『新オズのブリキの樵』




                第五幕  それぞれの服

 皆でウィンキー国内を巡ってコンサートに相応しい会場を探しています、ですがその中でなのでした。
 アン王女はウィンキーの帝都を皆と一緒に巡ってです、こんなことを言いました。
「ウィンキーだけあって黄色だけれど」
「どうしたのかな」
「いえ、ここにブリキはないわね」 
 こう樵に言うのでした。
「樵さんの国なのに」
「だってブリキなのは僕だけだから」
 樵はだからだと答えました。
「お城だけがブリキでね」
「貴方が暮らしている」
「殆ど皆生身だから」
「生身の人が暮らせる街ね」
「そうだよ、帝都はね」
 ウィンキーのそれはというのです。
「そうなっているよ」
「そうだね」
「そう、そしてね」
 そうしてというのです。
「奇麗な街だね」
「凄くね」 
 王女は樵ににこりと笑って答えました。
「奇麗で賑やかでね」
「いい街だね」
「大都市だね」
 カエルマンはこう言いました。
「この帝都は」
「そうですね、数百万の人が暮らしている」 
 クッキーも言います。
「大都市ですね」
「オズの国もね」
「今はこうした街がありますね」
「大都市がね」
「数百万の人がいる」
「そんな街が幾つもあるね」
 そうしたといいうのです。
「賑やかな街が出て来たよ」
「昔はエメラルドの都位でしたね」
「そこまでの大都市はね」
「それがね」
 今はというのです。
「そうした街が増えて村だってね」
「人が多くなりましたね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「村の数も増えて文明も進歩して」
「便利になりました」
「そうなったよ」
 カエルマンは笑顔で言いました。
「私達の村もね」
「水道もあって電気やガスもあって」
「とても便利だよ」
「そうなりました」
「本当にね」
 こうお話します、そしてです。
 熊の王様はラベンダー熊と伍長に笑顔で言いました。
「こうして帝都に来るのも久し振りだが」
「いいですね」
「何時来ても」
「全くだ、帝都にも来てよかった」
 こう言うのでした。
「まことに」
「そうですね」
「我等も楽しめます」
「観ているだけで」
「歩いて回って」
「そのうえで」
「いい街だよ」
 とても満足そうに言うのでした。
「とてもね」
「左様ですね」
「ではこのまま」
「色々観ていこう」
「いやあ、この黄色がいいね」
 臆病ライオンはその黄色の街の中を見回して笑顔で言いました。
「ウィンキーといえばね」
「黄色だからね」
 かかしが応えました。
「だからね」
「うん、だからこの黄色い街を観てもね」
 そうしてもというのです。
「凄くね」
「いいね」
「そう思うよ」
 まさにというのです。
「僕もね」
「僕もだよ、オズの国にはそれぞれの色があって」
 そうであってというのです。
「そしてね」
「ウィンキーは黄色でね」
「その黄色を観られると嬉しいね」
「そうなんだ、それぞれの国の色を見る」
 臆病ライオンは目を細めて言いました。
「それもまたね」
「オズの国での楽しみだね」
「そうだからね」
「色って大事よ」
 つぎはぎ娘はくるくると踊りながら遊びつつ言いました。
「あたしどんな色も好きだから」
「あんた自身カラフルだしね」
「だからよね」
 エリカとビリーナが言ってきました。
「そのぬいぐるみの身体がね」
「全身パッチでね」
「そう、このカラフルな身体がよ」 
 まさにというのです。
「大好きでね」
「それでよね」
「どんな色も好きなのよね」
「そうよ、大好きで」
 そうであってというのです。
「ウィンキーの黄色もあとウィンキーの四霊獣の神様は白虎さんだけれど」
「白虎さんは白ね」
「そうよね」
「その白もね」
 この色もというのです。
「大好きよ」
「兎に角どんな色も大好きなのね」
「あんた自身カラフルで」
「そうよ、じゃあね」
 それならというのでした。
「存分に見て回りましょう」
「この帝都もね」
「そうするのね」
「こうしてね」
「いや、色々な建物があるね」
 モジャボロは左右に並ぶマンションやお店を見て言いました、とても高い建物も帝都の中に沢山あります。
「高僧ビルだってね」
「あってね」
 ムシノスケ教授も笑顔で言います。
「いいね」
「うん、外の世界で言うと」
「この街はロサンゼルスかな」
「そうした感じだね」
「外の世界のあの街の写真を見ているとね」
