『オズのエマおばさん』
第九幕 果物に囲まれて
今皆は街の近くの果樹園にいます、そこにはです。
「色々な果物の木があるわね」
「オズの国のね」
エマおばさんもヘンリーおじさんもその果樹園にある木々を見回してそのうえで目を瞠っています。
「林檎に梨に桃に葡萄に」
「オレンジもあるわね」
「栗も柿もあるよ」
「ライチもね」
「このレモンの奇麗なこと」
「蜜柑もあるし」
「すぐそこには畑もあってね」
ドロシーはお二人ににこりと笑ってお話しました。
「そしてね」
「あちらは色々なお野菜があるわね」
「本当にね」
「西瓜や苺やパイナップルの畑があってね」
そうしてというのです。
「そのうえでよ」
「色々な甘いものが楽しめるのね」
「ここはそうだね」
「そうなの、お菓子が実る木や栽培出来る畑もあって」
そうしたものもあるというのです。
「そこでもね」
「チョコレートやクッキーやプリンもよ」
「本当にオズの国ね」
「そうしたところはね」
「だからね」
それでというのです。
「今日はね」
「甘いものを楽しむのね」
「ここで」
「そうしましょう、ミルクの泉もあって」
今度は飲みもののお話をしました。
「それぞれのジュースの泉もあるから」
「甘い飲みものも楽しめるのね」
「そのこともいいことだね」
「そう、だからね」
そうであるからだというのです。
「是非ね」
「ええ、それじゃあね」
「色々な甘いものを飲んで食べるよ」
「そうしてね」
「僕としてはね」
トトがドロシーの足元から彼女に言ってきました。
「ザッハトルテが食べたいね」
「その木のところに行ってね」
「そのうえでね」
「貴方はまずはお菓子なのね」
「駄目かな」
「わかったわ、じゃあそちらの木に行きましょう」
ドロシーはにこりと笑って応えました。
「それならね」
「それじゃあね」
「私はザッハトルテのお隣のさくらんぼを頂くわ」
「ドロシーはそちらなんだ」
「その後は枇杷を食べてライチも食べて」
そうしてというのです。
「アップルパイをね」
「いただくんだね」
「そうするわ」
「僕は何と言ってもアップルパイだよ」
モジャボロは笑顔で言いました。
「干し林檎も食べてね」
「兄さんはいつも通りだね」
「うん、林檎が好きだからね」
弟さんにも笑顔で応えました。
「それでだよ」
「ここでもだね」
「まずは林檎をね」
「楽しむんだね」
「後で実そのものも食べるけれど」
林檎のというのです。
「今回はね」
「お菓子を頂くんだね」
「ケーキもいいね」
林檎のというのです。
「いや、林檎はどんなお菓子にも使えるし」
「そのまま食べても美味しいし」
「最高の果物の一つだよ」
「兄さんの言う通りだね、ただね」
ここでこう言った弟さんでした。
「僕も林檎は好きだけれど」
「別のものを食べるのかな」
「まずは洋梨を食べるよ」
この果物をというのです。
「そしてメロンをね」
「食べるんだね」
「メロンの中にアイスクリームを入れて」
そうしてというのです。
「ブランデーと一緒にね」
「ああ、贅沢にいくんだね」
「そうするわ」
「私は西瓜にするよ」
ムシノスケ教授は笑顔でこちらだと言いました。
「最初はね」
「ああ、西瓜だね」
「畑の方に行って」
「西瓜はいいお野菜だよ」
教授は目をきらきらとさせてモジャボロと弟さんに言うのでした。
「甘くてみずみずしくてね」
「確かにいいね」
「西瓜もね」
「だからまずはそちらを食べて」
西瓜をというのです。
「そしてね」
「そのうえでだね」
「他のものも食べるね」
「苺がいいかな」
西瓜の次はというのです。
「そうしようかな」
「うん、それぞれね」
「楽しもうね」
笑顔でそうしたお話をしてでした。
皆で楽しく食べていきます、果物もお野菜もお菓子もとても美味しくてそれはミルクやジュースもでした。
臆病ライオンはミルクをごくごくと飲んでから言いました。
「甘いものを食べたら」
「ミルクが合うね」
腹ペコタイガーが応えました。
「そうだね」
「うん、さっきパンケーキを食べたけれど」
