『オズのヘンリーおじさん』
第十幕 夜空の星座と海に映る満月
皆夜になると列車に乗りました、その列車は外の世界の今の新幹線の形をしていますがその列車を見てでした。
おじさんは首を傾げさせてそのうえで言いました。
「確か新幹線だったか」
「そうだったわね」
おばさんも言います。
「外の世界の列車ね」
「電車だったな」
「外の世界はもう蒸気機関車はなくて」
おばさんも言います。
「電車になっていて」
「日本にはこうした列車もあるんだな」
「そうみたいね」
「この列車が凄いのよ」
ドロシーはお二人に答えました。
「もう日本の鉄道を象徴する様な」
「そんなものか」
「そこまで凄いのね」
「速くて安全で」
そうしたものでというのです。
「世界中で評判になってるのよ」
「私もエメラルドの都の宮殿から日本を見て」
オズマも言ってきました。
「これは素晴らしいって思ってなのよね」
「オズの国にも採用したわね」
「幸い日本から技術者の人もオズの国に来てくれていたから」
だからだというのです。
「それでね」
「その人からお話を聞いて」
「オズの国の科学や魔法の技術を使ってね」
「造ったわね」
「オズの国には色々な技術があるけれど」
「それ等を使えばね」
「新幹線も造ることが出来て」
そうしてというのです。
「お空を線路なしで飛ぶこともね」
「出来るわね」
「そうよ」
まさにというのです。
「この通りね」
「いや、凄いな」
「本当にね」
おじさんとおばさんはお二人にまた言いました。
「オズの国はこうしたことも出来るのね」
「こんなものを生み出せるのか」
「そして乗って」
「そのうえで夜空の星座を観られるんだな」
「夜の海の上でね」
ドロシーはまた言いました。
「満月が映っている」
「そしてその海と満月も観られるのか」
「列車から」
「そうよ、そちらも楽しんでね」
こういうのでした。
「是非ね」
「そうさせてもらうよ」
「これからね」
「それではな」
「今から乗るのね」
「そうよ、これから皆で乗ってね」
皆の前に停車している新幹線を観つつ言うのでした。
「すぐに出発するわよ」
「よし、それじゃあな」
「今から乗せてもらうわ」
お二人はドロシーの言葉に頷いてでした。
そのうえでお二人もそして他の皆も新幹線に乗りました、新幹線は皆を乗せるとすぐに出発して夜空を走りはじめました。
そして黄色い満月が映っている夜の海の上のお空を飛びますが。
その海と夜空を観てです、キャプテンは笑顔で言いました。
「いや、船から観るのもいいけれど」
「お空から観るのもいいわね」
「そうなんだよ」
ベッツイに対して答えました。
「これがね」
「そうよね」
「だからね」
それでというのです。
「わしは今最高に幸せだよ」
「私もよ」
ベッツイも観ています、そのうえでお話します。
「お空を飛ぶ列車に乗ってね」
「夜の海とお空を観てね」
「そこにある星座を観て」
そうしてというのです。
「夜の中の海とそこに映る満月も」
「いいね」
「本当にね」
「銀河鉄道の夜だとお空だけだけれど」
ハンクが言いました。
「僕達は海も観ているね」
「だからその分さらにいいわね」
トロットが応えました。
「今の私達は」
「そうだね」
「だからね」
それでというのです。
「嬉しいわ」
「そうだよね」
「観ていて飽きないわ」
「全くだよ」
「それじゃあね」
エリカはここでこんなことを言いました、エリカも夜空と海そしてそこにある星座と満月それに波を観ています。
「ご飯を食べましょう」
「そこでそう言うのが君らしいね」
トトはそのエリカに笑って言いました。
「本当に」
「食べもののことを言うのが」
「とてもね」
「私らしいならいいわ」
エリカはそう言われて満足した声を出しました。
「私が思うに私はね」
「君らしいのが一番だね」
「猫だからね」
「猫は自分が一番だと思うから」
「そう、オズの国の住人だけれど」
それでもというのです。
「私達猫はね」
「自分が一番だね」
「そうよ、それで自分のペースをね」
これをというのです。
「守るのよ」
「そうだね」
「だからね」
それでというのです。
「今もこう言うのよ」
「そうだね」
「それでご飯は?」
「今から出すわ」
ドロシーが答えました。
「これからね」
