『オズのヘンリーおじさん』
第二幕 四人揃って
朝起きてオズマは今回の冒険ヘンリーおじさんとエマおばさんのところに行くそれを止めようと言おうとしますと。
そこで、です。宮殿のメイド長であるジュリア=ジャムが言ってきました。
「魔法使いさんは暫くです」
「宮殿にいてくれるの」
「はい、それにです」
ジュリアはさらにお話しました。
「かかしさんと樵さんも来られて」
「この宮殿に」
「臆病ライオンさんに腹ペコタイガーさんもおられるので」
「留守は大丈夫ね」
「はい」
そうだというのです。
「皆さんがおられるので」
「そうなのね」
「それに姫様はです」
ドロシーに言うのでした。
「確かに最近です」
「冒険に行っていないわ」
「ですから」
それでというのです。
「今回はです」
「行くといいの」
「そうされて下さい」
「それは嬉しいわ」
オズマはジュリアに言われて笑顔になりました。
「皆と一緒に冒険に行けるなんて」
「そうですね」
「それならね」
是非にというのでした。
「今回はね」
「楽しまれますね」
「そうさせてもらうわ」
「それでは」
「ええ、それじゃあ早速冒険の準備にね」
「入られますね」
「そうするわ」
こう言うのでした。
「これからね」
「それでは」
ジュリアも頷いてでした。
朝ご飯の場であらためてです、ジュリアはその場にいる魔法使いにこれからのことを確認すると彼は微笑んで答えました。
「暫くは宮殿にいてね」
「そうしてですね」
「何かあったら働かせてもらうよ」
「左様ですね」
「それでドロシーがヘンリーさんとエマさんのお家に行くそうだけれど」
「そのことを聞かれていますね」
「今朝聞いたよ、それならね」
魔法使いは朝ご飯を前にお話します、今朝の朝ご飯は目玉焼きに白いご飯にお豆腐と茸のお味噌汁、納豆に海苔にお漬けものといったものです。
「かかし君と樵君も来るし」
「皆さんで、ですね」
「留守を守らせてもらうよ」
「それでは」
「僕もいるよ」
臆病ライオンもその場にいて言ってきました。
「宮殿にね」
「僕だってだよ」
原ペコタイガーも言ってきました、二匹の前には山盛りの白いご飯があってその上に納豆がかけられています。
「いるよ」
「これだけの人達がいたら」
オズマはそれならと頷きました。
「大丈夫ね」
「ええ、それじゃあね」
ドロシーはオズマの横の席から彼女に言ってきました。
「一緒に行きましょう」
「私も入れて」
「そうしてね」
「ベッツイが行くなら」
ここで驢馬のハンクが言ってきました。
「僕も行くよ」
「そうしてくれるのね」
「当たり前だよ」
こうベッツイに答えました。
「僕達はいつも一緒だね」
「だからなのね」
「ベッツイが行くなら」
冒険にというのです。
「一緒だよ」
「それじゃあ宜しくね」
ベッツイも笑顔で応えました。
「今回も」
「それではね」
「わしもだよ」
キャプテン=ビルも言ってきました。
「トロットが行くのなら」
「一緒になのね」
「勿論だよ、そして」
そのうえでというのです。
「楽しい冒険の旅にしよう」
「それじゃあね」
「僕は最初から決まってるしね」
「私もね」
トトとエリカはドロシーの左右から言いました。
「行かせてもらうわよ」
「僕はドロシーといつも一緒だしね」
「ええ、私もトトが一緒じゃないと」
それならと言うドロシーでした。
「やっぱりね」
「困るよね」
「何かとね」
「それじゃあね」
「一緒に行こうね」
「それで貴方達もね」
オズマは恵梨香達五人に微笑んで声をかけました。
「行ってもらうわ」
「宜しくお願いします」
「それじゃあ」
「是非です」
「今回もお願いします」
「楽しい冒険の旅にしましょう」
「皆でね」
オズマは五人に笑顔で応えました。
「それじゃあ皆で冒険に行く準備をしましょう」
「留守は任せてね、かかし君と樵君が来たら」
それならと言う魔法使いでした。
「皆はね」
「出発するわね」
「それじゃあね」
オズマに笑顔で応えました。
「行って来てね」
「それではね」
「うん、そして今はね」
