『オズのエマおばさん』
第八幕 辛い中華料理
ドロシーは皆に朝ホテルで朝ご飯を食べた後に笑顔で言いました。
「今日のお昼は中華料理にしましょう」
「そういえばこの街にも中華街があるね」
ムシノスケ教授が応えました。
「それでだね」
「そうよ、これから中華街に行ってね」
そうしてというのです。
「そのうえでね」
「中華街で遊んで」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「お昼はね」
「中華料理だね」
「四川料理よ」
こちらのお料理だというのです。
「今日の中華料理はね」
「ああ、あれだね」
「辛いね」
「麻婆豆腐や担々麺の」
「火鍋もあるね」
そうしたというのです。
「美味しいお料理よ」
「それにするんだね」
「そうしましょう」
「楽しみだね」
モジャボロはにこにことして応えました。
「今日のお昼も」
「そうだよね」
弟さんも応えます。
「四川料理なんて」
「素敵だね」
「朝ご飯食べたばかりでも食べたいよ」
「けれどお昼よ」
食べるのはというのです。
「本当にね」
「その時までだね」
「待っておくことだね」
「遊んでね」
そうしてというのです。
「過ごしましょう」
「中華街でね」
「僕中華街好きなんだよね」
腹ペコタイガーはにこにことして言ってきました。
「虎が人気だからね」
「うん、中華街ってそうだよね」
臆病ライオンが親友に応えました。
「龍が大人気でね」
「虎が同じ位人気があるよね」
「そうだよね」
「あのお笑いの街もそうだけれどね」
「食べものの街でもあるね」
「あそこは野球チームにもなっていて」
そうであってというのです。
「それでね」
「虎が大人気だね」
「そしてね」
「中華街でもだね」
「中国系の人の街だからね」
「そうなるね」
「そうそう、中国系の人って龍が好きでね」
トトは中国人の神宝を観つつお話しました。
「虎も好きだよね」
「そうだよね」
腹ペコタイガーはトトにも応えました。
「四霊獣にもなっていて」
「オズの国にもいるしね」
「西の白虎だね」
「ウィンキーの国にいる」
「東、マンチキンの青龍と」
ドロシーも言ってきました。
「南、カドリングの朱雀と北、ギリキンの玄武でね」
「そして西、ウィンキーの白虎だね」
「そうなっているわね」
「その白虎がね」
「特に人気でね」
「中華街でもね」
「虎は人気だよ」
「アメリカで虎といえばジャガーね」
こう言ったのはエマおばさんでした。
「あの生きものね」
「ライオンといえばピューマだね」
ヘンリーおじさんも言います。
「そうだね」
「オズの国にもどちらの生きものもいるけれど」
「本来の虎やライオンもいてね」
「今も実際に一緒にいるわね」
「そうしているね」
「オズの国の生態系は外の世界と違うのよ」
ドロシーがここでまたお二人にお話しました。
「本当に色々な生きものがいるのよ」
「ジャガーやピューマがいて」
「虎やライオンもいるんだね」
「そうなの、リョコウバトもいるし」
丁度上を飛んだ青い鳩達も見て言いました。
「オオウミガラスもステラーカイギュウもドードーもいるのよ」
「リョコウバトね」
おばさんはその鳩の名前を聞いてしんみりとなりました。
「私達が若い頃なんてね」
「お空を埋め尽くす位にいたよ」
おじさんも言います。
「物凄い数だったよ」
「そうよね」
「けれどオズの国ではいても」
「外の世界では」
「まだいるという噂はあるから」
ドロシーはお二人にフォローする様にしてお話しました。
「だからね」
「諦めない」
「希望を持つことだね」
「そうしましょう、それじゃあね」
お二人にあらためて言いました。
「今日の午前中はね」
「中華街ね」
「そちらに行くんだね」
「そうしましょう」
こうお話してでした。
皆で街の中にある中華街に行きました、そこは中華風の建物が左右に並んでいて赤い門があってです。
