『新オズのかかし』




                第七幕  ロビンソンさんのお家

 使節団は今度はウィンキーの西の海の中にある島に向かうことになりました、島にもヘリコプターで向かいますが。
「今度は島自体が国だよ」
「そうなんですか」
「次はそうなんですか」
「どんな国かと思ったら」
「島自体が国なんですね」
「次の国は」
「そうだよ、国家元首はロビンソン=クルーソーさんだよ」
 魔法使いはナターシャ達五人に微笑んで答えました。
「あの人だよ」
「ああ、あの人ですか」
「ずっと島で一人で暮らしていた」
「そうした人でしたね」
「フライデーさんとも家族になって」
「沢山の生きものと暮らしていましたね」
「そう、あの人がオズの国に来て」
 そうであってというのです。
「今ではその国の主だよ」
「今はフライデーさんやご家族、親戚の人達と仲良く暮らしているよ」
 案山子も言ってきました。
「沢山の生きもの達ともね」
「あっ、犬や猫と暮らしてましたね」
「あの人そうでしたね」
「島のサバイバルの中でそうしてましたね」
「山羊も飼育して」
「そうでしたね」
「それで今はね」
 まさにというのです。
「オズの国で皆で暮らしているんだ」
「あの島でそうしていた様に」
「そうですか」
「オズの国らしいですね」
「お伽の国ならではですね」
「幸せをそのままなんて」
「そうだね、ロビンソンさんは言ってるよ」
 案山子は五人の子供達に笑顔でお話しました。
「イギリスでの暮らしは確かにいいけれど」
「オズの国で、ですね」
「あの時みたいに島で暮らしていたみたいに出来る」
「そうなんですね」
「それって素敵ですね」
「ロビンソンさんが望まれているのなら」
「彼はあの島の生活がね」 
 それがというのです。
「今では一番いいと言っているね」
「そうだね」 
 樵はまさにと頷きました、
「そう言っているね」
「それで街でも暮らせるけれど」
「島で暮らしてね」
「そして国の主になっているよ」
「今はね」
 こうお話するのでした。
「本当によかったね」
「全くだね」
「それじゃあね」
「僕達はこれから彼の国に行こう」
「是非ね」
 こうしたお話をしてでした。
 皆でロビンソンさんの国に向かいました、そうして島に着くと砂浜にヘリコプターは着陸しました。
 そして降りるとです、ドロシーは言いました。
「まさに南の島ね」
「中南米のだよね」 
 ジャックが応えました。
「外の世界で言うと」
「そうだったね、確かね」
 臆病ライオンも言います。
「ロビンソンさんがいたのは」
「その島をね」
 ドロシーは臆病ライオンにも言いました。
「そのままね」
「オズの国にあるんだね」
「そうだね」
「そう、まさにね」
 ドロシーはジャックと臆病ライオンに笑顔でお話しました。
「ロビンソンさんが二十八年間暮らしていた」
「その島だね」
「この島は」
「そうよ、そしてこの島にロビンソンさんがいるから」
 だからだというのです。
「これからね」
「会おうね」
「そしてお話をしようね」
「是非ね」
「いや、よくね」  
 トトはしみじみとした口調で言いました。
「二十八年間頑張れたね」
「そうよね」
 ドロシーも確かにと頷きました。
「ずっとお一人だったし」
「大変だったね」
「食べるものも飲むものもね」
「何とか確保して」
「島に入るまでも」
 それまでもというのです。
「ロビンソンさんは波乱万丈だったのよ」
「凄い二十八年だったね」
「その二十八年を過ごして」 
 そうしてというのです。
「イギリスにね」
「戻ったね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「二十八年を経て」
「よく生きていたよ」
「そうね、そして今はね」
「オズの国におられるね」
「そうよ」
 その通りだというのです。
「それじゃあ今からね」
「ロビンソンさんと会おうね」
「そうしましょう」 
 こうお話してでした。
 皆でロビンソンさんのお家に向かうことにしました、お家は島の丘のところにあってそうしてでした。
 近くに牧場がありました、そこには多くの山羊達がいて犬や猫達もいます、皆はその生きもの達を見て言いました。
「島でロビンソンさんが飼っていた」
「その生きもの達だね」
「そうだね」
「この生きもの達もいるんだ」
「一緒に」
「そうなんだ」
 かかしがナターシャ達五人にお話します。
「彼と一緒にね」
「オズの国に来て」
「そしてあの時みたいにですね」
「島で一緒に暮らしてますね」
