『オズのボームさん』




                第十幕  終わりが見えてきて

 図書館でのオズの歴史の本の整頓は続いていました、皆で手分けして時間を決めて休日はゆっくり休みながらです。
 そうしていきましたがオズマはその日のお仕事が終わってからにこりとして言いました。
「いよいよね」
「うん、終わりが見えてきたね」 
 魔法使いが笑顔で応えました。
「そうなってきたね」
「そうよね」
「皆でやっていったらね」
「どんな大きなお仕事もね」
「終わるね」
「その通りね」
 オズマはボームさんに答えました。
「本当に」
「全くだね、ではまた明日ね」
「いえ、明日は土曜日でしょ」 
 オズマはボームさんにその明日のお話をしました。
「だからね」
「あっ、お休みだね」
「土曜と日曜はお休みでしょ」
「そうだったね」
「お休みでないお仕事もあるけれど」
「週に二日お休みはね」
「絶対にあるから」
 それでというのです。
「私達はね」
「明日と明後日はだね」
「お休みよ」
「そうだったね」
「あとオズの国の祝日にもね」
 ドロシーがにこりとしてお話してきました。
「お休みね」
「そうよね」
 オズマはドロシーにも応えました。
「外の世界と同じでね」
「オズの国でもね」
「祝日はお休みよ」
「土日とは別にね」
「そうなっているわね」
「休日に休んでこそ」 
 トロットも言いました。
「よく働けるのよね」
「そうよ、いつも働いてもね」
「オズの国では疲れないけれど」
「気分転換をした方がね」
 ずっと働くよりもとです、オズマはトロットにお話しました。
「いいのよ」
「そうよね」
「だからね」
 その為にというのです。
「休日はね」
「ゆっくり休むことね」
「そう、だから明日と明後日はね」
「お休みね」
「終わりが見えてきたけれど」
 整頓のというのです。
「けれどね」
「今はよね」
「焦らないでね」 
 そのうえでというのです。
「やっていきましょう」
「それじゃあね」
「では明日は皆で休んでね」
 ベッツイも言ってきました。
「遊びもね」
「しましょう、何がいいかしらね」
 オズマは嬉しそうに応えました。
「明日の遊びは」
「何をしても面白いけれど」
「スポーツもいいわね」
「そうよね」
「最近オズマ達は水泳も好きだね」 
 かかしはそのお話をしました。
「そうだね」
「うん、この前プールで楽しく泳いだね」
 樵も言いました。
「僕も防水の魔法をかけて泳いだね」
「君と大尉はそうしたね」
「ブリキだからそのままお水に入ったら錆びるけれどね」
「魔法をかけたらね」
「錆びないからね」
「安心して泳げるね」
「樵君水泳も得意だよね」 
 臆病ライオンも言ってきました。
「そうだね」
「うん、自信あるよ」
 樵もそれはと答えました。
「確かに」
「そうだよね」
「特にクロールが得意だね」
 かかしは樵の得意な泳ぎ方の種類のお話もしました。
「他もいいけれど」
「皇帝はいつもトレーニングがお好きなんです」 
 大尉はこうお話しました。
「それで水泳もなんですよ」
「水泳も大切なトレーニングだしね」
「そうだよね、斧の使い方と一緒でね」
 大尉はジャックに応えました。
「それでね」
「樵さんは水泳もお上手なんだね」
「そうなんだ」
「水泳もいいわね」
 つぎはぎ娘は嬉しそうに飛び跳ねて言いました、ぬいぐるみの弾みが出てとても軽やかな感じでそうしています。
「じゃあ明日はそれをする?」
「泳ぐのなら負けないよ」 
 トトも言ってきました。
「最近僕もよく泳いでいるからね」
「だからなのね」
「そうだよ、僕も負けないよ」
 こう言うのでした。
「絶対にね」
「じゃあ勝負する?」
「いいね」
「プールで泳ぐのなら夜もいいよね」
 こう言ったのはハンクでした。
