『オズのエマおばさん』




               第十二幕  宮殿のパーティー

 一行は遂に山の麓の街での楽しい日々を終えました、そのうえでエメラルドの都に戻ることになりましたが。
 皆は街から都に戻る列車に乗りました、豪華なオズの国の王族の乗るお召し列車に乗り込みました。
 お部屋の中はまるで宮殿の中でした、緑の壁に緑の絹のカーテンに緑のビロードの絨毯に緑の大理石の彫刻にです。
 あちこちにエメラルドが飾られています、おばさんはそのとても豪華で奇麗なお部屋に入って驚きました。
「もうここがね」
「宮殿みたいだね」 
 おじさんも驚いて言いました。
「それこそね」
「そうよね」
「そう見えてもね」
 ドロシーがお二人ににこりと笑ってお話しました。
「これは列車の中よ」
「そのお部屋ね」
「そうなんだね」
「オズマが出してくれたの」
 お召し列車をというのです。
「気を使ってくれて」
「いや、それでこの列車に乗って」
「都に行くんだね」
「そうよ、そしてね」
 そのうえでというのです。
「そこでオズマが待っているから」
「オズマ姫主催のパーティーに参加するんだよ」 
 トトも二人に言いました。
「そうするんだよ」
「そして豪華になのね」
「そのパーティーを楽しむんだね」
「そうだよ、そちらも楽しみにしてね」
 こう言うのでした。
「宜しくね」
「ええ、それじゃあね」
「今から暫くこちらで過ごすんだね」
「そうしてもらうわ」
 またドロシーがお二人に言いました。
「数時間位ね」
「列車の旅も出来るなんて」
「素敵だよ」
「その素敵な旅も楽しんでね」 
 こう言ってでした。
 ドロシーは列車を出発させました、緑の制服と制帽の車掌さんと列車で働いている人達が応えてくれてです。
 列車は進みはじめました、するとです。
「風みたいね」
「とても速いね」
 おばさんとおじさんは車窓から景色尾を観て言いました。
「本当にね」
「そして景色もね」
「いいね」
「カドリングの国のね」
「列車の旅ってこれがいいんだよね」
 臆病ライオンも景色を観ています、見れば笑顔になっています。
「速く進む中でね」
「その途中のどんどん景色を観られて」
 腹ペコタイガーも観て笑顔になっています。
「現在進行形で」
「それがいいよね」
「本当にね」
「だから今はね」
「車窓を楽しもう」
「そうしようね」
「うん、列車の中では読書もいいが」
 ムシノスケ教授も車窓を観ています、そのうえでの言葉です。
「こうしてだよ」
「景色を楽しむのもいいね」
「全くだよ」
 モジャボロに答えました。
「実にね」
「これも学問だね」
「列車に乗って列車を知って」
 そうしてというのです。
「そしてね」
「そのうえでだね」
「景色を観てね」
「楽しんでその場所を知る」
「そのこともね」
 実にというのです。
「学問だよ」
「そうだね」
「だからね」 
 それでというのです。
「私は列車の旅もだよ」
「好きだね」
「うん、それで今もだよ」
「楽しんでいて」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「このままね」
「都に戻るね」
「そうしようね」
「あっ、林檎の果樹園があるよ」
 モジャボロの弟さんが言いました。
「かなり大きな」
「そうだね」
 モジャボロも果樹園を観ました、そのうえで応えました。
「赤い林檎が一杯実っているね」
「カドリングのね」
「あの林檎が緑になるとね」
 色が変わると、というのです。
「もうね」
「エメラルドの都だね」
「そうなるよ」
「そうだね」
「どの国の林檎も美味しいんだよね」
「色は違っても」
 それでもというのです。
「同じくね」
「美味しいよ」
「林檎は色で味は決まらないよ」
 教授はこのことを指摘しました。
「そのそれぞれの種類でね」
「決まるね」
「味は」
「人と一緒だよ」
 教授はモジャボロと弟さんにこうも言いました。
「決まるのはね」
「お肌や髪の毛や目の色じゃない」
「そうだね」
「中身だよ」
 それで決まるというのです。
「本当にね」
「そうだね」
「その通りだね」
 二人も確かにと頷きました。
