『オズのエマおばさん』
第十一幕 すっかり満喫して
皆は山の妖精の村の宿屋に一泊しました、夜はお野菜や果物それにパンをたっぷりと頂きました。朝ご飯はオートミールでした。
そのオートミール、村の畑で採れた大麦と牧場の牛乳を使って作ったそれを食べ終えるとです、ドロシーは皆に言いました。
「これから街に帰るけれど」
「それで街でなのね」
「また美味しいものを食べるんだね」
「今日のお昼はイタリア料理よ」
おばさんとおじさんに笑顔で答えました。
「そちらになるわ」
「というとパスタね」
「それにピザだね」
お二人はドロシーの言葉を聞いて言いました。
「そういうものだね」
「そちらを食べるのね」
「ええ、そしてね」
それにというのでした。
「生ハムやラザニアや肉料理もね」
「食べるのね」
「そうするんだね」
「そうしましょう、ジェラートもね」
このお菓子もというのです。
「食べましょう」
「これまた楽しみね」
「全くだよ」
「それじゃあね」
「今から村に帰ろうか」
「そうしましょう」
ドロシーはにこりとした笑顔で言いました、そうしてです。
皆で街まで歩いて帰りました、街に着いた頃はもうお昼前でトトはドロシーに対してこんなことを言いました。
「いや、ここまでずっと歩いてね」
「いい運動になったでしょ」
「山の中の景色を楽しめたしね」
「森林浴もね」
「そこにいる生きものも見られたし」
それでというのです。
「かなりよかったよ」
「そうでしょ、それじゃあね」
「これからだね」
「ええ、レストランに入ってね」
「イタリア料理のね」
「そこで食べましょう」
「それじゃあね、それでスパゲティも食べるよね」
トトはドロシーに尋ねました。
「やっぱり」
「ピザとラザニアもね」
「そういったものもだね」
「それにね」
ドロシーはさらにお話しました。
「猪の生ハムとね」
「そちらもあるんだ」
「ええ、それとね」
ドロシーはさらにお話しました。
「サラダもね」
「あるんだね」
「この街の畑で採れたお野菜で作った」
そうしたというのです。
「サラダにね、肉料理は」
「何かな」
「トリュフとフォアグラを添えたね」
「凄いね、それは」
「ステーキよ、あとエスカルゴもよ」
この食べものもというのです。
「出るから」
「エルカルゴまでなんだ」
「そう、出してくれるのよ」
「とんでもないご馳走だね」
「そうね、けれどね」
ドロシーはトトにお話しました。
「私達はこれからね」
「そのご馳走を頂くんだね」
「そうするから。いいわね」
「今からだね」
「そのレストランに行きましょう」
「そうしようね」
トトも頷きました、そうしてです。
皆で赤い煉瓦の道を歩いて左右の赤い建物を観ながら進みました、その赤はまさにカドリングの赤でした。
そしてお店に着くとです。
皆はパーティールームに案内されました、それからすぐにお料理が出ましたが。
「スパゲティはボロネーゼだね」
「ピザはサラミとチーズでね」
腹ペコタイガーとお臆病ライオンはその二つのお料理を見てお話しました。
「どれも美味しそうだね」
「本当にね」
「このボロネーゼやサラミもね」
「この街の幸だね」
「そうよ、山や平地のね」
ドロシーは二匹にその通りだと答えました。
「幸よ」
「そうだね」
「じゃあ楽しもうね」
「ええ、そしてね」
それでというのでした。
「ラザニアの中の挽肉もチーズもね」
「同じだね」
「やっぱりこの街の幸だね」
「豚肉でね、それで生ハムは」
ドロシーはそちらも見ました、ボイルされたお野菜を巻いています。
「猪のもよ」
「生ハムはそちらなんだ」
「猪のものなんだ」
「それでサラダはこの街の畑で採れたもので」
先程言った様にというのです。
「メインのステーキはね」
「大きいね」
「物凄く大きな牛肉だね」
「この街の牧場のもので」
そうであってというのです。
「フォアグラもそうでね」
「トリュフは山のもの」
「そうなっているね」
「いや、豪勢だね」
「こうして前にしてお話を聞くと尚更思えるよ」
