『新オズのブリキの樵』
第七幕 アイドル登場
六人のエルフのアイドルグループがブリキの樵のお城に来ました、樵はその六人を見て思わず声をあげました。
「へえ、画像や動画で観るよりもね」
「遥かに可愛いね」
かかしも言いました。
「そうだね」
「うん、凄くね」
「ええ、それぞれの色もあってね」
ドロシーも言います。
「どの娘も凄く可愛いわ」
「全くだね」
「アイドルとしてもかなりだよ」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
七人のマネージャーである中年位の外見のとても奇麗な長い黒髪と黒い目のエルフの女の人が応えました。
「私はレイといいます」
「レイさんね」
「はい、実はエルフの国の文部省で働いていまして」
それでというのです。
「六人のマネージャーを務めています」
「そうなのね」
「はい」
ドロシーに微笑んで答えました。
「それでこの度です」
「ウィンキーでコンサートを開くのね」
「そうさせもらいます、その準備にです」
「来てくれたのね」
「そうです、それでは今から自己紹介を」
レイさんがこう言うとでした。
六人はそれぞれです、レイさんが言うと皆に頭を下げて自己紹介をしました。
「それじゃあお願いね」
「サキです」
緑の髪と目の女の子です。
「リーダーをさせてもらっています」
「ユウです」
青い髪と目の娘です。
「宜しくお願いします」
「ヒミカです」
紫の髪と目の女の子です。
「いつも楽しく活動しています」
「ミユです」
オレンジの髪と目の娘です。
「ダンスが大好きです」
「トモキです」
赤い髪と目の女の子です。
「いつも仲よくやらせてもらっています」
「アズキです」
黄色い髪と目の娘です。
「トークも好きです」
「六人共可愛いね、しかもね」
臆病ライオンは六人の自己紹介をうけてから言いました。
「すらりとして髪の毛はさらさらで長いね」
「エルフだからね」
トトが応えました。
「そうだよ」
「エルフの特徴だね」
「そう、背が高めでね」
そうであってというのです。
「すらりとしていて」
「髪の毛は長くてさらさらだね」
「そうなんだ」
「だからこの娘達もだね」
「そうなんだよ」
すらりとしていて髪の毛が長くてさらさらだというのです。
「皆ね」
「成程ね」
「ただ髪形は変えられるよ」
教授が言ってきました。
「そちらはね」
「他の種族と同じだね」
「そうなんだよ」
こうモジャボロにお話しました。
「髪と目の色もね」
「自分が願えばだね」
「その色になるよ、外見はね」
「そんなものだね、そういえば」
ここでモジャボロは皆を見回しました、そうして言いました。
「僕達の外見もそれぞれでね」
「個性があるね」
「そうだね、外見はそれぞれで」
「変えようと思えばね」
「変えられるね」
「だから重要かというと」
そうかというと、というのです。
「これといってね」
「違うね」
「そうだよ、何とでもなって」
「それぞれの個性でもある」
「そうしたものでね」
「その人が好きならいいね」
「本人がね」
その人自身がというのです。
「そうであればね」
「いいものであって」
「それをあたかも絶対の価値観の様に言うことは」
「間違っているね」
「その通りだよ」
「奇麗なら猫が一番よ」
エリカは胸を張って言いました。
「可愛いのもね」
「あんたの考えだとそうよね」
「猫に生まれて何が不満か」
アン王女にこうも言いました。
「一体ね」
「そこまで言うのね」
「そうよ」
まさにというのです。
「そう思っているからね」
「エルフより可愛いのね」
「あたしの中ではね」
「そうなのね」
「私猫になれるけれど」
レイさんが笑って言ってきました。
「変身する魔法使う許可頂いているから」
「あら、そうなの」
「こうしてね」
笑顔で言うとでした。
レイさんはとても奇麗な毛並みの黒猫になりました、そのうえでエリカに対して言うのでした。
「どうかしら」
「確かに奇麗ね」
エリカも認めることでした。
「物凄い美人さんよ」
