『新オズの臆病ライオン』




                第十一幕  新たな参加者

 会議、今回最も重要なこちらのことが行われる時が近付いてきました。そんな中でドロシーはオズマに携帯電話から言われました。
「実はもう一人参加する人が増えたの」
「そうなの」
「国家を代表してね」
 そのうえでというのです。
「参加することになったの」
「それは誰なの?」
「ポリクロームよ」
 オズマはドロシーに誰かお話しました。
「あの娘がね」
「会議に参加してくれるのね」
「急遽決まったのよ」
「またどうしてそうなったのかしら」
「今回の会議のお話の内容は各国の上空のことでしょ」
「お空を飛ぶ郵便それに貿易航路のことよ」
「その航路があの娘の国の領土を通るから」
 だからだというのです。
「あの娘の国、虹の妖精の国がこのことに気付いてね」
「それでなのね」
「自分達のことでもあるから」
「参加したいってなったのね」
「そうなの」
 ドロシーに携帯電話の向こうからお話するのでした。
「あの国も。それでね」
「ポリクロームが代表になったのね」
「ええ、それでね」
 オズマはさらにお話しました。
「今からあの娘を迎えに行ってくれないかしら」
「あの娘から来られない事情があるの」
「あちらの国の王様が参加したいことを正式に貴方にお話して」
 そしてというのです。
「認めて欲しいそうだから」
「私が今回の会議の主催者だから」
「オズの国の代表でね」
 このこともあってというのです。
「それでなのよ」
「私になのね」
「来て欲しいって言ってるの」
「そしてその時になのね」
「ポリクロームもね」
 彼女もというのです。
「迎えに行って欲しいのよ」
「わかったわ、では行って来るわ」 
 ドロシーはすぐに答えました。
「今からね」
「急なことで御免なさい」
「誤ることはないわ、何があるかわからないから」
 笑顔で、です、ドロシーは自分に謝ったオズマに答えました。
「余裕を以てスケジュールを組んだし」
「それでなのね」
「それに世の中、オズの国もね」
 ドロシーはオズマに言いました。
「何時何があるかわからない」
「そうしたものだから」
「いいのよ。むしろポリクロームにも会えてね」
 そうしてというのです。
「あの娘の国に行けて嬉しいわ」
「そう言ってくれるのね」
「だからね」 
 それでというのです。
「これからね」
「行ってくれるのね」
「そうしてくるわ」
 こう言ってです。
 ドエシーはオズマとのやり取りを終えた後で皆に事情をお話しました、すると魔法使いが最初に言いました。
「じゃあ飛行船に乗ってね」
「行くといいのね」
「ここからあの国まで飛行船で行けばね」
 そうすればというのです。
「すぐだしね」
「だからなのね」
「今からね」
「行ってあちらの国の王様とお話して」
「ドロシーが参加を認めてね」 
 会議のというのです。
「そしてだよ」
「ポリクロームを迎えて」
「戻って来ればいいよ」
「それじゃあね」
「ただね」
 今度はかかしが言ってきました。
「各国の人達へのおもてなしがあるからね」
「私達全員では行けないわね」
「ドロシーは行かないといけないけれど」
 虹の妖精の国の王様と会ってお話をしないといけないからです、そちらの国の会議への参加を認める為にも。
「けれどね」
「皆では行けないわね」
「どうしてもね」
 それはというのです。
「行けないよ」
「そうね、それはね」
「僕達が残るよ」
 樵は自分から申し出ました。
「そうしてくれるよ」
「お願い出来るかしら」
「うん、ここは限られたメンバーでね」
「行くべきね」
「すぐに行ってね」
 そうしてというのです。
「すぐに帰るといいよ」
「それじゃあね」
「今から出発するメンバーを考えていこう」
「まずドロシーは絶対だね」
 トトはかかしと同じことを言いました。
「けれど他は誰か」
「それが問題ね」
「僕達のかなりのメンバーは残って」
「各国の人達のおもてなしね」
「それをしないといけないからね」
「そうよね」
「まずね」
 腹ペコタイガーが言ってきました。
「こうしたことに詳しくて得意な魔法使いさんとかかしさん、樵さんは残らないとね」
「そうよね、大人で政治にいつも携わってるからね」
 この人達はとです、ドロシーも頷きました。