「人は何で決まるか」
「中身だね」
「それで決まるね」
「本当にね」
「だから性格を磨いていくことだよ」 
 教授の言葉は自分にも言い聞かせるものでした。
「それが大事だよ」
「全くだね」
「本当にそうだね」
 二人も兄弟で頷きました、そんなお話をしているうちに列車はカドリングからエメラルドの都に入ってです。
 そこからも進んでドロシーの言う通りに数時間で、でした。
 都の首都に着きました、首都の南門の前に着いてそこから降りるとです。 
 オズマがいました、そしておずの国の名士の人達もです。
「お帰りなさい」
「只今」 
 笑顔で、でした。
 オズマとドロシーは抱擁し合いました、そのうえで挨拶をしました。
 そしてです、オズマは抱擁の後で言いました。
「それではね」
「これからね」
「宮殿に入って」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「パーティーね」
「もう準備は出来ているから」
「じゃあ楽しみにしているわ」
「それでだけれど」
 トロットもいて言ってきました。
「もう美味しいものがね」
「一杯あるのね」
「これでもかっていう位ね」
 こうドロシーに言うのでした。
「本当にね」
「沢山あるのね」
「だからね」
 それでというのです。
「皆でね」
「楽しめばいいわね」
「そうしましょう」
 こう言うのでした。
「いいわね」
「それじゃあね」
「山海の珍味よ」
 ベッツイもドロシーに言ってきました。
「もうね」
「パーティーに出てくるのは」
「それもあらゆる国のお料理がね」
「あるのね」
「そうなの」
 これがというのです。
「本当にね」
「素晴らしいものになりそうね」
「なるわ」
 絶対にという言葉でした。
「これからのパーティーは」
「そう聞くと楽しみで仕方ないわ」
「あれだけ美味しいものを楽しんだのに」 
 おばさんはドロシー達のお話を聞いて列車のお部屋に入った時と同じ位驚きました、そのうえで言うのでした。
「まだなのね」
「わし等は楽しませてもらうのか」
 おじさんも同じ位驚いています。
「あの街に続いて」
「もっと言えば前の漁港に行った時もね」
「凄かったしな」
「それで宮殿でもなんて」
「何て素晴らしいんだ」
「だからそれがオズの国なんだよ」
 そんな二人にトトが言ってきました。
「もう楽しみが自分からどんどん来る」
「そうした世界なのね」
「オズの国は」
「そうだよ」
「トトの言う通りよ」
 猫のエリカがおばさんとおじさんに言ってきました。
「それがオズの国だから」
「受け入れて」
「楽しめばいいんだね」
「わかってるじゃない」
 エリカはお二人の言葉を聞いて笑って言いました。
「それじゃあね」
「パーティーもなのね」
「楽しむんだね」
「そうするのよ」
 そうすればいいというのです。
「これからもね」
「それじゃあ」
「そうさせてもらうよ」
「そしてね」  
 そのうえでというのです。
「私はお魚や鶏肉のお料理をよ」
「楽しむのね」
「そうするんだね」
「そのつもりよ」
「さて、何を食べようか」
 キャプテン=ビルは今からにこにことしています。
「最初は」
「そのことから考えるよね」
 ロバのハンクがキャプテンに応えました。
「パーティーは」
「うん、参加してね」
 そうしてというのです。
「まずはね」
「最初に何を食べるか」
「そして何を飲むか」
「考えるよね」
「嬉しい悩みとしてね」
「そうだね」
「さあ皆で行こう」
 かかしが声をかけました。
「そして楽しもう」
「そうしようね」
 樵も声をかけてきました。
「皆でね」
「うん、音楽にダンスもあって」
 ジャックも楽しそうに言います。
「お芝居だってあるよ」
「どれも最高に楽しいわよ」
 つぎはぎ娘は文字通り飛び跳ねています。
「だから早く行きましょう」
「私もお芝居に出るのよ」
 ガラスの猫は胸を張って言いました。
「楽しみよ」
「私もーーです」
 チクタクもいて言います。
「出演しまーーす」
「何か今回もね」
 カルロスは皆のお話を聞いて言いました。
「素晴らしいパーティーになりそうだね」
「そうだね、ただね」