「朝ご飯を食べるのね」
「皆でね、こうしてね」
魔法使いは自分のご飯に納豆をかけました、そうしてそのうえでそれを食べて笑顔で言うのでした。
「美味しく食べよう」
「納豆もね」
「うん、しかし納豆はね」
その納豆を食べて言うのでした。
「物凄い食べものだね」
「糸引いていて匂いもかなりで」
ドロシーも納豆にご飯をかけて食べています、そのうえで言うのでした。
「凄いわ」
「けれどこれが美味しいんですよね」
恵梨香は笑顔で言いました。
「ご飯にかけますと」
「しかも栄養あるんですよね」
カルロスはそのまま食べています。
「納豆って」
「朝なんかいいんですよね」
ジョージはご飯にかけています。
「これが」
「だから僕達も結構食べます」
神宝もご飯にかけて食べています。
「外の世界でも」
「匂いに慣れたら」
ナターシャはそのまま食べています。
「何でもないですね」
「お寿司のネタにもなってるわね」
エリカが言ってきました。
「納豆って」
「納豆巻きね」
「お寿司の定番の一つだね」
「あのお寿司も美味しいんだよね」
「魚介類のものも食べて」
「納豆巻きもってなるのよね」
「それで私も好きでね」
それでと言うエリカでした。
「お寿司食べる時はいつも食べるわ」
「私もよ、色々食べるけれど」
ドロシーも応えて言います。
「その中でね」
「納豆巻きもよね」
「食べるわ、お寿司って魚介類だけじゃないから」
「胡瓜や沢庵も使うわね」
ベッツイが応えました。
「ネタに」
「胡瓜だと河童巻きね」
「ええ、それで卵焼きも使うし」
「茹で卵や天麩羅だってね」
「ネタに使うし」
それでというのです。
「いいのよね」
「美味しいわね」
「どれもね」
「お寿司は一つの世界だね」
魔法使いも言いました。
「それでヘンリーさんとエマさんにもだね」
「食べてもらいたいわ」
ドロシーは魔法使いに今はお味噌汁を飲みつつ答えました。
「魚介類もで」
「いいね、魚介類もね」
「美味しいから」
「お二人は今もだね」
「あまりね」
これといってというのです。
「食べないみたいなの」
「そうなんだね」
「基本カンサスにいた頃と変わってないから」
その生活はというのです。
「食生活もね」
「質素なままなんだね」
「流石に現代化はしているけれど」
それでもというのです。
「基本がね」
「それではね」
「魚介類もね」
「食べていないね」
「海草なんかどうでしょうか」
恵梨香はこう言ってきました。
「何か消化出来る人少ないんですが」
「外の世界ではそうなの」
「はい、日本人は消化出来ても」
海草をというのです。
「若布とか海苔とか」
「オズの国では皆消化出来るわよ」
ドロシーは何でもないといった声で答えました。
「誰でも食べものならね」
「消化出来るんですね」
「牛乳だってね」
「日本人は逆に牛乳は」
「消化出来ないの」
「しにくいらしくて」
そうした体質でというのです。
「飲み過ぎたらよくないです」
「そうなのね、そうしたことはね」
「オズの国だとですね」
「だから皆海苔も食べてるのよ」
実際に海苔を食べて言うドロシーでした。
「こうしてね」
「大丈夫だから」
「そうよ、ただ外の世界の人達も全く消化出来ないのかしら」
「そこまではいかないと思います」
恵梨香はドロシーに答えました。
「流石に」
「海草も」
「はい、実際海苔とか多少なら食べられるので」
「それならいいわね、海苔もいいし」
トロットもその海苔を食べて言います。
「私梅干しもね」
「お好きですか」
「そうなの」
実際にというのです。
「お漬けものもでね」
「それで梅干しもですか」
「最初はあまりにも酸っぱくて」
少し苦笑いで言うトロットでした。
「驚いたけれどね」
「そうなりましたか」
「ええ、けれどね」
それがというのです。
「今はね」
「大丈夫ですね」
「美味しくね」
その梅干しを食べて言いました。
「頂いてるわ」
「そうですか」
「和食って不思議だわ」
「不思議ですか」
「納豆も海苔も梅干しも最初何これってなるのに」
「食べてですか」