漢字で何かと書かれていてアジア系の人達が色々なものを売っていて催しを行っています。その中を歩いてです。
カルロスは笑顔になってです、こうしたことを言いました。
「この雰囲気がいいよね」
「いるだけで楽しいよね」
神宝がにこにことして応えます。
「中華街って」
「うん、アメリカにも日本にもあってね」
ジョージもにこにことしています。
「僕達が今暮らしている神戸にもあるけれど」
「オズの国にもあるのが嬉しいわ」
まさにと言う恵梨香でした。
「それも沢山の街にね」
「関羽さんや孫悟空さんを思い出すわ」
ナターシャはオズの国にいるこの人達のことを思い出しました。
「あの人達の絵やお人形も売られているし」
「関羽さんは中華街ではスーパースターよ」
ドロシーは五人にお話しました。
「関帝廟もあってね」
「中華街には絶対にありますよね」
「関羽さんを祀っていますね」
「それでこの中華街にもあるんですね」
「関羽さんが人気があるから」
「それで、ですね」
「そうよ、そちらにも行ってね」
そうしてというのです。
「楽しみましょう」
「わかりました」
「関羽さんに手を合しましょう」
「あのお髭と青龍偃月刀を見て」
「是非そうしましょう」
「皆で」
「そういえばね」
おばさんがふと言いました。
「関羽さんって凄く大きいそうね」
「そうだね、そういえばオズの国の人達も大きくなったよ」
おじさんも言います。
「わし等が来た頃は一五〇なかったね」
「大人の男の人でもね」
「それが今だと一七〇以上あるね」
「背も変わったわね」
「食べているものの関係なのよ」
ドロシーがお二人にお話しました。
「栄養のあるものを沢山食べたらね」
「大きくなったのね」
「皆そうなったんだ」
「昔よりもね、今はね」
まさにというのです。
「お二人が言った通りの大きさになったわ」
「そうなのね」
「身体にいいものを全部食べて」
「そうなったのよ」
まさにというのです。
「大きくなったのよ、ただ関羽さんはね」
「あの人はもっと大きいわね」
「お会いしたことはないけれど二メートル以上あるそうだね」
「元々ね」
食べものの関係でなくというのです。
「それだけの大きさなのよ」
「それは凄いわね」
「普通にそこまで大きいなんて」
「ええ、それでね」
関羽さんのことをさらにお話します。
「物凄く強いのよ」
「巨大なお身体で青龍偃月刀を自由自在に操るんですよ」
カルロスも関羽さんのことをお話します。
「だからお強いんですよ」
「その青龍偃月刀は二十キロ以上あるの」
ドロシーは関羽さんがいつも持っている武器のお話をしました。
「ぞの武器をね」
「自由自在になの」
「操るんだ」
「ええ、二十キロ以上なんてね」
それだけの重さはというのです。
「普通持つだけでも大変でしょ」
「ええ、それはね」
「とても無理だよ」
「それが出来て学問がお好きで誠実で礼儀正しくて」
今度は関羽さんの人柄のお話をします。
「オズの国の人達の誰にも優しいのよ」
「立派な人なのね」
「凄い人格者だね」
「だから私達も大好きなの」
その関羽さんがというのです。
「若しお会いしたらね」
「ええ、挨拶しないとね」
「そんな素晴らしい人ならな」
お二人でお話します、そしてです。
皆で関帝廟にお参りして色々と遊んでです。
お買いものもしました、お昼には皆で四川料理のお店に入って担々麺と麻婆豆腐に辛く味付けされた炒飯に水餃子、そして八宝菜を注文しましたが。
ドロシーはおばさんとおじさんにです、こう言いました。
「火鍋もあるけれど」
「それは注文しなかったわね」
「そうだね」
「そちらは夜にね」
夕食にというのです。
「食べましょう」
「ええ、それじゃあね」
「その時にね」
「そちらも美味しいから」
火鍋もというのです。
「楽しみにしていてね」
