『オズのカリフ王』




              第一幕  空の国々への歴訪

 ノームの王様であるカリフ王は玉座で政務にあたっていました、ですがそれが一段落ついてからです。
 カリフ王はノームの国の外務大臣の人からこう言われました。
「今度空の国々からです」
「ああ、招待されておるな」
 カリフ王も言われて頷きます。
「来て欲しいと」
「それで、です」
 外務大臣さんはさらに言いました。
「我が国は空に行くことはです」
「我等はノームだからな」
 それでとです、カリフ王は言いました。
「いつも地中にいて」
「はい、空はです」
「縁がなくて」
「この度の歴訪はです」
「はじめてのことだね」
「そうなります」
「まさか空に行くことになるなんて」
 それこそとです、カリフ王は思いました。
「夢にもだよ」
「思いませんでしたね」
「そうだったよ」
 こう言うのでした。
「本当にね」
「ですがこれもです」
「政治だね」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「この度はです」
「私は空の国々をだね」
「歴訪して下さい」
「そうさせてもらうよ」
「それで問題はです」
 それは何かとです、外務大臣さんはお話しました。
「我々は地中に国があり」
「そこで住んでいてね」
「空に行くことはなかったので」
 それでというのです。
「飛行機やヘリコプターを持っていません」
「そうだね、船もね」
「持っていませんが」
「空を飛ぶ乗りものとはね」
「無縁です」
「そうなんだよね」
「ですからここは借りて」
 そうしてというのです。
「王には行って頂きます」
「そうなるね」
「そうです、それでどなたからお借りするか」
「それが問題だね」
「左様です」
 こうお話するのでした。
「この度は」
「誰に頼もうか」
「どうしましょうか」 
 ノームの国でこうしたお話をしていました、するとその話を聞いたノーム達と仲のいいドワーフの国の王様がです。 
 カリフ王のところに来ました、茶色の濃い髭でお顔の下半分が覆われていてカリフ王に負けない位キラキラの服と王冠を身にまとっています。
 そのドワーフ王がです、カリフ王に笑顔で言いました。
「それならオズマ姫にお願いすればいい」
「あの方にかい」
「オズマ姫はお優しい方だからな」
 それでというのです。
「頼むとな」
「そうするとか」
「すぐにでもだ」
 それこそというのです。
「空を飛ぶ乗りものを貸して下さるぞ」
「そうなのか」
「確かにノームの国は以前都に攻め込もうとした」
「前のラゲドー王がね」
「それで気兼ねしているかも知れないが」 
 それでもというのです。
「オズの国は遠慮は無用だな」
「そう、それが決まりだよ」
 まさにとです、カリフ王も答えました。
「この国のな」
「それならだ」
「オズマ姫にお願いしてか」
「乗りものをお借りして」
「歴訪をすべきか」
「わし等もそうしているしな」
 ドワーフ王は笑ってお話しました。
「空に行く時はな」
「ドワーフの国も地下にあるしな」
「お前さん達と同じくな」
「ノームとドワーフは近い」
「左様、兄弟の様にな」
「色々似ている部分も多いしな」
「それで空とは基本無縁だ」
 地中にいるとです。
「そこで空に行く時はな」
「オズマ姫にお願いしてか」
「空の乗りものをお借りしてな」
「そのうえでだな」
「行くぞ」
「それでわしもか」
「そうしたらどうか、少なくとも今ノームの国と都の仲は悪くないだろう」
 ドワーフ王はこうも言いました。
「そうであるな」
「悪い筈がない」
 これがカリフ王の返事でした。
「今のオズの国は誰もがだ」
「仲がいいな」
「だからノームの国も空の国々とだ」
「仲良くしていてな」
「そしてだ」
 そのうえでというのです。
「都ともな」
「オズの国全体を治めるな」
「その国ともな」
「仲良くしているな」