「照明の中でその中や周りで遊ぶのもね」
「それ素敵よね」
 ガラスの猫はハンクの言葉に応えました。
「お洒落な感じで」
「そうだよね」
「夜にお水の中に入るのは危ないけれど」
「照明で照らされていたら安全だしね」
「それではね」 
「その時に泳いだり遊んだりしても」 
 照明に照らされた中でというのです。
「いいわね」
「そうだよね」
「お昼もいいね」 
 キャプテンは笑顔で言いました。
「そこで安楽椅子に座ってね」
「うん、ジュースを飲んだりね」
「フルーツを食べたりして」
 モジャボロと彼の弟さんがキャプテンに応えました。
「そうしてくつろぎながらだね」
「日差しを浴びることもね」
「それもいいよね」
「プールサイドでね」
「プールに入らなくてもだよ」
 例えそうであってもというのです。
「そうした楽しみ方もあるよ」
「そうだね」
「フルーツカクテルを飲むのもいいね」
「日差しの中で寝るのが一番よ」
 エリカはこう言いました。
「もうね」
「あんたが一番好きなことよね」
「そうよ」
 エリカはビリーナに何と言ってもという声で応えました。
「それはね」
「そうよね」
「だからね」 
 それでというのです。
「私としてはよ」
「若し皆でプールサイドで遊ぶのなら」
「もうね」
「お昼寝ね」
「日差しを浴びながらね」
 そのうえでというのです。
「楽しみたいわ」
「そうなるわね、なら私もね」
「寝るのね」
「そうしたいわね」
「王宮には立派なプールがあってね」
 魔法使いも笑顔でお話しました。
「そして都にはテーマパークみたいにね」
「凄いプールがありますね」
「うん、幾つもプールがあってね」 
 ジュリアにも応えます。
「その中に」
「ウォータースライダーもあって」
「お風呂やサウナもある」
「素敵な場所ですよね」
「あそこもあるね」
「どちらでも楽しめばいいかな」 
 ムシノスケ教授はこう考えました。
「明日は王宮のプールで明後日は都のでとね」
「いいね」
 腹ペコタイガーは教授の言葉に頷きました。
「それも」
「そうだね」
「夜のプールもいいしね」
「レジャー施設でもいいね」
「どちらでもね」
「一つだけでなくだよ」
「今日はこっち明日はあっちでだね」
「楽しめばいいんだよ」
「名案ーーですーーね」
 チクタクも教授の言葉に賛成でした。
「それーーは」
「チクタクもそう言ってくれるね」
「そのーー通りーーです」
「私としては泳いだ後の読書がまたいいから」
「そうなのーーですーーか」
「身体を動かした後の学問ははかどるのだよ」
 教授は目を笑わせて言いました。
「身体も頭もすっきりしてね」
「そうーーですーーか」
「だから毎日だよ」
 それこそというのです。
「私もスポーツをしているよ」
「そうそう、身体を動かすと食べるものも美味しいよね」 
 食いしん坊の腹ペコタイガーは舌なめずりしています。
「例えばカレーライスなんかね」
「君本当にカレー好きだね」
 カルロスはそんな腹ペコタイガーの言葉を聞いて言いました。
「色々好きだけれど」
「そうよね、何でも好きだけれど」 
 恵梨香も言いました。
「特に何かっていったら」
「腹ペコタイガーさんはカレーよね」 
 ナターシャが見てもでした。
「一番の好物は」
「そうだね、僕達も好きだけれど」 
 ジョージは自分達もと言いました。
「腹ペコタイガーさんもだね」
「だから今もだね」
 神宝も言いました。
「君はそう言うんだね」
「そうだよ、カレー大好きだよ」
 腹ペコタイガーもその通りだと答えます。
「ステーキもハンバーガーも大好きだけれどね」
「カレーはなんだね」
「その中でもね」 
 神宝ににこにことして答えます。
「一番かもね」
「そうなんだね」
「もう誰かを食べたいとは思わなくなって」