「それじゃあね」
「そうさせてもらうね」
「ええ、それで四川料理だけれど」
担々麺や炒飯を前にしてお話するのでした。
「四川省は山が多いのよ」
「この街と環境が似ているね」
教授が応えました。
「山の麓にあるこの街とね」
「山に囲まれた場所に平地があって」
「それを盆地というのだよ」
「その盆地にね」
そちらにというのです。
「沢山の人が暮らしているのね」
「あちらはね」
「この街は後ろに山があって」
そうしてというのです。
「前に平地があって」
「盆地とは違うけれどね」
「山と平地が一緒にあって」
そうなっていてというのです。
「似ていると言えばね」
「似ているね」
「だからね」
それでというのです。
「中華料理も食べようと思っていたけれど」
「四川料理にしたんだね」
「そうなの」
まさにというのです。
「そうしたのよ」
「成程ね」
「それでね」
ドロシーは笑顔でお話しました。
「これからね」
「その四川料理を食べようね」
「そうしましょう」
こうお話していただきますをしてからです。
皆で四川料理を食べます、麻婆豆腐も担々麺も食べてです。
他のお料理も食べます、すると腹ペコタイガーが言ってきました。
「辛い、けれどね」
「この辛さがいいんだよね」
「ぴりっとしていてね」
一緒に食べている臆病ライオンに応えます。
「そうしてね」
「食欲をそそるね」
「唐辛子にね」
この香辛料にというのです。
「山椒もね」
「効かせてくれているね」
「だからね」
それでというのです。
「凄くね」
「美味しいね」
「食欲がそそられてね」
そうなってというのです。
「いいね」
「全くだね、どんどん食べられるよ」
「君もだね」
「勿論だよ」
二匹でこんなお話をしながらです。
辛く味付けされた水餃子、たれがそうであるそちらも食べて八宝菜も食べます。トトもそうしていますが。
ドロシーはその中で炒飯を食べながら言いました。
「デザートは何にしようかしら」
「ああ、まだ決めていなかったんだ」
「そうなの」
モジャボロに答えました。
「実はね」
「それならね」
モジャボロはドロシーに答えました。
「ライチなんてどうかな」
「ライチ?」
「うん、四川は確か楊貴妃さんの故郷でもあるね」
「そうよ」
ドロシーはその通りだと答えました。
「あの人は元々あちらの生まれって聞いたわ」
「そうだったね」
「あの人もオズの国におられるけれど」
「ご本人が言っておられるね」
「ええ、それでライチよね」
「大好物だね」
この果物がというのです。
「だからね」
「デザートはライチだね」
「どうかな」
ドロシーに微笑んで提案します。
「それで」
「いいわね」
ドロシーも笑顔で応えました。
「それならね」
「いいね」
「ええ」
それならとです、ドロシーは頷きました。
「それじゃあね」
「デザートはライチにしよう」
「そうしましょう」
「辛いお料理の後はね」
弟さんも言ってきました。
「やっぱりね」
「甘いものよね」
「それを食べて」
そうしてというのです。
「そのうえでね」
「楽しむことね」
「それで夜はだね」
「火鍋よ」
このお料理をというのです。
「そちらになるわ」
「火鍋もいいよね」
「そうでしょ、けれどね」
「今はだね」
「担々麺や麻婆豆腐をね」
そういったお料理をというのです。
「食べましょう」
「それじゃあね」
「こうして食べていると」
四川料理をというのです。
「すぐにお腹一杯になるね」
「そうよね」
ドロシーも確かにと頷きます。
「実は火鍋もね」
「注文したかったんだね」
「ええ、けれどね」
それでもというのです。
「ついついね」
「このお店の名物をだね」
「注文したら」
そうしたらというのです。
「お腹一杯になるだけね」
「注文したから」
「だからね」
そうなってしまってというのです。
「火鍋はよ」
「夜にしたんだね」