「あまり付き合いはないが」
「仲はいいな」
「今はな」
「それならだ」
 尚更というのです。
「ここはだ」
「オズマ姫にか」
「お願いするのだ」
「そうすればいいか」
「そうだ、いやしかしな」
 ドワーフ王は笑ってこうも言いました。
「我等が空に行くなぞな」
「時代は変わったな」
「そうだな、昔はな」
「わし等が空に行くなぞな」
「想像もしなかった」
「地中にいるとな」
 それならというのです。
「もうな」
「そうだ、ずっと地中にいてな」
「地上に出ることすらだ」
 それこそというのです。
「なかった」
「そうだったな」
「それがだ」
「今は地上どころかな」
「空にも行ける」
「まことに世の中は変わった」
「本当にそうだな」
 こうしたお話をしました、そしてです。
 カリフ王はドワーフ王に笑顔で言いました。
「ではすぐにな」
「オズマ姫にお願いしてか」
「そしてな」 
 そのうえでというのです。
「空を飛ぶ乗りものをお借りして」
「そしてだな」
「空の国々を歴訪するとしよう」
「招待に応えてだな」
「そうさせてもらう」
「これで決まりだな、それでだが」
 お話が決まったところで、です。ドワーフ王はお部屋で向かい合って座ってお話をしているカリフ王に言いました。
「話がまとまったところでな」
「どうした?」
「決まっておる、話がまとまるとだ」
 それならというのです。
「後は楽しくだ」
「飲むのか」
「酒だ、酒があってこそだ」 
 ドワーフ王はお口を大きく開けて言いました。
「人生ではないか」
「ドワーフは皆そう言うな」
「ドワーフといえば酒だろう」
「うむ、お主達が飲まぬなぞな」 
 カリフ王も言います。
「想像も出来ん」
「そうだな、そして実はな」
「実は?」
「わしも誘われている」
 ノーム王は笑ってこうも言いました。
「この度な」
「空の国々からか」
「そうなのだ、だからな」
「わしと一緒にか」
「行きたいのだ」
「それを早く言うのだ、では共にな」
 カリフ王は笑って応えました、やれやれと思いつつも兄弟の様に仲がいい相手なので笑顔で応えられたのです。
「オズマ姫にな」
「お願いしよう」
「ではな」
「そして酒をな」
 ドワーフ王はまたお話しました。
「飲もうぞ」
「共にな」
「それで何を飲むかだが」
「ビールか」
 カリフ王はこのお酒を出しました。
「あの酒か」
「うむ、ビールはな」
 まさにとです、ドワーフ王は答えました。
「何と言ってもな」
「酒好きのお主達がな」
「特に好きな酒だ」
「そうだな、ではな」
「ビールを出してくれるか」
「ソーセージも出すぞ」
 カリフ王はこちらもと答えました。
「そしてな」
「そのうえでか」
「共に飲もうぞ」
「それではな」 
 ドワーフ王も笑顔で応えてでした。
 二人でビールそれにソーセージを心ゆくまで楽しみました、そして次の日に一緒にオズマに電話でお願いをしました。
 するとです、オズマはカリフ王に電話の向こうで笑顔で答えました。
「ええ、それではね」
「お貸し頂けるか」
「いいわよ」
 こう答えたのでした。
「それではこちらに来てくれたら」
「エメラルドの都にか」
「そうしてくれたらね」
「貸して下さるか」
「是非ね、それで何がいいかしら」
 オズマは何を貸そうかと言ってきました。
「乗りものは」
「飛行機かヘリコプターか」
「飛行船もあるわよ」
「そうなのか」
「どれがいいかしら」
「いやいや、空いているのでいい」
 カリフ王はこう答えました。
「何分空ははじめてでな」
「何を乗っていいのか」
「そこまでな」
 どうにもという口調での返事でした。
「考えられる」
「そうなのね」
「わしとしてはな」
「いや、わしもです」 
 カリフ王と一緒にいるドワーフ王も言ってきました。
「カリフ王に提案しまして」
「貴方も歴訪するのよね」
「そうですが」
 それでもというのです。
「もうお貸し頂けるなら」
