『オズのカリフ王』




               第十一幕  天女達の国

 次の訪問先についてです、ビリーナはノーム王に天空のお城への訪問を終わってからその国を去って飛行船に入って飛び立ってから尋ねました。
「最後の国に行くのよね」
「これからな」
 ノーム王も答えます。
「そうするぞ」
「それでどの国に行くの?」
「今度は天女達の国じゃ」
 ノーム王はまた答えました。
「そちらにな」
「行くのね」
「日本のじゃ」
 今度はというのです。
「言うなら極楽じゃな」
「ああ、だから天女さん達なのね」
「確か羽衣を着てるのよね」
 つぎはぎ娘が言ってきました。
「それを着てお空を飛べるのよね」
「そこにじゃ」
「行ってなの」
「そしてじゃ」 
 そのうえでというのだ。
「交流をな」
「深めていくのね」
「そうするぞ」
「わかったわ、じゃあね」
「次の航路はな」
「そちらに向かうのね」
「そうする、いや今度も楽しみじゃ」
 ノーム王は笑顔で言いました。
「まことにな」
「天女の国に行けて」
「終わるかと思うと寂しいと思ったのはな」
 天空のお城でワインを飲みながら思ったことも言いました。
「もうな」
「ないわね」
「そうなった、次に楽しい思いがあるのなら」 
「それならよね」
「思うこともない、ではな」
「これからね」
「あの国に楽しみに思いながら向かおう」
 こうお話してです。
 実際に飛行船は天女の国、そちらに向かいました。その間皆ダンスを踊ったりしてそうしてでした。
 時間を過ごしました、そしてその国の近くまで来ますと。
「今度も木造の宮殿だね」
「そうね」
 トロットは雲の上にある建物達を見て言いました。
「あの国は」
「仏教のお寺や御殿だね」
「日本のね」
「平安時代かな」 
 キャプテンは考えながら言いました。
「あの建物は」
「日本のその時代ね」
「うん、それではね」
「今からね」
「天女さん達の国に入ろう」
「そうしましょう」 
 こうお話してでした。
 飛行船をその国に向かわせてです、その岸辺に接舷してそのうえで国に入りました、するとそこにはです。
 日本の天女さん達がいました、男の人達もいますが。
「女の人が多いのう」
「そうであるな」
 ノーム王はドワーフ王の言葉に頷きました。
「どっちかというと」
「天女の国だからか」
「奇麗な服を着てな」
「ひらひらと進んでおるのう」
「何かな」 
 ノーム王は天女の人達の服を見て言いました。
「天女さん達の服は乙姫さんのものそっくりであるな」
「ああ、海の竜宮城の」
「お主もあの国のことは知っておろう」
「無論じゃ、言われてみればな」
「そうであろう」
「そうであるな」
「それで日本のお寺にな」
 それにというのです。
「御殿にな」
「そうした場所があってな」
「何処か似ておるのう」
「ここは竜宮城とな」
「私も竜宮城に行ったことがあるけれど」 
 ポリクロームも言ってきました。
「確かにね」
「似ておるのう、竜宮城とな」
「この国はな」
「天女さん達の服と乙姫さんの服はそっくりで」
「そのこともあってな」
「そうよね」
「まあ同じ日本の場所だから」
 ジョージが言ってきました。
「似ているのも当然かな」
「そうね、地上でないしね」
 日本人の恵梨香はこう言いました。
「この国も竜宮城も」
「それなら似ているよ」
 神宝も言いました。
「どちらの国もね」
「そう考えたらわかりやすいわね」
 ナターシャはお国の中を見回して思って言いました。
「この国のことは」
「そうだね、それじゃあね」
 カルロスは笑顔で言いました。
「皆で楽しませてもらおう」
「ようこそ」 
 皆がお話をしているそこにでした。
 本当に乙姫さんそっくりの服を着た黒髪を奇麗に整えた驚く位に奇麗な人が大勢の天女や男の人達を連れて来てです。
 皆の前に来ました、そのうえで挨拶をしてきました。
「お待ちしていました」
「お邪魔させてもらいますぞ」
 ノーム王も挨拶を返しました。
「これより」
「はい、ではこれからおもてなしさせて頂きます」
「かたじけない」
