『新オズのブリキの樵』




                第一幕  ブリキのお城

 今ジョージ達五人はウィンキーの国のブリキの樵のお城にいます、このお城は全てがブリキで出来ています。
 ブリキの宮殿に噴水にお庭に像、全てが銀色にピカピカに輝いています。五人で樵それに樵の親友であるかかしと一緒にいます。
 そのうえでブリキの世界を観て回って楽しんでいます、その中でジョージは笑顔でこんなことを言いました。
「このお城もオズの国ならではですね」
「外の世界にはないよね」
「はい、全てがブリキのお城なんて」
 こう樵に答えます。
「ないです」
「そうだね、このお城を築いてもらったのはね」
「樵さんがウィンキーの皇帝になられ」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「その時にだよ」
「築いてもらったんですね」
「そうなんだ、その時からここで暮らしていて」
 ジョージに明るい笑顔でお話します。
「とても快適な」
「素晴らしいお城ですね」
「今ではファイター大尉もいてね」
 この人もというのです。
「とても幸せだよ」
「あの人がウィンキーの宰相ですね」
「そうだよ、僕にとっては掛け替えのない親友であって」
「一緒にウィンキーの国を治めている」
「宰相でもあるんだ」
「僕もいてね」
 かかしも言ってきました。
「一緒に仲良くやっているよ」
「そうですよね」
「僕はオズの国全体の相談役だけれどね」
「基本ウィンキーにおられて」
「それでね、ウィンキ―の国の政治にね」
 こちらにというのです。
「一番関わっているよ」
「左様ですね」
「それで大尉はね」
 樵はあらためてこの人のお話をしました。
「今はマンチキンのオジョのところにいるよ」
「東のですね」
「うん、外交のお仕事でね」
 それでというのです。
「そちらに行っているよ」
「そうですか」
「そしてね」
 さらに言うのでした。
「今は僕はね」
「このウィンキーの国で」
「皆と一緒にいるからね」
「楽しく遊ぼうね」 
 またかかしが言ってきました。
「今回も」
「宜しくお願いします」
「さて、問題はね」
 かかしはこうも言いました。
「君達の食事だけれど」
「僕達は食べないけれどね」 
 樵も言います。
「ちゃんと用意出来るよ」
「このお城には色々なお客さんが来るからね」
「普通の人は食べるし飲むしね」
「そして寝るしね」
「お風呂も入るからね」
 だからだというのです。
「ちゃんと用意しているよ」
「食堂もシェフの人もいてくれてね」
「ベッドもお風呂もね」
「しっかりあるよ」
「全てがブリキだけれど」
「ちゃんと羽毛や木綿で柔らかくしているからね」
「楽しみです」 
 ジョージは二人の言葉を聞いて笑顔で応えました。
「一体どんな食堂か」
「お風呂はどうなのかしら」
 恵梨香はこちらに興味を持ちました。
「一体」
「ブリキのお風呂ね、楽しみね」
 ナターシャもそちらに今日もを持っています。
「どんな場所か」
「ブリキのベッドってどんなのだろう」
 神宝はベッドについて思いました。
「はじめて聞いたよ」
「羽毛や木綿があるっていうけれど」
 カルロスはそれでもと言いました。
「どんなのか楽しみだね」
「そうだね、じゃあお食事やお風呂の時間になったら入ろう」
 ジョージは四人に言いました。
「そうしよう」
「ええ、皆でね」
「そうしましょう」
「食べてお風呂に入って寝て」
「実際に確かめよう」
「そうしてくれると嬉しいよ、では楽しんでね」
 樵は五人に笑顔で言いました。そうしてです。
 五人にまずは食堂に案内しました、ブリキの宮殿の中にあってそこでは立派なテーブルや椅子が全てブリキであってです。
 壁も床も窓もです、全てがブリキ製で窓には透明のガラスがあってです。
 椅子には木綿の黄色即ちウィンキーの色のクッションがあって絹のカーテンは黄色です。その銀と黄色の世界の中で、です。
 五人はお昼を振る舞ってもらいました、そのメニューはといいますと。
「ハンバーガーにサラダ、コーンポタージュに林檎にアップルジュースです」
「いいですね」
「物凄く美味しそうです」
「ハンバーガーもサラダも」
「ポタージュも林檎も」
「それにジュースも」
 五人は自分達の前に出された料理を見て笑顔になって言いました。
「今から頂きます」