「そうなんですね」
「それも楽しくですね」
「そうだよ、オズの国では誰も死なないしね」
 このこともあってというのです。
「とてもね」
「楽しくですね」
「暮らしていますね」
「あの時は大変なことも多かったですが」
「今は大変なこともなくて」
「ただ楽しいですね」
「そうだよ、ではロビンソンさんに会おうね」
 こうお話してです、皆でお家の前に来ると白いブラウスと茶色のズボンそれに黒いブーツを身に着けたブラウンの髪と目の男の人が出てきました。
 その人がです、笑顔で挨拶しました。
「ようそこ我が国に」
「貴方がロビンソンさんですね」
「そうだよ」
 ナターシャに笑顔で答えました。
「私がロビンソン=クルーソーだよ」
「そうですね」
「ドロシー王女達が来られることは知っていたけれど」
 それでもというのでした。
「まさか君達まで一緒なんてね」
「思いませんでした」
「最初聞いて驚いたよ」
 ナターシャに気さくに笑ってお話しました。
「本当にね」
「そうなんですか」
「うん、君達のことは聞いていて」
 五人のことはというのです。
「何時か会いたいとは思っていたけれど」
「それでもですか」
「今回の使節団に参加するとはね」
「思われませんでしたか」
「うん、だからね」 
 それでというのです。
「最初驚いて」
「それで、ですか」
「嬉しいかったよ」
「そうですか」
「そしてね」
 ロビンソンさんはさらに言いました。
「これから私の国を見てもらうけれど」
「この島が一つの国ですね」
「そうだよ、私が国家元首でね」 
 そうであってというのです。
「家族に親戚がいて」
「フライデーさんもですね」
「家族は同じ家で暮らしていてね」
 そうしtえというのです。
「フライデーは今は彼の家があるよ」
「そうですか」
「そしてそこで暮らしているんだ」
「そうなんですね」
「それで今彼は船にいるよ」
「船ですか」
「実は難波線もあるんだよ」
「あのロビンソンさんが乗っておられた」
「そう、あの船がね」
 まさにというのです。
「あるんだ」
「へえ、あの船もですか」
 ジョージはそのお話を聞いて目を丸くさせました。
「あるんですね」
「まさかあの船まであるなんて」
 神宝も言いました。
「思いませんでした」
「僕達この島には砂浜ニヘリコプターを着陸させましたけれど」  
 カルロスはこのことをお話しました。
「そこにはなかったです」
「別のところにあるんですね」
 恵梨香はすぐにわかりました。
「難破船は」
「うん、今から案内するよ」
 ロビンソンさんは笑顔で言いました。
「そうさせてもらうよ」
「宜しくお願いします」
「是非案内して下さい」
「まさかあの難破船もあるなんて」
「ロビンソンが乗っておられた」
「凄いですね」
「オズの国に来た時はね」
 ロビンソンさんはその時のこともお話しました。
「もうこの島にいたんだ」
「そうだったんだね」
「うん、それでね」
 ロビンソンさんはかかしに応えて言いました。
「フライデーも生きものも一緒でね」
「家族に親戚の人達もだね」
「二人の兄さん達までいたから」
 だからだというのです。
「嬉しかったよ、父さんと母さんもいて」
「ご家族もだね」
「そしてね」 
 それでというのです。
「それぞれこの島にお家を構えて」
「暮らしているね」
「そうだよ、楽しくね」
「そうだね」
「そしてお家もあって」
「難破船もだね」
「あってね」  
 それでというのです。
「明るく楽しくね」
「暮らしているね」
「この島でね、じゃあ案内するよ」
 難破船をとです、こうお話してでした。
 皆で難破船がある砂浜にまで行きました、その砂浜は皆がヘリコプターを着陸させた砂浜とは正反対の方にありました。
 難破船は海にあります、ナターシャ達五人はその船を見て言いました。
「まさにあのままで」
「この島にあるんですね」
「まさにあのままですね」
「ロビンソンさんが乗って難破した」
「その船ですね」
「そうだよ、そのままね」 
 ロビンソンさんは笑顔でお話しました。
「この島にあるんだ」
「あの、それで中は」
 ナターシャはロビンソンさんに尋ねました。
「今はどうなっていますか?」
「難破船のだね」
「はい、中は」
「外から見れば難破船だけれど」
「中は違うんですね」
「そうだよ」
 ナターシャににこりと笑ってお話しました。
「今ね」
「そうなんですね」
「住むことも出来て倉庫もあって」
 そうしてというのです。
「電化製品もあるんだ」
「そうですか」
「それでフライデーはね」