「そうするのね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「皆で食べましょう」
「それじゃあね、今夜は海鮮丼よね」
「そう、海胆とイクラと蟹と烏賊をね」
この四つをというのです。
「ご飯の上に乗せた」
「そうした丼ね」
「それにね」
ドロシーはさらにお話しました。
「お吸いものもね」
「出してくれるのね」
「そうよ、そちらは浅利よ」
「貝なのね」
「何がいいかしらって考えたけれど」
「浅利にしたのね」
「そうよ、それじゃあね」
さらに言うドロシーでした。
「これからね」
「皆で食べるのね」
「そうしましょう」
こうお話してでした。
ドロシーはテーブルかけから海鮮丼と浅利のお吸いものを出しました、皆いただきますをしてから食べますが。
おじさんもおばさんもです、食べた瞬間に言いました。
「海鮮丼も美味しいな」
「凄くね」
おばさんも言います。
「驚く位ね」
「全くだな」
「こちらもね」
「嘘みたいに美味しいな」
「ええ、烏賊も蟹もだけれど」
烏賊は塩辛で蟹は茹でて殻から出したものです。
「海胆とイクラもね」
「凄く美味しいな」
「そうよね」
「浅利も美味しいし」
「夜も最高ね」
「素敵な景色も楽しめてな」
こうお話するのでした。
「本当にな」
「何もかもが素晴らしいわね」
「全くだ」
「そうなのよ、こうした丼にして魚介類を食べてもね」
ドロシーも笑顔でお話します。
「この通りね」
「美味しいんだな」
「そうなのね」
「これがね」
「こうしてお醤油をたらしてもです」
恵梨香は丼にそうしてお二人にお話しました。
「凄く美味しいですよ」
「生魚に合いますから」
ナターシャはもうかけて食べています。
「やってみて下さい」
「本当に美味しいですから」
ジョージも言います。
「お醤油もたらしますと」
「そのまま食べてもいいですが」
それでも言うカルロスでした。
「お醤油もいいですよ」
「やってみて下さい」
神宝も是非にと言います。
「本当に」
「それじゃあな」
「やってみるわね」
お二人は恵梨香達五人のアドバイスを受けてでした。
実際にそうして食べてみます、するとでした。
「ああ、確かにな」
「これもいいわね」
「凄く美味しいよ」
「お醤油をかけると尚更ね」
「私実は色々な食べものにお醤油を使うんです」
恵梨香はお二人にお話しました。
「それでなんです」
「今もだね」
「お醤油をかけたのね」
「そうなんです。お魚だけでなくお肉にもです」
「お醤油をかけるのか」
「貴女はそうなのね」
「恵梨香はお醤油とお味噌が好きなのよね」
ドロシーも言ってきました。
「調味料は」
「はい、どちらも好きで」
恵梨香はドロシーにも答えました。
「それで、です」
「今もかけているわね」
「はい、ステーキにもです」
「お醤油かける時あるわね」
「おソースの時もありますけれど」
「お醤油の時も多いわね」
「そうなんです、それとです」
さらにお話するのでした。
「お味噌汁が大好きで」
「お味噌汁出たらいつもにこにこしてるわね」
「お味噌で味付けしたお魚やお肉も」
「味噌漬けとかにしたものね」
「そちらも好きです」
「そうね。ただね」
それでもというのでした。
「貴女だけじゃなくて日本人の人は」
「お醤油やお味噌がお好きですか」
「そうした人が多いわ」
「そうなんですね」
「日系人の人はアメリカの影響を受けているから」
だからだというのです。
「おソースやケチャップで」
「スープですね」
「そうなるけれど」
それでもというのです。
「日本の人達はね」
「そうした人が多いですか」
「というか殆どね、あのお笑いの街もね」
「豊臣秀吉さんが主の」
「あの人もお味噌が好きで」
それでというのです。
「お醤油もね」
「お好きですね」
「奥さんやお母さんが作ったお漬けものが大好物で」
それと共にというのです。
「それでね」
「そのうえで、ですね」
「お醤油やお味噌ね、織田信長さんに至っては」
この人はどうかといいますと。
「もう毎食焼き味噌をいただいているわ」
「そこまでお味噌がお好きですね」
「そうなのよ」
これがというのです。
「あの人はね」
「そうなんですね」
「それで貴女もよね」
「お味噌が好きで」
「お醤油もね」
「大好きです、お醤油がないと」
それこそというのです。
「困る位です」