「ブリキの宮殿の中でこんなものが食べられるなんて」
「このことも不思議です」
「オズの国ならではですね」
「本当に」
「そうだよね、実はね」
 樵はかかしと一緒に同席しています、勿論二人は食べないのでその前にお口にするものは全くありません。
「ドロシーもこの前来てね」
「ライスプティングを食べたんだよ」
 かかしも言います。
「イギリスからアメリカにも伝わったね」
「あのお料理をね」
「何かです」
 ジョージは二人の言葉を聞いて言いました。
「元々アメリカはイギリスの植民地でして」
「イギリス料理を食べていたね」
「最初は」
「はい、ですが独立しまして」
 そのイギリスからです。
「別の国になってからお料理も」
「変わったね」
「イギリス独自のものになったね」
「はい」
 そうなったというのです。
「今では色々な国から色々なお料理も入りまして」
「多彩だね」
「そうなったね」
「そうなりました、ハンバーガーも出て来て」
 今自分達が食べているお料理もというのです。
「それで、です」
「他のお料理もだね」
「出て来たね」
「それで色々なお料理を食べています」
 そうなっているというのです。
「外の世界のアメリカは」
「そしてオズの国もね」
「そうなっているね」
 二人は食べながらお話するジョージに笑顔で応えました。
「今では」
「そうだね」
「それでもうイギリス料理は」
 最初のそれはというのです。
「あまり食べないですね」
「イギリス料理ってね」
「あまり聞かないわよね」
「外の世界の僕達の学校でも」
「イギリスから来た子達だっているのに」
「イギリス料理よりもね」
 ジョージは一緒に食べる恵梨香達四人に応えて言いました。
「学校では日本の料理がメインでね」
「色々な国のお料理食べて」
「それで楽しんでいるし」
「オズの国でもね」
「そうしているから」
「イギリス料理って食べないね、いい印象もね」
 それもというのです。
「実はないしね」
「そういえば」 
 樵は五人の言葉を聞いて言いました。
「オズの国でも皆イギリス料理食べないね」
「メニューはあるけれど」
「殆ど食べないね」
「皆ね」
「他の色々なお料理食べて」
「そうしてね」
「そうですよね、僕アメリカでもそうで日本でもで」
 ジョージはまた言いました。
「オズの国でもです」
「そうだね、それでドロシーもね」
 今皆がいる食堂でライスプティングを食べた彼女もというのです。
「イギリス料理久し振りに食べたと言っていたよ」
「そうだったんですね」
「今ではドロシーは何でも食べてね」
 そうであってというのです。
「オズの国で一番色々なものを食べた人かも知れないけれど」
「そのドロシーさんもですか」
「そうなんだ」
 これがというのです。
「イギリス料理はね」
「久し振りだったんですか」
「食べたのはね」
「そうだったんですね」
「アップルパイとかは元々イギリス料理でも」
 それでもというのです。
「今じゃアメリカに入ってね」
「アメリカ料理になっていますね」
「ビーフシチューだってね」
 このお料理もというのです。
「そうだしね」
「イギリス料理って食べないですね」
「うん、外の世界じゃ人気がないね」
「そうなんです」
 ジョージは素直に答えました。
「イギリス料理は」
「それがオズの国にも出ているね」
「アメリカの影響を受けるので」
「どうしてもね、まあ食べたくなったらね」
 そのイギリス料理をというのです。
「食べたらいいよ」
「わかりました」
「朝食はいいらしいしティータイムもね」
「イギリスのものですね」
「だからね」
 そうであるからだというのです。
「よかったらね」
「はい、イギリス料理も頂きます」
「そうするといいよ、それで午後も遊んで」
「そうしてですね」
「晩ご飯の後はね」
 それからはといいますと。
「お風呂に入ってね」
「お休みですね」
「そうしてね、ベッドはちゃんとシーツもマットも掛け布団もあって」
 そうであってというのです。
「皆それぞれ天幕付きのベッドで寝てもらうよ」
「天幕付きですか」
「そのベッドで寝ていいんですか」
「豪華ですね」
「そんなベッドで寝られるなんて」
「凄いですね」
「ここは宮殿だからね」 
 それ故にというのです。
「皆はそこで寝てもらうよ」
「あの、樵さんは」 
 ジョージはジュースを飲んでから言いました。
「寝る必要は」