「似てるね」
「とてもね」
「そうですね、色は黄色ですが」
 アメリカ人のジョージが応えました。
「この街はロサンゼルスに似ています」
「そうだね」
「写真を見るとね」
「はい、賑やかで活気があって」
 そうした街でというのです。
「そうした街ですね」
「欧州って感じはしないわね」
 ナターシャも言います。
「確かにね」
「アメリカだね」
 神宝が観てもです。
「この街は」
「それでロサンゼルスだね」
 カルロスはまさにと指摘しました。
「確かにそっくりだよ」
「あの街も賑やかで色々なものがあって」
 それでと言う恵梨香でした。
「この街はそのままね」
「ええ、この街は今の時代のアメリカの街でね」
 ドロシーも笑顔で言ってきました。
「ロサンゼルスよ」
「そうだね、外の世界の今のね」
 トトはドロシーに彼女の足元から応えました。
「ロサンゼルスだね」
「写真であの街を観たら」
「そっくりだよ」
「本当にね」
「僕達がいた頃のカンサスとは違うよ」
 トトはこうも言いました。
「本当にね」
「私達のお家があった場所とはね」 
 ドロシーは笑って応えました。
「違うわね」
「うん、全くね」
「あそこは村どころかね」
「凄く広い場所に僕達のお家だけがあってね」
「見渡す限り畑か平原で」
「誰もいなかったね」
「そうだったわ」
 その頃のことを思いだしつつ言いました。
「あちらはね」
「こんな賑やかな場所なんて」
「知らなかったわ」
「全くね」
「けれどね」
 それがというのです。
「今はね」
「こうした街にも来られているね」
「都の王宮の中で暮らしていてね」
「何もかもが違うよ」
「本当にね」
 それこそというのです。
「今の私達は」
「そうだね、けれどあの大平原の中で」
 カンサスのというのです。
「一軒だけで暮らしていても」
「悪くなかったよ」
「そうだったわね」
「あの頃もね」
「何かね」
 さらにです、ドロシーは言いました。
「アメリカって色々な場所があって」
「あの頃もロサンゼルスは賑やかでね」
「ニューヨークやシカゴもね」
「それでね」
 そうであってというのです。
「カンサスみたいな場所もあって」
「色々ば場所があるよ」
「あの頃もそうで」
「今もね」
 まさにというのです、こうお話してでした。
 皆で巡ってそのうえでお昼は帝都のチャイナタウンで楽しく摂りました、皆で点心や麺類を頼みまして。
 そのうえで食べます、ジョージ達五人は蒸し餃子や焼売やチャーシュー面を食べてそれぞれ笑顔で言いました。
「美味しいね」
「とてもね」
「ウィンキーの帝都でも中華料理が食べられるのね」
「それも美味しく」
「しかも沢山あるし」
「うん、チャイナタウンはオズの国の多くの街にあるけれどね」
 樵が五人に答えました。
「この帝都にもあってね」
「こうしてですね」
「楽しく食べられますね」
「美味しく沢山」
「そうですね」
「嬉しいことに」
「そうだよ、中国系の人も多いしね」
 それでというのです。
「こうしたお店もあるんだ」
「そういえば」
 カエルマンは中国風のお店の中を見回してでした。
 店員さん達がアジア系なのを見てです、樵にお饅頭を食べながらそのうえでこうしたことを言ったのでした。
「店員さん達もアジア系だね」
「そうだね」
「黒い髪と目でね」 
「お顔立ちもだね」
「そうだね、お客さんは色々だけれど」
 白人や黒人やラテン系の人達にです。
 エルフやドワーフ、ノームにホビットの人達もいます。街全体がそうですが色々な人が笑顔でいます。
「店員さん達はアジア系が多いね」
「チャイナタウンにあるお店だから」
「中国系の人が多いね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「このお店はね」
「そうだね」
「そう、そしてね」 
 それでというのです。
「このチャイナタウンには多くの中国のものも売っているね」
「服も生活用品もね」
「そうしたものもね」
「買えばいいね」
「是非ね」
「ではそうするよ、実はね」
 カエルマンは笑顔で言いました。
「クッキー嬢に中国の服をプレゼントしたいんだ」
「私にですか」
「私自身中国の礼装を買ってね」
 黄色いタキシード姿で言います。
「そうしてだよ」
「お洒落をしたいんですね」
「やっぱり私は礼装が好きで」 
 ファッションの趣味はというのです。
「それでね」
「そうした服がお好きで」
「それでね」