「見てもね」
それでもというのです。
「凄く驚くけれど」
「それでもですか」
「慣れるとね」
「どれもですね」
「凄く美味しいわ、お味噌汁を飲んだら」
実際に飲んで言います。
「目が覚めて頭もね」
「冴えますか」
「そんな感じがするし」
「お味噌汁はそうよね」
ベッツイもお味噌汁を飲んで言いました。
「飲むとね」
「頭がよね」
「すっきりするわ」
「面白いスープよね」
「日本のね」
「お味噌がいいのよ」
オズマも言って来ました。
「何といっても」
「そうそう、お味噌ね」
「お味噌を入れるとね」
「それで全く違うのよね」
「何もかもがね」
トロットにベッツイ、それにドロシーに応えて言いました。
「本当に。お味噌は普通にお野菜に付けたりしてもいいし」
「焼き味噌がいいんだよ」
キャプテンは目玉焼きを食べながら言います、皆お箸を器用に使ってそのうえで美味しく食べています。
「あれもね」
「ああ、焼き味噌いいよね」
魔法使いはキャプテンの言葉に笑顔で応えました。
「あの食べものも」
「そうだね」
「刻んだお葱と生姜をお味噌に入れて混ぜて」
「木の板に付けて焼く」
「これがまたね」
「実に美味しいね」
「焼き味噌ね、おじさんとおばさんは」
ドロシーは二人のお話を聞いて思いました。
「そうしたものを食べているかしら」
「どうだろうね」
トトはドロシーの今の言葉に首を傾げさせて応えました。
「何しろ質素で」
「まだ昔ながらの部分があるから」
「生活がね」
「それなら」
「魚介類もだけれど」
「和食もね。中華料理とかも」
こちらのお料理もというのです。
「どうなのか」
「不安だね」
「あまりというかね」
「殆どだね」
「食べていないんじゃないかしら」
「中華料理も魚介類使ったの多いでしょ」
エリカが言ってきました。
「海老蒸し餃子とか蟹焼売とか海鮮麺とか」
「海鮮炒飯もあるし八宝菜にも入れるわ」
「お魚を揚げてあんをかけたりね」
「何かとね」
中華料理はとです、ドロシーはエリカに答えました。
「あるわ」
「海老も烏賊も使って」
「貝もね、本当に何かとね」
「魚介類も食べるわね」
「中華料理もね、実はお刺身もあるし」
中華料理にはというのです。
「美味しいのよ」
「中華料理にもあるのね、お刺身」
「日本にもあってね」
それでというのです。
「中華料理にもあるの」
「中華料理って火を通すけれど」
「そうしたものばかりでもないの」
「そうなのね」
「ええ、けれどね」
「ヘンリーさんとエマさんは」
「そうしたものも食べているか」
どうにもというのです。
「わからないというか」
「殆ど食べていないわね」
「多分ね」
こう言うのでした。
「考えれば考える程ね」
「そうだって思えるわね」
「どうもね」
「若しも」
オズマはお漬けもの青菜のそれを食べつつ言いました。
「あの人達が魚介類を食べたいと言われたら」
「それならよね」
「その時はね」
「マンチキンの東の港町に行って」
「漁港のね」
「海のものも川のものも獲れる」
「そこでね」
「おじさんとおばさんにご馳走するのね」
「そうしましょう」
是非というのです。
「ここは」
「それではね」
「そして」
そのうえでというのです。
「満足してもらいましょう」
「そうね、お寿司だけじゃなくて」
「他の色々なお料理をね」
「食べてもらうのね」
「時間をかけてね」
そうしてというのです。
「フライもムニエルもあるし」
「カルパッチョも」
「ブイヤベースもあるわよ」
オズマは笑顔でこのお料理もと言いました。
「パスタにもあるでしょ」
「パスタならね」
キャプテンが笑顔で言ってきました。
「ペスカトーレに蟹とクリーム、そしてイカ墨とね」
「色々あるわね」
トロットが応えました。
「実際に」
「パスタでもね」
「そう考えたら」
「本当にね」
「色々あるわね」
「魚介類を使ったお料理は」
それはというのです。
「わしも好きだしね」
「キャプテンさん海で働いていたし」
「尚更だよ、干し魚も」
これもというのです。