「今は、ですか」
「難破船の中にいるんだ」
「あれっ、お家あるよね」
 ここでトトが言いました。
「フライデーさんも」
「あるよ、ちゃんとね」
「そうだよね、じゃあ」
「そう、実は難破船は別荘でもあるんだ」
 ロビンソンさんはトトにも笑顔でお話しました。
「これがね」
「そうなんだね」
「だからね」
 それでというのです。
「今はね」
「外は難破船でも」
「中身はね」
「別荘になっているんだ」
「海の中のね」
「それは面白いね」
 トトはお話を聞いて実際にそう思いました。
「オズの国らしいね」
「全くだね」
「思い出の船が今ではだね」
「別荘でね」
「快適に暮らせるんだね」
「その中でね」
「そうなってるね、それじゃあ」
 ロビンソンさんにあらためて言いました。
「今からだね」
「このヨットで行くんだね」
 砂浜には丁度一隻のヨットがありました、臆病ライオンはそのヨットを見てそのうえで言いました。
「そうだね」
「そうだよ、ヨットは私が動かすから」
 だからだというのです。
「安心してね」
「ロビンソンさんヨットも動かせるんだ」
「今はね」
「海の人になったんだね」
「そうだよ、ヨットも趣味になって」
 それでというのです。
「楽しんでいるよ」
「それは何よりだね」
「フライデーはボートで行ったけれど」
「僕達はだね」
「そう、ヨットで行こうね」
「そうしようね」
 臆病ライオンも笑顔で頷いてでした。
 そのうえで皆でヨットに乗って難破船に行きました、船に着くとです。
 甲板から褐色の肌の若い男の人が出て来てです、そして言ってきました。
「あれっ、もう来られたんですね」
「そうなんだ」
 ロビンソンさんはヨットの上から応えました。
「今日とは聞いていたね、フライデーも」
「はい、ですがお昼と思っていました」
「こんなに早くとはだね」
「思いませんでした、まだ九時ですよ」
「あっ、そうだね」   
 魔法使いは自分の左手の腕時計で時間を確認して言いました。
「今丁度だね」
「九時ですよね」
「だからね」
「そういえば私達は朝かなり早くこの島に来たよ」
「七時位だったわね」
 ドロシーも言います。
「そうね」
「うん、ちょっと早く来過ぎたかな」
「そうかも知れないわね」
「いやいや、早いなら早いでいいです」
 フライデーはドロシー達に笑って言いました。
「それじゃあ船の中にです」
「入っていいのね」
「是非、それで楽しくやりましょう」
「それじゃあね」
「さて、では中に入ろう」 
 かかしも言いました。
「これからね」
「実はそこから中に入られますよ」
 フライデーがかかしに言ってきました。
「ドアがありまして」
「あっ、これだね」
 船の船首にありました。
「ここからだね」
「そのドアは防水式でして」
「閉じるとお水が入らないんだね」
「はい、そうでして」
「ここにあってもいいんだね」
「そうです」 
 実際にというのです。
「僕達もそこからです」
「船に出入りしているんだね」
「あと手階段もありますので」
「それでも行けるね」
「そうです、ロープもありますし」
「船に入る方法は色々だね」
「はい、ですが一番手軽なので」
 それでというのです。
「大抵はです」
「このドアからだね」
「入ります、ですから皆さんも」
「うん、今からね」
「中に入って下さい」
「そうさせてもらうよ」
 こうお話してでした、そのドアを開けてです。
 皆難破船の中に入りました、するとフライデーはもう皆の前に来ていました。服装はロビンソンさんの様にラフなブラウスとズボンそれにブーツです。
「ようこそ、別荘に」
「実際に別荘なんだね」
「はい、今は」 
 かかしに笑顔で答えました。
「そうなんです」
「面白いね、ただね」
「ただ?」
「いや、外観は難破船でも」
 かかしは船の中を見回して言いました。
「中身は快適そうだね」
「当時の船の中で」
 見れば木造です。
「設備は今のものです」
「そうなっているね」
「はい」
 まさにというのです。
「これが」
「そうだね」
「テレビもありますし」
「パソコンもだね」
「勿論お風呂もです」
 そちらもというのです。
「ありますよ」
「お風呂もですか」
「そうそう、あの時私は入浴なんてしていなかった」
 ロビンソンさんは笑てって言いました。
「もうね」
「全くですね」
「そうだったよ」
 こうナターシャにお話しました。
「水浴びはね」
「されていましたか」
「時々ね、けれどね」
 それでもというのです。
「身の安全を考えながら」
「それで、ですか」
「やっていてね」 