 そうであってというのです。
「食べた後は」
「服を買いますか」
「そうしよう」
「いいね」 
 樵は笑顔で賛成しました。
「ではそうしよう」
「是非ね」
「中国の礼装なら」
 ドロシーも言いました。
「私達も持っているわ」
「そうだね」
「ええ、オズマもで」
 樵に答えました。
「ベッツイもトロットもね」
「四人共だね」
「持っているわ」
「そうだね」
「西洋のドレスにね」
「中国の礼装もだね」
「そして日本の」
 ジョージ達五人が今いるその国のというのです。
「十二単もね」
「持っているね」
「アラブの服だってね」
「色々持っているね」
「そうなのよね、服もね」
 こちらもというのです。
「今はね」
「色々持っているね」
「オズの国では外の世界の今も服はあってもね」
「皆着ないね」
「そうだけれど」
 それでもというのです。
「着ようと思えばね」
「着られるね」
「ええ」
 そうだというのです。
「私達もね」
「そうなっているね」
「それでね」
 ドロシーは樵にさらにお話しました。
「私は今回は服はね」
「買わないね」
「そうするわ」
 こう言うのでした。
「持っているから。ただね」
「ただ?」
「オズマ達へのお土産は買うわ」
 そういったものはというのです。
「私自身は買わなくても」
「皆へのお土産はだね」
「ええ」
 まさにというのです。
「そうするわ」
「それはいいことだね」
「そうだね」
 樵だけでなくかかしも笑顔で賛成しました。
「いつも皆にお土産を買う」
「ドロシーはそうだね」
「その気遣いがいいんだよね」
「本当にね」
「私もいつも貰ってるし」
 それでと言うトロシーでした。
「それでね」
「ドロシーもお土産を買う」
「忘れないで」
「そうするんだね」
「いつも」
「そうなの、そしてね」
 さらに言うドロシーでした。
「今回はコンサートだから」
「ああ、コンサートだとね」
「それならね」
 樵とかかしはそれならと言いました。
「アイドルのグッズだね」
「絶対に売るよね」
「それもだね」
「お土産に買うんだね」
「そちらも忘れないわ」
 絶対にというのです。
「皆へのお土産にね」
「そうそう、アイドルっていうとね」
 モジャボロは炒飯を食べつつ八宝菜を食べるドロシーに言いました。
「やっぱりね」
「歌とダンスにね」
「グッズだね」
「そのグッズもね」
「お土産にするんだね」
「そう考えているわ」
「いいことだね」
「アイドルはね」
 ドロシーは満面の笑顔で言いました。
「やっぱりね」
「コンサートに行ったら」
「その時はね」
「グッズもね」
 それもというのです。
「買うものよ」
「そして応援する」
「それも忘れないのよ」
「アイドルの応援の常だね」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「オズマ達によ」
「六人のグッズもだね」
「買ってね」
「お土産にするんだね」
「そうするわ」
「あれっ、けれどね」
 ここでトトが気付いて言いました。
「オズマ達もコンサートに行くよね」
「あっ、そうね」
 ドロシーも言われて気付きました。
「オズマが主催者だし」
「言うならスポンサーだからね」
「観に行くわね」
「そうだよね」
「だからね」
 それでというのです。
「グッズをお土産にするのは」
「ないよ」
「オズマ達も買うから」
「それでね」
 その為にというのです。
「他のものにしよう」
「そうね、それがいいわね」
「それじゃあそうしよう」
 こうお話してでした。
 ドロシーは六人のアイドルのグッズをお土産にすることを止めました、そうして他のウィンキーの名産品を買うことにしました。
 そのことを決めてからです、ふとビリーナが言ってきました。
「それでその娘達はどうしているのかしら」
「アイドルの娘達ね」
「ええ、私達が会場を探しているけれど」
 それでもというのです。
「それでどうなるの?」
「今は祖国で歌とダンスの練習をしていてね」
「コンサートの準備を進めていて」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「別のステージもよ」
「やっているの」
「忙しい娘達だからね」
「人気があるから」
「それでね、だからね」
「今はお国にいるのね」
「エルフのね」
 オズの国の中にあるというのです。
「そうしているわ」
「わかったわ」
「そういうことでね」