「そこまでよね」
「そうなんだな、しかし実際に美味しいよ」
おじさんはお醤油をかけた海鮮丼を食べつつ言いました。
「こうして食べても」
「そうですよね」
「とても美味しくて」
それでというのです。
「食事が進むよ、そして」
「お酒ね」
「そちらもだよ」
ドロシーに笑顔で応えました。
「欲しくなるよ」
「海の幸が美味しいからね」
「そうなるよ」
こうドロシーに言うのでした。
「どうもね」
「そうよね、それじゃあね」
「お酒も出してくれるんだね」
「これからね」
是非にというのです。
「そうさせてもらうわ」
「それではね、夜空と夜の海を観て」
おじさんはまた車窓から景色を観て言いました。
「星もお月様もそうして食べて飲むなんて」
「お空を飛ぶ列車の中からね」
「最高だよ」
「そうよね、こうした楽しみもね」
「旅行では味わえるんだね」
「そうよ、だからこれからもね」
今回だけでなくというのです。
「旅行してね」
「ドロシーみたいにだね」
「そう、お仕事とね」
そちらを楽しむと共にというのです。
「それとよ」
「旅行も楽しむ」
「他の趣味もね。趣味が多いと」
それならというのです。
「その分楽しみが増えるのよ」
「だからか」
「私達はなのね」
「これからもね」
是非にというのです。
「楽しんでね」
「ドロシーを見ていると」
「そうね」
またお二人でお話しました、海鮮丼を食べてお酒も飲みながら。
「いつも旅行や冒険をしてね」
「楽しんでいるしね」
「カンサスにいた時よりもずっと」
「カンサスにた時よりも明るいしな」
「あの時も充分明るかったけれど」
「今はさらにだしな」
「それなら」
おじさんはお吸いものの中の浅利を食べて言いました。
「わし等も仕事以外にも」
「そうよね」
「何かとな」
「趣味を見付けてね」
「楽しむか」
「そうしましょう」
こうしたお話もします、そしてです。
そのうえで、です。二人は海鮮丼を一杯食べますと。
「もうな」
「お腹一杯ね」
「お吸いものも飲んで」
「そうしたらね」
「お腹一杯だよ」
「満足したわね」
「いえ、まだあるのよ」
ドロシーは満足しているお二人に笑顔で言いました。
「景色も楽しむだけじゃなくて」
「さらにか」
「まだあるの」
「お酒飲んでるなら」
それならというのです。
「おつまみが必要でしょ」
「しかしもうお腹一杯だよ」
おじさんはドロシーに苦笑いで答えました。
「わしも」
「そうなの」
「だからな」
それでというのです。
「食べる方はな」
「いいの。けれどね」
「それでもかい」
「お豆腐ならいけるでしょ」
「お豆腐か」
「お豆腐は物凄くあっさりして食べやすくて」
そうしてというのです。
「お酒にも合うわね」
「確かに。お豆腐なら」
「まだ食べられるわ」
おじさんだけでなくおばさんも言います。
「海鮮丼は無理でも」
「お豆腐ならな」
「そうでしょ、それじゃあね」
ドロシーはさらにお話しました。
「皆でね」
「お豆腐もか」
「そちらも食べるのね」
「そうしましょう」
こう言って実際にでした。
ドロシーはお豆腐も出しました、それも食べるとです。
「食べやすくてな」
「しかもお酒と合っていて」
「お腹一杯と思っても」
「まあいけるわ」
「そうでしょ、魚介類じゃないけれど」
それでもというのです。
「お豆腐もね」
「食べるといいか」
「そうなのね」
「そうよ」
まさにというのです。
「だから食べてね」
「それではな」
「お豆腐もいただくわね」
「そうしてね。私もね」
ドロシー自身もというのです。
「こうしてね」
「お豆腐も食べてだな」
「楽しんでいるのね」
「海鮮丼も食べて」
そうしてというのです。
「お吸いものも飲んでね」
「そうか、一緒だな」
「ドロシーも私達とね」
「そう、一緒よ」
まさにというのです。
「だからね」
「うん、それじゃあな」
「お酒も飲ませてもらうわ」
「それではね。ただ」
ここでドロシーはこうも言いました。
「今回丼がかなり大きくて」
「ボリュームあったわね」
オズマも言いました。
「一杯が」
「そうだったわね」
「おかわりすることもね」
「私達もなかったわね」
「ええ、そこまで多かったわ」
「これがね」
トロットはこう言いました。
「プロレスラーとか力士さんだと」
「もっと食べるわね」
「ああした人達はね」