「ないよ、けれどね」
「それでもですか」
「お客さんが来たらね」
「そのお客さんがですね」
「僕やかかし君は食べる必要はなくても」
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「他の人達はですね」
「食べて飲む」
「そして寝る」
「その必要があるから」
「だからですね」
「食堂やベッドがあってね」 
 そうであってというのです。
「お風呂もあるよ」
「そうなんですね」
「そうしたものもあるんですね」
「しっかりと」
「それで僕達も入られるんですね」
「今夜は」
「とても大きな浴場でね」
 樵はお風呂場のお話もしました。
「露天風呂も水風呂もサウナもあるよ」
「お風呂も豪華ですね」
「全部揃っていますね」
「露天風呂まであるなんて」
「凄くいいですね」
「楽しみです」
「是非楽しんでね、ちゃんと男湯と女湯があるから」
 しっかりと分かれているというのです。
「楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
「是非共」
「お風呂の方も」
「晩ご飯を食べた後で」
「そうさせてもらいます」
 五人は笑顔で応えて実際にでした。
 お昼ご飯の後は午後も皆で遊んで晩ご飯はやはりブリキの食堂でいただきました。今度はオマール海老やラム肉、新鮮なウィンキーのお野菜や果物がふんだんに使われたフルコースを頂きました。そしてお風呂に入ったのですが。
「よかったね」
「最高だったよ」
「素敵なお風呂だったわ」
「お湯もとても奇麗で温かくて」
「とてもいいお風呂だったね」
 五人はとても満足しました、そしてブリキの上にマットやシーツ、掛け布団がちゃんとある天幕付きのベッドにそれぞれ寝てです。
 とても心地よい眠りに入りました、そして朝です。
 イギリスの朝食、目玉焼きにウィンナー、トーストにボイルドベジタブル、牛乳といったものを頂いてです。
 五人はとても満足しました、そうしてお話するのでした。
「イギリス料理も美味しんじゃないかな」
「そうよね」
「こうして食べてみたら」
「悪くないよ」
「結構以上に美味しいよ」
「多分ね」
 かかしが五人に言ってきました。
「どんなメニューもちゃんとした火加減と味付けならね」
「美味しいんですね」
「イギリス料理も」
「色々言われてますけれど」
「その実はですね」
「ちゃんとしたら美味しいんですね」
「そうだと思うよ、あの鰻のゼリーや鰊のパイもね」
 こうしたお料理もというのです。
「ちゃんと調理したらね」
「そうすると、ですか」
「しっかりと食べられますか」
「それも美味しく」
「そうなんですね」
「その実は」
「そうだと思うよ、現にハンバーガーだって適当に作るとどうかな」
 五人が昨日のお昼に食べたこのお料理はというのです。
「一体」
「美味しくないですね」
「そんなことしたら」
「やっぱりちゃんと作らないと駄目です」
「そうしないと美味しくなりません」
「絶対に」
「そうだね、だからね」
 それでというのです。
「イギリス料理もだよ」
「ちゃんと作る」
「そうすることが大事ですね」
「そうしたら美味しくなりますね」
「こうして」
「今僕達が食べているものみたいに」
「その筈だよ、フランス料理だっていい加減に作ったら」
 そうすると、というのです。
「美味しいと評判のフランス料理でも」
「よくないですね」
「いい加減だと」
「火加減と味付けはしっかりしないと」
「美味しくなくなりますね」
「フランス料理も」
「オズの国は食材はどれも最高だけれど」
 それでもというのです。
「外の世界ではそちらにも違いが出るし」
「贖罪も大事ですね」
「いい食材を使う」
「そうしないとですね」
「美味しくならないですね」
「逆にいい食材を使ったらね」
 外の世界ではというのです。
「イギリス料理もだよ」
「美味しくなりますね」
「火加減や味付けをちゃんとして」
「食材もいいものにしたら」
「そうしたらですね」
「いいんですね」
「そうだよ、何でもそうして努力したらね」
 そうすればというのです。
「よくなるんだよ」
「そういえばドリトル先生はね」
「イギリスにおられた時のお話で沢山のイギリス料理が出て来るけれど」
「どのお料理も美味そうだね」
「そうよね」
「聞いていたら」