「シロップをたっぷりかけて生クリームも乗せたね」
「それを食べてね」
そうしてというのです。
「その後でね」
「ミルクを飲むと」
「こちらもね」
「最高に美味しいね」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「本当にね」
「そうだね。僕はね」
腹ペコタイガーは自分のお話をしました。
「さっきミルクを飲んだけれど」
「今はケーキを食べているね」
見ればチョコレートケーキ、デコレーションのそれを食べています。
「そうしているね」
「いや、ミルクってお菓子に合うんだよね」
「果物にもだよね」
「そうそう、甘いお野菜にもね」
「苺とかね」
「だからね」
それでというのです。
「今はね」
「ケーキを美味しくだね」
「食べているよ」
そうしているというのです。
「楽しんでね」
「それは何よりだね」
「うん、こうして甘いものに囲まれていると」
そうすればというのです。
「好きなだけ楽しめて」
「幸せだね」
「本当にね」
実にというのです。
「最高だよ」
「僕もそう思うよ、それじゃあね」
「お互いにね」
「飲んで食べよう」
「そうしていこう」
二匹もこうお話して楽しんでいます、その横ではカルロス達五人がシーツを敷いてその上に靴を脱いで車座に座ってです。
それぞれ甘いものを楽しんでいます、カルロスは葡萄のジュースを飲んでそのうえで皆に言いました。
「いや、ジュースだっていいね」
「凄く美味しいわ」
恵梨香は苺ジュースを飲んで笑顔になっています。
「こちらもね」
「うん、とても美味しいよ」
ジョージはオレンジジュースを飲んでいます。
「果物やお野菜やお菓子もいいけれどね」
「こんなジュースが泉から溢れ出るなんてね」
神宝の手にはマンゴージュースがあります。
「オズの国ならではだよ」
「どんどん飲みましょう」
ナターシャはバナナジュースを飲んでから言いました。
「食べてね」
「うん、あと果物だってね」
カルロスは今度はバナナを食べて言いました。
「沢山あるしね」
「いいわよね」
「どんどん食べてるしね」
「お菓子だってそうしているし」
「勿論お野菜も」
「そうしようね、それでね」
笑顔で、です。カルロスはバナナをさらに食べて言うのでした。
「このバナナはね」
「どうしたの?」
「バナナがどうしたのかな」
「カルロス今とても美味しそうに食べてるけれど」
「何かあったの?」
「いや、僕バナナを見たら」
そうしたらと恵梨香達四人にお話するのでした。
「ついつい食べるんだよね」
「あっ、そうね」
「カルロスバナナ好きだよね」
「それもかなり」
「それで食べるわね」
「うん、バナナがあると一本か一切れは」
必ずというのです。
「食べるよ、やっぱりバナナっていいよ」
「すぐに食べられるのよね」
「手軽にね」
「果物の中でもね」
「バナナって食べやすいのよね」
「しかも美味しいからね」
だからだというのです。
「本当にいいね」
「そうよね」
「僕達も皆それぞれ一本ずつ食べたしね」
「さっきそうしたし」
「皆好きよ」
「何でも昔は国によっては滅多に食べられなかったんだよね」
「あら、バナナね」
ここでおばさんがおじさんと一緒に来てカルロスが食べているそれを見て言いました。
「いいわね、カンザスじゃね」
「バナナなんて食べられなかったよ」
おじさんも言ってきました。
「とてもね」
「そうよね」
「それがオズの国だとね」
「好きなだけ食べられるよ」
「何処でもね」
「本当に昔はそうだったんですね」
カルロスもそのお話を聞いてお二人に応えました。
「国によっては」
「そうだったのよ」
「わし等なんか見たこともなかったよ」
それこそと言うお二人でした、様々な果物やお菓子が実っている果樹園の中でしみじみとして言うのでした。
「一体どんな果物か」
「考えもしなかったわ」
「オーストラリアに行った時に」
おじさんはかつてドロシーが遭難してビリーナと一緒にオズの国に行った時のことを思い出してお話しました。