「だからね」
「この人達には残ってもらおう」
「そうしましょう」
 三人共ドロシーの言葉に笑顔で頷きました、そしてです。
 ドロシーは皆を見てです、さらに言いました。
「ボタンはあの人達と仲がよくてね」
「うん、そうだよ」
 ボタン本人も認めます。
「仲がいいよ」
「あの人達と最初のパーティーの時からね」
「縁だよね」
「だから貴方もね」
 ボタンもというのです。
「ここはね」
「残ってだね」
「おもてなししてくれるかしら」
「わかったよ」
 ボタンは微笑んで答えました。
「それじゃあね」
「お願いね」
「それで腹ペコタイガーはお昼のお料理の味見役があるから」
「僕に最適のお仕事だね」
「トトも各国の人達が一緒にお散歩したいっていうし」
 ドロシーは腹ペコタイガーに応えつつ言っていきます。
「残ってもらうわ」
「じゃあ残るはね」
「私と」
 トトに応えながら考えるお顔で言いました。
「神宝、ジョージ、カルロス、ナターシャ、恵梨香ね」
「僕達ですか」
「僕達はドロシーさんと一緒に行くんですね」
「虹の妖精の国まで」
「飛行船でお空を飛んで」
「そうするのですね」
「貴方達はあの娘ともお友達でね」
 ポリクロームと、というのです。
「それであの国にも行ったことがあるし」
「だからですか」
「僕達はドロシーさんと一緒ですね」
「あの国まで行って」
「それでポリクロームさんとお会いして」
「迎えに行くんですね」
「そうして貰うわ」
 五人に笑顔で答えました。
「今回はね」
「わかりました」
「宜しくお願いします」
「そうさせてもらいます」
「じゃあ今から飛行船に乗って」
「ポリクロームさんのところに行かせてもらいます」
「そうしてね。それとね」
 さらに言うドロシーでした。
「臆病ライオンは」
「そうそう、ずっと名前が出なくて心配だったよ」
 その臆病ライオンが言ってきました。
「本当にね」
「御免なさい、私もね」
「忘れてないよね」
「私が忘れると思う?」
「まさか」
 笑ってです、臆病ライオンはドロシーに答えました。
「そんな筈がないよ」
「そうだよね」
「私達がお互いを忘れることなんてね」
「かかしさんも樵さんもね」
「そんな筈ないから」
 だからだというのです。
「何処で貴方が言ってくれて」
「どの役目をするかだね」
「考えていたのよ」
「そうだったんだね」
「ええ、それでね」 
 さらに言うドロシーでした。
「今回はね」
「僕はどうするか」
「貴方飛行船操縦出来るわね」
「あの飛行船は自動操縦も出来て脳波でリモコン操作も出来るね」
「オズの国の科学と魔法の技術でね」
「だったら僕にも出来てね」
「それでね」
 ドロシーは臆病ライオンにさらに言いました。
「貴方はこの中で一番足が速いでしょ」
「そうそう、臆病ライオン君の足は速いよ」
「しかもスタミナもあるよ」
 かかしと樵も太鼓判を押します。
「この中では一番だね」
「何と言ってもね」
「そうしたことって操縦にも影響するから」
 それでというのです。
「是非ね」
「僕になんだ」
「操縦して欲しいけれど」
「それならね」
 お話を聞いてです、臆病ライオンも頷きました。
「一緒に行かせてもらうよ」
「お願いするわね」
「すぐに行こうね」
 こうしてでした、臆病ライオンが飛行船を操縦することになってです。
 ドロシーはすぐに神宝達と一緒に飛行船に乗り込んで出発しました、飛行船はすぐに離陸して凄い速さで飛びはじめました。
 その速さにです、ドロシーはにこりと笑って言いました。
「私の思った通りね」
「普段の倍以上の速さですね」
 神宝はその速さに驚いています。
「これは」
「いや、これならです」
 カルロスも言います。
「虹の妖精の国まですぐですね」
「まさかこんなに速いなんて」
 ジョージは周りの景色を見ています、飛行船は今も三百六十度見えています。
「思いませんでした」
「確か虹の妖精の国は近くなので」
 恵梨香は向かう先のお話をしました。
「あっという間に着きますね」
「着いたら」
 それならと言うナターシャでした。
「すぐにあちらの国の王様とお会いするんですね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「会議への参加を承認させてもらって」