「いえいえ、ではこちらに」
「それであんたがこの国の主よね」
 ビリーナはその人に尋ねました。
「そうよね」
「そうよ、そういえばビリーナはね」
「実はこの国に来たのははじめてなのよ」
「そうだったわね」
「だからあんたのこともよく知らないけれど」
「天姫っていうのよ」 
 笑顔での名乗りでした。
「私はね」
「天姫さんね」
「そう、乙姫さんにそっくりと言われるけれど」
「ご親戚かしら」
「そんなところよ。仲良しだしね」
 乙姫さんと、というのです。
「お互いに行き来もよくしているわ」
「そうなのね」
「それでこの場所も竜宮城とね」
 そちらと、というのです。
「近いと言えばね」
「近いのね」
「そのことは否定しないわ」
 こうお話しました。
「私もね」
「じゃあお空の竜宮城?」
「竜宮城も実は国家だし」
 オズの国のというのです。
「本当に近いわよ」
「成程ね、それじゃあ」
「ええ、今からね」
「おもてなしをしてくれるのね」
「そうさせてもらうわ」
 にこりと笑ってです。
 天姫さんは大勢の奇麗な天女さんや男の人達と一緒に皆をもてなしてくれました、宴は色々な美味しいものが出ました。
 それでノーム王は笑顔で言いました。
「どれも日本のお料理じゃな」
「このお寿司もな」
 ドワーフ王はそちらを食べつつ応えました。
「そうであるしな」
「いや、わしは実はな」
 ノーム王はドワーフ王にお話しました。
「お寿司も好きじゃ」
「そうなのか」
「それで今食べられてな」
 鮪の握りを食べつつ言います。
「実にな」
「嬉しいのじゃな」
「うむ」
 そうだというのです。
「最高じゃ」
「それを言うとな」
「お主もか」
「好きじゃ」
 お寿司がというのです。
「実にな」
「そこも同じじゃのう」
「そうであるな」 
 ドワーフ王は平目の握りを食べつつ頷きました。
「お寿司が好きなのも」
「そうであるな」
「しかし何か匂いがするのう」
 ここでキャプテンが言いました。
「この匂いは何じゃ」
「これでしょ」
 トロットは自分が食べている軍艦巻きのお寿司を見つつキャプテンに応えました、そのお寿司のネヤは魚介類ではありませんでした。
「私が今食べている」
「ああ、納豆巻きか」
「そう、納豆はね」
「匂いがするのう」
「だからね」 
 それでというのです。
「これのせいよ」
「そうなのか」
「けれどこれがね」
 トロットは納豆巻きを食べて笑顔で言いました。
「これまたね」
「美味いのう」
「だからキャプテンもね」
「食べればいいな」
「納豆は確かに匂いはするけれど」  
 それでもというのです。
「食べるとね」
「これが美味い」
「だからね」 
 それでというのです。
「是非ね」
「わしも食べるといいな」
「そうよ」
「では次はな」
 鳥貝を食べつつ言いました。
「納豆巻きをな」
「いただくわね」
「そうさせてもらう」
「魚介類以外のお寿司も沢山ありますね」
 ジョージは玉子を食べつつ言いました。
「そういえば」
「お寿司といってもです」
 カルロスは牛肉の握りを食べています。
「色々ありますけれど」
「こちらでもなんですね」
 神宝は豚肉の握りを口にしています。
「お寿司のネタといっても色々なんですね」
「確かに魚介類が多いですが」
 恵梨香はおくらの軍艦巻きを楽しんでいます。
「こうして他のものもある」
「そうなんですね」
 ナターシャは河童巻きです。
「お寿司は」
「そうよ、私達もお寿司は好きだけれど」
 天姫さんが答えました、勿論この人も食べています。日本の宴会の間で皆でお寿司を食べて楽しんでいます。
「魚介類以外のね」
「色々なネタがあって」
「そちらも楽しめますね」
「納豆にしてもそうで」
「他のものもですね」
「沢山ありますね」
「そうなの、だからそちらも楽しんでね」
 そうしたネタもというのです。
「いいわね」
「はい、そうさせてもらいます」
「魚介類以外のものも」
「是非共」
「それも喜んで」
「そうさせてもらいます」
「そうしてね」
 天姫さんは笑顔で言ってそうしてです。
 皆にです、こうも言いました。