「南洋で見たよ」
「そうですか」
「それではじめて食べたんだ」
「そうだったんですね」
「けれどカンザスではね」
「そうしたこともなかったんですね」
「そうだよ、それがね」
まさにというのです。
「オズの国に来てね」
「好きなだけ食べられる様になったんですね」
「そうなんだ」
「バナナを使ったお菓子がね」
笑顔でお話するおばさんでした。
「また美味しいし」
「色々ありますね」
「ほら、こうして」
おばさんはクレープを出してお話しました。
「中にバナナを入れて生クリームとチョコレートのソースと一緒にね」
「食べますね」
「これがまた美味しいでしょ」
「はい、僕クレープも好きで」
カルロスはおばさんに笑顔で応えました。
「それで、です」
「バナナと一緒に食べても」
「好きです」
「そうなのね」
「ですから次は」
カルロスはおばさんに笑顔で言いました。
「バナナが入ったクレープをです」
「頂くのね」
「そうします」
満面の笑顔での返事でした、そして実際にカルロスはバナナを食べた後は立ってクレープの木のところに行ってでした。
おばさんが食べていたそのクレープを食べます、するとでした。
「美味しいね」
「そうよね」
「クレープも美味しいよ」
「他のお菓子もいいけれど」
「クレープもね」
恵梨香達四人も一緒にクレープを食べてお話します。
「美味しいわ」
「僕達はバナナが入ってるものじゃないけれど」
「アイスクリームや苺やパイナップルやソフトクリームだけれど」
「こちらも美味しいわ」
「うん、クレープも素敵なお菓子だよ」
にこにことして言うカルロスでした。
「本当にね」
「おや、クレープも食べてるんだ」
そこにトトが来て言ってきました。
「僕も食べようと思っていたけれど」
「君はどのクレープを食べたいのかな」
「中に苺のアイスが入ったね」
カルロスに答えました。
「そのクレープをいただくよ」
「そちらだね、じゃあ取るよ」
「あっ、いいよ」
トトはカルロスの足下から彼に言葉を返しました。
「僕が取るから」
「自分でそうするんだ」
「だからね」
そうするからだというのです。
「気遣いだけ受け取らせてもらうよ」
「じゃあジャンプして」
「そう、こうしてね」
こう言って実際にでした。
トトはジャンプしてそうしてそのクレープをお口で取って着地しました、そうして美味しそうに食べつつ言いました。
「取れるからね」
「いいジャンプだったね」
「そう言ってくれるんだね」
「君ジャンプ力あるのよね」
「あら、前はそんなにジャンプしなかったのに」
おばさんはそのトトを見て言いました、今はおじさんと一緒にキャラメルの木のところに来て食べています。
「変わったわね」
「そうだね、オズの国に来てから」
おじさんも言います。
「トトはカンザスにいた時以上にね」
「運動する様になったわね」
「走るのも速くなってね」
「ジャンプ力も上がったわ」
「そうなったよ」
「カンザスにいた時以上に運動する様になってね」
トトはお二人に答えました。
「栄養も充実してるしね」
「そうなったのね」
「運動神経がよくなったんだね」
「体力もついてね」
そのうえでというのです。
「そうなったよ」
「そうなのね」
「トトもオズの国に来て変わったんだね」
「うん、しかも歳を取らないし」
お二人に尻尾を振ってクレープを食べつつ言います。
「喋られる様にもなったしね」
「いいことばかりね」
「トトにとってもオズの国に来て」
「何よりもドロシーとずっと一緒にいられるから」
だからだというのです。
「本当にね」
「嬉しいのね」
「そのことが何よりも」
「そうだよ、外の世界だと何時かいなくなるけれど」
「誰でもね」
「外の世界ではそうなるね」
「それがね」
オズの国ではというのです。
「ずっと一緒にいられるから」
「そのことが何よりも嬉しいのね、それはね」
おばさんはトトの言葉を受けて言いました。
「私達も同じよ」
「そうだよ」
おじさんも頷いて言いました。
「何といってもね」