ドロシーにお豆腐を食べつつ答えます。
「そうよね」
「ああしたお仕事の人達は食べることもお仕事だから」
「だからよね」
「体格もあって身体も動かしてるから」
「物凄く食べるわね」
「私達とは桁が違うわ」
「こうした丼も」
ベッツイは自分が食べ終えた後の丼を見て言いました、見れば大人の人から見ても相当な大きさのものです。
「何杯もね」
「食べるわね」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「ああした人達は特別ね」
「そうした人達ってことね」
「そうね」
「スポーツ選手特にそうした格闘技の人達はね」
キャプテンも言います。
「大人でも違うからね」
「身長は二メートルあったりして」
「そして毎日激しいトレーニングをしていて」
「食べることもお仕事のうちだから」
「もうだよ」
それこそというのです。
「わし等とは違うよ」
「食べる量がね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「あの人達は」
「そういうことね」
「こんな丼を何杯も食べたら」
それならと言うトトでした。
「あそこまで大きくなれるんだね」
「体重で私の何倍もあるのよね」
「うん、オズの国でもプロレスラーの人達がいて」
「力士の人達もいるけれど」
「どの人達もね」
「大きいわね」
トトにお豆腐を食べつつ言いました。
「本当にね」
「ドロシー達の何倍も体重あるね」
「体格もね」
「全く違うよ」
「巨人もオズの国にいるけれど」
それでもと言うエリカでした。
「ああした人達もね」
「巨人って言っていいわね」
「そうね、もうね」
「だから食べる量も違うわ」
「そうなるわね」
「そして巨人の人達になると」
オズの国にいる、です。
「食べる量はね」
「とてつもないわね」
「背が十メートル以上あって」
そうしてというのです。
「体重もトン単位で」
「それだけに食べるんだな」
「巨人の人達は」
「そうよ、それで巨人の人達って数は凄く少ないけれど」
それでもというのです。
「色々なところで暮らしていて」
「ああ、そうらしいな」
「私達はよく知らないけれど」
「森や山、氷原や海で暮らしていて」
そうしてというのです。
「中には炎の国や湖の底で暮らしている人もいるわ」
「炎の国か」
「オズの国の島国ね」
「全部炎に包まれていて」
「凄く熱い国ね」
「そう、元々は北欧神話の国で」
それでというのです。
「国の全てが燃えていて物凄く熱くて」
「それならそこにいる人達もか」
「巨人の人達もなのね」
「全身燃えているの、ただそこから出ることは殆どなくて」
炎の国からというのです。
「オズの国の人達だから」
「悪い人達じゃないか」
「そうなのね」
「巨人って外の世界だと狂暴ってイメージがあるけれど」
それでもというのです。
「けれどね」
「そうでないね」
「優しい人達ね」
「穏やかで素朴で」
そうした気質でというのです。
「凄くね」
「いい人達か」
「そうなのね」
「そうなの、私も時々お会いしてるけれど」
オズの国を冒険する中で、です。
「どの人達もね」
「いい人達でか」
「ドロシーもよくしてもらっているのね」
「お会いする度にね」
その都度というのです。
「そうしてもらっているわ」
「それはいいな」
「何よりね」
お二人もドロシーのお話を聞いて笑顔になりました。
「ドロシーが幸せだと」
「楽しい思うをするならね」
「ただ」
ここで恵梨香が言いました。
「オズの国の巨人の人達って最初は悪かったですね」
「そんな夫婦いましたね」
カルロスも言います。
「かかしさんと樵さんがお姿変えられて」
「大変なことになりましたね」
神宝も言いました。
「あの時も」
「ポリクロームもいて」
それでと言うナターシャでした。
「冒険の中困ったことになっていましたね」
「あのご夫婦も今は改心したんですよね」
ジョージは尋ねる様に言いました。
「確か」
「そうよ、あのご夫婦も今はね」
ドロシーは五人に答えました。
「平和で穏やかな人達になったわ」
「それは何よりですね」
「あの時どうなるかって思いましたから」
「ぬいぐるみとかブリキの梟になって」
「これは大変だって」
「はらはらしましたから」
「今のオズの国の人達は皆いい人達になったから」