「では音楽に舞もね」
「披露してくれるのね」
「そうさせてもらうわ」
 こうつぎはぎ娘に応えました。
「これからね」
「それは楽しみね」
「貴女の大好物だからね」
「歌とダンスはね」
 まさにというのです。
「あたしの最高のご馳走よ」
「そうよね」
「何も食べなくて飲まなくてもね」
「心のご馳走よね」
「それは皆必要よね」
「ええ、絶対にね」
「だからね」 
 それでというのです。
「これからね」
「歌とダンスをよね」
「楽しませてもらうわ」
「それではね」
 天姫さんがぽんぽんと手を叩くとです。
 大勢の天女さんが出て来てでした。
 日本の楽器で奏でられた日本の音楽に乗ってです。
 日本の舞を舞いました、ノーム王はそれを見てまた笑顔になりました。
「いや、この歌と舞もな」
「いいわよね」
「うむ、これが日本のじゃな」
「歌と舞なのよ」
「そうであるな、これまでも何度か観たが」
 それでもとです、トロットに言いました。
「実にな」
「いいのね」
「そうじゃ、雅じゃな」
「それがあるわね」
「それでな」 
「見てよね」
「楽しめる、お酒にな」
 ノーム王は漆塗りの杯で日本酒も飲んで言いました。
「よいしな」
「日本酒も楽しんでるわね」
「こちらもな、お米のお酒もな」
「いいのね」
「お寿司それにな」 
 さらに言うのでした。
「お刺身、天麩羅ともな」
「とても合って」
「実にな」
 まさにというのです。
「よい」
「そうなのね」
「幾らでも飲める、そこにな」
「この歌と舞があって」
「何かじゃ」
 うっとりとして言うのでした。
「夢でも見ているかの様な」
「それが夢じゃないのよ」
「現実であるな」
「そうよ」
「そうじゃな、そもそもオズの国ではな」
 ノーム王はさらに言いました。
「現実と夢はな」
「どちらも楽しくてね」
「悪いことはな」
「ないでしょ」
「同じ位楽しくてな」
 夢も現実もというのだ。
「実にじゃ」
「違いがないわね」
「そうであるな、だからな」
「寝てもよね」
「何も心配なくな」
 そうしてというのです。
「楽しめる」
「それもオズの国なのよね」
「そうじゃな」
「オズの国にいたら」
 トロットは茶碗蒸しを食べながら言いました。
「もう悪いことはね」
「しようとは思わないのう」
「そうでしょ」
「うむ」
 その通りだとです、ノーム王も答えました。
「全くな」
「満足しているとね」
「それで幸せならな」
「悪いことはね」
「しようとは思わん」
「そうなるわよね」
「全くじゃ」 
 その通りだというのです。
「誰もな」
「だから今はね」
「わし等ノームもじゃな」
「それで他のね」
「オズの国の内外でじゃな」
「よくないことを思っていた人達も」
 誰もがというのです。
「皆ね」
「満足に思ってな」
「幸せになったからね」
 それでというのです。
「あのウグさんでもね」
「そうなってな」
「もうね」
「悪いことをする者はいなくなったわ」
「オズマがそうした政治をしているからね」
「そうじゃな、ならわしもな」 
 ノーム王は鱚の天麩羅をおつゆに漬けて食べてです。
 そうしてです、こうトロットに言いました。
「オズマ姫の様にな」
「いい政治をしていくのね」
「これまでもそう心掛けてきたが」
「これからも」
「そうじゃ」
 まさにというのです。
「心掛けてな」
「それで実際にしていって」
「ノームの誰もをな」
「幸せにして」
「満足させる」
「そうするのね」
「まずは美味いものを飲んで食って」
 そうなる様にしてというのです。
「歌もダンスも遊びもな」
「そうなる様にして」
「働くこともじゃ」
 お仕事もというのです。
「そして学問もじゃ」
「何でも楽しくね」
「そうする様にして満足してもらい」
 そしてというのです。
「幸せになってもらう」
「それがいいわね」
「わし等は掘るとな」
 ドワーフ王はこちらのお仕事のお話をしました。
「ノームと同じでな」
「それで幸せよね」
「掘ってそこから土の中にあるものを見付ける」
「それを加工したりして」
「そして奇麗なもの、立派なものにしてな」