「ビールのつまみにだよ」
「いいのね」
「これがまた」
トロットに笑顔でお話します。
「そうなのだよ」
「干したものも」
「燻製にしてもいいよ」
魚介類はというのです。
「そう考えたら何かと」
「楽しめるわね」
「そうだよ、だから」
それでというのです。
「魚介類もだよ
「いいわね」
「とてもね」
「そうよね、それじゃあ」
「うん、朝ご飯を食べたら」
その後はというのです。
「ヘンリーさんとエマさんのお家に行く準備をはじめよう」
「それじゃあね」
トロットも笑顔で頷きました、そして実際にです。
四人の王女をはじめとした一行は冒険の旅に出発する準備に入りました、魔法使いが留守を守ることになり。
「ではね」
「ええ、私達がいない間はお願いね」
「オズマ姫が心配しない様にするよ」
魔法使いはオズマに笑顔で答えました。
「オズの国全体の政治のことはね」
「宜しくね」
「それでかかし君と樵君が来たら」
「そして準備が整ったら」
冒険の旅へというのです。
「出発するわ」
「そうするね」
「ええ、楽しみよ」
オズマは笑顔で言ってでした。
そのうえで皆と一緒に冒険の旅に行く準備を進めました、そしてです。
次の日の午前中には皆の準備が整いお昼前にでした。
かかしと樵が都に来てです、一向に笑顔で言ってきました。
「お話は聞いてるよ」
「冒険に出ている間は任せてね」
こう言うのでした。
「魔法使いさん達と一緒に政治をやっていくよ」
「オズの国全体のそれをね」
「臆病ライオン君と腹ペコタイガー君もいてくれてるし」
「皆がいれば大丈夫だよ」
「そうそう、皆いるからね」
臆病ライオンは二人の言葉にその通りと頷きました。
「心配はいらないね」
「一人じゃ難しくても皆がいて力を合わせたら」
それならと言う腹ペコタイガーでした。
「何でも出来るからね」
「そうなのよね、皆が力を合わせたら」
ドロシーもその通りと答えました。
「難しいことでもね」
「出来るね」
「相当なことでも」
「ええ、じゃあオズマはいないけれど」
ドロシーは笑顔で言いました。
「留守の間お願いね」
「任せてね」
魔法使いはドロシーにも笑顔で応えました。
「そして君達は安心してね」
「行って来るわね」
ドロシーも笑顔です、そしてでした。
皆は笑顔で出発しました、オズマは出発してすぐに青空を見上げて皆に微笑んでこんなことを言いました。
「お外を歩いでお空を見上げても」
「それだけでよね」
「いいわね」
ベッツィに応えて言いました。
「冒険をしているって感じがして」
「実際に冒険に出ているし」
「ええ、だからね」
それでというのです。
「本当にね」
「幸せね」
「そう感じているわ」
こう言うのでした。
「私もね」
「それは何よりね」
「久し振りの冒険だから」
それでとも言うのでした。
「満喫させてもらうわ」
「それじゃあね」
「さて、問題はね」
トロットは考えるお顔で言いました。
「ヘンリーさんとエマさんの返事だけれど」
「お誘いしてどう言われるか」
「ええ、考えてみたら」
トロットはオズマにこうも言いました。
「お二人もお仕事があるわね」
「農家のね」
「そちらのこともあるから」
「そうね、考えてみたらね」
オズマはトロットの言葉を受けて言いました。
「そのこともあるし」
「ちょっとどうなるかね」
「わからないわね」
「お二人の返事次第ね」
「若しおじさんとおばさんが行かないって言ったら」
ドロシーはその時のことを考えました。
「どうしようかしら」
「その時点で冒険は終わりかしら」
オズマはふと思いました。
「そうなるかしら」
「いや、それならわし等だけで漁港に行けばいいよ」
ここでキャプテンが知恵を出しました。
「お二人が行かないと言っても」
「それでもなのね」
「わし等で行って」
そうしてというのです。
「海の幸をだよ」
「楽しめばいいわね」
「そして川の幸もね」
「どちらもなのね」
「そうすればいいよ」
「そうだね、そうなったら寂しいけれど」
お二人を誘っても来なかったらとです、ハンクも言いました。