 それでというのです。
「カレーをだよ」
「食べたいと思うんだね」
「そうなんだ」
「プールサイドとかビーチで食べるカレーって美味しいよね」
 トトも言いました。
「そうだよね」
「ええ、水辺で日差しを浴びながら食べるとね」
 オズマはトトににこりとして応えました。
「特にね」
「美味しいよね」
「私もそう思うわ」
「じゃあ明日はカレーだね」
「そして遊ぶ場所はね」
 そこは何処かといいますと。
「明日は王宮のプールで夜もね」
「遊ぶんだね」
「照明を点けてね、七色のね」
「いいですね、虹ですね」
 ジュリアはオズマのその言葉を聞いて言いました。
「色は」
「ええ、赤に橙、黄色、緑、青、群青、紫のね」
「七色ですね」
「そこにオズの国それぞれの色も全てあるし」
「丁度いいですね」
「虹はとても素敵なものよ」
 オズマは笑顔でこうも言いました。
「この世を照らして祝福してくれる」
「だからですね」
「プールサイドは夜はその光で照らしてね」 
 七色のというのです。
「そしてよ」
「その中で泳いで遊んでですね」
「楽しみましょう」
「わかりました」
「そしてプールだから」
 こうも言うオズマでした。
「着るのはね」
「水着ですね」
「それを着てね」
 そのうえでというのです。
「楽しみましょう」
「では新しい水着を出しますね」
「ええ、お願いするわね」
 こうしたお話をしてでした。
 明日は王宮のプールで遊ぶことになって次の日は都のテーマパークの様なプールでとなりました。そうしてです。
 その日です、皆で着替える必要のある人は水着に着替えてプールサイドに出ましたが。
 皆半ズボンにシャツという恰好です、つぎはぎ娘はそれを見て言いました。
「あら、ビキニやワンピースじゃないの」
「皆半ズボンの水着ね」
 ガラスの猫も言いました。
「そちらにしたの」
「ええ、最近このタイプの水着が流行っているからなのよ」
 オズマは笑顔で答えました、白いお肌がとても奇麗です。
「普通にサンダルやシューズを履いたらお外にも出られるでしょ」
「そうね、ビキニとかだとね」
「そうはいかないでしょ」
「街には出られないわね」
「そうした水着は下着に近いデザインだから」
「それは難しいわね」
「そのこともあってね」
 それでというのです。
「最近のオズの都ではなの」
「半ズボンタイプの水着ね」
「しかもすぐ乾くの」
 オズマはつぎはぎ娘にこのこともお話しました。
「だから余計にいいのよ」
「それはいい水着ね」
「だからね」
「皆半ズボンなのね」
「そうなのよ、男の人もね」
「いや、動きやすいしこのままお水にも入られるからね」 
 ボームさんも笑顔で言います。
「快適だよね」
「全くだね」 
 魔法使いはボームさんに応えました、勿論この人達も半ズボンタイプの水着です。デニムみたいな生地のそれはお洒落でもあります。
「では準備体操をして」
「それからだね」
「プールに入って泳いだり」
「遊んだりしてね」
「プールサイドでくつろいだり」
「ジュースやフルーツカクテルを楽しもうね」
「そして食べようね」
 腹ペコタイガーは何といってもこちらでした。
「そうしようね」
「何を食べるのかな」
「何といっても最初はカレーだよ」 
 腹ペコタイガーはボームさんの質問に即座に答えました。
「僕の場合はね」
「やっぱり君はそうだね」
「ハンバーガーや唐揚げも食べたいけれど」
 それよりもというのです。
「まずはね」
「カレーだね」
「それを食べてね」
 そうしてというのです。
「他のものもだよ」
「食べるんだね」
「そうしたいよ」
「ええ、ではカレーを用意するわね」
 ジュリアが腹ペコタイガーににこりとして言ってきました。
「今から」
「楽しみに待っているよ」
「山盛りよね」
「その山盛りのカレーをね」