 ジョージ達五人はここで皆が知っているとある生きもの達と大の仲良しのお医者さんのことを思い出しました。
「今は日本におられて」
「和食も色々なものを食べてね」
「凄く楽しんでおられるけれど」
「イギリスにおられた頃だって」
「食べることを楽しんでいるよ」
「ああ、あの人のことは聞いているよ」
 樵はドリトル先生について笑顔で応えました。
「偉大な学者さんだね」
「はい、色々な言語に通じていて」
「多くの種類の生きものの言語にも」
「他にも沢山の学問に秀でていて」
「博士号も沢山持っている」
「素晴らしい学者さんです」
「そうだね、あの人のことはオズの国でも有名で」
 そうであってというのです。
「やがてはね」
「来られるんですね」
「このオズの国に」
「そしてオズの国の住人になって」
「そうしてですね」
「永遠に暮らすんですね」
「そうなるよ」 
 必ずというのです。
「あの人もね」
「そうなんですね」
「あの人は確かにオズの国に相応しいですね」
「言われてみますと
「とてもいい人ですから」
「この上なく素敵で」
「公平で正義感もあって子供の心も備えている」 
 ドリトル先生はというのです。
「そうしたね」
「素晴らしい人ですよね」
「僕達もそう思います」
「何度かお会いしていますけれど」
「誰にでも紳士で」
「物凄く温厚で優しい人です」
「本物の紳士だね」
 かかしも言います。
「ドリトル先生は」
「全くですね」
「僕達も先生みたいになりたいです」
「あんな素晴らしい人に」
「学問に秀でていて」
「とても優しい紳士に」
「そうだね、あんないい人はいないよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「そうですよね」
「オズの国にも相応しいです」
「絶対に怒鳴ったりしないですし」
「子供も尊重してくれてです」
「穏やかな人で」
「そうだね、ああした人が増えるとね」
 かかしはさらに言いました。
「世界はもっとよくなるよ」
「絶対にそうなりますね」
「平和になって」
「そして穏やかになって」
「優しくもなって」
「偏見も減ります」
「そうなるよ」 
 絶対にというのです、そうしたお話をです。
 皆しました、そのうえで朝ご飯の後も楽しく遊びましたが十時になったところでお
城につぎはぎ娘が来ました。
「皆元気そうね」
「あれっ、君今都にいたんじゃなかったかな」
 樵はつぎはぎ娘を迎えてから言いました。
「確か」
「そう、都から歩いてきたのよ」
「そうなんだ」
「踊りながらね」
 実際に今踊りながらお話しています。
「来たのよ、オズマに言われてね」
「オズマになんだ」
「そう、実は今度ライブをしようってお話になったの」
「ライブ?」
「そうよ、それでどの国でしようかってなって」
 そうしたお話になってというのです。
「あんたとかかしさんの意見も聞きましょうってね」
「オズマが言ってなんだ」
「あたしが来て話を聞きにきたのよ」
「そうなんだね」
「携帯で聞いたらすぐだけれど」
「実際にそうだね」
「けれど実際に聞いた方がいいって思って」
 それでというのです。
「お空を飛んできたのよ」
「どうして飛んできたのかな」
「これよ」
 小さな竹とんぼ、日本の昔のおもちゃの様な形で付け根に吸盤が付いたものを出して言ってきました。
「この前魔法使いさんが発明した魔法の道具よ」
「あれっ、この道具って」
 ジョージはそれを見て思いました。
「日本の漫画であった」
「頭に付けてお空飛ぶものだね」
 神宝も言います。
「それだね」
「漫画のものと思っていたら」
 カルロスもその道具を見て言います。
「オズの国では本当にあるんだ」
「魔法使いさんが生み出したのね」 
 ナターシャはしみじみとして言いました。
「凄いわね」
「確かにこれを使えばお空を飛べるわ」
 恵梨香はそれが出来ることを言いました。
「実際にね」
「そう、これを頭の上に付けて飛んできたの」
 つぎはぎ娘はジョージ達五人にもお話しました。
「それで都からすぐに来たの」
「オズの国の科学と魔法を使って」
「こんなものも出来るんだね」
「いや、魔法使いさん凄いわ」
「流石と言うべきか」
「実際に作るなんて」
「何か外の世界でこれは造られないって言う人がいたそうだけれど」
 それでもというのです。
「出来ない、無理だとね」
「何も出来ないよ」
 かかしが応えました。