「有り難う、そう言ってくれて」
「実はです」
サキが言ってきました。
「レイさんも元はアイドルなんです」
「私達の先輩なんです」
ユウも言います。
「エルフの中で有名なアイドルでした」
「奇麗で歌もダンスも得意で」
それでと言うヒミカでした。
「大人気だったんですよ」
「今は結婚してお子さんもおられますが」
ミユはレイさんのこのこともお話しました。
「この通り凄くお奇麗で」
「しかも魔法まで使えてです」
トモキは黒猫になったレイさんを見つつお話します。
「凄い人なんですよ」
「いつも何かと教えてもらっています」
アズキはにこりと笑って言いました。
「とても優しくてしっかりした人です」
「へえ、この人もアイドルだったのね」
つぎはぎ娘はそのことを聞いて楽しそうに言いました。
「確かにお奇麗だしね」
「猫になってもかしら」
「ええ、とてもね」
今も黒猫の姿のレイさんに言います。
「美猫よ」
「そう言ってもらえて本当に嬉しいわ」
レイさんは喉を嬉しそうに鳴らして目を細めました。
「私もね」
「そうなのね、しかしあんた本当に黒猫の姿が似合うわ」
ビリーナが見ても思うことでした。
「グループの中にいてもね」
「何か六人のマスコットみたいだよ」
カエルマンは黒猫のレイさんを見て思いました。
「黒猫になるとね」
「そうですね」
クッキーも確かにと頷きました。
「言われてみますと」
「そうだね」
「はい、猫になりますと」
「そうだね」
「何か」
ここで熊の王様は思いました。
「黒猫だと魔女の使い魔とか」
「そうですね」
「そうした感じになりますな」
ラベンダー熊と伍長はまさにと頷きました。
「言われてみますと」
「黒猫でも」
「この娘達が魔女になって」
そうしてとです、王様はさらに言いました。
「ステージで歌って踊って」
「それで黒猫のレイさんもいたら」
「まさにですな」
「これは絵になるかもな」
「ええ、本当に」
「この六人もですと」
「それいつもやります」
レイさんはエルフに戻って答えました。
「ステージで」
「六人が魔女になって」
「レイさんが黒猫になる」
「それでステージで歌って踊るか」
「実は私今も歌って踊ります」
レイさんご自身もというのです。
「時々ですが」
「その時のレイさんの色は黒で」
「またとてもお奇麗なんですよ」
「スタイルもよくて」
「私達顔負けです」
「歌もダンスもよくて」
「今もアイドルなんです」
六人全員がお話します。
「本当に」
「人気もあります」
「今は一線を退いておられますが」
「私達のマネージャーがメインです」
「ですが時々です」
「黒猫になられたり歌って踊られます」
「何かね」
そう聞いてでした、樵はまた言いました。
「僕達もコンサートが楽しみになってきたよ」
「そうですよね」
「凄いコンサートになりますよ」
「絶対に」
「確信します」
「この人達なら」
ジョージ達五人が応えました。
「一体どんなコンサートになるか」
「どれだけ素晴らしいコンサートになるか」
「今から楽しみです」
「ステージを探す方も」
「候補地を探していても」
「全くだね、舞台のセッティングはエルフの国がやってくれるけれど」
それでもというのです。
「本当にね」
「僕達がですね」
「まずはコンサート会場を決めることですね」
「ウィンキーの中から」
「そうすることですね」
「これから」
「そうしようね」
ジョージ達五人に笑顔で言ってでした、樵はアイドルの娘達とレイさんをお昼の食事会に誘いました。お城のお庭でそれを催しましたが。
お野菜やお豆腐がメインで、です。ドロシーは言いました。
「ヘルシーね」
「そうだね」
トトはにこりとして言うドロシーに自分もにこりとして応えました。
「今回のお食事会は」
「そうよね」
「エルフの人達は菜食が好きだから」
「お肉やお魚を食べてもね」
「それでもそちらの方が好きだから」
「そうなっているわね」
こうお話していると六人も言いました。
「はい、そうなんです」
「私達お野菜や果物が好きです」
「あと穀物やお豆も」
「基本菜食です」