「それならなのね」
「それでいいので」
 そう考えているのでというのです。
「わしとしても」
「そうね、ノーム王さんにははじめての空の旅になるし」 
 このことからです、オズマは考えました。
「ゆっくりとそれに静かなものがいいわね」
「そうなのか」
「それなら空の旅をじっくりと楽しめるから」
 だからだというのです。
「ここは飛行船がいいわね」
「その乗りものを貸してくれるのか」
「それでいいかしら」
 こう言うのでした。
「今回は」
「ではそれでお願いしたい」 
 それならとです、カリフ王は答えました。
「わしとしては貸して頂けるならな」
「いいのね」
「実はそこまでとてもな」
「はじめてのお空だから」
「何で飛ぶかまでな」 
 とてもというのです。
「考えられんからな」
「それではね」
「そこはお任せしたい」
「ではね」
 それならとです、オズマも応えて言いました。
「飛行船にするわね」
「宜しく頼む」
「わかったわ、同行する人達はね」
「わしとドワーフ王でな」
「それぞれの国の人達ね」
「そうなるのう」
「こちらからも出させてもらうわ」
 オズマはにこりとしてこうも言いました。
「エメラルドの都からもね」
「そちらからもか」
「ええ、王宮の飛行船を貸すから」 
 だからだというのです。
「この度はね」
「王宮からもか」
「人を送らせてもらうわ」
「そうか、ではその様にな」
「三国でね」
「空の国々を歴訪するか」
「そうしましょう」
 オズマはカリフ王に笑顔で応えました、そうしてです。
 お話は決まりました、オズマはカリフ王それにドワーフ王との電話でのお話を終えてから今度はドロシーとこのことについてお話しました、するとドロシーは笑顔で言いました。
「今ジョージ達五人が来ているし」
「あの子達もなのね」
「ええ、行ってもらって」
 そうしてというのです。
「他にもね」
「誰に行ってもらおうかしら」
「私も行くわ」
 ここで二人の足下にいたビリーナが名乗り出ました。
「そうして来るわ」
「貴女も行ってくれるの」
「最近冒険してなかったし国は落ち着いてるしね」
 ビリーナがご主人と一緒に国家元首を務めている鶏の国はというのです。
「だからね」
「それでなのね」
「私も行かせてもらうわ」
「ではお願いするわね」
「任せてね」
「私とオズマは今は忙しいから都を離れられないけれど」
 冒険隙のドロシーとしては残念なことにです。
「他の誰かにね」
「行ってもらいましょう」
「誰に行ってもらおうかしら」
「そうね、ジュリアはどうかしら」
 少し考えてからです、オズマは彼女の名前をdしました。
「あの娘は」
「そうね、あの娘も最近冒険に出ていないしね」
「行きたそうなことも言ってたし」
「それならね」
 是非にというのでした。
「あの娘にね」
「行ってもらいましょう」
「それとね」
 ドロシーの足下にいるトトが言ってきました。
「つぎはぎ娘もね」
「行きたいって言ってたの」
「そうだよ」
「じゃあつぎはぎ娘にも行ってもらいましょう」
 ドロシーはそれならと答えました。
「是非ね、それで私達の代表は」
「誰にお願いしようかしら」
「トロットにお願いしようかしら」
「あの娘ね」
「ええ、キャプテンさんとね」
 この人と一緒にというのです。
「行ってもらいましょう」
「わかったわ、じゃあ二人にもお話して」
「そうしてね」
「皆で飛行船に乗ってもらってね」
「行ってもらいましょう」
「それではね」
 オズマはドロシーの提案に笑顔で頷きました、こうしてです。
 お話が出た人達に声をかけますと皆それならとなりました、特につぎはぎ娘は嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねました。
「久し振りの冒険ね、いいわね」
「あら、あんた先月も行ったじゃない」
 ビリーナはそのつぎはぎ娘に言いました。