「そうしてですね」
「ポリクロームさんとお会いして」
「そして飛行船に乗ってもらって」
「すぐに街に戻りますね」
「そうしますね」
「そうするわ、しかしね」
 ドロシーは頭に飛行船を操縦する為に脳波即ち操縦する思考を送る為のヘッドギアを被って座っている臆病ライオンを見て言いました。
「本当に速い操縦ね」
「そうだね、僕自身思ってるよ」 
 臆病ライオンはドロシーに答えました。
「今全速力で操縦しているけれどね」
「貴方の」
「そうしたらだよ」
「この速さね」
「うん、これはどんどんね」
 まさにというのです。
「進めていけてるよ」
「そうね、私の思った通りね」
「僕は速いね」
「ええ、それじゃあね」
「虹の妖精の国に行こうね」
「そうしましょう」
 こうお話してでした。
 飛行船は他の人が操縦している場合とは倍以上の速さでオズの国のお空を進んでいきました、そこにいる鳥やお魚も目を瞠る位の速さで。
 青い空も白い雲も突っ切ってでした、虹の妖精の国に着きました。すると出迎えた王様はドロシー達を出迎えて言いました。
「もう来るとは」
「思わなかったかしら」
「とても。しかしすぐにお話が出来て何よりです」
 ドロシーと握手をしてから言いました。
「本当に」
「ええ、それじゃあ今からね」
「会議のことでお話させて下さい」
「わかったわ」
 こうしてでした。
 王様はドロシーに会議に参加させて欲しいと申し出ました、ドロシーはその申し出ににこりと笑って是非と答えました。そうしてです。
 ポリクロームが来るとです、ドロシーは彼女に言いました。
「それでは今からね」
「ええ、私もね」
「会議に参加させてもらうわ」
「それではね」
「飛行船に乗ってくれるかしら」
「そうさせてもらうわ」
 ポリクロームは笑顔で答えました。
「今から」
「それではね」
「ええ、それでだけれど」
 ポリクロームはさらに言いました。
「今回の会議ではね」
「貴女の国にね」
「各国の郵便や貿易の航路が入るから」
「それでよね」
「それはいいけれど」
 それでもというのです。
「やっぱりね」
「国内が航路になるならな」
「詳しいお話を聞いて」
 そうしてというのです。
「それからね」
「認めないとね」
「それが政治らしいから」
 だからだというのです。
「国として参加させてもらいたいし」
「それによね」
「ええ、お話を聞かせてもらって」
「承認させてもらうのね」
「オズの国のお話でしかも貴女が主催ならね」
 ドロシーを見て言います。
「問題ないけれど」
「それでもね」
「ええ、政治はそうしたものなのよね」
「そうよ、お話を聞いてこちらからも言って」 
 それでとです、ドロシーも答えます。
「認めてサインをするものよ」
「お父様にそうしたものだって言われたから」
「今回は貴女が会議に参加するのね」
「そうさせてもらうわ」
「そうよね、それじゃあね」
「行きましょう」
「会議が行われる街にね」
 こうお話してでした。
 ポリクロームが乗り込むとすぐにです。
 飛行船は出発し街に戻りました、この時も臆病ライオンが操縦したので風よりもずっと速く進んでです。
 街に戻りました、そして皆のところに戻ると丁度皆でテーマパークで遊んでいましたがポリクロームを見てでした、まずはお人形の女王が言いました。
「また可愛い娘が来てくれたわね」
「そうですね」
 キャンディマンはお人形の女王の言葉に頷きました。
「どなたが来られると思ったら」
「こんな可愛い妖精さんが来てくれたのね」
「ポリクロームさんだったわね」
 ジクシー女王は彼女を見て笑顔で言いました。
「確か」
「何度かお会いしたことありますね」
「そうでしたね」
 バド王とフラウ王女も言います。
「お互いに訪問して」
「そうでしたね」
「久し振りだね」
 バド一世がはポリクロームに帽子を取って礼儀正しく一礼しました。
「お元気そうで何よりだよ」
「では今回はですね」
 チックも言ってきます。
「一緒に仲良く会議に参加してくれますね」
「まさかポリクリームさんが来られるとは思いませんでしたけれど」 
 それでもと言うバラでした。
「嬉しいです」
「お話は聞いたけれど皆さんが集まってるなんて」
 ポリクロームは笑顔で言いました。
「思わなかったわ」
「いきなりだったからね」 