「確かにお肉や魚介類も食べますが」
「そうしたものが好きです」
「それでお豆腐もなんですね」
ジョージはお豆腐のサラダを食べつつ言いました。
「お好きなんですね」
「確かにお豆腐美味しいです」
神宝はお豆腐とお野菜が入ったスープを飲んでいます、中華風のスープです。
「癖がないですし」
「あっさりして食べやすくて」
カルロスはお豆腐のステーキを食べています。
「幾らでも食べられます」
「こうして飲んでも美味しいですし」
恵梨香は豆乳を飲んでいます。
「いいですよね」
「お豆腐は何でも使えて」
ナターシャはお豆腐のアイスクリームを食べて言いました。
「最高ですよね」
「ええ、エルフの人達が好きなのもわかるわ」
ドロシーも言います。
「本当にね」
「そうですよね」
「お豆腐は色々なお料理に使えて」
「そのまま食べても美味しいですし」
「いい食べものですね」
「今食べても」
「そう思うわ、それでお野菜もね」
ドロシーは沢山のお野菜が入っている八宝菜を食べて言いました、テーブルの上に沢山のお料理が置かれていて皆それぞれ好きなものを食べています。
「いいのよね」
「こうして沢山のお野菜がありますと」
「それだけで嬉しいです」
「お豆腐に果物に」
「そうしたものもあって」
「今も幸せです」
「そう言ってくれて嬉しいよ」
パーティーの主催者の樵としてもです。
「皆どんどん食べてね」
「そうさせてもらっていいんだね」
「私達も」
「勿論だよ」
モジャボロと教授にも答えます。
「皆もね」
「それじゃあね」
「いただくよ」
「デザートにはね」
ここで、でしや。アンは林檎を見て言いました。
「林檎もあるし」
「王女は林檎だね」
「そうだね」
「ええ、それはね」
「僕もだよ」
「私も好きになったよ」
モジャボロと教授も言います。
「凄くね」
「そうだよ」
「林檎もいいのよね、我が国の特産品でもあるし」
王女は今はサラダを食べています、見ればサラダにはお豆腐だけでなく林檎も入っています。他にはレタスやセロリ、トマトにラディッシュも入っています。
「私大好きよ」
「オズの国でも林檎は多いわね」
ドロシーは笑顔で言いました。
「嬉しいことよ」
「そうよね」
「アメリカでもね」
ドロシーの祖国でもというのです。
「林檎は皆好きよ」
「いつもお話してくれているわね」
「ええ、それで私もよ」
「林檎好きよね」
「それでよく食べているわ」
「そうよね」
「今もそうです」
現代のアメリカ人であるジョージも言ってきました。
「アメリカでは林檎はよく食べられます」
「色々なお料理にもしてね」
「アップルパイとか」
「そこは変わらないね」
「はい、本当に」
「若しね」
こうも言うドロシーでした。
「林檎がなかったら」
「アメリカはどうか」
「そこまでの果物よね」
「そう思います」
まことにというのです。
「林檎は」
「私達も林檎大好きよ」
「他の果物もで」
「それでよく食べているわ」
「貴方達と一緒にね」
「そうしているのよ」
「エルフの国でもね」
六人のエルフの娘達はジョージにお話しました。
「そうなのよ」
「勿論他の果物も食べているわ」
「葡萄やオレンジもね」
「柿やライチも」
「梨やさくらんぼもね」
「バナナも人気あるわ」
「その中でも林檎がですか」
この果物がとです、ジョージは六人に言いました。
「一番人気がありますか」
「そう言っていいかもね」
「皆よく食べるから」
「毎日食べる人もいるし」
「私達だって大好きだし」
「お料理にも使うし」
「何かとね」
六人も否定しません、そしてです。
そうしたお話をしながらお昼を食べたところでレイさんのスマートフォンが鳴ってレイさんが出てお話を聞くとでした。
「予定変更になりました」
「どうなったのかな」
「コンサートは一つではなくなりました」
こう樵にお話しました。
「ツアーになりました」
「ツアーになったんだ」
「はい、幾つもの会場を巡る」
「ウィンキー中のだね」
「そうしたものになりました」
「それじゃあ」
樵はそのお話を聞いて言いました。