「そう言うだけじゃね」
「そうよね」
「今の技術で無理でもね」
「将来はわからないわね」
「かつて人は海の中に潜ってその中を観るなんてね」 
 そうしたことはというのです。
「無理って思われていたよ」
「そうだったわね」
「けれどダイバーの人みたいにね」
「酸素タンクを担いでね」
「水中眼鏡をかけてね」
「ずっと観られる様になったわね」
「潜水艦も出来たしね」
 こちらもというのです。
「出来る様になったよ」
「そうよね」
「今の技術で無理でも」
「未来は出来るわ」
「その通りだよ、まして技術は進歩し続けるんだ」
 樵もお話に参加してきました。
「だからね」
「それでよね」
「そう、今の技術が絶対でね」
「今は無理だから未来も無理」
「そんな筈がないよ」
「全く以てその通りね」
「だから君が使った道具もね」 
 魔法使いが作ったそれもというのです。
「外の世界でそう言う人がいても」
「実際はなのね」
「オズの国の科学と魔法を使えば」
「出来るのね」
「そうだよ、しかしライブを開くんだ」
「そうなの、六人組のアイドルの娘達のね」
「そんなお話があるんだ」
「ええ、その場所は何処か」
 コンサートを開くというのです。
「開くにしてもね」
「オズマは考えているんだ」
「そうなのよ」
「それなら」
 樵はつぎはぎ娘に言いました。
「ウィンキーでどうかな」
「あんたの国でなの」
「うん、折角君が聞きに来たしね」
 自分とかかしの意見を聞きにです。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、それならね」
 是非にというのです。
「このウィンキーでどうかな」
「ウィンキーにもコンサート会場あるし」
「どうかな」
「わかったわ、じゃあオズマに聞いてみるわね」
 つぎはぎ娘は樵の言葉を受けて応えました。
「それならね」
「うん、頼むよ」
「今度はスマホで聞くわね」
 自分のスマートフォンを出して言いました。
「そうするわね」
「宜しくね」
「それじゃあね」
 こうお話してでした。
 つぎはぎ娘は実際にスマートフォンを出してそのうえでオズマに聞いてみました、すると電話の向こうのオズマは笑顔で答えました。
「樵がそう言ってくれるならね」
「ウィンキーの皇帝さんの」
「それならね」
 是非にというのです。
「そうしましょう」
「ウィンキーで開くのね」
「ええ、じゃあこれからね」
「準備に入るのね」
「そうしましょう、早速そちらに人を送るわね」
「わかったわ」
「よかったわ」
 オズマは笑顔でこうも言いました。
「樵がそう言ってくれて」
「それですぐに決まって」
「そうなってね」
「それじゃあね」
「そしてね」
 さらに言うのでした。
「今から人を送るわね」
「こちらになのね」
「ええ、ライブを開くにもね」
「準備が必要ね」
「だからね」
 それでというのです。
「これからね」
「ウィンキーに人を送って」
「そうしてね」
「準備をするのね」
「私は今手が離せないお仕事があって」
 それでというのです。
「行けないけれど」
「他の人を送ってくれるのね」
「魔法使いは私を手伝ってくれていて」 
 この人はというのです。
「臆病ライオンと腹ペコタイガーもね」
「行けないのね」
「そうなの、ベッツイとハンクはガラスの猫と木挽きの馬を連れてマンチキンに行っていて」
 彼等はというのです。
「トロットとキャプテンはギリキンに行ってるわ、チクタクにジャックと一緒にね」
「それで行けないの」
「けれどドロシーがいるから」
 彼女がというのです。
「ムシノスケ教授とモジャボロもね」
「来てくれるのね」
「そしてトトとエリカ、ビリーナもね」
 彼等もというのです。
「一緒よ」
「あら、面白い顔触れね」
「そうね、じゃあね」
「ええ、皆が来るのを待つわ」
「そうするわね」
「それじゃあね」
 こうお話してでした。
 スマートフォンでのやり取りは終わりました、樵はここで言うのでした。
「今からドロシー達が来てくれるんだ」
「ええ、聞いたわね」
「うん、今ね」
「それじゃあね」
「今からだね」
「皆来るから」
 ドロシー達がというのです。
「待っていてね」
「そうさせてもらうよ」
「それじゃあね、ただ何時来るか」
 そのドロシー達がです。
「そのことはね」
「まだわからないね」
「ええ、ただあたしが使った魔法の道具を使えば」
