だからね」
それでというのです。
「七人でね」
「頑張ります」
「そうしてね」
「是非共」
「それとだけど」
樵はさらに言いました。
「衣装もね」
「そちらもですか」
「歌にダンスにトークに演出に」
「衣装も」
「楽しみにしているよ」
「それでは。ですが」
ここでレイさんは笑ってこうも言いました。
「実は私結婚していまして」
「そうなんだ」
「娘もいます」
そうだというのです。
「犬とインコ、金魚もです」
「一緒になんだ」
「暮らしています」
「レイさんはお母さんでもあるんだね」
「そうなのです」
「じゃああれだね」
樵はレイさんのお話をここまで聞いて言いました。
「レイさんはママドルだね」
「お母さんアイドルですね」
「確か昔の日本の言葉でね」
「結婚して家庭を持っていて」
「お子さんもいてね」
「アイドルをしている人ですね」
「そうした人をそう呼んだらしいんだ」
ママドルと、というのです。
「あちらでね」
「そういえば」
レイさんはそのお話を聞いて思い出した様に言いました。
「日本もアイドルが有名ですね」
「むしろ外の世界ではかなり凄くて」
そうしてと言うサキでした。
「グループなんか大人気らしいですね」
「声優さんもアイドルやったり」
ユウはこの人達もとお話します。
「ゲームでも」
「スクールアイドルってあるんですよね」
ヒミカはこうした人達の名前を出しました。
「アニメでも」
「兎に角アイドルが定着して」
ユウはそれでと言います。
「人気があるんですよね」
「それぞれの地域でアイドルがいて」
トモキはそうした人達もと言いました。
「活動していますね」
「そこまでアイドルが定着しているなんて」
アズキは唸る様に言います。
「凄い国ですね」
「というか日本のアイドル文化はまた特別みたいだね」
かかしが六人のお話を聞いて言いました。
「独自の進化を遂げていて」
「そうみたいね」
ドロシーも応えて言います。
「あの国のアイドルは」
「男の子達についてもね」
「グループで活動したりして」
「そしてね」
そうであってというのです。
「グループ内でセンターをね」
「ファンの人達が選挙で選んだり」
「そうしたりしてね」
「何かとよね」
「色々面白いこともしていて」
「本当に独特ね」
「だからね」
それでというのです。
「オズの国でもだよ」
「採り入れているわね」
「そうだよ、じゃあ今日からツアーで」
「私達も観るのね」
「それぞれの場所で一回ずつね」
「楽しみだわ」
ドロシーは満面の笑みで応えました、そうして皆でお仕事をして夜はツアーのコンサートにそれぞれの会場で一回ずつお客さんとして参加してです。
ステージだけでなく応援も楽しみます、そしてです。
最後のライブ、千秋楽と言うべきそれに参加して応援する中でモジャボロと教授はペンライトを左右に振りつつ言いました。
「こうして応援することも」
「実に楽しいね」
「一体感があって」
「最高だよ」
「じゃあ最後までね」
「応援も楽しもう、これはただ応援するだけじゃなくて」
教授はモジャボロにお話しました。
「スポーツにもなるよ」
「身体を激しく動かすからね」
「それでだよ」
「というかこの応援って」
どうかとです、臆病ライオンもペンライトを振りつつ言います。
「日本のものだね」
「そうだね」
トトも同じです、皆で振っています。
「聞くところによると」
「アメリカとはまたね」
「違う応援の仕方だよ」
「本当にね」
「だからね」
それでというのです。
「こうして応援しても」
「楽しいね」
「とてもね」
こう言います、そしてです。
ビリーナは応援しつつです、いつもみたいにぴょんぴょんと跳ねているつぎはぎ娘を見て言いました。
「あんたは応援でもあんたね」
「ええ、あたしはあたしよ」
つぎはぎ娘もこう返します、跳ねながら。
「ぬいぐるみの身体だからね」
「跳ねるわね」
「そうよ、こうしてね」
「そうね、逆に跳ねないとね」
「あたしじゃないでしょ」
「全くね」
そうだというのです。
「私もそう思うわ」
「だからよ」
「跳ねるのね」
「他のファンの人に迷惑をかけない様にね」
「そこは絶対よね」
「マナーの問題だからね」
それ故にというのです。
「あたしにしてもね」
「ちゃんと守って」
「そうしてね」
「応援するわね」
「そうよ」
こう言うのでした、その彼女を見て王女はこんなことを言いました。
「つぎはぎ娘も自由な様で」
「マナーは守ってるわね」
「ちゃんとね」
傍にいるエリカに答えます。
「そうなのよね」
「そこは当然ね」
「貴女もそうだしね」
「私は昔はやんちゃだったけれど」
「今は違うわね」
「そうよ」
エリカも答えます。
「この通りね」
「そうよね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「こうしてマナーを守って」