「その時はだよ」
「私達でなのね」
「行こうね」
ハンクはオズマにお話しました。
「そうしようね」
「それじゃあね」
「海の幸に川の幸を満喫する」
エリカは舌なめずりして言いました。
「お二人が来なくてもね」
「そうするのね」
「誘っても頷いてくれないなら仕方ないわ」
その時はというのです。
「もうね」
「諦めるしかないのね」
「時として諦めることも大事でしょ」
「ええ、またの機会ということで」
「それも世の中だから」
それ故にというのです。
「その時は私達だけでよ」
「行くのね」
「そうしましょう」
「まあ行ってお話してみてだね」
トトはドロシーの足下を歩きつつ言います。
「どうなるか」
「お二人の返事次第ね」
「それがどうなるかで」
「それを待てばいいのね」
「うん、まあドロシーが誘うなら」
トトはドロシーを見てオズマにお話しました。
「きっとね」
「大丈夫ね」
「ドロシーはお二人にとって娘みたいなものだから」
それでというのです。
「ドロシーのお誘いならね」
「聞いてくれるのね」
「きっとね」
「それじゃあ」
「期待していいと思うよ」
そうだというのです。
「本当にね」
「言われてみると」
オズマはドロシーとエメラルドの都の宮殿でいつも一緒にいる人としてトトに答えました。勿論ドロシーと一緒にいるトトともです。
「そうね」
「そうだよね」
「トトが言ってくれるなら」
それならというのです。
「そうよね」
「僕もお二人とずっと一緒にいたからね」
「カンサスで」
「それでドロシーだけでなくね」
「お二人のこともよく知ってるわね」
「家族だからね」
それ故にというのです。
「わかるよ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「今こうして言うよ」
「そうね、二人が忙しくなくて」
ドロシーも言ってきました。
「私が一緒に行こうと言ったら」
「誘いに頷いてくれるわね」
「きっとね、そして」
「一緒にね」
「冒険の旅に行ってくれて」
そうしてというのです。
「漁港でね」
「海の幸も山の幸もなのね」
「楽しんでくれるわ」
そうしてくれるというのです。
「必ずね、それにね」
「それに?」
「実は一週間位前におじさんとおばさんとラインでお話したけれど」
「そちらでなの」
「その時に麦も玉蜀黍もジャガイモも全部収穫し終えて」
それでというのです。
「お仕事が一段落したそうよ」
「そうなのね」
「だからね」
「今はなのね」
「冒険の旅にも行けるわ」
「それは何よりね、それじゃあ」
オズマは笑顔で言いました。
「きっと」
「二人は頷いてくれるわ」
「私達の誘いに」
「そうしてくれるわ」
「では期待して行くわ」
こう言ってでした。
皆でお二人のお家に黄色い煉瓦の道を歩いて進み夕方になるとテントを出して近くのお池で身体を清めてです。
晩ご飯となりました、オズマが自分のテーブルかけから出したそれはといいますと。
「鱈のアクアパッツァとね」
「鮭のマリネにですね」
恵梨香はオズマに応えました。
「平目のムニエル」
「それに鱒のフライ」
神宝も言います。
「海老と蛸、ほたて貝のカルパッチョですね」
「生牡蠣もありますね」
ジョージはそちらも見ています。
「それと烏賊のバター焼きも」
「それとシーフードサラダ」
カルロスはそちらも見ています。
「主食はパンで」
「デザートはケーキで」
ナターシャは苺のそれを見ています。
「ジュースもありますね」
「シーフード尽くしですね」
「まさに」
「凄いですね」
「欧州のお勝利ばかりですね」
「デザートは流石に魚介類じゃないですが」
「今回そちらのお話よくしてるから」
それでと言うオズマでした。
「今日の晩ご飯はね」
「魚介類ですね」
「それでまとめたんですね」
「そうなんですね」
「いや、凄く美味しそうですね」
「本当に」
「そうよね、じゃあ皆で食べましょう」
オズマは笑顔で言ってでした。
皆で魚介類メインの晩ご飯を食べます、するとでした。