 それでというのです。
「わし等は満足してな」
「幸せになれるわね」
「土の中にいてな」
 そうしてというのです。
「そうした生活をしてな」
「幸せになれるわね」
「そうなのじゃよ」
 これがというのです。
「わし等はな」
「ドワーフの人達とノームの人達は」
「そうした仕事もな」
「楽しくね」
「今も楽しいが」
「今以上になのね」
「そうなる様にな」
 トロットにお酒を飲みつつ言います。
「していく」
「そうするのね」
「政治でな」
「王様だから」
「そうじゃ、ただな」
「ただ?」
「満足してもな」 
 それでもというのです。
「よりよくな」
「していく努力は必要よね」
「そうじゃ」 
 こうトロットに言うのでした。
「わしはそうも思うが」
「その通りよ」
 トロットはにこりと笑って答えました。
「そのことはね」
「やはりそうであるな」
「そうでないとね」
「駄目よね」
「絶対にな」
 トロットにお酒を飲みながらお話しました。
「そうしていくぞ」
「頑張ってね」
「それではな」
「やろうと思ってやる」
「それが大事じゃ」
「そうよ、そして努力することよ」 
 トロットはこうも言いました。
「本当に大事なものはね」
「何でもやってみてな」
「努力することなのよ」
「最初にやろうと思ってな」
「そこではじめたら」
 実際にというのです。
「もうね」
「周りは励まさんとな」
「オズの国では皆そうしてるでしょ」
「そうした国でもある」
「それがいいのよ」 
 ノーム王に笑顔でお話しました。
「オズの国は」
「全くじゃな」
「努力してこそ」
 まさにというのです。
「何でもよくなるしね」
「宝石も磨かんと宝石にならん」
「最初は石でしょ」
「その石を磨くとな」 
 そうすればというのです。
「それでじゃ」
「奇麗な宝石になるわね」
「どんな宝石も最初は石じゃ」
「ええ、けれどね」
「その石を努力して磨くとな」
「宝石になるから」
「それは他のことでも同じでな」
 それでというのです。
「何でもな」
「努力しないとね」
「よくならん」
「ゴッホさんであるが」
 ドワーフ王は今この世界にいる画家さんのお話をしました。
「あの人は毎日絵を描いておるのう」
「そうよ、もう毎日朝から晩までね」
 トロットはドワーフ王にも答えました。
「熱心にね」
「キャンバスに向かってな」
「描き続けているわ」
「そうであるな」
「そうしてね」
「多くの優れた絵を描き続けておる」
「絵を描くという努力を続けていて」 
 それでというのです。
「ああしてね」
「多くの絵を描いておるな」
「そうしているのよ」
「絵を描くのも努力してこそであるな」
「筆を持とうと思って」
 そうしてというのです。
「キャンバスの前に立ってね」
「描きたいものを前にするか想像してな」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「絵具を筆に付けて」
「描くな」
「他の人の絵も見て勉強したりしてね」
 そうしたこともしてというのです。
「やっていくものよ」
「そうであるな」
「あの人は浮世絵がお好きでしょ」 
 ゴッホさんはというのです。
「日本の」
「それ有名よ」
 ビリーナも言ってきました。
「あの人は外の世界にいた時からね」
「浮世絵がお好きでね」
「それに影響を受けて」
「ああした画風よね」
「外の世界も最後の方はね」
「あの絵が注目されだしていたのよね」
「外の世界でも千点位描いていて」
 その絵をです。
「それでね」
「オズの国でもね」
 こちらでもというのです。
「ずっと描いていて」
「千点どころじゃないわね」
「一万数千点もね」
「描いているのね」
「そうしているけれど」
 それでもというのです。
「描く合間に浮世絵とかを観ていて」
「お勉強もしているのね」
「そうした努力もしているのよ」
「それも一心不乱に」
「そうなのよ」
「そうしたら誰でも上手になるっていうかね」
 つぎはぎ娘は楽しそうに言いました。
「何でもやっていったらね」
「誰でも上手になるわね」