「マンチキンの国にね」
「気分的になのよ」
「それでなの」
「久し振りにね」
「行くのね」
「そうよ」 
 こう言うのでした。
「だから楽しみだわ」
「そうなのね」
「じゃあカリフ王達が来たら」
 その時はというのです。
「すぐにね」
「出発ね」
「そうしましょう」
「それで何時来られるのかしら」
 トロットはお二人の到着時間のお話をしました。
「一体」
「まあすぐだろうね」
 キャプテン=ビルが答えました。
「お二人は地中を進めろドリル付きの車で来るか」
「あれね」
「それかね」
 若しくはというのです。
「地中の道をそのままね」
「進んで来られるのね」
「そこを車で進めば」
 地中の道をというのです。
「都までね」
「すぐね」
「そうだからね」 
 それ故にというのです。
「お二人の到着はね」
「すぐなのね」
「そうだと思うよ」
「じゃあ待っていればいいわね」
「都で楽しく過ごしながらね」
「歴訪の準備はお任せ下さい」
 ジュリアがにこりと笑って言ってきました。
「私がです」
「やってくれるんだ」
「はい」
 キャプテンに笑顔で答えました。
「そうさせて頂きます」
「そうなんだね」
「では今から」
「お願いするね」
「飛行船にも行ってきます」
「お食事は」
 トロットはこちらのお話もしました。
「私がテーブル掛けを持っているから」
「あちらから出してだね」
「そうしてね」 
 そのうえでというのです。
「皆で食べましょう」
「それではね」
 キャプテンも応えました。
「他の準備もね」
「していきましょう」
「ジュリアのお手伝いをして」
「皆でね」 
 こうお話してでした。
 皆で飛行船にどんどん荷物を入れていったりします、そうしてお空の歴訪の準備をします。その中で、です。
 ふとです、ビリーナはこんなことを言いました。
「そういえばジョージ達は一度この飛行船に乗ったことがあったわね」
「ああ、あの時は楽しかったね」 
 ジョージはビリーナに笑顔で応えました。
「オズの国のお空を観られて」
「雲の上に色々な国があったりして」
 カルロスも言います。
「天空のお城とかあったりしてね」
「鳥だけじゃなくてお魚も泳いでいて」
 神宝はこちらのお話をしました。
「見ごたえがあったよ」
「お伽の国はお空も不思議ね」
 ナターシャも微笑んで言いました。
「そのことがわかったわ」
「だからね」
 それでと言う恵梨香でした。
「あの時は凄く楽しかったわ」
「その空の旅をまた出来るなら」
 ジョージは笑顔でさらに言いました。
「楽しみだよ」
「そうね、じゃあ皆でね」
「行ってね」
「色々なものを観ましょう」
「またね」
「オズの国はお空にも色々な国があるので」
 ジュリアも言ってきました。
「面白いですね」
「そうなんですよね」
 ジョージはジュリアにも応えました。
「ですからまたです」
「行けるなら」
「嬉しい限りです」
「しかしノーム王がお空に行くというのも」
 キャプテンは考えつつ言いました。
「昔は考えられなかったね」
「そうですよね」
「うん、それがだよ」
 キャプテンはジョージにお話しました。
「実現したのはね」
「オズの国の科学ですね」
「それがあってこそだね」
「そうですね」
「そこにね」 
 さらにというのです。
「魔法も加わってね」
「独自の技術になっていますね」
「だからね」 
 それでというのです。
「ノーム王もだよ」
「地中にいる人達も」
「普通にね」
 まさにというのです。
「今ではだよ」
「お空に行けますね」
「そうなったよ」
「そうですね、オズの国もどんどん変わりますね」
「常にね」
 まさにというのです。
「進歩してね」
「発展していますね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「この国はね」
「そうですよね」
「そしてね」
 それでというのです。
「わし等は海中にも行けて」