 そうであってというのです。
「本当にね」
「お風呂はですか」
「入ってなかったよ」
「島におられた頃は」
「当時の欧州は入浴の習慣がなかったし」
 このこともあってというのです。
「それでね」
「お風呂は、ですか」
「入っていなかったよ」
「そうですか」
「そう、けれどね」
 それでもというのです。
「今はね」
「お風呂に入られていますね」
「そうだよ」
「お風呂大好きだよ」
 フライデーはにこりと笑ってお話しました。
「本当にね」
「今はそうなんですね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「そうなられたんですね」
「うん、お風呂はいいね」
 フライデーはナターシャに笑顔のままさらに言いました。
「本当にね」
「それでこの船の中にもですか」
「あるんだ」
 浴室がというのです。
「ちゃんとね」
「サウナとかは」
「そこでサウナ言うんだ」
「はい、私ロシア人なので」
 だからだというのです。
「お風呂といえばです」
「ああ、ロシアだとね」
「サウナですよね」
「そうだったね」
「ですから」
 それでというのです。
「フライデーさんもお好きかと思いまして」
「それで聞いたんだね」
「どうなのでしょうか」
「サウナはこの船の中にはないよ」
 フライデーはこう答えました。
「島のロビンソンさんのお家にあるよ」
「そうですか」
「時々使ってるんだ」
 ロビンソンさんはこう答えました。
「私やお客さん達がね」
「お家に来られた」
「そうなんだ」
「そうですか」
「サウナもいいね、ただイギリスでは」
 ロビンソンさんの母国ではというのです。
「本当にサウナなんてなかったね」
「カンサスでもそうだったわ」
 ドロシーも言ってきました。
「というかお風呂自体本当にね」
「滅多に入らなかったね」
「そうだったわね」
 トトに応えました。
「井戸からお水を沢山汲んで」
「お湯にしてだったからね」
「物凄く手間がかかったから」
「とてもね」
「お風呂はね」 
 それはというのです。
「滅多にだったわ」
「そうだったね」
「お風呂に手軽に入られる」
 魔法使いは微笑んで言いました。
「このことも素晴らしいことだよ」
「そうよね、オズの国に来て」
 ドロシーは魔法使いともお話しました。
「毎日みたいに入られる様になったわ」
「そうだね」
「けれど旅の間は」
「今とは違ってね」
「気軽にはね」
「入られなかったね」
「あちこちに温泉もなかったから」
 それこそ目を向ければある様ではなかったというのです。
「水浴びは出来たけれどね」
「けれどボディーソープやシャンプーが出る草木もなくてね」
「ただ水浴びだけで」
「済ませていたね」
「あの頃はね」
「そうだったね」
「今思うと」
 魔法使いはさらに言いました。
「オズの国でも旅の間は」
「お風呂はね」
「そうは入られなかったわ」
「そうだったね」
「オズの国も変わったわ」
「本当にね」
「僕達も毎日お風呂に入って」
 臆病ライオンは嬉しそうに言いました。
「清潔にしてるしね」
「そうだよね」
 トトは臆病ライオンにも応えました、見れば臆病ライオンは喉を鳴らしていてトトは尻尾を振っています。
「いつもね」
「冒険の間もね」
「今だって毎日入ってるしね」
「ヘリコプターにも浴室あるしね」
「そう、清潔にしないとね」 
 案山子はまさにt@言いました。
「本当に」
「かかし君も洗濯してるしね」
「この身体をね」
 樵に応えて笑顔で言いました。
「そうしているしね」
「僕だっていつも磨いてるしね」
「その身体をね」
「僕も身体を拭いて磨いて」
 ジャックも言います。
「そして服も洗濯しているから」
「清潔だね」
「そうだよ」
 かかしに笑顔でお話しました。
「毎日だしね」
「そうだね」
「清潔にしないと」
 ロビンソンさんは言いました。
「駄目だね」
「そうだよね」
「ですがあの頃は」
「漂流して一人だった頃は」
「それどころではありませんでした」
 そうだったというのです。
「本当に」
「大変だったんだね」
「サバイバルで」
 島での生活はというのです。
「まことにです」
「入浴どころじゃなかったね」
「そうでした」
 その頃はというのです。
「本当に」
「それが今では」
「快適にです」
 かかしに明るく笑ってお話しました。
「暮らしていて」
「お風呂もだね」
「毎日入っています」
「そうだね」
「私もです」 
 フライデーも言います。
「毎日入って」
「そうしてだね」