「それでデザートはジェラートが出るから」
だからだというんです。
「皆で食べましょう」
「うん、今からね」
「そうしよう」
二匹だけでなく皆も応えました、そうしてです。
皆で食べていきました、ムシノスケ教授はボロネーゼを食べてにこりとなってそのうえで言いました。
「うん、実に美味しいよ」
「ラザニアもいいよ」
「ピザだってね」
モジャボロは弟さんと一緒にその教授に言いました。
「とても美味しくてね」
「頬っぺたが落ちそうだよ」
「全くだよ、流石はドロシーが案内してくれたお店だよ」
教授はこうも言いました。
「実にいいよ」
「うん、それではね」
「どんどん食べていこうね」
モジャボロも弟さんもこう言って食べていきます、そしてボイルしたお野菜を巻いた生ハムをお野菜と一緒に食べますと。
「こちらもね」
「美味しいね」
「とてもね」
三人でお話します。
「生ハムもお野菜もね」
「凄くいいよ」
「あっさりしていて食べやすくてね」
「それでいてしっかりした味で」
「外見も洒落ていて」
「栄養もあるしね」
「サラダもあるから」
ドロシーはレタスをベースにセロリやキャロット、トマトや人参、パイナップルが入ったサラダを食べて言いました。
「こちらも食べてね」
「うん、後でね」
「そちらも絶対に食べるよ」
「美味しそうだしね」
「そうしてね」
サラダを食べつつ言うドロシーでした。
「是非ね」
「それではね」
「そうさせてもらうね」
「今食べているものの後でね」
「パンもあるしね」
ドロシーは今度はパンを見ました、赤いカドリングのパンですが。
そのパンに苺のジャムを塗って食べてです、カルロスは言いました。
「この苺のジャムも美味しいよ」
「ブルーベリーのジャムもだよ」
ジョージはこちらを塗っています。
「美味しいよ」
「オレンジだってね」
神宝はこちらのジャムでした。
「いいよ」
「林檎のジャムもよ」
恵梨香も言います。
「美味しいわ」
「桃のジャムはね」
ナターシャはそちらを塗ったパンを食べています。
「えも言われない味よ」
「ううん、パンだけでなくジャムも美味しいよ」
カルロスは心から言いました。
「本当にね」
「そのジャムもよ」
ドロシーはカルロス達五人にもお話しました。
「この街の幸から作っているのよ」
「そうなんですね」
「それでこれだけ美味しいんですね」
「物凄く甘いです」
「こんな美味しいジャムもあるんですね」
「これだけでも凄いですね」
「そうでしょ、だからね」
それでと言うドロシーでした。
「ジャムも楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
「本当に美味しいですから」
「勿論他のものも頂きます」
「パンにジャムだけでなく」
「他のお料理も」
「そうしてね」
ドロシーもそのパンにカルロスと同じく苺のジャムを塗って食べました。それはとても美味しいものでした。
そしてステーキを食べますが。
「こんなステーキあるのね」
「いや、いいね」
おばさんとおじさんが食べて言いました。
「程よい焼き加減で」
「おソースも美味しいわ」
「フォアグラやトリュフもあって」
「かなりいいわ」
「そうでしょ、お肉自体もよくてね」
ドロシーはお二人にも応えました。
「おソースや一緒にあるものもよ」
「美味しくて」
「この味なんだね」
「そうなの。フォアグラだってね」
こちらもというのです。
「かなり質がいいものなのよ」
「フォアグラの中でも」
「そうなんだな」
「トリュフもね」
「質がいいのね」
「こちらもかい」
「そう、だからね」
それでというのです。
「遠慮なく食べてね」
「ええ、ただね」
ここのおばさんはドロシーに言いました、ステーキを食べながらそうしました。
「このステーキ焼き方もソースも」
「アメリカ風とは違うでしょ」
「イタリアのものなのね」
「そう、イタリアのステーキなのよ」
ドロシーはまさにと答えました。
「そうなのよ」
「そちらもなのね」
「そうなの、イタリア料理のレストランだから」