「あの時も面白かったですね」
「勿論地中にも行けて」 
 ノームの世界にもというのです。
「お空にも行けて」
「それで、ですね」
「今回もだよ、昔はお空を飛ぶ魔法でないとね」
 それを使わないと、というのです。
「行けなかったけれど」
「今は科学でもですね」
「行ける様になったから」
「ノーム王もですね」
「今のノーム王は魔法を使えないけれど」
「科学で、ですね」
「行ける様になったんだよ」
 こうジョージにお話しました。
「それで今回もだよ」
「ドワーフ王と一緒にですね」
「お空の国々を歴訪されるんですね」
「それに私達もご一緒させてもらって」
「お空の旅を満喫出来るんですね」
「お空の国々を歴訪して」
「そうなるよ、ではね」
 キャプテンはさらに言いました。
「準備が整ったら後は遊びながら」
「それで、ですね」
「楽しくですね」
「ノーム王を待ちますね」
「ドワーフ王も」
「そうしますね」
「是非ね」
 こうお話してでした。
 皆で一緒にでした、歴訪の準備をしました。そのうえで。
 それが整うとノーム王を待つのでした、それで夜になりましたがオズマは皆を宮廷の宴の場に案内しました。
 それで皆で美味しいものを食べるのですが。
「今日はお好み焼きなの」
「ええ、日本のお料理よ」
 オズマはドロシーに笑顔で答えました。
「それと焼きそばとたこ焼きにしたの」
「そうなのね」
「飲みものはサイダーにね」
 それにというのです。
「ビールもあるわ」
「アルコールはなくても酔えるビールね」
「私達も飲めるね」
 そうしたというのです。
「そういったものよ」
「そうなのね」
「いや、このお好み焼きがね」 
 オズマはお皿の上のそれを見て笑顔で言いました。
「すぐに出来て色々なものを中に入れられて」
「美味しいわよね」
「おソースとマヨネーズをかけて」
 お好み焼きの上にというのです。
「鰹節に青海苔もかけて」
「それと紅生姜ね」
「そうしたらね」
 これがというのです。
「凄くね」
「美味しいわよね」
「ええ、ボリュームもあるし」
「素敵な食べものね」
「だからね」
 それでというのです。
「今夜はね」
「お好み焼きね」
「それと焼きそばにね」
「たこ焼きね」
「そのメニューよ」
「キャベツもたっぷり入ってるわね」
 トロットは自分の前のお好み焼きを見て言いました。
「中に」
「そうよ、焼きそばにもね」
「そうなっているわね」
「海老や烏賊も入っていて」
 お好み焼きの中にはというのです。
「豚肉もね」
「入っているわね」
「だから色々な味がね」
「楽しめるわね」
「そうよ、あとモダン焼きもね」
 こちらもというのです。
「お願いしたらね」
「食べられるのね」
「そうよ」
 実際にというのです。
「私達もね」
「モダン焼きね」
「中に焼きそばを入れて焼いた」
「あのお好み焼きね」
「あちらが好きな人もいるしね」
 だからだというのです。
「食べたいならね」
「お願いすればいいのね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「こちらもね、それと今食べるのは大阪風だけれど」
「広島風も食べられるかな」
 トトが言ってきました。
「僕あちらのお好み焼きも好きだけれど」
「ええ、食べられるわよ」
 オズマはトトに笑顔で答えました。
「そちらもね」
「そうなんだ、じゃあ二枚目はね」
「広島風にするのね」
「そうさせてもらうよ」
「たこ焼きがいいですよね」
 ジュリアも席にいて笑顔で言います。
「こちらが」
「貴女はたこ焼き好きね」
「最初は蛸を食べるなんて」 
 ジュリアはトロットに応えて言いました。
「想像も出来なかったですが」
「それがね」
「はい、これが食べますと」
「美味しいのよね」
「お刺身や茹でだこ、酢だこもいいですが」
「特にね」
「私はたこ焼きが好きで」
 それでというのです。