「服も洗濯しまして」
 そうもしてというのです。
「とてもです」
「清潔なんだね」
「はい」 
 そうだというのです。
「今では」
「それは何よりだね」
「この島での暮らしは最高ですよ」
「快適なんだね」
「とても」
 こう言うのでした。
「そうですよ」
「それは何よりだね、では他の場所もね」
「はい、案内させてもらいます」
 ロビンソンさんが応えてでした。
 使節団の一行はロビンソンさんの国である島の中を案内してもらいました、そうして色々な場所を見ていますと。
「自然が豊かだね」
「はい、何かです」 
 ナターシャはかかしの横から言いました、今も五人一緒です。
「密林みたいですね」
「中南米ですね」
 ブラジル生まれのカルロスが応えました。
「これは」
「そういえば外の世界のロビンソンさんの島は中南米でしたね」
 神宝はこのことを指摘しました。
「丁度アマゾンの傍の」
「だからここもですね」 
 ジョージの口調はしみじみとしたものでした。
「アマゾンに似ているんですね」
「そういえば生きものも」
 恵梨香は島の彼等を見て思いました。
「そうですね」
「そうだね、ここはアマゾンだね」
 かかしはまさにと答えました。
「草木も生きものもね」
「雨が多そうですね」
「スコール降りますね」
「それなら尚更ですね」
「この島はアマゾンですね」
「そうですね」
「そうだね、ここはアマゾンでね」
 まさにと言うかかしでした。
「暮らしていてもね」
「そう、アマゾンですから」
 ロビンソンさんも言います。
「外の世界ではかなり大変でした」
「アマゾンの自然は物凄いそうだね」
「その時は生きることに必死で知りませんでしたが」 
 それでもというのです。
「今はです」
「アマゾンのことを知って」
「その自然に驚愕しました」 
 そうだったというのです。
「本当に」
「オズの国にもアマゾンはあるけれど」
「それでもですね」
「危険はないからね」
 外の世界と違ってというのです。
「安心出来るよ」
「そのことは」
「君も危ない目には遭っていないね」
「オズの国では」 
 ロビンソンさんははっきりとしたお顔と声で答えました。
「そうです」
「それは何よりだね」
「波乱万丈で」
 そうであってというのです。
「特に遭難して」
「島に流れ着いてだね」
「そうして生きていた時は」
 まさにというのです。
「文字通りのサバイバルで」
「死ぬか生きるかで」
「必死で考えて工夫して動いて」
「確か銃のこともだね」
「はい、弾丸や火薬のことも」
「いつも考えていて」
「熱病に悩まされたこともありましたし」
 このこともあってというのです。
「本当にです」
「大変だったね」
「そうでした、ですがオズの国にいますから」
 今はというのです。
「そうした心配もなく快適にです」
「暮らしているね」
「そうです」
「お風呂にも入って」
「牧場もしていまして」
「熱病もないね」
「そうです、気温は快適ですし」
 このこともあってというのです。
「本当にです」
「幸せだね」
「今は」
 そうだというのです。
「あの頃も振り返るといい思い出なのですが」
「今はだね」
「幸せです、そして今はこの国の主でもありますので」
「そのこともだね」
「意識しまして」
 そうしてというのです。
「暮らしています」
「政治も行っているね」
「サインはいつもしています」
「書類で決裁を求めるね」
「国の主ともなりますと」
 それこそというのです。
「本当にです」
「サインが多いね」
「そちらのお仕事が」
 まさにというのです。
「止まりません」
「そうなのよね」
 ドロシーは密林の中の道を歩きつつくすりと笑って応えました、見れば皆土の道をそれぞれ歩いています。
「私だってね」
「書類のサインをしていますね」
「いつもね」
「そうですね」
「オズマが国家元首で」
 オズの国のというのです。
「私が首相だから」
「お二人は王女であられて」
「そしてね」 
 それと共にというのです。
「それぞれ国家元首で首相だから」
「お仕事が多いですね」
「そしてベッツイ、トロットもね」
 この二人もというのです。
「同じよ」
「左様ですね」
「王宮にいる時は」
「いつもサインをしていますね」
「ベッツイとトロットも王女で」
 その立場にあってというのです。
「オズの国の要職にあるから」
「四人で、ですね」
「いつも政治をしていて」
「サインもですね」
「しているわ」
 実際にというのです。
「本当にね」
「そうですね」
「そうそう、国家元首や国の要職にあると」