「僕達が探していた候補地は」
「全てです」
「会場になるんだね」
「はい」
樵に答えました。
「そうなりました」
「そうなんだね、わかったよ」
それならというのです。
「じゃあそうしてね」
「そうしていいのですか」
「僕は構わないよ」
樵はウィンキーの皇帝として答えました。
「一つじゃなくて色々な場所でコンサートをしてくれるならね」
「そうですか」
「それじゃあだね」
「はい、宜しくお願いします」
「こちらこそね」
「また急に変わったわね」
ドロシーはここまで聞いて思いました。
「ツアーになんて」
「はい、実はオズマ姫と我が国の王様がお話されまして」
レイさんはドロシーに答えました。
「それで、です」
「変わったのね」
「どうせ開催するなら」
「一つじゃなくて」
「ウィンキーの各地で行って」
そうしてというのです。
「沢山の人達に観て聴いてもらって」
「楽しんでもらうのね」
「そうしてもらう様にです」
その様にというのです。
「決まりました」
「それはいいことね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「一つ思うことは」
それはといいますと。
「急に変わったので皆さんにです」
「迷惑かけるか?」
「そう思いますが」
「ああ、問題ないよ」
また樵が答えました。
「全くね」
「そうなのですね」
「むしろ大歓迎だよ」
レイさんに笑顔で答えました。
「だからね」
「それで、ですね」
「ツアーしてね」
「それでは」
「移動の為のバスや飛行機も用意するよ」
「あっ、それはです」
レイさんはすぐに答えました。
「我が国の飛行機がありますので」
「それに乗ってなんだ」
「私達はここまで来ましたし」
「ツアーの移動もなんだ」
「飛行機を使いまして」
そうしてというのです。
「移動しますので」
「そちらの手配はなんだ」
「ご心配なく。お気遣いを受け取らせて頂きます」
「それではね」
「あれっ、飛行機は空港ないと離着陸出来ないんじゃ」
ジョージは飛行機と聞いてこのことを思い出しました。
「確か」
「そうだよ、空港から飛び立ってね」
神宝も言います。
「空港に降り立つんだよ」
「飛ぶにも着陸にもまずは空港を走るんだよね」
カルロスも言いました。
「飛行機は」
「だから空港は絶対に必要よ」
ナターシャも考えるお顔で言います。
「飛行機にはね」
「そうなのに」
恵梨香は首を傾げさせて言いました。
「大丈夫かしら」
「オズの国にも空港は沢山あって」
「このウィンキーの国もだけれど」
「どうなのかな」
「あちこちの会場の傍にいつもあればいいけれど」
「大丈夫よ」
サキが心配になった五人に笑顔で言いました。
「私達の飛行機は空港いらないの」
「垂直離着陸出来るから」
ユウも言います。
「その心配はいらないの」
「何処でも離着陸出来るの」
ヒミカもお話します。
「そんな便利な飛行機なのよ」
「ヘリコプターと同じよ」
ミユはこうお話しました。
「要するにね」
「だから心配しないで」
そこははっきり言うトモキでした。
「このことはね」
「どの会場にすぐに行けて空港もいらない」
アズキも言いました。
「そんな飛行機なのよ」
「外の世界にもあるね」
教授も五人に言いました。
「そうした飛行機は」
「はい、あります」
「軍隊でも使っています」
「何処でも離着陸出来ますね」
「その前に走る必要なくて」
「空港もいらないですね」
「やっぱり整備等は必要だけれど」
それでもと言う教授でした。
「滑走することはないんだ」
「そうした飛行機もあるんだよね」
モジャボロも言います。
「文明の利器だね」
「こうした飛行機もね」
「全くだね」
「若しも」
「昔の飛行機は絶対に走らないといけなかったわね」
つぎはぎ娘はこのことを指摘しました。
「飛ぶ時も戻る時も」
「そうそう、そこは鳥と違うのよ」
ビリーナが応えました。
「飛行機はね」
「同じ飛ぶものでもね」
「また違うのよ」
「本当にヘリコプターと同じね」
エリカはそうした飛行機について述べました。