「ずっとドロシーと会えることが嬉しいわ」
「最後の審判の後でと言わず」
「ずっとというのがね」
「そうだよね、運動神経がよくなったことも嬉しいけれど」
それ以上にというのです。
「ドロシーとずっと一緒にいられる」
「このことはね」
「最高だね」
「本当にそうだよ」
明るい笑顔で言うトトでした、そこにドロシーが来て彼女も言いました。
「私だって同じよ」
「そうなんだね」
「ドロシーも同じ気持ちね」
「わし等と」
「そうよ」
まさにというのです。
「本当にね」
「僕達とずっと一緒にいられる」
「ずっと会える」
「そのことがだね」
「何よりもね」
それこそというのです。
「最高よ」
「カンザスにいた時と同じね」
おばさんは笑顔で言いました。
「このことは」
「そうよね」
「オズの国に来て何もかもが変わったけれど」
「このことは同じね」
「そうよね」
まさにというのです。
「そしてそれがね」
「ずっと変わらないのよ」
「カンザスからの幸せが」
「オズの国でもね」
「こんないいことはないよね」
トトも言ってきました。
「幸せがずっと続くって」
「全くだよ」
おじさんはトトの言葉に頷きました。
「わしもそう思うよ」
「そうだよね」
「うん、それじゃあ」
「これからもね」
「ずっとオズの国で暮らそう」
「そうしようね」
「私とトトは宮殿にいるわ」
ドロシーは今の自分のお家のことをお話しました。
「だからね」
「そこに行けばいいわね」
「ドロシーに会いたいなら」
「しょっちゅう冒険に出るけれど」
それでもというのです。
「連絡してくれたらね」
「いることも確かめられるわね」
「携帯で連絡したら」
そうしたらというのです。
「何時でもね」
「居場所がわかって」
「宮殿にいればだね」
「会えるわ」
お二人ににこりと笑って答えました。
「だからね」
「会いたくなったら」
「都の宮殿に行けばいいね」
「そして私がいればね」
その宮殿にです。
「何時でもね」
「会って楽しい時間を過ごせる」
「そうだね」
「そうよ」
まさにというのです。
「だからね」
「ええ、会いたくなったらね」
「まずは携帯で確認して」
おばさんとおじさんはドロシーに答えました。
「会いに行くよ」
「そうするわね」
「今も毎日メールとかでやり取りしているけれど」
それでもというのです。
「けれどね」
「ええ、会いたくなったら」
「何時でもだね」
「オズの国では遠慮は駄目だし」
それは無用なのです。
「おばさんとおじさんはね」
「家族だから」
「それでだね」
「もう何時でもよ」
「会いに行っていいのね」
「わし等なら」
「そうよ、カンザスから一緒だから」
それ故にというのです。
「本当にね」
「何時でもいいのね」
「わし等は」
「そうよ、待ってるわね」
こうも言うドロシーでした。
「本当にね」
「それならね」
「そうさせてもらうよ」
おばさんとおじさんも笑顔で応えました、そうしてまた甘いものを満喫しました。その中でなのでした。
カルロスは桜餅、ちまき等を恵梨香達四人と一緒に食べてです、笑顔でこんなことを言ったのでした。
「日本じゃ雛祭りと端午の節句でしか食べられないのに」
「オズの国だと何時でもなのね」
恵梨香は桜餅を食べつつ言いました。
「食べられるのね」
「しかも一緒によ」
ナターシャはひし餅を食べながら言いました。
「雛祭りのものと端午の節句のものがね」
「こんなことってないよね」
ジョージはちまきを食べたうえでしみじみと言いました。
「外の世界だと」
「うん、オズの国だから」
神宝はかしわ餅を食べてから言いました。
「全部一緒に食べられるね」
「しかも木の実になっていて」
カルロスは白酒を飲みながら言いました。
「全部食べられるね」
「白酒の泉もあって」
「そちらも飲めるし」
「いや、お盆と正月が一緒にと言っても」
「雛祭りと端午の節句が一緒はないからね」
「それが出来るのもオズの国だからだよ」
腹ペコタイガーが皆のところに来て言ってきました、臆病ライオンも一緒です。