「そうなの、それで夜はね」
この時はというのです。
「そちらを食べるけれどそれまでは」
「どうするのかな」
「ちょっと街を回らない?」
こう言うのでした。
「路面電車でね」
「ああ、あれだね」
「そう、どうかしら」
「路面電車もいいよね」
モジャボロはにこりと笑ってです、ドロシーに応えました。
「独特の風情があって」
「そうでしょ、だからね」
それでというのです。
「お昼はね」
「路面電車で街を巡ってだね」
「観て回りましょう、そして中華街に戻ったら」
それからのこともお話するのでした。
「京劇を観ましょう」
「京劇?」
そう聞いてです、おばさんが声をあげました。
「確か中国の」
「そう、劇でね」
「オペラやミュージカルみたいなものね」
「そうよ」
ドロシーはおばさんに答えました。
「簡単に言うとね」
「そうよね」
「路面電車の後はね」
こちらに乗って街を観て回った後はというのです。
「京劇を観てね」
「そうして楽しむのね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「その後でね」
「晩ご飯に」
「火鍋を」
「いや、盛沢山だね」
おじさんはドロシーのお話を聞いて言いました。
「今日のお昼も」
「そうでしょ」
「うん、賑やかだね」
「賑やかに過ごすのもね」
ドロシーはおじさんにもお話しました。
「オズの国よ、賑やかに楽しく」
「そうしてだね」
「過ごすのもね」
「オズの国だね」
「静かに楽しくもあって」
「賑やかに楽しくもだね」
「あるのよ、それで京劇もね」
こちらのお芝居もというのです。
「凄くね」
「楽しいね」
「だからね」
それでというのです。
「一緒に観ましょう」
「それじゃあね」
「さて、火鍋も楽しみだけれど」
それでもと言う弟さんでした。
「まずはね」
「そうしてね」
「楽しむんだね」
「そうしましょう」
こうお話してでした。
皆で路面電車に乗ってでした、街を観て回ってそれから中華街に戻って京劇の劇場に入りました。そして観るのですが。
「ええと、この人は誰かな」
「裁判官みたいだね」
腹ペコタイガーと臆病ライオンは舞台にいる人を観てお話しました。
「どうやらね」
「裁判になりそうだね」
「あの人は包青天さんよ」
ドロシーが答えました。
「中国の名裁判官さんよ」
「へえ、やっぱりね」
「裁判官なんだね」
「正しいこと、正しい人の味方で」
そうであってというのです。
「まやかしは絶対に通じないのよ」
「じゃあ今回もだね」
「正しい裁判をするんだね」
「そうよ、ただこの舞台ではね」
ドロシーはどうかとお話しました。
「推理ね」
「何か探しているね」
「宮廷でね」
「そもそもオズの国に悪い人はいないから」
だからだというのです。
「そうそう困ったことにはならないわね」
「裁判所があってもね」
「基本お仕事ないよね」
「弁護士さんも検事さんもね」
こうした人達もというのです。
「犯罪とか揉めごとが本当に全くと言っていい位ないから」
「暇らしいね」
「他のお仕事をしてばかりみたいだね」
「相談所みたいになってるわ」
弁護士さんや検事さんのお仕事はというのです。
「それで包青天さんもね」
「オズの国だとだね」
「裁判よりもだね」
「探しものをしたりする」
「そっちのお仕事の方が多いんだ」
「そうなの、包青天さんはむしろ推理でね」
オズの国ではというのです。
「困っている人達を助けているのよ」
「そうなんだね」
「オズの国ではそうなんだね」
「それでお芝居でもね」
今皆が観ている京劇でもというのです。
「観ての通りね」
「推理だね」
「探しものをしているね」
「困っている人に頼まれてね」
「メイクは怖い感じだけれど」
トトは包青天さんの仮面を観て言いました。
「言っていることと行動はね」
「立派でしょ」
「うん」
ドロシーにまさにと答えました。