それ故にというのです。
「こうしたものになっているの」
「こちらも美味しいわね」
「そうでしょ、イタリア料理は美味しいのよ」
ドロシーはにこりと笑って答えました。
「だからね」
「案内してくれたのね」
「今ね」
実際にというのです。
「そうさせてもらったのよ」
「そうなのね」
「それでね」
ドロシーはさらに言いました。
「デザートも食べてね」
「ジェラートね」
「そちらもね」
デザートの方もというのです。
「この街の幸を使っているのよ」
「そこは同じね」
「ええ、山の幸に平地の幸をね」
その両方をというのです。
「使っているのよ」
「ジェラートにしても」
「ミルクも卵もね」
この二つもというのです。
「お砂糖だってそうよ」
「お砂糖もなのね」
「サトウキビもてんさいもね」
このどちらもというのです。
「この畑にはあるから」
「どちらも畑で栽培しているのね」
「そう、そしてね」
そうであってというのです。
「お砂糖もね」
「ジェラートに使われているのね」
「そうなのよ」
「お砂糖までなのね」
「ええ、そのお砂糖も違うから」
今お話しているそちらもというのです。
「凄くいいお砂糖になっているの」
「お砂糖までなのね」
「お砂糖がないとね」
そうなると、とです。ドロシーは言いました。
「やっぱりね」
「甘いお菓子は作られないわね」
「お砂糖があれば」
そうであればとです、ドロシーはさらにお話しました。
「お菓子も作られるし他のお料理にも使えるから」
「いいわね」
「そう、だからね」
「この村でも作っているのね」
「それも質のいいものをね」
「そうなのね」
「だからね」
おばさんにそれでと言いました。
「ジェラートも楽しんでね」
「ええ、けれどね」
おばさんはここで遠慮深そうな口調と表情になりました、そのうえでドロシーに対してこうしたことを言いました。
「ここまでしてもらうなんてね」
「前の漁港の時といいね」
おじさんもドロシーに言いました。
「悪いよ」
「ええ、ドロシーにね」
「そして他の人達からね」
「おばさんもおじさんもいい人達で」
ドロシーは困っている風にも見えるお二人に笑顔で言いました。
「私の家族だから」
「それでなの」
「ここまでしてくれるんだね」
「そうよ」
まさにというのです。
「だからね」
「遠慮は無用なの」
「そうなんだね」
「そうよ」
ドロシーはトリュフを食べつつ言いました。
「むしろ私の方がね」
「私達が遠慮したり恐縮したら」
「困るんだね」
「そうなるから」
それでというのです。
「そうしたことはね」
「しないことね」
「そうなんだね」
「感謝はお礼はね」
そうしたものはといいますと。
「同じもので返す」
「感謝やお礼で」
「そうすることだね」
「オズの国の法律ではね」
「そうね、遠慮はしないで」
「喜びで返すんだったね」
「感謝してくれるなら」
それならというのです。
「感謝してくれてお礼ならね」
「私達のお礼ね」
「それで返すことだね」
「そうしてね」
こう言うのでした。
「いいわね」
「ええ、それじゃあね」
「そうさせてもらうよ」
おばさんとおじさんもそれならと応えました。
「今回のことは」
「前回のこともね」
「私だってお礼で返しているのよ」
ドロシーにしてもというのです。
「おばさんとおじさんにどれだけよくしてもらったか」
「カンザスにいた時に」
「あの時にだね」
「お二人はどうとも思っていなくても」
それでもというのです。
「私の両親だから」
「うん、おばさんとおじさんがいないとね」
トトも言ってきました、もう一匹の家族である彼も。
「ドロシーも僕もどうなっていたかわからないよ」
「私達お父さんもお母さんもいないけれど」
ドロシーもトトもです。
「本当におばさんとおじさんがね」
「親なのね」
「そうなるんだね」
「おばさんがお母さんでね」
ドロシーから見ればです。
「おじさんがお父さんよ」
「私達には子供がいないから」
おばさんはそれでと答えました。
「ドロシーは娘よ」
「可愛くて優しい娘だよ」