「そうした飛行機は」
「けれどそうした飛行機で移動するなら」
臆病ライオンは思いました。
「確かに楽だね」
「空港いらないわ」
「若しかしたら」
ここでトトは思いました。
「やがてUFOも出来るかな」
「オズの国によね」
「うん、外の世界でもね」
「出来るかも知れないわね」
ドロシーも否定しませんでした。
「何時かはね」
「そうだね」
「今は無理でもね」
「未来はわからないからね」
「ええ、今の技術は絶対じゃないわ」
「どんどん進歩するからね」
「全く以てだよ」
カエルマンは深く考えるお顔で言いました。
「今の技術を絶対として未来を否定することはね」
「出来ないですね」
「そんなこと言ってエルフの人達の飛行機が出来たか」
カエルマンはクッキーに言いました。
「もうそれはね」
「言うまでもないですね」
「そう、どうしたら出来るか」
「そう考えて造りましたね」
「そうだよ」
「本当に今の技術は絶対じゃないってことね」
王女も頷きながら言います。
「何でもね」
「若し絶対なら」
熊の王様は王女に応えて言いました。
「進歩はないね」
「オズの国もね」
「そうだよ、こんなに進歩していないよ」
「オズの国はこれまでどれだけ進歩したか」
ラベンダー熊は思いました。
「凄い位だよ」
「その凄い進歩は技術がどんどん発展したからだ」
伍長は強い声で言いました。
「まさにそこからだ」
「その通りだね」
「いや、本当に今の知識や技術で未来は語れないよ」
かかしも思うことでした、そのお顔は前を見ていてそのうえで進歩を目指しているものに他なりませんでした。
「決してね」
「うん、その飛行機だってね」
樵が応えました。
「プロペラからジェットになって」
「翼も二つや三つから一つになったしね」
「随分変わったよ」
「進歩したよ」
「その進歩を否定するなら」
今の知識や技術を絶対としてです。
「無理だ、出来ないしか言わないなら」
「本当に無駄だよ」
「科学的じゃないよ」
「非科学的そのものだよ」
「全く以てね」
「出来ないと思ったら」
かかしは言いました。
「すぐにどうしたら出来るか」
「そう考えないとね」
「そして努力することだよ」
「そうすればきっとだよ」
「よくなるしね」
「出来る様になるよ」
「そういえば」
ここでジョージは言いました。
「ダ=ヴィンチさんが考えたものも」
「今ではだね」
「ヘリコプターとか出来ていますね」
「そうだよ、その頃は有り得ないね」
「夢みたいなものでもですね」
「努力すればね」
そうすればというのです。
「きっとね」
「出来ますね」
「どうしたら出来るか」
「そう考えることですね」
「それこそが科学だよ」
「そういうことですね」
「科学的と言うべきだよ」
樵は確かな笑顔と声で言いました。
「本当にね」
「そうですね」
「そう、本当に漫画やアニメの道具やロボットにね」
「今の知識や技術で言うなら」
「空想とはいえ未来のものをね」
「ダ=ヴィンチさんが考えたものを笑う様なものですね」
「全く同じだよ」
そうだというのです。
「今は出来て生み出せるのに」
「ヘリコプターでも」
「だからね」
そうであるからだというのです。
「そんなことはとても愚かなことだよ」
「何の意味もないですね」
「そう、無駄でしかないよ」
樵は言い切りました。
「これ以上はないまでにね」
「出来ない、無理と言って」
「それで得意になっているなら」
「それは無駄ですね」
「愚かなことで」
「非科学的ですね」
「そうだよ、若しそんなことを言う人が科学を言うなら」
それならというのです。
「その人は科学を語る資格はないよ」
「そうした人なんですね」
「世の中色々な人がいますけれど」
「そうした人はとても非科学的で」
「科学を語る資格すらない」
「そうした人ですね」
「そうだよ、そんな人はオズの国にいないよ」
樵は断言しました。
「夢も何もない、自己満足だけの人だからね」
「子供の夢を壊すというけれど」
かかしは思いました。
「そんな人に壊されるものじゃないよ」
「その通りだね」