「そちらもです」
「食べたいわね」
「はい、是非」
 トロットに笑顔で答えました。
「そうしたいです」
「じゃあ一緒にね」
「食べましょう」
 こうお話してでした。
 皆でお好み焼きや焼きそば、たこ焼きを食べます。見ればモダン焼きを食べている人もいますがそこで、です。
 ふとです、ジョージ達五人はそういったものを食べて言いました。
「物凄く美味しいね」
「そうだよね」
「おソースとマヨネーズもかけて」
「鰹節や紅生姜や青海苔もあって」
「凄く美味しいわ」
「勿論天かすも入れてあるわよ」
 オズマは五人に微笑んでお話しました。
「そちらもね」
「ああ、天かすですね」
「あれ入れると違うんですよね」
「味が凄く良くなりますよね」
「お好み焼きとかに入れますと」
「もうぐんとって感じで」
「そうでしょ、だからね」
 それでというのです。
「オズの国でもね」
「お好み焼きとかにはですね」
「天かす入れますね」
「それで作って」
「そのうえで食べますね」
「こちらでも」
「これは阪神の街の人達から教えてもらったの」
 あの街の人達からというのです。
「お好み焼きやたこ焼きもあの街から伝わったけれど」
「ああ、あの街ですか」
「あの街ってお好み焼きやたこ焼きも名物ですからね」
「まさに本場で」
「そうしたものに天かす入れますからね」
「おうどんに入れる時もありますし」
「それでオズの国のお好み焼きとかにもね」
 オズマはお好み焼きを食べつつお話しました。
「ちゃんと入れてるのよ」
「だからですね」
「これだけ美味しいんですね」
「オズの国のお好み焼きや焼きそばは」
「たこ焼きもそうなんですね」
「ちゃんと入れているので」
「そうよ、私も天かすをちゃんと使ってくれているから」
 オズマにしてもというのです。
「嬉しいわ」
「天かすって何でもない様で」
 ドロシーは焼きそばを食べつつ言いました。
「入れていると違うのよね」
「それだけでなんですよね」
「正直見ても何でもないです」
「大したものに思えないです」
「けれど入れるとです」
「味が全く違いますね」
「そうなのよね、これを入れるのがね」
 天かすをというのです。
「違うわね」
「全くですね」
「それじゃあですね」
「その天かすを入れたお好み焼きとかを食べて」
「それで楽しみますね」
「今は」
「そうしましょう」
 是非にというのです。
「今夜はね」
「それとね」
 ビリーナは自分用の枝豆を食べつつ言ってきました。
「飲みものもいいでしょ」
「このみっくちゅじゅーしゅがいいのよね」
 トロットは今はそちらを飲んでいます。
「物凄く甘くて」
「あんたそれ好きよね」
「ええ、お好み焼きとかを食べる時はね」
 トロットは笑顔で応えました。
「サイダーもいいけれど」
「そちらもよね」
「大好きな組み合わせだから」
 それでというのです。
「よくね」
「飲んでるのね」
「今だってね」
 まさにというのです。
「そうしているわ」
「そうよね」
「色々な国のお料理をね」
「今は食べられるわね」
「中華料理にタイ料理にベトナム料理にね」 
 それにというのです。
「和食もで」
「その和食の中にね」
「お好み焼きもあってね」
 それでというのです。
「凄くね」
「嬉しいのね」
「そうなの。昔はオズの国の食べものは」
「今よりずっとね」
「寂しいものだったのよね」
「私が来た頃なんてね」
 それこそとです、ビリーナは答えました。
「食べる喜びについてはね」
「あまり、だったわね」
「そうだったわ、あんたもでしょ」
「ええ、キャプテンさんと一緒に来たけれど」
 それでもというのです。
「今よりね」
「ずっとだったわね」
「食べることはね」
「素っ気ない感じだったわね」
「そうだったわ」
 実際にというのです。
「私から見てもね」
「それがね」
「かなり変わったわね」
「こうしたものが食べられる位ね」
「そうなったわね」