 ジョージは皆を見て言いました。
「どんなお芝居なのかな」
「それが気になるね」
 神宝も言います。
「聞いてみたら」
「そうね、オズの国のお芝居も多いけれど」
 恵梨香も言います。
「一体どんなお芝居か」
「今から楽しみね」
 ナターシャはこう言いました。
「本当に」
「一つだけ言うわ」
 つぎはぎ娘が五人に言ってきました。
「ミュージカルよ」
「へえ、そうなんだ」
「ミュージカルやるんだ」
「お芝居の種類は」
「それを上演して」
「皆で観て楽しむのね」
「出演する方もね、だからね」 
 それでというのです。
「早く宮殿に入りましょう」
「あの」 
 ここでジュリア=ジャムが来て言ってきました。
「今準備が出来ました」
「全部なのね」
「はい」
 オズマに微笑んで答えました。
「そのことをお知らせに来ました」
「それではね」
「今からですね」
「行きましょう」 
 宮殿にとです、こう言ってでした。
 皆で宮殿に向かいました、そしてパーティー会場の宮殿の中のダンスホールに入るととても大きな皆が横一列に座る大きな緑のシルクのテーブル掛けが掛けられたテーブルがあってです。
 皆そこに座りました、するとオズマが言いました。
「メニューはそれぞれの席の前に置いてあるでしょ」
「ええ、そうね」
 ドロシーが応えました。
「それでそのメニューを見て」
「食べたいものを注文してね」
「そうして食べていくのね」
「一度に何品も頼んでいいわ」
 オズマはこうも言いました。
「そうした形式でね」
「今日は楽しんでいいのね」
「飲みものもね」
 お料理だけでなくというのです。
「そちらもね」
「メニューに書いてあるのね」
「だからね」
 それでというのです。
「何でもね」
「注文して」
「そしてね」
「楽しむのね」
「そうしてね」
「じゃあまずは乾杯だね」
 魔法使いもいて言います。
「これから」
「そうだね、ただ食べられない人達はね」 
 木挽の馬もいます、彼は自分のことも含めて言いました。
「気持ちでね」
「うん、乾杯してね」
「そしてね」
「パーティーを楽しもう」
「皆の笑顔を見てね」
「心の栄養にしようね」
「そうするよ」
 こう魔法使いに応えます、そしてです。
 皆で乾杯してからそれぞれ食べたいもの飲みたいものを注文します、すると本当に山塊の珍味を食材としたです。
 色々な国のお料理がすぐに来ました、それを食べますと。
「美味しいね」
「全くよ」
「どのお料理も美味しくて」
「飲みものだって」
「最高だよ」
「そうね」
 ドロシーは早速舌鼓を打ったカルロス達五人に応えました。
「本当に」
「はい、ハンバーグ美味しいです」
「お刺身も」
「ハンバーガー最高です」
「炒飯素敵です」
「いいボルシチですね」
「そうよね。私もね」
 ドロシーはまずはコーンスープを楽しんでいます、そのうえで言うのでした。
「今実際にね」
「楽しまれていますね」
「美味しいものを」
「飲んで食べて」
「そうされていますね」
「はじまってすぐに」
「こうしてね」
 実際にというのです。
「楽しんでいるわ」
「私もよ」 
 オズマはイカ墨のスパゲティを食べて言います。
「この通りね」
「あっ、イカ墨のスパゲティですか」
「そのスパゲティも美味しいんですよね」
「イカ墨に独特の味があって」
「最高ですよね」
「その黒いソースが食欲をそそりますね」
「このスパゲティを食べて」 
 オズマは真っ黒いインクをかけた様なそのスパゲティをにこにことして食べながらさらに言うのでした。
「それからね」
「さらにですね」
「他のお料理も召し上がられますね」
「そうされますね」
「イカ墨のスパゲティから」
「美味しいものを」
「そうするわ」
 こう言いつつ食べます、そしてベッツイとトロットは。
 ベッツイはポークソテー、トロットは鱈のムニエルを食べて言いました。
「素敵な豚肉よ」
「いい鱈よ」
「じゃあ私次はそれを食べるわ」
「私もよ」
 二人で並んで座って食べつつお話しています。
「是非ね」
「そうしましょう」
「お互いに美味しいものを食べる」
「同じものをね」
「それもいいのよね」
「楽しいことよ」
 笑顔でお話するのでした。