 それでと言う臆病ライオンでした。
「それもね」
「当然なのね」
「うん、急に何かが起こることもね」
「あるわね」
「だからね」
 それでというのです。
「誰でもあるってことで」
「驚かないでいいのね」
「そうだよ、皆の中に入って」
「それでなのね」
「一緒に楽しもう」
「今から」
「そうしようね」
 こうポリクロームに言うのでした。
「是非ね」
「それではね」
 ポリクロームも頷きました、そしてです。
 皆の中に入ってテーマパークの中にある様々なもので楽しみました、ティーカップやメリーゴーランドやジェットコースターに乗ってです。
 皆で楽しみます、臆病ライオンはその中で言いました。
「ここはね」
「どうしたのかしら」
「軽食も楽しみたいね」
 こう言うのでした。
「ここは」
「そうね、テーマパークに入るとね」
 ドロシーもそれならと頷きます。
「そうしたものが食べたくなるわね」
「そうだよね、だからね」
「そうしたものが食べたくなったのね」
「是非ね」
「そうしたお話なら僕だね」
 腹ペコタイガーが言ってきました。
「食べもののことなら」
「そうだよね、もう食べものならね」
 臆病ライオンも笑顔で頷きます。
「君だよね」
「そうだね、だからね」
「今からだね」
「僕もね」
「そうしたものを食べたいね」
「ハンバーガーとかサンドイッチとかラーメンとかおうどんとか」
「ケバブもあるね」
 二匹で楽しそうにお話します。
「ピロシキとかサンドイッチとか」
「アイスクリームにクレープにね」
「色々あるね」
「そうだよね」
 こうお話するのでした、ドロシーもそう聞いて言いました。
「そう言うと思ってね」
「それでなんだ」
「もう皆用意しているんだ」
「今日のお昼はテーマパークのスナックコーナーに行ってね」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「食べるんだね」
「そうしたものを」
「皆でね」
 こう言うのでした。
「そうしましょう」
「それじゃあね」
「お昼はそうしたものを食べようね」
 笑顔でお話します、そして実際にです。
 皆はお昼はテーマパークの軽食のコーナーでハンバーガーや肉まんやおうどんといったものを楽しみました、そこでです。
 ボタンはハンバーガーを食べつつこんなことを言いました。
「僕ハンバーガー大好きなんだ」
「食べやすくて美味しいからだね」
「時々でもね」
 ホットドッグを食べている魔法使いに答えました。
「食べたくなるよ」
「そうだね、そう言うとね」
「魔法使いさんもだね」
「私もこうしたものが好きだよ」
 笑顔での返事でした。
「本当にね」
「そうだよね」
「時々ね」
「食べたくなるよね」
「そうした食べものだよ」
「そうなんだよね」
 腹ペコタイガーは唐揚げを食べつつ応えました、
「こうした食べものって」
「お姫様になったけれど」
 フラウ王女はチキンナゲットを食べています、そのうえでの言葉です。
「堅苦しいのは苦手だし」
「そうだよね」 
 弟さんのバド王はフランクフルトを笑顔で食べています。
「僕達元々王様でもお姫様でもなかったし」
「こうした食べものが好きよね」
「そうだよね」
「こうした食べものは素晴らしいわ」
 ジクシー女王は焼きそばを食べながら言いました。
「癖になるからね」
「あっ、わかります」  
 バラはラーメンを食べつつジクシー女王の言葉に頷きました。
「こうしたものって無性にです」
「食べたくなる時があるわね」
「そして食べると美味しいです」
「そうなのよね」
「それでこうした場所に来たら」
 ドロシーはケバブの味を楽しみながらお話しました。
「皆で食べるのもいいからね」
「ドロシーはお昼はこちらにしたんだね」
「そうよ」
 お握りを食べているトトに答えて言います。
「美味しいしね」
「そうだね」
「公の催しのお昼にはそぐわないかもって思ったけれど」
「いや、こうしたものを食べてもいいと思うよ」
 かかしが言ってきました、この人と樵、ドウ一世、チック、お人形の女王、キャンディマンは身体の関係で食べていませんし飲んでもいません。
「楽しいからね」
「だからなのね」
「オズの国で一番大事なのは何か」
「楽しむことよね」
「皆でね。それでだよ」
 かかしはさらにお話しました。