おじさんも言いました。
「明るくて朗らかでね」
「ドロシーがいてどれだけよかったか」
「わし等二人だけでカンザスにいたら」
大平原の中の小さなお家にというのです。
「どれだけ寂しいか」
「あんな広くて何もないところに」
「あそこに二人だけね」
ドロシーはお二人のお話を受けてカンザスを思い出しました、そうしてそのうえでお二人にお話しました。
「それだとね」
「わかるわよね」
「どれだけ寂しいか」
「けれどドロシーがいてくれて」
「本当に嬉しかったんだよ」
そうだったというのです。
「そして今もね」
「オズの国にいてもこうして会えるしね」
「どれだけ素晴らしいか」
「嬉しいことか」
「私は何もしていないのに」
それでもと思うドロシーでした。
「おばさんとおじさんにいいことをしているのね」
「カンザスにいた時からね」
「もっと言えばわし等の家族になってからもだよ」
「トトも来てくれたし」
「こうしてオズの国で暮らす様にもしてくれたし」
「今もよくしてくれて」
「いてくれるだけでだよ」
まさにそれだけでというのです。
「ドロシーには感謝しているよ」
「心からね」
「そうなのね」
「そうよ」
「本当にね」
こう言うのでした。
そしてです、ここでカルロスがドロシーに言いました。
「感謝し合ってお礼をし合っていますね」
「私達は」
「いつも」
「そうしているのね」
「お互いに」
「そう思っているのね」
「はい」
そうだというのでした。
「僕は」
「そうなのね」
「違うでしょうか」
「いえ、言われるとね」
それならと答えたドロシーでした、ステーキを食べながら言います。
「確かにね」
「そうなるんですね」
「そう思ったわ」
実際にというのです。
「私はね」
「そうですか」
「いいことね」
ドロシーは笑顔でこうも言いました。
「お互いそうであることは」
「感謝し合ってお礼をし合う」
「そうしたことをすることはね」
「いいことですね」
「ええ、そしてね」
それにというのでした。
「これからもそうした間柄でね」
「いることですね」
「是非ね」
まさにというのです。
「続けていきましょう」
「ずっとですね」
「永遠にね」
「そうですね」
カルロスもまさにと頷きました。
「お互いにそうしていけばです」
「これ以上いいことはないから」
「だからですね」
「そうしていきましょう」
「お互いに」
「ええ、それじゃあおばさんおじさんともね」
お二人を見て言いました。
「感謝し合ってね」
「お礼をし合う」
「そうしていくわ」
「これからも」
「永遠にね。そしてね」
ドロシーはさらに言いました。
「今はここにあるお料理を食べたら」
「その後で」
「ええ、デザートのね」
「ジェラートですね」
「そちらも食べましょう」
「わかりました」
カルロスは笑顔で応えました、そうしてです。
皆で冷たくて甘いジェラートも食べました、そちらもかなり美味しかったです。そうしてそれを食べてからでした。
お店を後にしました、そこから少し言った街の噴水の傍でマリオネット小屋やパフォーマンスをしていますが。
それを見てです、おばさんは言いました。
「面白いわね」
「そうだね、マリオネットに歌に」
「笛にね」
「パントマイムもあって」
それでというのです。
「とてもね」
「面白いわね」
「それぞれね」
「観ましょう」
ドロシーはお二人の言葉を受けて言いました。
「お昼ご飯はいただいたし」
「それでなのね」
「今度はだね」
「こちらを観ましょう」
こう言うのでした。
「そうしましょう」
「色々あるし」
「それじゃあね」
「こうしたものもいいよね」
臆病ライオンは笑顔で言いました。
「観ていてね」
「そうだね」
腹ペコタイガーもそうだと頷きました。
「こうしてね」
「観ていてね」
そうしていてというのです。
「いいね」
「そうだね」
「だからね」
それでというのです。
「ドロシーがそう言うなら」
「観ようね」
「明日はね」
ドロシーは二匹にもお話しました。
「この街を発つわ」
「今回の旅行も終わりだね」