「そうでしょ、歌とダンスも」
「貴女の隙なね」
「やっていればね」
 それでというのです。
「普通によ」
「上手になるわね」
「そうだしね」
「だから努力はね」
「すべきね」
「努力しないとよくならないけれど」
「したらよくなるわね」
「磨かれてね」
 宝石の様にというのです。
「そうなるのよ」
「そういうことね」
「しかも宝石って」
 ポリクロームはオズの国のそれのお話をしました、宝石はオズの国ではただそれで完璧ではないのです。
「磨けば磨く程ね」
「奇麗になるでしょ」
「ええ、そうよね」
 ポリクロームはトロットの返事に頷きました。
「本当にね」
「それでは人でも誰でもで」
「磨いていくことね」
「磨いていけば果てしなく」
 それこそというのです。
「奇麗にね」
「なっていくわね」
「そうよ」
 こう言うのでした。
「何でもね」
「そういうことよね」
「だから政治もよ」
 こちらもというのです。
「いい政治をしようとね」
「決意して」
「努力してやっていけば」
「どんどんよくなるわね」
「最高も最善もない」
 トロットはこうも言いました。
「ひたすら上があるのがね」
「世の中よね」
「何でもどんどんよくなって」
「その際限はないわね」
「そうなのよ、オズの国でもそうで」
 そしてというのです。
「外の世界でもそうよ」
「これで最高と思ったらまだ上がある」
 ジョージはトロットのお話を聞いて言いました。
「そういうことですね」
「言われてみればそうですね」
 恵梨香も頷きました、
「もうこれ以上凄いものはないと思ってもさらに凄いのが出たりします」
「ゲームでもそうですし」
 神宝も言います。
「何でも進歩しますね」
「僕達子供なんでまだ世の中の全部を見ていませんが」
 それでもと言うカルロスでした。
「五歳の頃のおもちゃと今のおもちゃじゃ違います」
「今は凄くなっています」
 ナターシャの言葉も真面目なものでした。
「何年か前のものよりよ」
「いや、オズの国にファミリーコンピューターが来て」
 キャプテンが言ってきました。
「あの時はこれ以上はないと思ったのう」
「ああ、そうであったな」
 ノーム王もそれはと応えました。
「ファミコンはな」
「それまでのゲームウォッチなぞな」
「一瞬で何でもないものになったわ」
「そうであったな」
「しかしな」 
 ノーム王はさらに言いました。
「それがスーパーファミコンになってな」
「そのファミコンですらな」
「昔のものになり」
「今遊んでも面白いゲームが多いが」
「画面も音楽も全く違う」
 ファミコンとスーパーファミコンではというのです。
「それがな」
「そうであるな」
「そしてな」
 それでというのです。
「今はな」
「プレイステーションが出てな」
「それもどんどんよくなって」
「最早ファミコンは大昔じゃ」
「そんなものになった」
「ゲーム一つ取ってもわかる」
 まさにとです、ドワーフ王も言ってきました。
「最高はない」
「これ以上はないということはな」
「そこからさらによくなる」
「そう思ってもな」
 ノーム王はドワーフ王に応えました。
「あらゆることがな」
「ではな」
「これで最高と思わずな」
「努力していくことじゃな」
「楽しく思って満足しても」
 それと共にというのです。
「努力はな」
「していくべきであるな」
「全くであるな」
「私達もなんですよ」 
 天姫さんもにこりと笑って言ってきました、主賓の座にいてそこにノーム王とドワーフ王それのオズの国の王女の一人トロットも同じく上座であるそこにいます。
「これが」
「お料理に歌に舞」
「勿論政治もで他のことも」
 あらゆることもというのです。
「いつもです」
「努力してですか」
「そしてです」
 そのうえでというのです。
「よくなろうと思って」
「よくなっていますか」
「そうなる様にしています」
「成程のう」
「ですから」
 それでというのです。
「前よりもです」
「いい国になっていますか」
「何度かここに旅に来ている人達に」
 そうした人達からというのです。
「笑顔で来る度により素晴らしい国になっていると」