「こうしたものを食べてもね」
「いいのね」
「そうだよ」
「飾るべき時は飾ってね」 
 樵もドロシーに言います。
「飾らなくていい時はね」
「飾らないのね」
「そして今はね」
「飾らなくていいのね」
「コンサートや歌劇もいいけれど」
 それでもというのです。
「こうしたものを食べてもね」
「いいのね」
「政治の時もね」
「そうなのね」
「これもおもてなしだからね」 
 政治のそれだというのだ。
「だからだよ」
「いいのね」
「そうだよ」
 こう言うのでした、そして。
 ドウ一世はお人形の女王に明るい笑顔で尋ねました。
「女王は今は幸せかな」
「心から」
 お人形の女王は満面の笑顔で答えました。
「そうよ」
「それは私もだよ」
「一緒ね」
「テーマパークの中の様々なもので遊べて」
 そうしてというのです。
「そのうえで今はね」
「皆の笑顔を見られているからよね」
「美味しいものを食べてそうなっているね」
「そうですよね」 
 チックは二人の言葉に頷きました。
「私達は食事の必要が一切ないですが」
「寝ることもないしね」
 キャンディマンが応えました。
「こうした時は他の皆の笑顔を見て心の栄養にするけれど」
「その笑顔がいいね」
「そうだよね」 
「とてもね」
「見ているだけで幸せになれるよ」
「本当にね」
「最高な位にね」
「皆が喜んでくれたらいいじゃない」
 臆病ライオンもドロシーに言ってきました。
「そぐうそぐわないとかはね」
「違うのね」
「うん、そういうのじゃなくてね」
 ピザを食べながらドロシーに言います。
「おもてなしはね」
「満足してもらえるかどうか」
「幾ら礼儀正しくても」
「満足してもらえなかったら」
「それじゃあね」
 それならというのです。
「やっぱりね」
「それでよくないのね」
「だからね」
 それでというのです。
「今皆、僕もだけれど」
「満足してくれているから」
「問題はないよ」
 そうだというのです。
「全くね」
「そうなのね。それじゃあ」
「今もこれからもね」
「皆に満足してもらう」
「そうした考えでね」
「やっていくことね」
「それがいいと思うよ」
 笑顔での言葉でした。
「本当にね」
「それじゃあね」
 ドロシーも頷きました、そしてです。
 笑顔で頷きました、その彼女にポリクロームが甘いオレンジジュースを出してそのうえで言いました。
「どうぞ」
「有り難う、頂くわね」
「私もさっき飲んだけれど」
 オレンジジュースを手に言うのでした。
「とてもね」
「美味しいのね」
「そうよ」
 こう言うのでした、
「このジュースはね」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのです。
「飲んでね」
「そうさせてもらうわね」
 ドロシーは頷いてそのオレンジジュースを受け取ってから飲みました、そのうえで満面の笑顔で言いました。
「美味しいわ」
「こうした場所の飲みものっていいですよね」
 神宝は桃饅頭を手にしています。
「甘いものも」
「他の場所で飲んだり食べるより美味しくて」
 恵梨香は苺のかき氷を持っています。
「ついつい食べてしまいますね」
「他のものも食べますけれど」
 ジョージの手にはバニラのアイスクリームがあります。
「甘いものは外せないですね」
「甘いものも飲んで」
 ナターシャはクレープを食べています。
「そして食べないと足りないって思う位です」
「だから僕達もいただいています」
 カルロスはりんご飴を楽しんでいます。
「こうして」
「ええ、私も後で甘いお菓子いただくわ」
 ドロシーは五人にも答えました。
「そうさせてもらうわ」
「そうですか」
「じゃあ一緒に食べましょう」
「甘い食べものも」
「色々ありますけれど」
「その中から選んで」
「そうさせてもらうわ」
 こう言うのでした。
「本当にね」
「私も飲んでいるわ」
 ポリクロームは冷やしあめを飲みながら言いました。
「というか私は飲むだけだけれど」
「それでもなのね」
「ええ、飲んでね」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「楽しんでいるわね」
「そうしているわ。色々な甘いものをね」
「今は冷やしあめを飲んでいるし」