「そういえばエルフって一口に言っても」
 それでもと言うエリカでした。
「ダークエルフの人達もいるわね」
「地下で暮らしているね」
「ドワーフやノームの人達と一緒にね」
「あの人達もエルフよね」
「そう、暮らしている場所が違っていてね」
 そうであってというのです。
「それでね」
「お肌や髪の毛の色が違うわね」
「ダークエルフの人達も髪の毛の色は変えられるわ」
「そうよね」
「ただエルフの人達の髪の毛は基本ブロンドで」
 この色でというのです。
「ダークエルフの人達は銀色だけれどね」
「そこは違うわね」
「けれどね」
 それでもというのです。
「何も変わらないわよ」
「同じエルフね」
「そう、結婚したら子供も出来るし」
「エルフとダークエルフで」
「生物学的にはね」
「全く同じね」
「そうなの、文化も違うけれど」
 そうであってもというのです。
「何もね」
「変わらないのね」
「そうなのよ」
「何かね」
 こう聞いてです、モジャボロは言いました。
「人間と同じだね」
「白人と黒人ね」
「オズの国は黒人、アフリカ系の人達もいるね」
「全人口の一割程がね」
 それ位の人達がというのです。
「アフリカ系の人達よ」
「そうだね」
「そう、人種は違ってもね」
「同じ人間でね」
「何も変わらないわね」
「お肌の色が違うだけでね」
 ただそれだけでというのです。
「それでね」
「エルフとダークエルフもだね」
「全くね」 
 それこそというのです。
「変わらないわよ」
「というかね」
 こうもです、教授は言いました。
「人間もエルフもね」
「お肌や髪の毛の色ではね」
「変わらないよ」
「何もね」
「若し違うというのなら」
 お肌や髪の毛の色でというのです。
「そう言う人は間違っているよ」
「その通りね」
「先程ドロシーは生物学的にと言ったけれど」
 それでもというのです。
「その通りだよ」
「エルフもダークエルフも変わらないわね」
「人間もだよ。白人、黒人、黄色人種といるけれど」
「大きく分けてね」
「全くだよ」
「変わらないわね」
「そうだよ、どの人種が凄いとかはね」 
 そうしたことはというのだ。
「全くだよ」
「ないわね」
「生物学ではっきりしていることだよ」 
 教授は断言しました。
「私もそのことはね」
「学問で知っているわね」
「そうなのだよ、大体私は虫だよ」
 この生きもだというのです。
「そんなことを言うとね」
「人間やエルフでないわね」
「そうだよ」
「あたしなんてぬいぐるみだしね」 
 つぎはぎ娘は笑って言いました。
「この通りね」
「もう、よね」
「お肌や髪の毛の色なんてね」 
「何でもないわね」
「何が問題よ」
 それこそというのです。
「一体ね」
「そうよね」
「何か外の世界では色々言う人いるのよね」
「昔は今よりね」
「そう言う人多かったのね」
「私達がまだカンザスにいた頃はね、私は知らなかったけれど」
「知ってる筈ないね」
 臆病ライオンが言ってきました。
「その頃のドロシーがね」
「ずっとカンザスの大平原にいてね」
「他の人と会うことがなかったからね」
「ずっとそんな環境だったから」
 それでというのです。
「もうね」
「知ってる筈ないわ」
「そうだね」
「おじさんとおばさんも」
 お二人もというのです。
「勿論ね」
「そうした考えはなかったね」
「お二人もアフリカ系の人と会ったことは殆どね」
「なかったんだね」
「長い間お会いしてなくて」
 アフリカ系の人と、というのです。
「それでね」
「お会いしてもだね」
「数える位でもね」
 それでもというのです。
「悪い印象はね」
「なかったんだね」
「そうだったしね」
「ドロシーも違うとはだね」
「思っていなかったわ、というか私ずっとアフリカ系の人にお会いしたことなかったのよ」
「はじめてお会いしたの何時かな」
「オズの国に来てね」  
 熊の王様に答えました。
「それからよ」
「そうだったんだ」
「それも王女として住む様になって」 
 そのオズの国にというのです。
「結構経ってからよ」
「お会いする様になったんだ」
「そうよ、アジア系の人達ともね」
「ヒスパニックの人達ともだね」
「オズの国にそうした人達も増えてね」
 そうなってというのです。
「お会いする様になって」
「それからだね」
「私もお会いしたの」
「今じゃ普通におられるよね」
「そうである」
 ラベンダー熊と伍長もお話します。
「最早である」
「どの人達もね」