「お伽の国だからね」
「どちらも一緒にだね」
「楽しめるのね」
「どちらの食べものも」
「そういうことだね」
「オズの国ならではだね」
「そうだよ、どちらのお人形もね」
雛祭りの時のものも端午の節句の時のものもというのです。
「同時に飾れるしね」
「凄いね」
「それもオズの国ならではだね」
「まさにね」
「そう言っていいね」
「そうだよね、だから僕もね」
腹ペコタイガーはにこにことして言いました。
「どっちのものも食べるよ」
「僕もだよ、しかし皆かなり食べているね」
臆病ライオンが言ってきました。
「このお昼は特に」
「甘いものばかりでね」
カルロスが答えました。
「しかも色々な味があるからね」
「飽きなくて」
「それでだね」
こう臆病ライオンにお話しました。
「僕達もね」
「かなり食べているんだね」
「君達もだよね」
「うん、まだね」
それこそとです、臆病ライオンは答えました。
「食べられるよ」
「そうだね」
「食欲がね」
これがというのです。
「本当にね」
「いつも以上にあるね」
「そうであってね」
「まだ食べられるね」
「そうなんだ」
実際にというのです。
「これがね」
「そうだね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「僕も桜餅やちまきをいただくよ」
「そうするね」
「喜んでね」
「僕は次は月餅を食べようかな」
トトも来ました、そのうえでこう言うのでした。
「このお菓子をね」
「月餅も美味しいよね」
腹ペコタイガーが笑顔で応えてきました。
「あちらも」
「そうだよね」
「僕そちらも好きだよ」
月餅もというのです。
「それでさっき食べたよ」
「そうしたんだね」
「それで今度は君がだね」
「いただくよ」
「ごま団子もいいよね」
臆病ライオンはこちらのお菓子のことをお話しました。
「餡子がね」
「表面の胡麻とお餅もね」
「お米のね」
「そういえばどっちもお餅だね」
カルロスはこのことに気付きました。
「月餅は餅でごま団子の表面もお餅で」
「中国だとそうなのよね」
「餅といっても二つあるんだよ」
「お米のものと麦のもの」
「二種類あるのよね」
恵梨香達四人がカルロスに言ってきました。
「これがね」
「日本だとお米のものだけだけれど」
「中国だと二種類あって」
「その違いがわかっていないとね」
「そう、この違いが面白いのだよ」
教授がここで言ってきました、何時の間にか皆が一つの場所に集まってそのうえで色々な甘いものを飲んで食べています。
「お米、餅米のお餅とね」
「麦のものですね」
「麦を練って焼いたものもだよ」
教授はカルロスにお話しました。
「れっきとしただよ」
「餅ですね」
「そうなのだよ」
「だから月餅はお餅ですね」
「お菓子のね、そして麦を練ったものを蒸すと」
そうすると、といいますと。
「包それにお饅頭になるよ」
「これもだね」
モジャボロは桃饅頭を出して言ってきました。
「お饅頭だね」
「そうだよ、包はね」
「中に何も入っていなくてね」
「ハンバーガーやサンドイッチの様にだよ」
「何かを挟んで食べるね」
「豚腹煮込みもそうして食べて」
このお料理もというにです。
「生地は薄くなるけれど北京ダッグもだよ」
「同じだね」
「そう、本当にね」
まさにというのです。
「中国ではお餅は二種類あって」
「麦を練ったものをどうお料理するか」
「そちらは色々あるのだよ」
「そうだね」
「そしてこれがまた美味しくて」
教授はあん饅を食べて言いました。
「私も大好きだよ」
「確かに美味しいよね」
モジャボロの弟さんはお兄さんと同じく桃饅頭を持っていました、そちらを食べた後で言うのです。
「こちらも」
「そうだね」
「満足出来るよ」
「中華料理といえばお茶だけれど」
ドロシーはこう言いました。
「お茶はお菓子には欠かせないわね」
「それかコーヒーですね」
カルロスが応えました。
「もうです」
「どちらかがあるとね」
「最高ですね」
「ミルクやジュースもね」