「そうなるね」
「その前にね」
是非にというのです。
「こうしたものも観て」
「そうしてだね」
「楽しむんだね」
「そうしましょう」
笑顔での言葉でした。
「これからね」
「うん、そうしようね」
「是非ね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「夜も楽しんで」
「そのうえで」
「それでだね」
「明日の朝には街を発って」
そうしてというのです。
「宮殿に戻りましょう」
「そしてそちらでもだね」
教授が聞いてきました。
「楽しいことが待っているね」
「ええ、パーティーがね」
それがというのです。
「待っているわ」
「そうだね」
「そしてそのパーティーにはね」
にこりと笑って言うのでした。
「おばさんとおじさんもね」
「一緒だね」
「そのパーティーの後で」
「お二人は村に帰る」
「それまでがね」
「今回の旅だね」
「旅はお家に帰るまでだけれど」
それまでが旅だというのです。
「その最後のクライマックスがね」
「宮殿でのパーティーだね」
「皆が待っているわよ」
そのパーティーではというのです。
「オズの国の名士のね」
「勿論オズマ姫もいるね」
モジャボロは嬉しそうに言いました。
「そうだね」
「勿論よ」
ドロシーはにこりと笑って答えました。
「だって今回のパーティーを開いてくれるのはね」
「オズマ姫だから」
「あの娘もね」
「参加してくれるね」
「それでよ」
「他の皆もだね」
「参加してくれて」
そうしてというのです。
「皆でね」
「楽しむね」
「そうするのよ」
「だから楽しみだね」
「私もね」
「いや、いつも楽しいパーティーになるんだよね」
モジャボロの弟さんもにこにことして言います。
「宮殿で開かれるものはね」
「そうよね」
「オズの国のパーティーは全部楽しいものになるけれど」
「宮殿の中で開かれるものはね」
「特にね」
「楽しいものになるわね」
「だからね」
それでというのです。
「そちらもね」
「期待していよう」
「是非ね」
「旅って外の世界じゃ終わりが近付くと」
トトはドロシーにこう言いました。
「楽しいものがもうすぐ終わるって」
「思うわね」
「それでね」
そうなってというのです。
「残念に悲しくね」
「思うわね」
「そう思うものだね」
「ええ、けれどね」
「オズの国だとね」
「終わってもね」
楽しい旅がとです、ドロシーは言いました。
「すぐによ」
「別の楽しいことがはじまるから」
「そう思うことはね」
「ないね」
「そうよ」
トトに明るい笑顔でお話しました。
「それがよ」
「オズの国だね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「今回もね」
「そうした気持ちでね」
「いられるわ」
「絶対に」
「ええ、絶対によ」
まさにというのです。
「そうなるわ」
「そのこともいいことだね」
「本当にね」
「いいことばかりだね」
「楽しいばかりでね」
「本当にオズの国ならではだよ」
トトはマリオネットの小屋の人形達がマリオネット師の人によって自在に動かされているのを見て言いました。
「本当に」
「楽しいことばかりでね」
「旅行が終わっても」
「寂しいと思わないのはね、楽しいことが終わって」
そうなってというのです。
「よかったって満足していると」
「そこにだね」
「もうすぐにね」
それこそというのです。
「その瞬間によ」
「満足感を持ったままね」
「楽しいことが終わって」
ドロシーは笛、オカリナを吹く人が出す笛の音色に耳を傾けさせつつトトに対してさらにお話しました。
「その満足感の中でね」
「すぐにだね」
「別の楽しいことがね」
「はじまって」
「そうなってね」
それでというのです。
「残念とか悲しいとか寂しいとか」
「思うことはないわね」
「そうよ」
まさにというのです。
「だからね」
「僕達もだね」
「今回もね」
「パーティーが終わって」
「おばさんとおじさんがお家に帰ったら」
そうしたらというのです。