「立派な人だね」
「だから正しい人正しいことの味方なのよ」
「悪いことはしないんだね」
「外の世界でもそのことで有名でね」
そうであってというのです。
「オズの国では裁判官としてね」
「働いていて」
「そして探しものをね」
「してくれているんだね」
「そしてその名推理で」
それで以てというのです。
「必ずね」
「探しものを見付けてくれるんだ」
「そうした人なの」
「こうした人が外の世界に沢山いれば」
それならとです、教授は言いました。
「いい世の中になるね」
「そうよね」
「とてもね」
まさにとです、ドロシーにも言います。
「そうなるよ」
「私もそう思うわ」
「若しもだよ」
教授はこう前置きしてお話しました。
「平気で嘘を吹聴して声高に叫ぶ」
「そんな人がなのね」
「立場のある人になってね」
そうなってというのです。
「そして多くの人が応援する様なら」
「大変なことになるわね」
「ましてその人の行いがとても悪くて」
嘘を吹聴するだけでなくです。
「自分のことしか考えないなら」
「とんでもないことになるわね」
「そんな人が出ないことを願うよ」
教授は心から言いました。
「オズの国では出ないけれど」
「外の世界でもね」
「そう思うよ、ただね」
「ただ?」
「嘘を見破る方法はあるね」
「ええ、その人のお話をよく聞いてね」
そうしてとです、ドロシーは応えました。
「そしてね」
「そのうえでその人に証拠を出す様に言うんだよ」
「証拠を出さないならね」
「嘘だよ」
「そして証拠を出してもね」
「その証拠をよく調べることだよ」
「検証することね」
ドロシーも言いました。
「そうしたらね」
「嘘だってわかるよ」
「そうよね」
「若し証拠を出さないで言い募って叫び回るなら」
それならというのです。
「間違いなくね」
「その人は嘘吐きよ」
「嘘吐きって特徴があるんだね」
トトも言いました。
「本当に」
「そうなの、その人の言っていることをよく聞いてね」
「証拠を出してもらうことだね」
「そしてその証拠をね」
「よく検証することだね」
「そうよ、それで証拠を出さない人を信じたらね」
その時はというのです。
「騙されるわ」
「愚かって言うのかな」
「そうなるわね」
ドロシーも否定しませんでした。
「やっぱり」
「そうだね」
「そして包青天さんはね」
今舞台で活躍しているその人はというのです、演じているのはご本人ではなく役者さんで中国の音楽の中で中国の服と仮面を着けて演じています。
「嘘がね」
「通じないね」
「もうどんな嘘もね」
それこそというのです。
「見破る人で探しものもね」
「見付けるんだね」
「物凄く頭がいいのよ、それにね」
ドロシーはさらにお話しました。
「法律の知識もね」
「凄いんだね」
「抜群にね」
「そんなに凄いんだね」
「中国の神様の中ではもうね」
それこそというのです。
「トップクラスよ」
「そんなに凄いんだね」
「そうなのよ、公平で」
そうした人でというのです。
「曲がったことはしない」
「そんな人だね」
「そうなの」
まさにというのです。
「それが包青天さんなのよ」
「いや、一見怖いけれど」
モジャボロの弟さんも部隊を観て言ってきました。
「とても立派で恰好いいね」
「ええ、そうでしょ」
「これは惚れ惚れするね」
「そうよね、四川料理を食べたし」
お昼にです。
「これから火鍋も食べるし」
「四川って感じだね」
「四川っていうと蜀で」
そうなってというのです。
「三国志になるわね」
「そうそう、四川っていうとね」
弟さんも応えました。
「やっぱりね」
「蜀でね」
「三国志になるね」
「それで孔明さんになるけれど」
「今回は孔明さんじゃないね」
「あの人も法律には詳しいけれど」
そうであってもというのです。
「最近音楽に凝っておられて」
「そうなんだね」
「ある歌手の女の人の助言をね」