恵梨香はレタスにトマトにセロリに胡瓜にです。
若布がたっぷりと入っていてオニオンドレッシングをかけたそのサラダを食べて満面の笑みを浮かべて言いました。
「美味しいですね」
「そうね」
オズマもそのサラダを食べて言います。
「これはね」
「そうですよね」
「他のお料理もいいわよ」
ドロシーはカルパッチョを食べつつ言います。
「新鮮で調味料もよくて」
「そちらもですね」
「カルパッチョにはレモンのお汁とオリーブオイルをかけているけれど」
「どちらもですか」
「凄くね」
こう言っていいまでにというのです。
「美味しいわ」
「そうですか」
「だからサラダの次はね」
オズマと一緒にサラダを食べている恵梨香に言います。
「カルパッチョ食べたらいいわ」
「わかりました」
「いや、フライもいいし」
ベッツイも言ってきます。
「マリネもムニエルもね」
「美味しいんですね」
「どれもね、いや最高よ」
「アクアパッツァ食べてみて」
こう言ったのはトロットでした。
「こちらもね」
「美味しいんですね」
「ええ、本当にどれもね」
「美味しいですか」
「凄くね」
「烏賊のバター焼きの後で生牡蠣食べてるけれど」
それでと言うトトでした。
「この生牡蠣もね」
「美味しいのね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「中牡蠣って僕思うけれど」
「何をかしら」
「レモン汁かけて食べるよりもね」
それよりもというのです。
「日本風にぽん酢かけて食べる方が」
「美味しいのね」
「そう感じるよ」
「そうなのね」
「今はレモン汁とお塩で食べてるけれどね」
それでもというのです。
「ぽん酢がいいかな」
「というかお醤油がね」
エリカはこの調味料のお話をしました。
「今はテーブルの上にないけれど」
「それでもなのね」
「魚介類に物凄く合うわね」
「それはね」
恵梨香も頷きました。
「お刺身でもね」
「欠かせないわね」
「唐揚げにもかけるし」
「お魚のね」
「天麩羅には天つゆだけれど」
「その天つゆにも使われてるわね」
「ええ」
その通りだというのです。
「そうなっているわ」
「本当に魚介類にね」
「お醤油は合うのね」
「私もそう思うわ」
「だから和食の魚介類を使うものにはね」
オズマもカルパッチョを食べつつ言ってきました。
「和食自体がそうだけれど」
「お醤油は欠かせないですね」
「そうよね、お醤油がないお刺身は」
これはといいますと。
「考えられないわ」
「そこまでのものですね」
「ええ」
その通りだというのです。
「私もそう思うわ」
「確かにそうですね、お醤油は凄くです」
恵梨香も頷いて言いました。
「魚介類に合います」
「そうでしょ、これから私達が行く漁港でもね」
「お菱油はよく使われていますか」
「和食には欠かせないし」
そちらの魚介類を使ったお料理にというのです。
「お寿司にだってでしょ」
「はい、本当に」
「中華料理にも使うし」
「お醤油は」
「だからね」
それでというのです。
「その漁港でもね」
「お醤油はよく使われますか」
「そうなのよ」
「そういえばカンサスにいた時は」
ドロシーはその時のことをマリネを食べながら思い出しました。
「調味料もね」
「あまり、ですか」
「お塩とお酢、胡椒があって」
それでというのです。
「おソースが少々ね」
「それ位ですか」
「ええ、今みたいに色々あることはね」
「なかったですか」
「量も節約していたわ」
調味料を使うにしてもというのです。
「あの頃は」
「量もですか」
「だって私達は農家で」
「調味料は買うしかなかったですね」
「時々交易に来る人からね」
「周りは誰もいなくて」
「本当に大平原の中で暮らしていて」
カンサスのというのです。
「お家もなくてね」
「それで、ですか」
「当然お店もなかったから」
「何時でも変える状況じゃなかったんですね」
「そうなの」
これがというのです。
「カンサスにいた頃はね」
「それで、ですね」
「もうね」
それこそというのです。
「何もね」