「その瞬間にね」
「別の楽しいことがだね」
「はじまるわ」
「そうなるね」
「だからね」
そうだからだというのです。
「今はね」
「僕達の前にあるね」
「参雄ネットにオカリナにね」
「アコーディオンにバイオリンに」
「パントマイムに」
「曲芸を観ようね」
「そうしましょう」
こう言うのでした。
「皆でね」
「そうしようね」
「凄いですね」
カルロスはその出しものを観て言いました。
「どれも」
「マリオネットもパントマイムも」
恵梨香も言います。
「皆さんとてもお上手です」
「バイオリンだって」
ナターシャはその音色に聴き惚れています。
「とてもいいです」
「こうして前にいるだけで」
神宝はうっとりろなっています。
「凄くいいですね」
「色々なものを観て聴けて」
それでと言うジョージです。
「最高ですね」
「そうでしょ、だから今はね」
「ここにいてですね」
「観て聴いていきますね」
「そうしますね」
「そうして楽しみますね」
「何ならね」
ドロシーはカルロス達五人にお話しました。
「座って観ましょう」
「座るんですか」
「そういえばそうして観ている人もいますね」
「そうしてじっくりと」
「お茶まで飲んで」
「テーブルも用意して」
「だからね」
そうした人もいるからだというのです。
「ここはね」
「そうもしますか」
「それじゃあですね」
「椅子出しますか」
「それにテーブルも」
「そうしますか」
「それはいいけれど」
おばさんはドロシー達のお話を聞いて言いました。
「椅子やテーブルは何処にあるの?」
「何処かで借りるのかい?」
おじさんも言いました。
「そうするのかい?」
「いえ、出すのよ」
笑顔で、です。ドロシーはお二人に答えました。
「今から私はね」
「椅子を出すの」
「テーブルも」
「このバッグの中にね」
お二人に自分が右肩から下ろしている小さな女の子用のバッグを見せてお話しました。緑の可愛らしいデザインで王家の紋章が入っています。
「入っているのよ」
「椅子やテーブルが入っているの」
「そうなの」
まさにというのです。
「この中にね」
「それも魔法なのね」
「そう、魔法でね」
「その中に入れられているのね」
「このバッグの中はとても広くて」
そうなっていてというのです。
「色々なものが入っているのよ」
「そうなのね」
「四次元みたいにね」
「あのSFのお話ね」
「ええ、ああした感じでね」
それでというのです。
「このバッグの中には何でもね」
「入っているのね」
「椅子もテーブルも幾つも入っていて」
そうしてというのです。
「いつも旅行で使うテーブル掛けや他の魔法の道具もね」
「魔法の道具もなの」
「入っていて」
そうであってというのです。
「必要な時にね」
「出せるのね」
「その中にあって私が出したいと思って」
そうしてというのです。
「その出したいものを心の中で願って私がバッグの中に入れたら」
「その出したいものが出て来るのね」
「それで中に入れることも出来るのよ」
「凄いバッグね」
「オズマ達が作ってくれたの」
オズの国の魔法が使える人達がというのです。
「そうしたものなの。だからね」
「椅子もテーブルも出せるのね」
「だからね」
それでというのです。
「これからね」
「そういったものを出して」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「これからね」
「座って落ち着いて」
「じっくりとね」
そうしてというのです。
「観て聴きましょう」
「それならね」
おばさんも頷きました、そしてです。
皆でドロシーが出した椅子に座ってテーブルを囲んで落ち着きました、椅子もテーブルも樫の木で造られたものでしっかりしています。
その椅子に座ってテーブルに手を置いてです、おじさんは言いました。
「いいな」
「そうね」
おばさんも頷きます。
「椅子もテーブルも」
「立派なものよ」
「しかもね」
おじさんはさらに言いました。
「それぞれのパーティーの感じだね」
「そんな風に出してくれたわね、ドロシーは」