「十杯かしら」
「十五杯は食べるよ」
 こう言うのでした。
「是非ね」
「十五杯ね」
「うん、それだけ食べてね」
 そうしてというのです。
「お腹が空いたらだよ」
「他のものね」
「そうするよ」
 こう言うのでした。
「今日はね」
「わかったわ、ではね」
「カレーをだね」
「今から持って来るわ」
 こうしたお話もしてでした。
 皆は王宮のプールで泳いで遊んでです。 
 楽しみはじめました、その中で。
 臆病ライオンはプールサイドに寝そべって大きな欠伸を出しました、そうしてからプールの中にいて風船をボールみたいに投げ合って遊んでいる神宝達五人に言いました。
「楽しんでるね」
「うん、凄くね」
「楽しいわ」
「泳いで遊んでね」
「日差しもいいしね」
「周りの景色も素敵だし」
「そうだね、リゾートをしているみたいだね」
 臆病ライオンもこう言いました。
「そうだね」
「宮殿にいるけれど」
「その中にね」
「けれどここにいたら」
「リゾート地にいるみたいで」
「そうした楽しみ方よね」
「そうだね、だからね」
 それでというのです。
「僕もだよ」
「そうしてだね」
「プールサイドで寝そべって」
「日向ぼっこをしながらお昼寝して」
「そうして楽しんで」
「満喫しているんだね」
「そうだよ、さっきは泳いでね」
 そうしてというのです。
「今はお昼寝だよ」
「お昼寝もいいよね」
 五人と一緒にいるハンクも言ってきました。
「そうだね」
「僕はお昼寝はしないけれど」
 臆病ライオンの傍にいる木挽きの馬が言うことはといいますと。
「こうした日差しはね」
「好きだよね、君も」
「快適だよ」
 こうも言うのでした。
「とてもね」
「それでだね」
「大好きだよ」
「そうだね」
「だからね」
 それでというのです。
「今はね」
「君も楽しくだね」
「過ごしているよ」
 ハンクに楽しそうにお話します。
「心からね」
「そうだね」
「さて、僕も泳ごうかな」
 木挽きの馬もというのです。
「そうしようかな」
「いいんじゃないかな」
「それではね」
「泳がせてもらうよ」
「そうして楽しもうね」
 こうお話してです。
 木挽きの馬も泳ぎます、皆で楽しく泳いで遊びました。
 そうしてお昼にはプールサイドでお昼ご飯を食べますが。
「いやあ、シェラスコ美味しいよね」
「君さっきまでカレーを食べていたよね」
 ボームさんはシェラスコの次々と切られてお皿の上に置かれていく牛肉を満面の笑顔で食べている腹ペコタイガーに尋ねました。
「そうだったね」
「うん、けれどね」
「お腹が空いたのかな」
「そうなんだ、確かにカレーはお腹一杯食べたけれどね」 
 それでもというのです。
「その後で泳いだね」
「さっきまでずっとね」
「五十メートルのプールを何十往復もしていたら」 
 そうして泳いでいたらというのです。
「もうなんだ」
「お腹が空いたんだ」
「そうなったんだ」
「それで食べるんだね」
「うん、もうね」
 それこそというのです。
「シェラスコもサラダもね」
「お腹一杯食べるんだね」
「そうさせてもらうよ」
「僕もいただいてるよ」 
 臆病ライオンも笑顔で言ってきました。
「シェラスコをね」
「君もだね」
「僕は腹ペコタイガー君程カレーを食べていなかったけれど」
 それでもというのです。
「同じ様に泳いでいたからね」
「だからだね」
「お腹が空いたからね」 
 その為にというのです。
「お腹一杯ね」
「いただくんだね」
「そうさせてもらうよ」
 是非にという言葉でした。
「今回はね」
「そうするんだね」
「うん、そしてね」  
 臆病ライオンはボームさんにさらに言いました。
「今日のおソースは中華風にするよ」
「辣油の利いたものだね」
「お醤油のね、これもいいよね」