「エルフの人達もいてである」
「ドワーフやノームの人達もいて」
「もう人種なんてある」
「何でもないよ」
「大切なものは何か」
 カエルマンは言いました。
「何といってもね」
「人間性ですね」
「そうだよ、本当に何が問題か」
 それこそというのです。
「それはね」
「人間性で」
「それ次第だよ」
「全くですね」
 クッキーはカエルマンの言葉に頷きました。
「本当に」
「そうだよ、お肌や髪の毛の色なんてね」
「何でもないですね」
「それで人間性を見ないのなら」
 その人のというのです。
「その人の方が問題だよ、私だって蛙だよ」
「そうですよね」
「だからね」
 それでというのです。
「蛙を悪く言われても悲しいし」
「人についてもですね」
「外見で言うとね」
「悲しいですね」
「人間性を見てくれないとね」 
 こうしたお話をしました、アイドルの娘達についてもお話した中で。そうして皆で中華料理の後でお買いものもしましたが。
 樵は中国の服、カラフルな漢服を着て扇子を持ったドロシーを見てにこりとしながらこんなことを言いました。
「アイドルのステージは衣装も大事だね」
「うん、凄くね」
 かかしがまさにと答えました。
「大事だよ」
「こうした服を着てもね」
「いいよね」
「ええ、ステージ衣装はかなりあるそうよ」
 ドロシーは二人に笑顔で答えました。
「それでね」
「その中でだね」
「こうした服も着るのかな」
「チィイナドレスとかもあるそうよ」
 ステージ衣装の中にはです。
「チアガールや巫女さんの服もあるそうだし」
「そうした服に着替えて」
「ステージをやっていくんだね」
「勿論普通のアイドルのステージ衣装も」
 そちらもというのです。
「あるのよ」
「そうした服にどんどん着替える」
「数曲ごとにだね」
「その予定よ」
「それは楽しみだね」
「そうだね」
 樵もかかしも笑顔で言います、そしてです。
 ジョージ達五人も漢服姿のドロシーを見つつ言いました。
「ドロシーさんお奇麗だよね」
「漢服も似合うね」
「普段の青いスカート姿もいいけれど」
「王宮でのドレス姿も」
「けれどこうした服も」
「そう言ってくれて嬉しいわ」
 ドロシーは五人に笑顔で応えました。
「私も色々な服好きだしね」
「何かです」
 ジョージはドロシーに言いました。
「オズの国ってそれぞれの国の服がありまして」
「ズボンやロングスカートでブーツに長袖の上着で」
 カルロスはその服のことをお話しました。
「鈴が一杯付いた三角帽子ですね」
「それで色はそれぞれの国で」
 神宝は色のお話をしました。
「オズの君は基本この服ですね」
「私達の服装だと」
 恵梨香は自分達の外の現代の洋服を見て言いました。
「違和感あるわね」
「オズの国は文明は進歩しても」
 それでもと言うナターシャでした。
「服は変わらないわね」
「所謂民族衣装だね」
 樵が言ってきました。
「まさに」
「そうですね」
「オズの国の」
「皆さんそれを着ておられて」
「そうして暮らしていますね」
「どの人達も」
「動きやすくて着心地もいいからね」
 樵はそれでと答えました。
「服は変わらないんだ」
「そうですね」
「外から来た人達はそれぞれの服ですが」
「どの人達も」
「着物や中国の服や二十世紀のアメリカの服で」
「そこは違いますね」
「そして君達もね、オズマだってね」
 オズの国の国家元首である彼女もというのです。
「男の子だった時はね」
「ギリキンの服でなくて」
「お洒落な感じでしたね」
「色はブラウンを基調として」
「そうでしたね」
「あの人も」
「そうした服も着られるよ」
 オズの国でもというのです。
「けれど基本はね」
「やっぱり、ですよね」
「あの民族衣装ですね」
「オズの国の」
「殆どの人が着ておられて」
「この街でもですね」
「そうなんだ、オズの国では服は」
 着るそれはというのです。
「あの民族衣装になるよ」
「標準となると」
「その通りですね」
「この街もそうですし」
「オズの国なら」
「あの服ですね」
「そうだよ、君達も着たいのならね」
 それならというのです。
「着られるよ」
「そうですか、それならです」
「今から着てみます」
「オズの国の民族衣装を」
「ウィンキーのそれを」
「そうさせてもらいます」
 五人共樵に笑顔で応えてでした。
 実際にその服を着ました、そうしてです。
 五人全員でオズの国の民族衣装、ウィンキーの人達が着ている黄色のそれを着ました。男の子達はズボンで女の子達は足首が隠れるまでのスカートです。