「言ってもらっていますか」
「はい」
 そうだというのです。
「有り難いことに」
「それは何よりですな、では」
「ノーム王もですね」
「そう言ってもらえる様に」
 天姫さんに笑顔で言いました。
「努力していきまする」
「そうされて下さい」
「ではこのお寿司も」
 今度は数の子を食べて言いました。
「前よりも」
「食材も調味料もです」
「いいものになって」
「握る人達の腕も」
 寿司職人の人達のです。
「そうなっています」
「そうですか」
「はい、私も食べてわかります」
 天姫さんはトロを食べて言いました。
「前以上にです」
「美味しくなっていると」
「心から思います」
「確かに美味い」
 ドワーフ王は鰯を食べて言いました。
「実にのう」
「おお、お主鰯を食べておるな」
「左様、この鰯もな」
「美味いか」
「試しにお主も食べてみよ」
「ではな」 
 ノーム王はドワーフ王のお話に頷いてでした。
 そうして実際に食べています、そしてです。
 その鰯の握りを食べて唸りました。
「これはな」
「美味いであろう」
「うむ」
 実際に食べてみての感想でした。
「実にな」
「この通りな」
「鰯もよいのう」
「他に秋刀魚もあるが」
「そちらもであるな」
「実に美味い、鮪や鯛だけでなくな」
 こうしたネタ以外にもというのです。
「こうした青魚もな」
「お寿司にすると美味しいな」
「左様じゃ」
「あと蛸もいいわよ」 
 トロットはそれを食べて笑顔で言いました。
「それに鰻とか穴子もね」
「おっと、忘れておった」
「そういえば」
 ノーム王もドワーフ王もトロットの言葉に応えました。
「いかんいかん」
「お寿司はそうしたものもよいのう」
「蛸にしてもな」
「あと烏賊もな」
「私最初蛸とか烏賊が食べられるかって」
 トロットは笑って言いました。
「思わなかったわ」
「その頃のアメリカではそうでな」
「オズの国でもじゃ」
「今は普通に食べるがのう」
「蛸も烏賊もな」
「ましてやたこ焼きなんて」
 この食べものはというのです。
「想像もしなかったわ」
「あれは最高じゃ」
 ノーム王はお好み焼きと聞いて言いました。
「まことにな」
「あんな素敵な食べものもないわね」
「蛸を食べるにはな」
 それにはというのです。
「お刺身に今のな」
「お寿司もよくて」
「茹でだこもよいが」
「たこ焼きはね」
「またな」
「とりわけいいのよね」
「そうそう、たこ焼きもですよね」
 天姫さんも笑顔で言ってきました。
「美味しいですよね」
「そうよね」
「一見何でもない様なお料理で」
「食べてみるとね」
「物凄く美味しいです」
 こうトロットにお話します。
「本当に」
「全く以てね」
「では明日はです」
「たこ焼きね」
「それを食べましょう」
「皆でよね」
「お好み焼きと焼きそばも出して」
 そしてというのです。
「食べましょう」
「どれも秀吉さんの街の名物なのよね」
 しみじみとしてです、トロットは言いました。
「大坂城のある」
「あっ、あの街ですね」
 天姫さんも笑顔で応えました。
「私も行ったことがあります」
「貴女もなのね」
「いや、あの街が人気がある理由がわかりました」  
 笑顔で、です。トロットに言うのでした。
「漫才に落語に浄瑠璃に」
「美味しいものも一杯あるのよね」
「先程お話に出たものに」
「名物カレーに夫婦善哉にラーメンに豚まんに」
「それにアイスキャンデーにきつねうどん」
「串カツもなのよね」
 二人でそうした食べものも出していきます。
「ミsクスジュースもいいわ」
「はい、あちらも」
「本当に美味しいものが多いのよね」
「そして素敵な人達が大勢おられて」
「秀吉さんをはじめとしてね」
「大坂城や通天閣もありますし」
 天姫さんも笑顔で言います。
「本当にです」
「素敵な街よね」
「あそこにまたです」
「行きたいわね」
「そうですよね」
「旅行はいいのう」
 ノーム王もしみじみとした口調でバッテラを食べて言いました。
「前から思っておったが」
「今はな」
「尚更にじゃ」
「思う様になったな」
「そうじゃ」