「実にね」
「こうして仲よくお話もしながらね」
「食べることもね」
「パーティーでは特にね」
「楽しいわ」
「さて、そろそろだね」 
 魔法使いがサラダを食べつつ言ってきました。
「お芝居や音楽もだよ」
「はじまるんだね」
「そうだね」
「そうだよ」 
 大きなお肉を食べている臆病ライオンと腹ペコタイガーに答えました。
「いよいよね」
「それじゃあね」
「そちらも楽しもうね」
「今からね」
「うん、そうしようね」
「そちらも楽しもう」
「実は私も何をするか知らないんだ」
 魔法使いは臆病ライオンと腹ペコタイガーにお話しました。
「お芝居も音楽もね」
「そうなんだ」
「魔法使いさんも知らないんだ」
「うん、何をするのかな」
 興味深そうに言いました、そしてです。
 皆が美味しいご馳走を飲んで食べている前で、です。
 まずは音楽がはじまりました、チクタクがギターを演奏するとです。
 つぎはぎ娘とガラスの猫が踊ります、歌も歌いますが。
「この歌は」
「わし等を歌っているな」
 おばさんとおじさんはすぐにわかりました。
「ドロシーを大事に育てて」
「優しくして」
「そして今もドロシーの家族だと」
「歌っているわね」
 つぎはぎ娘とエリカがそう歌っています。
「ダンスをしながら」
「そうしているね」
「いや、そう言われると」 
 おばさんは恥ずかしそうに言いました。
「歌でも」
「恥ずかしいよ」
 おじさんも同じく恥ずかしそうです。
「わし等は別にね」
「特別なことはしていないわ」
「そうなのに歌にしてもらうなんて」
「とても」
「お二人がいないとドロシーはなかったわ」
 オズマが恥ずかしがるお二人に言ってきました。
「今のね」
「そうですか」
「わし等がいないと」
「お二人がいてくれたから」
 だからだというのです。
「ドロシーは育ってカンザスにもね」
「いられた」
「そうなんですね」
「そしてカンザスにいたから」
「オズの国にも来られた」
「そうなりますか」
「若しドロシーがいなかったら」
 そうであったらというのです。
「私達は大切なお友達がいなかったのよ」
「僕はどうなっていたか」
「僕もだよ」 
 かかしと樵が言ってきました。
「ドロシーが動けない僕に油を差してくれなかったら」
「若し僕がドロシーと出会わなかったら」
「果たしてどうねっていたか」
「見当がつかないよ」
「ドロシーが来てくれて」
 オズマはさらに言いました。
「オズの国がどれだけ動いたか」
「全くだね」
「その貢献は素晴らしいよ」
「そのドロシーを育ててくれたから」
「オズの国の皆が喜んでいるよ」
「ドロシーはオズの国の王女の一人で」
 この国全体を治めている、です。
「私を助けてくれる首相でもあるのよ」
「そう、だからドロシーがいないとね」
「私達もどうなっていたかわからないわ」
 トロットとベッツイも言います。
「本当にね」
「見当もつかないわ」
「そしてね」
 オズマはカツレツ、豚のそれを食べつつ言いました。
「お二人もね」
「私達もですか」
「何かありますか」
「とても素直で親切で勤勉な人達だから」
 だからだというのです。
「皆が大好きなのよ」
「そうですから」
「だからですか」
「歌にもなるのよ」
「素晴らしい人は歌で讃える」 
 トロットは蛸のカルパッチョを食べつつお二人にお話しました。
「オズの国では普通なの」
「だからお二人もね」 
 ベッツイは鶏の唐揚げを食べつついうのでした。
「受け入れてね」
「そう言われても」
「どうもな」 
 お二人でお顔を赤くさせて言うばかりでした。
「わし等のことを歌うなんて」
「とても」
「カンザスでひっそりと暮らしていたから」
「何もない平原で」
「素直で素朴な心はそのままでいて」
 キャプテンはお寿司、鮪やハマチやウナギの握り寿司を前にお二人に笑顔でお話しました。日本酒が入った杯もあります。
「感謝をして受け入れるとね」
「いい」
「そうなんだね」
「ええ、そうしたらね」
 そうであるならというのです。
「いいんじゃないかな」
「恥ずかしがらないで」
「そのうえで」
「うん、謙虚さはそのままで」
 お二人のというのです。
「感謝を受け入れる、歌ってもらったら」