「さっきはコーラを飲んでいたの」
 こちらの飲みものをというのです。
「コーラも好きだから」
「確かに美味しいわね」
「オズの国が外の世界に知られる様になった時はなかったわね」
 ポリクロームはドロシーに言いました。
「コーラは」
「そうだったわね」
 ドロシーも確かにと頷きました。
「あの頃は」
「そうだったわね」
「コーラとハンバーガーなんてね」
 そうした組み合わせはというのです。
「なかったわね」
「そうだったわね」
「そうしたことも変わったわね」
「オズの国もね」
「このテーマパークだって」 
 臆病ライオンはドロシーに周りを見回しつつ言いました。
「あの頃は夢にもね」
「こうした場所で楽しめるなんてね」
「思わなかったね」
「そうよね」
「テーマパークってそれ自体がね」
「お伽の国よね」
「お伽の国の中のお伽の国よね」
 笑顔で、です。臆病ライオンは言いました。
「テーマパークって」
「ええ、そう思える場所だから」
 ドロシーはそれでと答えました。
「私もね」
「好きなんだね」
「そうなの」
 こう言うのでした。
「実はね」
「そうなんだね」
「ただね」
「ただ?」
「いえ、このテーマパークは前も来たことがあったけれど」
 それでもというのです。
「前よりも奇麗で楽しいね」
「そうした場所になっているんだね」
「そうなっているわ」 
 実際にというのです。
「前に来たのは七年前だったかしら」
「その時僕も一緒だったね」
 足元のトトが言ってきました。
「よく覚えてるよ」
「ええ、貴方と一緒に楽しんだわね」
「あの時ね」
 笑顔で、です。トトはさらに言いました。
「心から楽しんだけれど」
「あの時と比べても」
「今のこのテーマパークはね」
「さらに素晴らしい場所になっているわ」
「僕もそう思うよ」
「楽しさは無限でね」
「何処までもよくなってね」
 そしてというのです。
「オズの国は何処でもね」
「日に日に進歩して」
「よくなっていくね」
「そうした国ね」
 こう言うのでした。
「本当に」
「そうだね」
「そのままでもまた来たいと思える場所だけれど」
 それでもというのです。
「また変わるなら」
「それならだね」
「もう一度ね」
 まさにというのです。
「来たいわね」
「そうだね、じゃあね」
「その時はね」
「一緒に来ようね」
「またね」
「僕もそうしたいよ」
 臆病ライオンも言ってきました。
「ここはいい場所だから」
「そうよね」
「また来た時に今よりさらに楽しい場所になっているなら」
 それならというのです。
「是非ね」
「行きたいわね」
「そうしたいよ」
 こう言うのでした、そしてです。
 皆で飲んで食べて楽しんでそれからお化け屋敷に向かいました、ここで臆病ライオンは笑ってこんなことを言いました。
「お化け屋敷は定番だね」
「テーマパークのね」
「ジェットコースターやメリーゴーランドと並んで」
「それでね」
 そのうえでというのです。
「絶対にあるよね」
「ええ、それでね」 
 ドロシーは臆病ライオンに笑顔で応えました。
「今からね」
「お化け屋敷にも入って」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「楽しみましょう」
「そうしようね」
「あれっ、平気なの?」
 神宝は臆病ライオンの今の言葉を聞いて驚いて言いました。
「臆病ライオンさんは」
「臆病だからだね」
「誰よりも勇気があるけれど」
 その実はです。
「けれどね」
「いや、お化け屋敷は怖がる場所じゃないよね」
 神宝に笑って言うのでした。
「そうだね」
「スリルを楽しむ場所だっていうんだね」
「だからね」
 それでというのです。
「僕は平気だしむしろね」
「好きなんだ」
「そうなんだ」
 こう言うのでした。
「これがね」
「そうなんだ」
「だから今から入ろう、怖がることはないよ」
「そうなんだ」
「お化け屋敷は怖がる場所じゃなくて」
 あくまでというのです。
「スリルをね」
「楽しむ場所だね」
「だから楽しもうね」
「今からね」
「それじゃあ、ただ僕達はね」
 神宝はここで少し苦笑いになって言いました。
「子供でね」
「お化け屋敷ってね」
「怖いね」
「どうしても」
「暗い場所に急に何かが出て来たりして」
 恵梨香達四人も言います。