 こうドワーフ王に答えました。
「今回の歴訪でな」
「そうなったな」
「わしも巡りたいしな」
「わしもじゃ」
「他のノームの者達にもな」
 彼等にもというのです。
「是非な」
「旅をさせたいな」
「大々的にな、わし等が楽しむのなら」
 旅をというのです。
「当然な」
「民達もな」
「旅をしたい者はな」
 そうしたい人達はというのです。
「是非じゃ」
「どんどんじゃな」
「旅をしてもらい」
 そしてというのです。
「そのうえでな」
「楽しんでもらうな」
「うむ」
 実際にというのです。
「そうしてもらう」
「旅は何かと楽しめる」
「そうじゃ、だからな」 
 それでというのです。
「民達でそうしたい者達にはどんどんな」
「させるな」
「そうする」
「ではわしもな」
 ドワーフ王も頷きました。
「今言った通りな」
「民達にじゃな」
「そうさせるぞ」
「旅をしたい者達にはじゃな」
「今お主に応えておったが」
「同意してであったな」
「そうであったしな」
 それだけにというのです。
「そうするぞ」
「そうじゃな」
「ではな」
「お互いにな」
「民達にそうさせよう」
 ノーム王はかれいを食べて言いました。
「是非な」
「それも政治じゃ」
「民達を楽しませることもな」
「そうじゃな」
 ドワーフ王ははまちを食べながら応えました。
「政であるな」
「だからな」
「そうもしていこう」
「旅は娯楽であり学問でもある」
「そのどちらでもあるからな」
 だからだというのです。
「是非な」
「したいものはさせよう」
「それがよい」
「いつも旅、彼女の場合は冒険だけれど」 
 それでもと言うトロットでした。
「ドロシーが色々なことを知っているのはね」
「いつもオズの国を旅してるからのう」
「何かと冒険をしてな」
「伊達にオズの国一の冒険家ではない」
「旅行家と言ってもよいが」
「あの娘は旅を楽しんで」
 そうしてというのです。
「それでね」
「そのうえでな」
「色々なことを学んでいるな」
「そして色々な問題の解決もね」
 それもというのです。
「しているわ」
「うむ、実にな」
「多くの問題を解決しておるのう」
「わし等が見てもな」
「見事じゃ」
「そうでしょ、だから旅はね」
 トロットはまた言いました。
「することもいいのよ」
「そうであるな」
「ええ、だからね」
 それでというのでした。
「これからもね」
「わしもじゃな」
「そしてわしもじゃな」
「各国を歴訪していってもいいし」
「個人でか」
「旅をしてもいいか」
「オズマも時々機会があればしてるでしょ」
 個人での旅をというのです。
「そうでしょ」
「うむ、確かにな」
「他の王女さん達と同じくな」
「だってオズマも女の子よ」  
 トロットはにこりと笑ってお話しました。
「私達と同じね」
「それならか」
「旅行も好きか」
「ファッションも甘いものも好きで」
 そしてというのです。
「旅行もね」
「好きか」
「そうした方か」
「だからよ、機会があったらね」
「その時はか」
「旅行もしてるか」
「そうよ、だからお二人もね」
 ノーム王もドワーフ王もというのです。
「これからも歴訪もして」
「そしてであるな」
「個人としてもじゃな」
「やっていくことよ」
 お二人の王様に笑顔で言いました。
「そうしていってね」
「ではな」
「是非そうさせてもらおう」 
 ノーム王とドワーフ王も頷きました、そしてここで。
 天姫さんにです、お二人はにこりと笑ってこう言われました。
「お酒飲まれてます?」
「この通りな」
「こちらも楽しませてもらっておる」
 見れば二人共日本酒を飲んでいます、日本の木製の平たい杯でとても楽しく飲んでいます。そのうえでの返事です。
「美味いのう、まことに」
「こちらもな」
「それは何より。ではそちらも楽しんで下さいね」
 お寿司に歌に舞にとです、笑顔で言ってでした。
 皆で楽しみました、今回の歴訪もこうした楽しい中で過ぎていくのでした。








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