「うん、とても大きくて強くて」
「奇麗なものだからね」
「そんな下らない人にだよ」
「壊せないよ」
「かすり傷すら付けられないよ」
そこまでだというのです。
「まさにね」
「そうだよね」
「若しそんなことで本気で子供の夢を壊すって得意になっているなら」
「何処まで下らない人か」
「書いている本も文章も下らないよ」
「絶対にね」
「そうよ、何でもまずはどうしたら出来るか」
ドロシーも言いました。
「そう考えることからよ」
「全部はじまるね」
「そして進歩していくね」
「そうよ」
臆病ライオンとトトに答えました。
「何でもね。冒険だってね」
「出来ないじゃないよね」
「出来るだよね」
「そう思ってこそだね」
「出来るね」
「そうよ」
こう言うのでした。
「本当にね」
「まさにね」
「そう考えて踏み出すことだね」
「若しもよ」
ドロシーはさらに言いました。
「私が最初にオズの国に来た時に」
「僕達と出会ったね」
「あの時だね」
「あの時からオズの国が外の世界に知られる様になったね」
「そう、あの時だって」
ドロシーは臆病ライオンにかかしに樵とあの時に一緒に様々な冒険を経た仲間達と一緒にお話しました。
「帰れないって諦めたら」
「終わりだったね」
「ドロシーはずっとオズの国にいて」
「カンザスに戻れなかったね」
「それでそれからのこともね」
沢山の出会いや冒険もというのだ。
「どうなっていたか」
「わからないね」
「ずっとオズの国にいたら」
「カンザスに戻らないで」
「カンザスに戻って」
そうしてというのです。
「それから三度オズの国に行って」
「その次でだね」
「遂にオズの国に定住したね」
「ヘンリーさん、エマさんと一緒に」
「そうなったかもわからないし」
だからだというのです。
「あの時諦めたら終わっていたわ」
「そうだったね」
トトも言いました。
「あの時無理とか思ったら」
「何にもならなかったわ」
「それでドロシーが動いて」
カンザスに帰ろうとです。
「オズの国では色々なことがあったよ」
「そうなのよね」
「お伽の国でも特にだよ」
「特に?」
「ドロシーは不思議だよ」
「そうなのね」
「うん、ドロシーが動いたら」
そうすると、というのです。
「何かが起こるからね」
「それでなのね」
「オズの国は変わっていているからね」
「オズの国で一番の不思議は何か」
樵も言います。
「それは誰も死なない、いつも過ごしやすい、魔法もあって色々な人や生きものがいる」
「そうしたことじゃないのね」
「そう、一番の不思議はね」
お伽の国のこの国でというのです。
「出会いだよ」
「それなのね」
「不思議な時に不思議な出会いがあって」
そうしてというのです。
「不思議なことが起こる」
「そうしたことこそがなのね」
「不思議でね」
そうであってというのです。
「一番のものだよ」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのです。
「ドロシーもね」
「不思議な出会いが多いのね」
「ドロシ―は特にそうだね」
「私の出会いがなのね」
「とても色々ないいものを生み出しているから」
だからだというのです。
「本当にね」
「一番の不思議な出会いをしているのね」
「そうだよ」
こうドロシーに言うのでした。
「僕が思うにね」
「そうなのね」
「そもそもドロシーがオズの国に来なかったら」
カンザスにというのです。
「皆オズの国を知ることも出来なかっただよ」
「あの時からね」
「そう、ボームさんがいてくれて」
「私がオズの国に行ったことを知ってくれたから」
「ボームさんが知ったこともね」
このこともというのです。
「本当にね」
「私がいたからで」
「本当にドロシーがいなかったら」
「皆オズの国を知らなかったのね」
「そして僕達もだよ」
樵はかかしそれに臆病ライオンと一緒に言いました。
「果たしてどうなっていたか」
「ずっと畑にいたかもね」
「臆病だと思ったままだたかもね」
「動けないままだったかも知れないんだよ」
「私と出会って」