かつては問題のあった人達もです。
「だからね」
「それで、ですね」
「今はですね」
「あの人達もそうなって」
「他の巨人の人達もですね」
「いい人達になりましたね」
「そうよ、だからお会いしてもね」
その巨人の人達にです。
「安心してお付き合いしてね」
「わかりました」
「そうさせてもらいます」
「お会いした時は」
「是非共です」
「仲よくさせてもらっています」
「そうしてね」
ドロシーはにこりと笑って五人に言いました。
「その時はね」
「はい、それでまさか」
ここで恵梨香はこうも言いました。
「巨人の人達っていいますと」
「どうしたの?」
「ダイダラボッチさんは」
「ええと、確か」
ドロシーはそのお名前を聞いて言いました。
「日本の巨人の人で」
「はい、山に座ったら富士山になって」
その山がです。
「足跡が琵琶湖になったっていう」
「物凄く大きな巨人ね」
「巨人の中でも」
「その人はいないわ」
「そうですか」
「あまりにも大き過ぎて」
その為にというのです。
「オズの国でなく神様の世界でね」
「暮らしておられますか」
「そうよ」
そうだというのです。
「大き過ぎるとね」
「流石にですね」
「海のリバイアサンやヨルムンガルドも」
彼等もというのです。
「実は大き過ぎてあまり動けないの」
「そうですか」
「だからね」
それでというのです。
「あの人はね」
「神様の世界で、ですか」
「暮らしているわ」
「そうですか」
「あの人はね」
それこそというのです。
「もう神様よ」
「巨人でもですか」
「そうよ、あとね」
「あと?」
「外の世界だと神様って」
こう呼ばれる存在はというのです。
「実は巨人なのよね」
「おや、そうなのか」
「そうだったの」
「ええ、ムシノスケ教授やボームさんがお話してくれたけれど」
この人達がというのです。
「ギリシアや北欧、ケルトの神々は」
「どの神様達もオズの国におられるな」
「そうね」
おじさんとおばさんはまさにと答えました。
「色々な神話の神々もいて」
「そのこともお伽の国ならではね」
「その神々は」
まさにというのです。
「普段は人間位の大きさでも」
「それでもか」
「本来はなのね」
「巨人だってね。神話の本をよく読むと」
それぞれのです。
「わかるらしいわ」
「そうなのか」
「実は巨人なのね」
「自分達と親戚か同じ位の大きさの巨人と戦っているし」
それにというのです。
「描写をよく読むとね」
「巨人か」
「そうなのね」
「これがね。巨人はね」
これといってというのです。
「そうしたこともあって」
「悪い人達じゃないか」
「神様の親戚みたいな人達なのね」
「そうよ、その人達にもね」
ドロシーはさらにお話しました。
「お会い出来るわ」
「オズの国を旅しているとか」
「お会い出来るのね」
「そのことも覚えておいてね」
こうお二人にお話します、そしてです。
皆と一緒に星座を観ます、すると恵梨香達五人はふと気付いたことがありました。それは何かといいますと。
「あれっ、十二の星座が」
「全部あるね、星占いの」
「それで他の星座もあるわ」
「八十八の星座の全部があるね」
「夜空に」
「そうよ、この列車にかけられた魔法の力で」
ドロシーは五人に答えました。
「私達は今はね」
「全部の星座が観られますか」
「季節や場所によって観られない星座がありますけれど」
「日本でもどの国でも」
「それでもですね」
「オズの国では全部観られるんですね」
「この列車に乗って」
そうしてというのです。
「窓から観るとね」
「凄いですね」
「物凄い魔法ですね」
「夜空に全部の星座が観られるなんて」
「素晴らしいですね」
「正直驚きました」
「勿論魔法を停止したら」
その時はといいますと。
「この場所の本来の夜空もね」
「観られるんですね」
「そうなんですね」
「プラネタリウムみたいに全部の星座が観られるんじゃなくて」
「そうなるんですね」
「そうよ、素敵でしょ」
笑顔で言うドロシーでした。
「このことも」
「いや、星座もそうなんてな」
「また驚いたわ」
おじさんもおばさんも言います。
「私達は星座のことはよくわからないけれど」
「そうした学問は受けていないからな」
「それでだけれど」
「これまた素晴らしいな」
「そうでしょ、私は星座も好きだから」