「それを素直に受け入れて」
「喜べばいいんだね」
「そうよ、受け入れてもらわないと困るわ」
 歌を終えたつぎはぎ娘も言ってきました。
「あたしだってね」
「そうなの」
「歌う方も」
「そうよ、あたし達のお友達のご家族を歌ってるのに」
「その家族の私達に受け入れられないと」
「困るんだね」
「そうよ、だから受け入れて」 
 そうしてくれてというのです。
「よかったら感想言ってね」
「感想はもうね」
「わし等も決まってるよ」
 おばさんとおじさんはそれぞれ注文したものを食べつつそのうえでつぎはぎ娘に対して応えました。
「最高の気持ちだよ」
「私達のことを歌ってもらって」
「どれだけ嬉しいか」
「言葉では言い尽くせないよ」
「それは何よりね、今度はお芝居で」
 そうであってというのです。
「食べない皆が出演するわ」
「僕も出るよ」
「僕もだよ」
 ジャックに木挽きの馬が出て言ってきました。
「だからね」
「楽しみにしていてね」
「私はーー演奏ーーです」
 チクタクはこう言いました。
「引き続きーーやらせてーーもらいーーます」
「それではね」
「観せてもらうよ」
「さて、やらせてもらおうか」
 かかしも言ってきました。
「これからね」
「そうだね」 
 樵も言ってきました。
「これからね」
「そうさせてもらおうね」
「特別ゲストも来てくれるわ」
 つぎはぎ娘はこうも言いました。
「そちらも楽しみにしてね」
「特別ゲスト?」
「というと」
「もう来る頃よ」
 ガラスの猫が壁の時計の時間を確認して言いました。
「そろそろね」
「一体誰かしら」
「その特別ゲストは」
「今来たわよ」 
 ガラスの猫が言うと、でした。
 ポリクロームが来ました、そうしてひらひらと軽やかに踊りながらそのうえみんなの前まで来てでした。
 一礼してです、あらためて言いました。
「ではこれからね」
「ええ、宜しくね」
「今からお芝居をしましょう」
「練習をしてきた通りね」
「やっていきましょう」
「あれっ、練習してたんだ」 
 モジャボロは林檎を擦った甘いソースをかけたハンバーグを食べつつ声をあげました。
「お芝居の」
「そうだったのよ」
 エリカがお魚のキャットフードを食べつつ答えました。
「これがね」
「そうだったんだ」
「あんた達が旅行に行っている間にね」
「パーティーの準備をしていて」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「お芝居の練習もね」
「していたんだね」
「そうなのよ」
 こうモジャボロにお話しました。
「つぎはぎ娘達はね」
「そうだったんだね」
「いや、まさかのサプライズだよ」
 モジャボロの弟さんは海老や烏賊や貝が葱やキャベツと一緒に入っているソース焼きそばを食べつつ言いました。
「そんな準備していたなんてね」
「その準備をするのもね」
 ハンクは新鮮な牧草を食べながら言ってきました。
「やっぱりね」
「パーティーだね」
「パーティーは準備が大事だね」
「うん」
 弟さんはその通りだと答えました。
「本当にね」
「そうだね、だからね」
「皆丁寧に準備をして」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「今ね」
「お芝居をするんだね」
「練習してきてね」
「そうなんだね」
「じゃあ観ようね」
「それではね」
「さて、どんなお芝居か」
 教授はお豆腐のサラダを食べつつ言いました、お豆腐の白とレタスやセロリの緑にトマトの白小さなコーンの黄色でとても奇麗です。
「楽しみだね」
「そうだね」
 トトはスペアリブを食べつつ応えました。
「一体どんなお芝居か」
「既存のものか新作か」
「そのこともだね」
「楽しみにして」
「そうしてね」
 そのうえでというのです。
「観ようね」
「そうしようね」 
 こうしたお話をしてお芝居を待ちます、そしてです。
 お芝居がはじまりました、何とおばさんとおじさんが主役のお芝居で。
 おばさんはつぎはぎ娘、おじさんはジャックが演じてドロシーはポリクロームでした、トトはガラスの猫で。