「礼儀正しくね」
「応援するのよ」
「それがあるべき姿よね」
「その通りよ」
「そう、ファンは紳士でないとだよ」
カエルマンも言います。
「駄目だよ、終わったらね」
「その時は」
「日本のファンの人達の多くがしている様に」
その様にというのです。
「ゴミも拾ってね」
「帰るといいですね」
「どうしてもゴミは出るから」
クッキーはそれでと言います。
「出来る限りゴミを減らす」
「お掃除する人達も楽なりますし」
「お仕事がね、それにね」
さらに言うのでした。
「こうしたことを行うのも紳士であり」
「レディーですね」
「そうだからね」
「ゴミは拾って帰る」
「自分の出したゴミ位はね」
「応援を楽しんで」
「その後もね」
こう言うのでした、そしてです。
皆で応援をしていきます、そしてトークに入った時に伍長はステージで今は黒猫になって六人とお話しているレイさんを見て言いました。
「エルフの時は美人さんであるが」
「黒猫になると可愛いね」
「そうであるな」
ラベンダー熊と王様が応えます。
「実に」
「その対比もまたいいね」
「全くである」
「だから観ていて楽しいよ」
「しかもトークが面白いである」
そちらもというのです。
「だからである」
「見応えがあるよ」
「我々もである」
「六人もそれぞれ個性があってである」
「歌でもダンスでもね」
「勿論衣装もである」
それでというのです。
「面白いである」
「ずっと楽しめたよ」
「ツアーの間どの会場でもライブを観ていたであるが」
それでもと言う伍長でした。
「このツアー最後のライブもである」
「いいね」
「最後まで楽しませてもらったである」
皆笑顔で言います、そして応援を最後までしてです。
六人とレイさんの合わせて七人の終わりを告げる言葉でツアーは終わりました、そうしてなのでした。
ツアーが終わって打ち上げとなってです、皆はウィンキーの都の一晩立派なレストランを貸し切ってパーティーを開きました。
山海の珍味を使った見事なお料理にとても美味しいお酒にジュースがこれでもかと並べられています、そのうえで。
皆それぞれの席で乾杯をして飲んで食べはじめますがその場で樵が満面の笑顔でこうしたことを言いました。
「最後まで最高だったね」
「終わりよければですよね」
ジョージがこう応えました。
「まさに」
「そうよね」
恵梨香が確かにと頷きました。
「最高よね」
「最後がよかったら」
神宝も言います。
「それだけで違うしね」
「最初からずっとよくて」
それでと言うカルロスでした。
「最後までいいと」
「言うことがないわ」
ナターシャはカルロスに続きました。
「本当にね」
「全くだよ、最後の最後まで最高なのが」
樵はさらに言いました。
「何よりも素晴らしいよ」
「全くですね」
「今回もそうでしたね」
「ずっと最高でした」
「そして終わる今も」
「本当に」
「だから今から楽しもう」
樵は皆に満面の笑みで告げました。
「飲んで食べて歌って踊ってね」
「そうしようね、じゃあ僕達は踊ろうか」
かかしは樵に提案しました。
「若しくは楽器を演奏しようか」
「最近歌って踊ってが多いから」
それでと言う樵でした。
「楽器にしようか」
「今回はだね」
「うん、ギターをね」
「いいね、僕達ギターも奏でるしね」
「そうだからね」
それでというのです。
「演奏しようか」
「今からね」
「ギターといっても色々だけれど」
「どのギターにするか」
「今からお話しよう」
「普通のギターはどうかしら」
ドロシーが言ってきました、見ればテーブルの上にはオリーブ煮やロースト、マリネ、カルパッチョ、シチュー、サラダ、ソテー、フライ、ピクルス、ボイルドベジタブル、パイ、アクアパッツァといったお料理達にワインやビール、ジュースがあります。
ドロシーはその中にある子供用の白ワインを飲んでいます、そのうえで樵とかかしに笑顔で言うのでした。
「ここはね」
「ああ、普段奏でる様な」
「そうしたね」
「ギターで奏でればいいね」
「そうじゃないかしら」
「そうだね」
少し考えてです、樵は答えました。
「それじゃあね」
「普通のギターを使って」
「演奏するよ」
「そうしてくれるのね」
「うん、しかしドロシー随分飲んで食べているね」
「とても美味しいから」
今度はマリネを食べて言います。
「だからね」
「それでだね」
「こうしてね」
「楽しんでいるね」
「そうなの、それで音楽もね」
こちらもというのです。
「是非ね」
「楽しむね」
「そうさせてもらうわ」
笑顔で言うのでした。
「貴方達のギターもね」
「それではね」
「ええ、お願いね」
こうお話してでした。
ドロシーも他の皆も樵とかかしのギターを聴きました、そしてその演奏が終わって思うことはといいますと。
ジョージは笑顔で、です。樵に言いました。
「プレスリーさんですね」
「うん、ラブミ―テンダーをね」