 それを着てです、それぞれ言いました。
「これまでも着ているけ3れど」
「何度もね」
「やっぱりいいね」
「動きやすいし」
「着心地がいいわね」
「だからなのよ」
 ドロシーは五人に笑顔でお話しました。
「皆ね」
「着るんですね」
「色々な服を着られても」
「オズの国ではですね」
「殆どの人がですね」
「オズの国の民族衣装を着ますね」
「そうでしょ、だからね」
 それでというのです。
「皆もね」
「はい、これからもです」
「着ていきます」
「オズの国にいる時は」
「動きやすくて着心地もいいですから」
「そうします」
「着たいならそうしてね」
 是非にというのでした。
「五人共ね」
「はい、皆が着る理由もわかります」
 ジョージが応えました。
「とてもいい服ですね」
「そうでしょ、いい服はね」
「皆が着ますね」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「一つ思うことは」
 それはといいますと。
「私はどうもね」
「そういえばドロシーさんは」
「オズの国にずっといるけれど」
 それでもというのです。
「民族衣装はね」
「着られないですね」
「どうもね、普段の服とね」
「王宮ではドレスで」
「そうした服を着てるわ」
「そうですよね」
「私もそうで」
 ドロシーはさらにお話しました。
「オズマもベッツイもトロットもね」
「オズの国の王女の方々は」
「そして他の有名な人達も」
 全員というのです。
「それぞれの服ね」
「そういえばそうですね」
「ええ、そこはね」
 実際にというのでした。
「それぞれよ」
「そうですね」
「それとね」
 樵も言いました。
「僕だってね」
「人間の身体だった時はね」
「民族衣装を着ていたよ」
「そうだったわね」
「そう、そして」
 それにというのです。
「快適だったよ」
「その時は」
「うん、けれど今はね」
「ブリキの身体になって」
「かえってね」
 それでもというのでした。
「いいよ」
「そうなのね」
「服はもうね」
「その身体自体よね」
「そうであってね」 
 それでというのです。
「着替える必要もなくて」
「それで気に入っているから」
「この身体はね」 
 まさにというのです。
「最高だからね」
「もう服はよね」
「着ないよ、この身体が服だから」
「そうなったから」
「他の服は着ないよ」
「そうなっているわね」
「今の僕はね」
 ドロシーに笑顔で言いました。
「そうよ」
「その通りね」
「うん、それとね」
「それと?」
「手入れもね」
 これもというのです。
「ちゃんとね」
「しているわね」
「毎日ね」
 まさにというのです。
「オイルを塗ってピカピカにしてね」
「そうしているわね」
「この通りね」
「そうしているわね」
「そうだよ、民族衣装もいいけれど」 
 人間の姿だった時に着ていたというのです。
「この服もね」
「ブリキの身体でもある」
「これでね」
「満足しているわね」
「もうね」 
 それこそというのです。
「最高の服だよ」
「そう、身体が服ってこともあるよ」
 トトも言ってきました。
「僕達もそうだしね」
「そうそう、あたしもね」
「私もね」
「私だってそうね」
 つぎはぎ娘にビリーナ、エリカも言ってきました。
「服は何かっていうと」
「毛皮よ」
「あたいは身体自体がよ」
「僕もだしね」
 臆病ライオンも言ってきました。
「この身体、毛皮自体が服だよ」
「私もだな」
「僕もだね」
「吾輩もである」
 熊の王様にラベンダー熊、伍長も言います。
「服は何か」
「この身体だね」
「ぬいぐるみのな」
「そう、身体自体が服ということもあってね」
 かかしも明るく言います。
「僕自身そうだしね、それでね」
「満足だよね」
「とてもね」
 樵に笑顔で応えました。
「僕も満足しているよ」
「服も色々だね」
「そう、オズの国の民族衣装もあってね」
「民族衣装を着たいなら着て」
「そして身体が服ならそれもよし」
「そういうことだね」
 こう言うのでした。
「要するに」
「服の形は一つじゃない」
「そのことも頭に入れてね」
「ファッションも楽しめばいいよ」
「それぞれね」
 こうお話しました、そして皆でファッションも楽しむのでした。








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