「嬉しいわ」 
 トロットはたこ焼きも食べました、そのうえで言うのでした。
「本当にね」
「そうなったことが」
「心からね」
 ビリーナに笑顔で食べながらお話します。
「思っているわ」
「それは何よりね、私だってね」
「嬉しいの」
「私もいつも同じもの食べてるとね」
「飽きるのね」
「色々美味しいもの食べないと」 
 さもないと、というのです。
「嫌になるわ」
「そうなのね」
「玉蜀黍に」
 これに加えてというのです。
「お豆もで」
「そうしたもの食べてるわね」
「それでお料理の仕方もね」
 玉蜀黍やお豆のというのです。
「色々あったら嬉しいし」
「最近お米も食べてるわね」
「そうでしょ、それで今枝豆食べてるわね」
「美味しいのね」
「凄くね」
 枝豆もというのです。
「それでよ」
「嬉しいのね」
「これも日本のお料理でしょ」
 ビリーナは言いました。
「枝豆も」
「ええ、そうよ」
 トロットはその通りだと答えました。
「枝豆もね」
「そうよね」
「それでね」
 トロットはさらにお話しました。
「美味しいだけじゃなくて」
「身体にもいいわね」
「そうしたお料理よ」
「それで私も大好きだけれど」
「オズの国には最初なかったわね」
「それがよ」
 今ではというのです。
「日本のお料理が入って」
「それで広まって」
「今では私もよ」
「楽しめているわね」
「この通りね」
「わしも枝豆が好きで」
 キャプテンはジョッキのビールを飲みつつお話します、ごくごくととても美味しそうに飲んでいます。
「よくいただくよ」
「お酒のおつまみでよね」
「そう、そして今夜も」
「いただくのね」
「ビリーナが食べているのを見ていると」
 そうしていると、というのです。
「わしもだよ」
「食べたくなったのね」
「だからだよ」 
 それでというのです。
「是非にだよ」
「後でいただくのね」
「お好み焼きにたこ焼きに」
 それにというのです。
「焼きそばもいただいて」
「枝豆もなのね」
「そうだよ」
 ビールを飲み干しておかわりをいただきつつ言いました。
「こちらもね」
「そうなのね」
「それでだよ」 
 キャプテンはさらに言いました。
「枝豆もいただいて最後は」
「何を食べるのかしら」
「善哉かな」
 デザートはそちらだというのです。
「いいかな」
「そちらなのね」
「そう、そして」
 それにというのです。
「楽しませてもらおうかな」
「デザートもなのね」
「お汁粉もいいけれど」
「今は善哉の気分ね」
「わしとしてはね」
「善哉も人気あるわね」
 ビリーナは善哉と聞いて言いました。
「デザートとして」
「美味しいからね」
 トトが尻尾を振ってお好み焼きを食べながら応えました。
「善哉も」
「あんたも好きよね」
「あの優しい甘さがいいよ」
「そうなのね」
「だからね」 
 それでというのです。
「僕もね」
「好きで」
「よくいただいているよ」
「和食の時は」
「羊羹とかういろうとかお団子も好きでね」  
 こうした日本のお菓子もというのです。
「それでだよ」
「善哉も好きで」
「それでキャプテンさんが食べるなら」
 それならというのです。
「是非ね」
「あんたもなのね」
「いただくよ」
「そうするのね」
「今夜はね」
 こう答えるのでした。
「そうさせてもらうよ」
「そうなのね」
「さて、僕はドロシーと共に宮殿に残るけれど」
 それでもと言うのでした。
「皆の歴訪が楽しくなることを祈っているよ」
「有り難う、それではね」
 ビリーナはドロシーに笑顔で応えました。
「楽しんでね」
「お仕事をしてくるね」
「そうしてくるわ」
 ビリーナも答えてでした。
 そのうえで今は夕食を楽しみました、皆それぞれデザートも楽しんでそのうえで楽しい時間を過ごしました。








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