「ええ、私達とね」
ドロシーは同じテーブルにいるおじさんとおばさんに言いました、トトもいます。
「教授とモジャボロと弟さんで」
「五人の子供達」
「そう分けられているわね」
「そして生きものの三匹よ」
見れば臆病ライオンと腹ペコタイガーとトトもテーブルを囲んでいます、それぞれの席の上に生きものの座り方で座っています。
「そうね」
「四つに分けたのね」
「そうしたんだね」
「大きなテーブルを出すよりもね」
おばさんとおじさんにお話しました。
「今はその方がいいと思って」
「それでなのね」
「こうしたんだね」
「そうなの」
まさにというのです。
「今回はね」
「考えたわね」
「そしていい考えだね」
「そうでしょ、それでね」
そのうえでというのです。
「じっくりと観て聴きましょう」
「パフォーマンスや音楽を」
「そうするんだね」
「そうしましょう」
こう言うのでした。
「そして三時になったらね」
「おやつね」
「そちらを食べるのね」
「その時何を食べるか」
それはというのです。
「おやつに」
「何がいいかしらね」
「考えてしまうよ」
ご夫婦でお話しました、ドロシーの言葉を受けて。
「どうしても」
「そうよね」
「この街は甘くて美味しいものも一杯あるから」
「どうしてもね」
「嬉しい悩みね」
「全くだよ」
「ええ、悩みも嬉しい悩みなら楽しみだから」
それでとです、ドロシーも言います。
「だからね」
「それでなのね」
「今は悩むことだね」
「そうして決めましょう」
こうお話してです。
街の石造りの泉、赤い石の中できらきらと輝き日光を浴びて虹も見せているそちらの傍での多くの芸を観つつです。
皆で悩みました、そして三時のおやつの時間には。
「モンブランのケーキに苺のタルト」
「そしてアップルパイだね」
「いいわね」
「この村の天井幸を使ったお菓子はね」
「とてもいいわ」
「美味しいよ」
「そうよね」
ドロシーはそれ等のティーセットを前に一緒にいるおばさんとおじさんに応えました。
「最高にね」
「紅茶も美味しいわ」
「シナモンティーもね」
「このお茶もね」
こちらもというのです。
「同じよ」
「お茶の葉がなのね」
「この街のものなのね」
「お茶畑で採れたね」
この街のというのです。
「そうしたものよ」
「そうなのね」
「お茶もあるんだね、この街は」
「そう、ちなみにお茶でね」
ドロシーもシナモンティーを飲んでいます、そのうえで言うのでした。
「栄えている街もあるでしょ」
「オズの国にはね」
「そうだね」
「外の世界でもね」
そちらでもというのです。
「そうした街もあってね」
「オズの国にもあるのね」
「そうなんだね」
「そうなの」
こうお話するのでした。
「これがね」
「お茶はそれだけ大事ってことね」
「アメリカはコーヒーが主流だったが」
「他の国ではよく飲む国も多いし」
「だからだね」
「そうした街もあるの」
そうだというのです。
「外の世界にもオズの国にもね」
「それでお茶もなのね」
「山や平地の幸になるんだね」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「お茶もね」
「楽しめばいいのね」
「そちらも」
「そうなの」
こう言って紅茶を飲みます、その紅茶はアメリカ風にレモンティーですがドロシーはその紅茶を飲んでまた言いました。
「コーヒーもいいけれど」
「お茶もいいわね」
「こうして飲んでいると」
おばさんもおじさんも飲んで応えます。
「落ち着くね」
「美味しいだけじゃなくて」
「だからね」
それでというのです。
「お茶もいいのよ」
「そうね」
「こちらも」
「だからよ」
それでというのです。
「今もこれからもね」
「飲めばいいのね」
「お茶も」
「紅茶だけでなくね」
今自分達が飲んでいるお茶だけでなくというのです。
「中国のお茶も日本のお茶もね」
「飲めばいいのね」
「そちらのお茶も」
「ええ、そうしたらいいのよ」
こう言ってさらに飲みます、皆でお茶も楽しみました。