「演奏してくれましたね」
「今回は敢えて歌わないでね」
そうしてというのです。
「そのうえでね」
「演奏に専念されましたね」
「そうしたんだ」
「凄くいい曲ですから」
だからと言うジョージでした。
「演奏だけでも」
「いいね」
「はい」
笑顔で答えました。
「この曲は」
「そうなんだ、いい曲はね」
「演奏だけでもですね」
「わかるんだ」
そうだというのです。
「名曲だとね」
「そうなんですね」
「そしてね」
それでというのです。
「他にもね」
「名曲はありますね」
「ジャズとかゴスペルでもね」
「名曲があって」
「僕も演奏出来るよ」
こうジョージにお話します。
「サックスも演奏出来るしね」
「ジャズで」
「これからも出来るけれど」
「それじゃあお願い出来ます?」
ジョージはそれならとお願いしました。
「サックスを」
「はい、それで誰の曲でしょうか」
「サッチモだよ」
笑顔での返事でした。
「ルイ=アームストロングだね」
「あの人の曲をですか」
「今からね」
笑顔で言うのでした。
「演奏出来るよ」
「じゃあお願いします」
「それではね」
こうしてでした。
樵は今度はサックスでジャズを演奏します、その曲が終わって皆拍手をしました。そうしてなのでした。
樵はとても明るいお顔でこんなことを言いました。
「僕もコンサートが開けたね」
「今ここでだね」
「そうだよ、楽器を演奏してね」
臆病ライオンにお話します。
「そうしてだよ」
「コンサートを開けて」
「満足しているよ」
「素敵な演奏だったよ」
臆病ライオンは笑顔で言いました。
「ギターもサックスもね」
「どちらもだね」
「うん、僕達がドロシーと出会った時はなかった曲だけれど」
「いい曲だったね」
「そう思うよ、僕はどっちの曲も好きだしね」
「プレスリーさんもサッチモさんもだね」
「そうだったしね」
それでというのです。
「本当にね」
「よかったね」
「そうだったよ」
こう言うのでした。
「君は楽器も上手だからとても素晴らしいよ」
「楽器も?」
「他の色々なことも素晴らしくてね」
そうであってというのです。
「そしてね」
「そのうえでなんだ」
「うん、音楽もね」
こちらもというのだ。
「素晴らしいよ」
「そう言ってくれて僕も嬉しいよ」
「じゃあこれからもだね」
「演奏していくよ」
楽器を使ってというのです。
「そうしていくよ」
「そうしたらいいよ」
臆病ライオンも笑顔で頷きます。
「演奏すればする程ね」
「楽器の技量も上がるね」
「そうなるからね」
「うん、音楽もやっていけば」
かかしも言います、樵と一緒にギターを演奏したこの人も。
「上手になっていくよ」
「そうだね」
「何もしないとね」
「何もならないけれど」
「それでもね」
「やっていくとね」
「上手になるよ」
そうだというのです。
「誰でもね」
「少しずつでもね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「ある程度の段階まできたら」
「凄く上手になるね」
「飛躍的にね」
そうなるというのです。
「歌やダンスもそうで」
「楽器もね」
「何もしないとゼロで」
それでと言うドロシーでした。
「するとね」
「何かになるからね」
「だからね」
それでというのです。
「音楽もよ」
「やっていくことだね」
「若しも」
それこそというのです。
「無理だ、出来ないと思うなら」
「本当にそれで終わりだしね」
「そうよ、楽器だって作れないわ」
演奏に用いるそれもというのです。
「そもそもね」
「昔の楽器は今と違うしね」
「そう、ギターもサックスもね」
「昔はなかったし」
「けれど考えて努力して」
そうしてというのです。
「生み出されたのよ」
「そうだよね」
「未来はね」
「わからないね」
「決してね」
そうだというのです。
「誰にも、だから今の知識ではね」
「語れないよ」
「音楽もね」
「その通りだね、今回のツアーだって」
「昔はなかったし」
「今は出来ているね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「今は無理でも」
「未来は出来る」
「そう考えて」
そうしてというのです。
「努力することがね」
「大切だよ」
「そうよね」
「そう、そしてそれが実ったのがね」
「今回のツアーね」
「アイドルの娘達もそうでね」
そうであってというのです。
「僕達もだよ」
「そしてそのことをお祝いして」
「今はね」
まさにというのです。
「こうしてだよ」
「飲んで食べて歌って踊って」
「楽しもう、今夜はね」
「ええ、じゃあ私も歌うわね」
「演奏しようか」
「宜しくね」
笑顔で言ってでした。
ドロシーも歌います、そして樵はギターを出して演奏しました。ドロシーの歌もかなり見事なものでした。
新オズのブリキの樵 完
2024・11・11