それでというのです。
「こうしたものも好きよ」
「そうなんだな」
「ドロシーは星座も好きなのね」
「昔は違ったと思うが」
「夜空のもの観る趣味はなかったわね」
「カンサスにいた頃はね」
ドロシーもそうだったと答えます。
「けれどオズの国に来てから」
「それからか」
「変わったのね」
「そうなの」
実際にというのです。
「その時からね」
「そうなんだな」
「そうしたものも好きになったのね」
「プラネタリウムとか観て」
そうしてというのです。
「冒険の時に寝る前に夜空を観ていたら」
「好きになったのか」
「そうなったのね」
「そうよ」
まさにというのです。
「私もね」
「そうなったか」
「そこも変わったのね」
「変わらないものはなくて」
そうしてというのです。
「その中でオズの国も変わって」
「ドロシーも変わる」
「そういうことね」
「そうよ」
その通りだというのです。
「オズの国も昔はこうした列車なかったしね」
「そうそう、なかったよ」
トトも言います。
「僕達が最初オズの国に来た時は列車自体がね」
「なかったわね」
「そうだったよね」
こう言うのでした。
「だから黄色い煉瓦の道を歩いて」
「エメラルドの都に行ったわね」
「今もよく歩いて旅をするけれど」
「あの時はそれしかなかったわ」
「そうだったね、ただ」
それでもと言うトトでした。
「そこからね」
「オズの国はどんどん変わって」
「乗りものね」
「どんどん出て来てね」
「変わっていってるね」
「魔法があって」
ドロシーは笑顔で言いました。
「そしてね」
「科学もあって」
「そして錬金術や超能力に」
「仙術もあるし」
「もうね」
「色々ばものが出て」
「乗りものもよ。それでこうした列車もね」
今自分達が乗っているそちらもというのです。
「出て来てね」
「僕達は今乗っているね」
「そして楽しんでいるわ」
「そうだよね」
「そのことがね」
まさにというのです。
「私は凄く嬉しいわ」
「オズの国がどんどん変わって」
「私もね」
「変わっていくことが」
「色々な素晴らしいものを見て知って」
そうしてというのです。
「経験して学んでね」
「そうしていってだね」
「それが凄く嬉しくて」
そうしてというのです。
「好きよ」
「そうだね、僕もね」
「トトもよね」
「ドロシーと一緒にいてね」
そうしてというのです。
「色々知って変わっていくことがね」
「好きよね」
「変わることも気力と体力が必要で」
それでというのです。
「大変だっていうけれど」
「元気でないと出来ないでしょうね」
ドロシーも言います。
「やっぱり」
「そうだね」
「けれどね」
それでもというのです。
「オズの国だとね」
「皆いつも元気だから」
「変われるわ」
「そうだね」
「だからどんどんね」
「これからもだね」
「変わっていって」
笑顔で言うのでした。
「楽しい物事もね」
「知っていくね」
「そうしていくわ」
「そうした国にね」
オズマもそのオズの国の国家元首として言います。
「私はこれからもね」
「していくわね」
「貴女と一緒にね」
「私はオズの国の首相だから」
「私の最高のお友達でパートナーでしょ」
「いつもそう言ってくれるわね」
「だからね」
そうした間柄だからだというのです。
「これからもね」
「一緒にね」
「オズの国をそうした国にしていきましょう」
「ええ」
ドロシーの返事は笑顔でのものでした。
「それじゃあね」
「そうしていきましょうね」
「私達と」
それにというのです。
「皆でね」
「オズの国のね」
「そうか、二人だけではな」
おじさんは笑顔でお話する二人を見て言いました。
「やっぱりな」
「出来ることは限られているわね」
おばさんも言います。
「どうしても」
「わし等もな」
「お家の畑とかでね」
「手が一杯だからな」
「それはオズマ姫もで」
「ドロシーもだな」
「そうよ」
ドロシーはお二人に答えました。
「だからね」
「皆でだな」
「頑張っていくのね」
「そうしていくわ、そして今よりも楽しくて明るくて」
そうしてというのです。
「素敵な国にね」
「していくか」
「オズの国を」
「そうしていくわ」
こう言うのでした、そしてです。
ドロシーは皆と一緒にこの夜も楽しみました、そのうえでまた明日となるのでした。幸せな日々はまだ続きます。