「なかったんですね」
「だからね」
「調味料も節約してましたか」
「そうして使っていたわ」
「お塩やお酢や胡椒を」
「それでおソースが少しで」
それでというのです。
「本当にね」
「他はですね」
「何もなかったですか」
「オリーブオイルもレモン汁もで」
「お醤油は」
「全く」
恵梨香に蛸のカルパッチョを食べながら言いました。
「聞いたことがなかったわ」
「そうですか」
「それこそね、けれどね」
「それがですね」
「今はね」
それこそというのです。
「色々な調味料をね」
「味わえていますね」
「この通りね、おじさんとおばさんもね」
お二人もというのです。
「今はね」
「色々な調味料をですか」
「ふんだんに使えているわ」
「それは何よりですね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「おじさんとおばさんは本当に昔ながらの生活を続けているから」
だからだというのです。
「やっぱり質素で」
「調味料もですか」
「あまり使ってないんじゃないかしら」
「種類も量も」
「今私達が食べているお料理の多くに胡椒が使われているわね」
こうも言ったドロシーでした。
「他の香辛料も」
「そうですね」
「おじさんとおばさんが胡椒を使ってるって言ったけれど」
それでもというのです。
「あまりね」
「使っていなくて」
「それで使っている香辛料は」
「胡椒位ですか」
「他の香辛料はこれといって」
「使ってなかったんですね」
「オイルもあまりね」
こちらもというのです。
「使っていなかったわ」
「オリーブオイルをこんなに使うことは」
恵梨香はマリネやカルパッチョそれにアクアパッツァに使われているこのオイルを見ながらドロシーに尋ねました。
「やっぱり」
「というかオリーブオイル自体がね」
「なかったんですね」
「そうよ」
これがというのです。
「なかったから」
「それは寂しいですね」
「だから今の私達の食生活は」
「凄く贅沢ですか」
「そうなったわ、ただね」
「ヘンリーさんとエマさんは」
「質素なままなの」
「香辛料やオイルも」
「お砂糖だって」
こちらもというのです。
「昔は殆どで今はね」
「もっとですね」
「私はお砂糖を使ったお料理もお菓子もね」
「召し上がられてますね」
「ケーキだって」
デザートのそれも見ます。
「お砂糖をふんだんに使ってるわね」
「そうですね」
「果物は交易で手に入れてお菓子もたまにで」
「召し上がることは」
「今言った通りね」
「稀だったんですね」
「そうだったのよ」
カンサスにいた時はというのです。
「本当にね」
「それはドロシーさんが竜巻に乗って」
「そう、その時のお話にも書いてあったわね」
「最初のお話で」
「その最初にね、カンサスでの暮らしは」
それはというのです。
「そんな風だったのよ」
「今とは全く違ったんですね」
「食生活もね、ガスも電気も水道もなくて」
そしてというのです。
「パソコンも携帯電話もね」
「なくて」
「今とは全く違うわ、おじさんとおばさんもね」
お二人もというのです。
「かつてはそうした暮らしで」
「今もそうした風にですか」
「暮らしているふしがあるわ」
「そうなんですね」
「質素だから。流石にパソコンや携帯電話は持っているけれど」
「テレビとかもですね」
「お家にはガスも電気も水道も通っていてね」
そうなっていてというのです。
「今のオズの国の暮らしだけれど」
「それでもですね」
「そう、昔の生活がまだ残っていて」
「食べものも」
「昔のままなところがね」
カンサスにいた頃のというのです。
「残ってるわね」
「そうですか」
「だからこそ」
「お二人にですね」
「美味しい魚介類を堪能して欲しいのよ」
こう恵梨香に言うのでした。
「今の私達みたいにね」
「そういうことですね」
「そうよ、じゃあまずは二人のお家に行きましょう」
魚介類と一緒にアルコールのない子供用の白ワインも飲みます、そうしてそちらも楽しみながらでした。
ドロシーは言います、お二人に是非にと。