ドロシーは思いました。
「今の皆があるっていうのね」
「そうだよ」
「まさにね」
「僕達もドロシーと出会って変わったんだよ」
三人でドロシーに言います。
「そう思うとね」
「どれだけ不思議か」
「最高の不思議だよ」
「私の出会いはオズの国で一番の不思議なんて」
ドロシーは信じられないといったお顔で言いました。
「考えていなかったわ」
「けれど僕もそうだと思うよ」
トトもドロシーに言ってきました。
「ドロシーと出会えたからね」
「皆変わったのね」
「不思議にね、本当にオズの国で一番の不思議はね」
「出会いで」
「特にドロシーの出会いはね」
「不思議なのね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「本当にね」
「そうなのね」
「事実ドロシーが来てからだよ」
樵はドロシーにこうも言いました。
「オズの国はどんどん変わっていってるんだよ」
「そうなのね」
「そのことを見るとね」
そうすると、というのです。
「本当にね」
「私の出会いは不思議なのね」
「そうだよ、ドロシーの出会いはオズの国一番の不思議だよ」
樵はドロシー本人に言いました。
「これ以上はないまでにね」
「そんなこと思わなかったわ」
「けれど実際にね」
「私が来てからなの」
「オズの国はどんどん変わっていってるし」
「それまで然程変わらなかったのが」
それがと言うかかしでした。
「本当にどんどん変わる様になったね」
「川が流れる様にね」
「そうそう、凄く変わったよ」
かかしは樵の川がという言葉に大いに頷きました。
「オズの国はね」
「そうした感じでね」
「ドロシーが来てから」
「ドロシーは無理とか出来ないとか考えないしね」
「どうしたら出来るか」
「そう考えるから」
だからだというのです。
「それでね」
「前に向けて進むから」
「いつも出来るんだよ」
「そうだね」
二人でお話します、そしてです。
お話が一段落したところで、でした。レイさんは六人に言いました。
「では今日もね」
「はい、レッスンですね」
「後で」
「歌にダンスに」
「練習ですね」
「それをしますね」
「皆で」
六人はすぐにレイさんに応えました、そしてレイさんも言います。
「そうよ、練習は欠かさないわ」
「アイドルはいつもレッスンよね」
つぎはぎ娘が言ってきました。
「見ていたら」
「ええ、歌にダンスにね」
レイさんはつぎはぎ娘に答えました。
「笑顔もね」
「いつもなのね」
「そうなの、何もしないではね」
「いられないのね」
「アイドルはね」
「努力が必要なのね」
「そう、努力してこそね」
まさにというのです。
「アイドルになるのよ」
「あれね」
つぎはぎ娘はレイさんのお話を聞いて言いました。
「アイドルは白鳥ね」
「水面の上では優雅でも」
「その下では泳いでいるね」
「必死にね」
「そうしたものね」
「ええ、そうよ」
レイさんはその通りだと答えました。
「アイドルはね」
「常にレッスンで」
「色々な努力をしているね」
そうしたというのです。
「そうした娘達なのよ」
「そうよね、あんたもかつては」
「ええ、アイドルだったから」
だからだというのです。
「本当にね」
「そうしてきたのね」
「そうよ」
こう言うのでした。
「私もね」
「だからわかるのね」
「そうなのよ、それで今はね」
「マネージャーとしてなのね」
「この娘達と一緒にお仕事をしてね」
そうしてというのです。
「レッスンもよ」
「しているのね」
「そうなのよ」
こうお話するのでした。
「今の私はね」
「それで時々あんたもステージに出るの」
「アイドルの服を着て」
「黒猫にも変身して」
「そうしているのよ」
「わかったわ、じゃああんたもステージに出たら」
つぎはぎ娘は笑顔で応えました。
「応援させてもらうわ」
「その時は宜しくね」
「それじゃあね」
こうしたお話もしてでした。
皆はアイドルの娘達と実際にお会いしてそのうえでコンサートからツアーへとお仕事をシフトさせました。そのうえで一緒に働いていくのでした。