 かかしも言います。
「本当にね」
「書類のサインは絶対ですね」
「僕も経験しているよ」
「今もですね」
「オズの国の主だった時もそうでね」
 ロビンソンさんに答えます。
「今もね」
「ウィンキーの首相として」
「樵君とジャックと三人でね」
「政治をされていて」
「サインもね」
 これもというのです。
「いつもだよ」
「そうだね」
「だからね」
 それでというのです。
「そのことはわかるよ」
「そうですか」
「政治にはサインが必要だよ」
 絶対にというのです。
「それをしないとね」
「何も動かないですね」
「そうだよ、これはどの国でもだね」
「全くですね」
「外の世界もそうで」
 そうであってというのです。
「オズの国でもだよ」
「同じですね」
「そうだよ、しかしこの国も無事に治まっているね」
 かかしは周りを見回して言いました。
「そうだね」
「そのことがわかるよ」
 樵も言います。
「とてもね」
「そうだね」
「平和で皆穏やかでね」
「生きもの全ての顔がね」
「だからね」
 それでというのです。
「無事に治まっているってね」
「わかるね」
「表情を見れば」
 そうすればというのです。
「わかるからね」
「その国がどういった国か」
「それでね、特にね」
「目だよね」
「そう、目だよ」
 まさにというのです。
「表情の中でね」
「目は特に出るから」
「わかるね」
「そうだよね」
「そういえば」
 ここでフライデーはロビンソンさんを見て言いました。
「昔の護国卿は」
「私かい?」
「はい、目の色が違いました」
「今とはだね」
「今はとても穏やかです」
 そうなっているというのです。
「外の世界で島におられた頃は」
「必死な感じだったかな」
「表情がそうで」
 まずはそちらからお話しました。
「目の色もです」
「そうだったんだ」
「はい」
「やっぱりね」
 ロビンソンさんも言われて頷きました。
「そうなっていたね」
「はい、とてもです」
「必死の表情で」
「目が特にです」
「必死のものだったんだね」
「そうでした」
 まさにというのです。
「あの時は」
「そうだったんだね」
「ですが」 
 それがというのです。
「今はです」
「穏やかかな」
「はい」
 そうなったというのです。
「とても」
「オズの国に来てからだね」
「暖かくて優しい光です」
「私の今の目の光は」
「生気に満ちておられて」
 それと共にというのです。
「そうなっています」
「そうなんだね」
「ですから」
 それでというのです。
「いいと思います」
「そうなんだね、そう言うフライデーもだよ」
「僕もですか」
「明るく優しい」
 フライデーのお顔を見て言うのでした、特に目を。
「いい表情でね」
「目もですか」
「そうなっているよ」 
 まさにというのです。
「いいことにね」
「僕もとは」
「自分もとは思わなかったんだね」
「そうでした」
「自分は中々見られないからね」
「他の人は見られても」
 それでもとです、フライデーは言いました。
「ですが」
「自分はね」
「鏡か」 
 若しくはというのです。
「他に人に見てもらって」
「言ってもらうしかないね」
「客観視することは」
 自分自身をというのです。
「とてもです」
「難しいね」
「はい、本当に」
「そうだね、だから私もね」
「今のご自身の表情がわからなかったですね」
「眼の光もね」
 こちらもというのです。
「わからなかったよ」
「そうでしたね」
「うん、けれどね」
 それでもというのです。
「今わかったよ」
「僕に言われて」
「あの時の目と」
「今の目の違いにですね」
「よくわかったよ、他の人は鏡でもあるね」
「自分を見せてくれる」
「言ってくれてね、あの時は長い間一人だったけれど」
 フライデーに出会うまではです。
「今はね」
「僕達と一緒なので」
「自分のことを言ってもらって」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「ご自身のことに気を付けながら」
「この国で。オズの国でね」
 フライデーを見つつ微笑んでお話しました。
「この島の大統領のお仕事をしながら」
「そうしてですね」
「皆と楽しく過ごしていくよ」
 こう言うのでした、ロビンソンさんはそれからも皆を案内して島で獲れた魚介類や獣それに牧場の山羊のお肉や乳製品でおもてなししました、一行はそちらも楽しんだのでした。








▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る