「ここの泉達から出る」
「そういったものがあってもね」
お茶やコーヒーでなくともというのです。
「いいわね」
「そうですよね」
「ええ、それでお茶はね」
ドロシーはあらためて言いました。
「飲んでいるとね」
「お菓子が欲しくなりますね」
「そしてお菓子を食べていてもね」
「お茶がありますと」
「そちらもいいわね」
「はい」
カルロスはまさにと答えました。
「僕達は今は飲んでいませんが」
「いいのよね」
「そうよね、今はね」
おばさんはミルクを飲みながら言ってきました。
「紅茶もコーヒーもね」
「好きなだけ飲めるよ」
おじさんも言ってきました。
「それも井戸じゃなくて水道ですぐに幾らでも出る奇麗なお水でね」
「ポットで沸かして」
「すぐに飲めるよ」
「パックもあるし」
「コーヒーなんてインスタントもあるし」
「すぐに飲めるわ」
おばさんは嬉しそうに言いました。
「それも簡単に」
「どちらもね」
「そういったことは外の世界でも同じだっていうけれど」
おばさんはそれでもと言いました。
「オズの国はね」
「聞いているともっと凄いね」
「魔法もある分ね」
「余計に凄いよ」
「科学だけでなく魔法があって」
そしてと言うドロシーでした。
「あらゆる不思議もよ」
「あるのね」
「オズの国は」
「不思議が不思議でない」
こうもです、ドロシーは言いました。
「それがよ」
「オズの国ね」
「そうだね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「お茶やコーヒーもね」
「外の世界よりすぐに簡単に飲める」
「そうなんだね」
「もっと美味しくね、オズの国の水道はね」
お茶やコーヒーの元のお水を出すそちらもというのです。
「只でさえ奇麗なオズの国のお水をよ」
「さらに奇麗にしてくれて」
「美味しくしてくれるんだね」
「だからね」
それが為にというのです。
「外の世界よりもね」
「美味しいのね」
「お茶やコーヒーも」
「ポットでもね」
お水を沸かしてお湯にするそちらもというのです。
「沸騰させる時にね」
「美味しくしてくれるのね」
「お水を」
「魔法の力でね、ただ魔法は全部不思議じゃないのよ」
ここでこう言ったドロシーでした。
「科学と同じで根拠がね」
「あるんだよね」
トトが応えました。
「これが」
「そうよ、種も仕掛けもあるのよ」
「魔法使いさんが得意な手品とも一緒だね」
「科学ともね。ちゃんと根拠があって」
そうしたものであってというのです。
「本当にね」
「謎じゃないね」
「理屈もあるから」
だからだというのです。
「全くね」
「不思議じゃないね」
「そうよ」
まさにというのです。
「魔法はね」
「実はそうだね」
「私は魔法は使えないけれど」
「それでもだね」
「オズマとグリンダ、魔法使いさんは使えるけれど」
「理屈がわかっているからだね」
「使えるのよ」
そうだというのです。
「これがね」
「そういうことだね」
「そしてね」
ドロシーはさらにお話しました。
「オズの国の不思議はね」
「魔法のことじゃないね」
「もっと他のね」
「外の世界ではない」
「お伽の国ならではの」
「そうしたものが不思議だね」
「そうよ、魔法は不思議じゃないのよ」
トトにこのことを強く言います。
「これまでお話してきた通りね」
「理屈もタネもあるから」
「ちゃんとした根拠もね」
「科学と同じく」
「科学と魔法は相反するものじゃないの」
ドロシーはこのことも強く言いました。
「むしろ根は同じなの、科学と魔法と」
「他のものもだね」
「錬金術や超能力もね。あと仙術や妖術、陰陽道は魔法ね」
「そちらに入るね」
「おおまかに言ってね、超能力もそうね」
こちらもというのです。
「錬金術は科学になるわね」
「それぞれ根は同じだね」
「だから科学と魔法は分けないの」
「オズの国ではね」
「そのことをよくわからないと」
さもないと、というのです。
「魔法も誤解してしまうわ」
「特別な、不思議な力だってだね」