「しているんだ」
「プロデュースのね」
「そうしてるんだ」
「そちらの舞台もあるけれど」
そうであってもというのです。
「今回はね」
「包青天さんだね」
「そうなのよ」
この人の舞台だというのです。
「宜しくね」
「それではね」
「いや、絢爛ね」
「豪華だよ」
おばさんとおじさんは京劇の舞台自体に感銘していました。
「動きもよくてね」
「明るくてね」
「色彩も豊かで」
「こんなお芝居もあるのね」
「そうなの、オペラやミュージカルともまた違うでしょ」
ドロシーはお二人ににこりと笑って応えました。
「そしていいでしょ」
「ええ、とてもね」
「凄くいいよ」
「この舞台をね」
是非にというのです。
「楽しんでね」
「そうさせてもらっていいのね」
「わし等も」
「お二人に観て欲しくてね」
そう思ってというのです。
「来たのよ」
「いや、ドロシーはいつもね」
おばさんはドロシーの気持ちを受けて思いました。
「私達に優しいけれど」
「だって私に優しくしてくれるからよ」
「だからなの」
「私だってね」
ドロシーもというのです。
「優しくね」
「してくれるのね」
「オズの国は皆優しくしてくれるけれど」
それでもというのです。
「おばさんとおじさんはカンザスにいた時からでしょ」
「家族だからね」
「お父さんとお母さんのいない私にのね」
その自分にというのです。
「お父さんとお母さんになってくれたでしょ」
「だからなの」
「いつも優しく愛してくれて」
カンザスにいた時はというのです。
「今もね」
「優しくしてくれているから」
「だからね」
それでというのです。
「感謝してね」
「優しくしてくれるのね」
「そうなの、それで舞台は」
「凄く満足しているわ」
おばさんはにこりと笑って答えました。
「心からね」
「そうなのね」
「最高の舞台よ」
こうも言うおばさんでした。
「本当にね」
「そう言ってくれるなら何よりよ」
ドロシーはまたにこりとなって応えました。
「私もね」
「そうなのね」
「ええ、もうすぐクライマックスだから」
「探しものが見付かって」
「大団円よ」
そうなるというのです。
「その時もね」
「観るのね」
「これからね」
笑顔で言うのでした、そしてです。
舞台の包青天さんは見事探しものを見付けだして頼んできた人にその探しものを渡しました、こうしてです。
舞台は終わりました、そして皆でお昼のお店に入って今度は火鍋を注文しました。そうして食べるとです。
「どうかしら」
「辛いです」
まずはカルロスが答えました。
「それも滅茶苦茶」
「いや、凄い辛さですね」
恵梨香はお顔を真っ赤にして言います。
「これはまた」
「火鍋ってこうなんですよね」
神宝は汗をかいています。
「物凄く辛いんですよ」
「唐辛子の辛さが凄くて」
それでと言うジョージでした。
「本当に火みたいです」
「しかも熱いですから」
ナターシャは鍋のこのこともお話しました。
「余計に刺激的ですね」
「けれど美味しいよ」
トトはお鍋の中にあったスライスされた羊肉を食べて言いました。
「この辛さがね」
「いいんだよね」
「実際のところね」
「物凄く辛いけれど」
「この辛さがいいんだよね」
「かえってね」
「そうだよね」
トトはカルロス達五人に応えました。
「本当に」
「全くだね」
「じゃあどんどん食べようね」
「辛くて美味しいから」
「それが食欲をそそるし」
「食べていきましょう」
「この辛さにね」
ドロシーも食べています、そして汗をかきながらにこにことしています。
「色々なものを入れられるのがいいのよ」
「羊や豚のお肉にお野菜に」
「蛙も入れているね」
おばさんとおじさんが言ってきました。
「ドロシー今蛙を食べているけれど」
「そちらもいいんだね」
「そうなの、蛙も美味しいでしょ」
おばさんとおじさんに笑顔で応えました。
「食べてみて」