「お空を飛んでだね」
「すぐにね」
「ここまで来てくれるね」
「そうよ、いや本当に便利よ」 
 つぎはぎ娘は笑って言いました。
「この魔法の道具は」
「何ていう名前かな、その道具」
 かかしはそれを尋ねました。
「一体」
「ドラゴンフライよ」
「トンボだね」
「ええ、竹とんぼみたいな形してるわね」
「日本のおもちゃのね」
「形がそっくりだから」
 それでというのです。
「とんぼなのよ」
「それでドラゴンフライだね」
「ええ、そしてね」
「そして?」
「正式名称はバンブードラゴンフライよ」
「竹だね」
「そう、本当にそのままね」
 まさにというのです。
「竹とんぼよ」
「そうだね、それを頭に付けたら」
「お空を飛べて」
「すぐに来られるね」
「そうなのよ」
「いや、まさかこの道具をこの目で見られるなんて」
 しみじみとです、ジョージはそのドラゴンフライを見て言いました。
「思わなかったよ」
「そうなの」
「本当に漫画のものでね」
「漫画に出て来る道具ね」
「二十二世紀の科学のね」
 それのというのです。
「道具でね」
「オズに国にはないって思っていたの」
「そうだったんだ」
 こうつぎはぎ娘にお話します。
「造ることは出来ないって言う人もいてね」
「今の外の世界の技術ではだね」
「そこから未来のそれも語ってね」
「そんのわからないわよ」
 つぎはぎ娘は即座に言いました。
「さっきもお話したでしょ」
「うん、今の技術は絶対じゃなくて」
「今は造られなくてもね」
「未来はわからないね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そんなのはね」
「そうだね、今の技術は今のもので」
「どんどん進歩するわね」
「そして常識もね」
 それもというのです。
「変わるよ」
「そうよ、ましてオズの国はお伽の国だから」
「科学だけじゃないね」
「魔法もあるからね」 
 こちらの技術もというのです。
「造ることが出来るわ」
「そうだね」
「そうよ、何で今の技術を絶対に言うのよ」
「それは途方もなく愚かなことだよ」  
 樵はどうかという顔で言ってきました。
「今の技術は今のもので」
「これから進歩しますね」
「知識もね」
 それもというのです。
「どんどんね」
「進歩しますね」
「そうなるものだからね」
「絶対のものではですね」
「絶対にね」
 それこそというのです。
「ないよ」
「そうですね」
「だから今の技術や知識でね」
「未来は語れないですね」
「ああなる、こうなるとは予想出来ても」
 それでもというのです。
「出来ない、無理とはね」
「否定出来ないですね」
「未来の技術では実現出来るなんてね」
 そうしたことはというのです。
「本当にね」
「ありますね」
「普通にね。さっきダイバーの人や潜水艦のお話もしたけれど」
「昔は無理でしたね」
「それが実現出来たしお空を飛ぶことも」
「昔は無理でしたね」
「今の技術を絶対と言って未来のそれを無理だ出来ないと実証しようとしても」
 そうしようとしてもというのです。
「何にもならないよ」
「無駄ですね」
「未来の進歩はね」
 それはというのです。
「本当にね」
「わからないですね」
「だからね」
 それでというのです。
「もうね」
「無理だ、出来ないじゃなくて」
「どうしたらそう出来るか」
「考えることですね」
「若しあれこれ無理だ出来ないとか言って」
 そうしてというのです。
「子供の夢を壊したとか言って得意になっているなら」
「そんな人は」
「無駄な人生をね」
 まさにそれをというのです。
「送っているよ」
「そうなりますね」
「無理だ出来ないと言って」
 そうであってというのです。
「ライト兄弟は飛行機を造れたか」
「造れなかったですね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「エジソンさんだってね」
「あそこまでの発明をですね」
「出来なかったよ、出来ると思ってね」 
 そうしてというのです。
「必死に努力してね」
「そこに閃きが宿って」
「そうなってね」
 それでというのです。
「出来るんだ、ドラゴンフライだってね」
「魔法使いさんが造られましたね」
「あの人も出来ると思ってね」
「造られましたね」
「そうだよ、今の技術も知識もどんどん進歩して」