 かかしと樵は本人で臆病ライオンは木挽きの馬でした、皆で歌って踊りながらお芝居をするミュージカルでした。
 そのミュージカルを観てです、おばさんとおじさんはまた言いました。
「皆が私達のお家に来てくれて」
「そしてプレゼントをしてくれるんだね」
「また私達ね」
「わし等のことだね」
「脚本を書かせて頂きました」
 ジュリアがお二人のところに来て言ってきました。
「実はボームさんに小説や脚本のことを教わっていまして」
「そうしたものを書いているの」
「そうなんだね」
「はい、そうしていまして」
 それでというのです。
「私はです」
「そうしたことをしているんだ」
「そうなのね」
「はい、そして」
 そのうえでというのです。
「今回は脚本を担当しました」
「皆が私達のプレゼントを考えてくれて」
「それで実際にプレゼントしてくれる」
「プレゼントは黄金の林檎」
「あれだね」
「そうです、あの林檎がいいと思いまして」
 それでと答えるジュリアでした。
「そうしたのですが」
「あの林檎はよかったわ」
 微笑んで、です。おばさんはジュリアに答えました。
「本当にね」
「全くだよ。ドロシーのプレゼントは何でも嬉しいけれど」
 おじさんも言いました。
「あの黄金の林檎は特に嬉しかったよ」
「伝説のものでね」
「まさか食べられるなんて思わなかったからね」
「ああしたものをね」
「それをドロシーがプレゼントしてくれるなんて」
「最高だったわ」
「そう思いまして」
 ジュリアはにこりと笑ってお話しました。
「あちらにしました」
「とてもいいわ」
「あの時のことを思い出してね」
 お二人は今度はうっとりとしてお話しました。
「とても素敵なお芝居だよ」
「本当にね」
「お気に召されたなら何よりです」
 ジュリアはお二人の笑顔を浮かべたうえでの言葉にこれまで以上に笑顔になりました。
「まことに」
「最高の気持ちよ」
「感謝しているよ」
「それは何よりです」
「私も嬉しいわ」
 ドロシーは自分を演じているポリクロームを観ています、そうしてすっぽんの煮たものを食べながら言うのでした。
「ポリクロームに演じてもらって」
「服はドロシーさんのものですね」
 カルロスが言ってきました。
「まさに」
「冒険の時の青いスカートの服ですね」
 神宝も言いました。
「最初に来られた時から冒険の時に来ておられる」
「ポリクロームはわざわざ着替えて」
 それでと言うジョージでした。
「演じていますね」
「いいですね」 
 恵梨香はにこりと笑って述べました。
「ポリクロームのお芝居」
「歌も踊りも演技も」
 ナターシャはその全てがと言いました。
「最高ですね」
「ええ、他の皆も素晴らしいから」
 ドロシーは五人の子供達にうっとりとなってお話しました。
「本当にね」
「いいお芝居ですね」
「脚本もいいですし」
「勿論音楽も」
「本格的ですね」
「衣装も舞台も素敵で」
「この舞台はね」 
 魔法使いが生牡蠣にレモン汁をかけたものをとても美味しそうに食べながら五人に対してお話しました。
「魔法でね」
「セッティングされてるんですね」
「お二人の村そのままですが」
「そうなっているんですね」
「素敵な舞台ですけれど」
「そうなんですね」
「そうなんだ、その魔法はね」  
 五人ににこりと笑って言いました。
「私のものだよ」
「あっ、そう言われますと」
「魔法使いさんの魔法って合ってますね」
「お芝居に」
「舞台のセッティングに」
「そうですね」
「そう、おあつあらえ向きだからね」
 まさにというのです。
「それでなんだ」
「魔法使いさんが担当されたんですね」
「魔法を使われて」
「舞台設定をされたんですね」
「そうですか」
「それでこうなったんですね」
「魔法はいい方向に使うとね」
 そうすればというのです。
「この通りね」
「素晴らしいものを生み出しますね」
「素敵な舞台も」
「そうしてくれるんですね」
「正しく使うと」
「今回みたいに」
「そうだよ、ちなみに科学も使ったよ」  
 こちらの技術もというのです。
「二つの力を正しい方向に使う」
「人を喜ばせる」
「人の役に立つ」
「人を幸せにする」
「人を助ける」
「人を癒す」
「そうした目的の為に使えば」