「ええ、確かにね」
「わし等も蛙食べるしね」
お二人もその蛙を食べて言いました。
「美味しいよ」
「あっさりとした味でね」
「兎に角色々なものを食べて」
そうしてというのです。
「楽しんでね」
「ええ、お酒もあるしね」
おばさんはロックの杏酒を手にして応えました。
「飲ませてもらうわ」
「お酒にも合うから」
火鍋はというのです。
「どんどんね」
「食べていいのね」
「そうよ、あと麺も入れられるから」
こちらもというのです。
「最後はね」
「麺を入れて」
「そして食べましょう」
「それじゃあね」
「あの、これはです」
カルロスは子供用のお酒を飲んでドロシーに言ってきました、彼が飲んでいるのはライチ酒の炭酸割りです。
「食べることも飲むことも」
「止まらないでしょ」
「とびきり辛くて美味しい火鍋を食べますと」
そうすると、というのです。
「自然とです」
「お酒が進むでしょ」
「はい、そして」
それにというのです。
「お酒を飲みますと」
「また食べたくなるわね」
「そうなります」
「そうなの、こうしてね」
「どんどんですね」
「飲んで食べてね」
お酒も火鍋もというのです。
「そうして楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
「とても辛いけれど」
「その辛さが最高ですね」
「そうなのよ」
「色々な具も入れられてますし」
「それもいいのよ、そういえばね」
こうも言うドロシーでした。
「中華料理って何でも食材にするわね」
「それこそですね」
「ええ、それでね」
そうしたお料理でというのです。
「火鍋もね」
「色々なものを入れてですね」
「食べるのよ」
「そうしたお料理ですね」
「ええ、だから蛙もね」
「そうそう、蛙ですが」
ここでカルロスはドロシーにその蛙のお肉を食べつつ言いました。
「実はブラジル色々な種類の蛙がいるんですよ」
「アマゾンによね」
「毒がある蛙がいたり」
そうした蛙がいてというのです。
「子守をする蛙もです」
「いるのよね」
「オズの国にもジャングルがあって」
「アマゾンもあるわよ」
この地域もというのです。
「凄く雨が降ってね」
「木が生い茂っていて」
「川が流れていてね」
そうした環境でというのです。
「色々な種類の生きものが沢山いるわ」
「外の世界のアマゾンと同じですね」
「ええ、そしてね」
ドロシーはカルロスにお話しました。
「蛙もね」
「沢山いますね」
「そうなのよ」
「オズの国のアマゾンでもそうですね」
「ええ、私も何度か行ってるけれど」
オズの国のアマゾンもです」
「かなり独特な」
「そうした場所ですよね」
「とても広くてね」
「川を中心として密林が広がっていて」
「そこに色々な生きものがいてね」
そうした環境でというのです。
「面白い場所よ」
「アマゾンはオズの国でもそうですね」
「それでそこにね」
「蛙も沢山いますね」
「だからね」
それでというのです。
「またね」
「機会があればですね」
「行くわ」
「そうしますね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「楽しむわ」
「そうされますね」
「ええ、またね」
そう言うのでした。
「アマゾンに行くわ」
「そうされますね」
「オズの国には色な場所があるから」
「その色々な場所にですね」
「行くといいのよ」
「そういうことですね」
カルロスもお話を聞いて頷きました。
「僕達も」
「そうよ、皆ね」
「冒険に出たら」
「そうしましょう」
こう言ってでした。
ドロシーは火鍋の中の蛙を食べてカルロス達もそうしました、蛙のお肉はあっさりしていて美味しかったです。
皆はお酒も飲んでデザートの杏仁豆腐も楽しみました、その後はホテルに戻ってお風呂に入って奇麗なベッドでぐっすりと眠ったのでした。