「今出来なくても」
「未来は出来る様になるんだ」
 そうなるというのです。
「これがね」
「そうですか」
「だからね」 
「本当に無理だ、出来ないじゃね」
「何にもならないで」
「無駄なことだよ」
「未来を描いた漫画や小説やアニメのことを言っても」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「全くね」
「未来はわからないで」
「今より凄い技術や知識が存在しているから」
「今否定してもですね」
「無駄だよ、そうした人は何も生み出さないし」
 そうであってというのです。
「自己満足だけのね」
「下らない人生ですね」
「誰の為にもならない、成長も何もなくてね」
「誰の役にもですね」
「立たなくていい影響も与えない」
「本当に無駄な人生でね」
「そんな人生を送る人がいるなら」
 樵は心から思いました。
「残念なことだよ」
「残念ですか」
「これ以上はないまでにね」
 それこそというのです。
「残念だよ」
「そうですか」
「そんな人はオズの国は認められないね」
「お伽の国をですね」
「外の世界と違って魔法もあって」
 そうであってというのです。
「科学と合わさってね」
「素晴らしいものが生まれますね」
「そうだよ、そんな世界ををね」
「認められないですね」
「絶対にね、だからね」 
 それでというのです。
「僕はそんな人にはなりたくないよ」
「今のことだけで否定してばかりの」
「未来を認めない人は」
「絶対にね、出来ると思って努力すれば」 
 そうすればというのです。
「それが出来なくても必ずだよ」
「何かになりますか」
「そうだよ、絶対に何かを得るんだよ」
 そうだというのです。
「努力すればね」
「その通りですね」
「努力は無駄にならないですよね」
「絶対に」
「外の世界でそうで」
「オズの国でもですね」
「そうだよ、否定したらそれで終わりだよ」
 その時点でというのです。
「諦めたらそれで終わりと言うけれど」
「否定してもですね」
「それで終わりですね」
「その時点で」
「そうなりますね」
「本当に」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「出来ると思う、不可能はない」
「何でも可能ですね」
「努力すれば」
「余の辞書に不可能という文字はない、ですね」
「そう思ってですね」
「やることですね」
「そうだよ、否定はそれで終わりだから」
 それを行った時点でというのです。
「まさにね」
「無理だと言ってもそうで」
「進歩もしないですね」
「よくならないですね」
「そこから」
「そうですね」
「若し今の科学の知識が絶対というなら」
 それならというのです。
「そここそまさにだよ」
「非科学的だよ」
 かかしは断言しました。
「これ以上はないまでのね」
「そう言う人こそですね」
「非科学的ですね」
「今の科学を絶対と言う」
「そして未来の科学を否定する」
「そう言う人が一番非科学的ですか」
「そうだよ、オズの国の科学もどれだけ発展したか」
 それこそというのです。
「途方もなくだからね」
「僕達がドロシーと会った時はテレビなんてなかったしね」 
 樵はかかしに言いました。
「全くね」
「そうだったね」
「想像もしなかったよ」
「殆ど誰もね」
「外の世界だと」
 樵はさらに言いました。
「僕達の少し前は八十日で世界一周なんてね」
「夢だって言われたらしいね」
「しかし出来たよ」
「今は飛行機だと半日かな」
「そこまで進歩したんだ」
「本当にどうなるかわからないよ」
 それこそというのです。
「だから今の技術で言うとね」
「未来の技術を」
「こんな無駄なことはないよ」
「どれだけ進歩するかわからないのに」
「空想か何か知らないけれど」
 かかしはそれでもと言いました。
「その人は当時は言ったね」
「絶対に八十日で世界一周は出来ないって」
「そう言って否定して」
「それまでだったね」
「そうなるよりは」
 それこそというのです。
「どうしたら出来るか」
「そう考えてやっていく」
「そうあることだよ」
「そうでないと何も変わらないよ」 
 こうお話するのでした、そして今はドロシー達を待つのでした。








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