 それこそというのです。
「こうしたものにもなるんだよ」
「その通りね」
 オズマは卵焼きを食べながら頷きました、この娘も他の皆もよく食べるオムレツではなくそちらです。
「何といってもね」
「魔法と科学はね」
「正しい方向にね」
「併せて使うとね」
「この舞台もそうで」
 そうであってというのです。
「そしてね」
「他のこともね」
「あらゆることでね」
 まさにというのです。
「最高のものをね」
「生み出してくれるね」
「オズの国ではそうした方向に使っているから」
 正しい方向にというのです。
「だからね」
「それでだね」
「ええ、オズの国もね」
「どんどんよくなってね」
「素晴らしくなっていっているのよ」
「それでなのね」
 おばさんはオズマと魔法使いのお話を聞いて言いました。
「私達はこんなに幸せなのね」
「旅行に連れて行ってもらって」
 おじさんも言います。
「そしてね」
「このパーティーにも参加させてもらって」
「いいことばかりだよ」
「本当にね」
「力も技術も気持ちもね」
 ドロシーはお二人に言いました。
「正しい方向に使うもので」
「オズの国ではね」
「常にそうなるんだね」
「そうなの、だから素晴らしい国なの」
 まさにというのです。
「この通りね」
「そうね、じゃあこれからもね」
「この国でね」
「幸せに過ごしてね。それでね」
 さらに言うドロシーでした。
「感謝とお礼はね」
「ええ、お互いにね」
「与え合うものだね」
「そうなの」
 ドロシーは海老の蒸し餃子を食べつつ応えました。
「オズの国ではね」
「もうわかったわ、これからはね」
「感謝とお礼を受け取らせてもらうよ」
 お二人も応えました、おばさんは海老や烏賊や山菜の天婦羅を、おじさんは海老や鶏肉や銀杏が入った茶碗蒸しを食べています。
「そしてそのうえでね」
「皆にもね」
「そうしてね。ただね」
 ドロシーはお二人にこうも言いました。
「皆おばさんとおじさんにはね」
「いつも与えられているよ」 
 トトも言ってきました。
「素晴らしいものをね」
「それは何かしら」
「善意だよ」
「それよ」
 トトそれにドロシーが言いました。
「いつもね」
「皆おばさんとおじさんから受けているよ」
「目には見えないけれど」
「それをちゃんとね」
「善意ね」
 おばさんは目を瞬かせて応えました。
「それが一番素晴らしいのかしら」
「そうよ」
 ドロシーはその通りだと答えました。
「それこそが最高のね」
「プレゼントなのね」
「物事をちゃんと見て」
 そうしてというのです。
「人にあげる善意はね」
「最高のプレゼントなの」
「そうよ、皆いつもね」
 それこそというのです。
「村の人達もね」
「受けているのね」
「おばさんとおじさんの善意をね」
「自覚していなかったけれど」
 おばさんは神妙なお顔で言いました。
「そうなのね」
「そうよ、だからこれからもね」
「善意をなのね」
「持ってね」
 そうしてというのです。
「皆優しく公平にね」
「善意をプレゼントしていくのね」
「そうしていってね」
「わかったわ」
 おばさんはドロシーの言葉に笑顔で頷きました。
「それじゃあね」
「そうしていってくれるわね」
「そうしていくわ」
「わしもだよ」  
 おじさんもドロシーに言いました。
「是非ね」
「そうしていってね」
「そうして皆でね」
「笑顔になるわ」 
 おばさんはこうも言いました。
「そうなる様にしていくわ」
「ええ、私もそうしていくし」  
 ドロシー自身もというのです。
「皆でそうしていきましょう」
「ええ、これからも」
「ずっとそうしていこう」
 おばさんもおじさんもドロシーの言葉に頷きました、そうしてです。
 皆でパーティーを楽しみました、お二人はその後でドロシーに列車で村の自分達のお家まで送ってもらいました、そこでドロシーにまた旅行に行きましょうと言われて満面の笑顔そうしようと答えたのでした。


オズのエマおばさん   完


                  2024・3・11








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