「どうしてもね」
「そうだよね」
「今も少し怖いし」
「何が出て来るか」
「そう思うだけで」
「いやいや、襲われたりしないからね」
 臆病ライオンは五人に笑ってお話しました。
「だからね」
「怖がらないで」
「そう思う必要なくて」
「それでなんだ」
「中に入って楽しむ」
「そうすればいいんだ」
「そうだよ、何なら僕が傍にいるから」
 こうも言う臆病ライオンでした。
「楽しんで行こう」
「そう言ってくれるなら」
「傍にいてくれるなら」
「臆病ライオンさんがいるなら心強いし」
「勇気があるうえに優しいから」
「凄く頼りになるから」
「頼られたら嬉しいし」 
 それでとも言う臆病ライオンでした。
「入ろうね」
「うん、それじゃあ」
「入りましょう」
「それで楽しもう」
「スリルをね」
「皆で」
 五人もそれならと頷きました、そしてです。
 皆でお化け屋敷の中に入りました、暗くておどろおどろしい場所に色々な幽霊や妖怪達がいてでした。
 そうして急に出て来たりして驚かせてきます、ですが。
 よく見ると絶対に襲い掛かって来ません、それで神宝達も言いました。
「怖がらせてくるけれど」
「それで驚かせてくるけれど」
「襲ってこないし」
「安全だね」
「場所も暗くておどろおどろしいだけで」
「そうだね、それがお化け屋敷だよ」
 五人と傍にいる臆病ライオンが言ってきました。
「怖がる場所じゃないんだよ」
「というか本当に怖いなら」
「最初から入らないといいね」
「そうよね」
「テーマパークは楽しむ為の場所だし」
「入りたくないなら」
「そうだよ、楽しくないならね」
 それならというのです。
「本当にね」
「入ることないね」
「そう思うなら」
「それでいいし」
「お化け屋敷に入るなら入るで」
「楽しみ方があるわね」
「そうだよ、お化け屋敷だってそうで」
 楽しむ場所でというのです。
「素敵な場所だからね」
「怖がる場所じゃなくて」
「スリルを楽しむ場所で」
「襲われないし」
「それで安心して」
「そのうえで楽しめばいいね」
「そうだよ、雰囲気もね」
 お化け屋敷のそれもというのです。
「楽しもうね」
「そうだね」
「それじゃあね」
「このまま楽しませてもらうわ」
「お化け屋敷のスリルと雰囲気を」
「このままね」
「そうしようね」
 笑顔で言う臆病ライオンでした、そしてです。
 臆病ライオンは笑顔のままです、こうも言いました。
「ここの幽霊や妖怪さん達は本物なんだよね」
「あっ、オズの国はお伽の国だから」
「本物の妖怪さんもいるし」
「幽霊さんだっていて」
「それでなんだ」
「本物の人達なんだ」
「そうなんだ」
 このこともお話するのでした。
「ここはね」
「お外を出るとね」
 ドロシーも言ってきました。
「幽霊さんや妖怪さん達と記念撮影も出来るわよ」
「そうなんですか」
「それは凄いですね」
「本当にオズの国ならではですね」
「幽霊さんや妖怪さん達と一緒に写真撮れるって」
「それもオズの国らしいですね」
「だからね」 
 それでというのです。
「今からよ」
「はい、それではですね」
「お化け屋敷を出たら」
「そうしたらですね」
「皆さんと記念撮影ですね」
「それをするんですね」
「そうしましょう」
 是非にというのです。
「いいわね」
「わかりました」
「そうしましょう」
「記念撮影撮りましょう」
「本物の幽霊さんや妖怪さん達と」
「そうしましょう」
 五人も笑顔で応えました、そうしてです。
 実際にお化け屋敷を出ますとお化け屋敷の中にいた幽霊や妖怪の人達と一緒に記念撮影を撮りました、その後で。
 臆病ライオンはドロシーにこんなことを言いました。
「楽しかったね」
「お化け屋敷もね」
「そうだったね」
「ええ、とてもね」
 こう言うのでした。
「楽しかったわ」
「また来たくなったね」
「そうね、だからね」
 それでというのだ。
「またここに来る機会が来れば」
「その時はね」 
「来て楽しむ」
「そうしようね」 
 笑顔で言ってでした。
 テーマパークの他の施設にも行きました、そしてです。
 皆でまたこのテーマパークに行こうとお話しました、兎に角楽しいテーマパークだと。








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