「そうよ」
まさにという返事でした。
「本当にね」
「それもオズの国ね」
おばさんはドロシーとトトのこれまでのやり取りを聞いて成程といったお顔になって言いました。
「そうなのね」
「そうよ、木の実がお菓子でね」
「ミルクやジュースが出る泉もあるのね」
「これは不思議かっていうと」
「オズの国じゃ普通なのね」
「お空にお魚がいてね」
そうしてというのです。
「エルフやドワーフや人魚といった人達もいて」
「ノームの人達もいるわね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「お空に島、他にもね」
「色々な人達もね」
「いるわね」
「そうしたこともね」
「オズの国ね」
「そうよ」
まさにというのです。
「だからこのこともね」
「不思議じゃないのね」
「オズの国の不思議はもっと凄いの」
「それはどんなものなの?」
「何時どんなことでも起こる、いいことがね」
「そのことがなのね」
「オズの国の不思議なの」
そうだというのです。
「本当の意味でのね」
「不思議で」
「そしてね」
さらにお話するのでした。
「私もオズの国に何度も来て」
「今は王女様ね」
「色々な人にお会い出来て」
そうなってというのです。
「お友達になれたし」
「オズマ姫とも」
「奇跡みたいな出来事と出会いがね」
「オズの国では不思議で」
「その不思議がね」
まさにそれがというのです。
「幾らでもある」
「成程ね。よくわかったわ」
「わしもだよ」
おばさんだけでなくおじさんも言いました。
「今ドロシーのお話を聞いてだよ」
「わかったわ、オズの国の不思議がね」
「これまでオズの国は不思議しかないと思っていたけれど」
「木にお菓子が実ったりは違うのね」
「出来事と出会い」
「それこそがなのね」
「そうよ。ドラゴンや妖精や妖怪の人達がいてもね」
そうしたこともというのです。
「お空に島があってとても大きな木があってもね」
「不思議じゃなくて」
「オズの国だと当然のことで」
「魔法もね」
こてもというのです。
「不思議じゃないの」
「そういうことね」
「よくわかったよ」
おばさんもおじさんも頷きました。
「本当にね」
「ドロシーの今のお話でね」
「それは何よりよ。それじゃあね」
ドロシーはお二人ににこりと笑って言いました。
「このお昼最後に食べるものだけれど」
「ええ、何を食べるのかしら」
「美味しい果物やお菓子やお野菜を楽しんだけれど」
「ケーキを食べましょう」
このお菓子をというのです。
「皆でね」
「ケーキですか」
カルロスはケーキと聞いてドロシーに笑顔で応えました。
「皆大好きですよね」
「ケーキ嫌いな人はそうはいないわね」
「そうですよね」
「オズの国でもそうでね」
そうであってというのです。
「それでよ」
「今日のお昼の最後はですね」
「ケーキを食べて」
そうしてというのです。
「ミルクを飲んで」
「終わりですね」
「そして森にさらに入ってね」
「どうするんですか?」
「森の中をお散歩しましょう」
ドロシーはカルロスだけでなく皆にお話しました。
「森林浴をしながらね」
「森林浴ですか」
「そう、それもね」
そちらもというのです。
「楽しみましょう」
「森の空気と木の葉の間から入って来る日光を浴びるんですね」
「そう、そうしてね」
「楽しむんですね」
「そうするのよ」
カルロスに笑顔でお話しました。
「これからね」
「それもいいですよね」
「貴方達も森林浴好きよね」
「はい」
五人全員で答えました。
「大好きです」
「森の景色も楽しめますし」
「そこにいる生きもの達も見られますから」
「大好きです」
「歩くこともいい運動ですしね」
「そうでしょ、じゃあね」
ドロシーは五人の返事ににこりとなりました、そのうえでまた言うのでした。
「行きましょう」
「わかりました」
五人全員が応えました、そうしてです。
皆で森の中を歩いて森林浴も楽しみました、甘いものの後はとても健康的で爽やかなものを楽しんだのでした。