「そうだね、デミグラスソースやオニオンソースもいいけれど」
 見ればボームさんはデミグラスソースで食べています、フォークとナイフを使ってステーキの様に食べています。
「中国のソースもね」
「いいよね」
「とてもね」
「だからなんだ」
「今日はだね」
「僕は中華風のソースだよ」
 それでシェラスコを食べるというのです。
「そうさせてもらうよ」
「ではね」
 ボームさんも笑顔で頷きました、そうしてです。
 皆で食べていくとでした。
 ここでボームさんはドロシーを見て言いました。
「ドロシー嬢はバターだね」
「ええ、シェラスコがまだ熱いからね」 
 ドロシーはボームさんににこりと笑って答えました。
「だからなの」
「バターを乗せて」
「それで溶けてね」
「それを味付けにして食べているんだね」
「ステーキと同じ様にね」
「そういうことだね」
「これも美味しいわよね」
 こうボームさんに言うのでした。
「バターを乗せても」
「うん、僕もお肉をそうして食べる時があるからね」
「それでなのね」
「そうも言えるよ」
「お肉の食べ方もそれぞれでね」
「それぞれ美味しいね」
「そうよね」 
 ボームさんのお言葉に笑顔で頷くのでした。
「本当に」
「全くだね」
「私はお醤油だけれど」
 オズマはそちらでした。
「こちらもよ」
「美味しいね」
「ええ、お醤油もいいのよね」
「そちらはそちらでね」
「日本や中国の調味料だけれど」 
 お醤油はとです、オズマは言いました。
「それで昔はオズの国にはなかったけれど」
「それでもだね」
「今はオズの国にもあってね」
「お料理に使うとね」
「とても美味しいわ」
 こう言いつつ食べるのでした。
「あっさりしていてね」
「バターも美味しくてね」
「こちらも美味しいわ」
「これでおろし大根を入れてもよ」
 見ればトロットはおろし大根にお醤油をかけたもので食べています、シェラスコの上にそれを置いています。
「美味しいのよね」
「それもあっさりしていてね」
「食欲をそそってね」
 そうもしてというのです。
「そしてよ」
「美味しいね」
「どんどん食べられるわ」
「というか昔はシェラスコ自体がなかったよ」 
 キャプテンはオニオンソースで食べながら言いました。
「そもそもね」
「そうそう、ステーキはあったけれどね」
 モジャボロは林檎のソースです。
「けれどね」
「シェラスコはブラジル料理でね」
「かつてアメリカにはなくてね」
「オズの国にもなかったよ」
「そうだったね」
「それがこうして食べられるんだから」
 モジャボロの弟さんは自分のお皿の上に切って置かれたシェラスコを食べながら言いました、おソースはデミグラスです。
「変わったね」
「そのこと自体がだよ」
 キャプテンは弟さんにも応えました。
「大きな変化だよ」
「ステーキもいいけれどね」 
 魔法使いは中華風ソースで食べながら言いました。
「このシェラスコもかなりのものだよ」
「鶏肉や豚肉や羊肉も食べられて」
 ベッツイは鶏肉をお醤油で食べながら言います。
「自由度も高くてね」
「そこもいいね」
 ボームさんはベッツイにも応えました。
「そうだね」
「シェラスコはね」
「しかもその自由度の高さでお外で食べても美味しいからね」
 ムシノスケ教授は豚肉にオニオンソースをかけつつ言います。
「そのこともいいね」
「そうですね」 
 ジュリアはマトンのシェラスコにデミグラスソースをかけて食べています、そのうえで言うのでした。
「ステーキもそうですが」
「ステーキ以上にね」
「お外で食べても美味しく感じますね」
「美味しく食べてるのはわかるわ」
 ビリーナは自分のバターコーンを食べながら応えました。
「皆がね」
「ええ、美味しいわよ」
 エリカはその牛肉を食べています。
「実際にね」
「そうよね」
「私も今食べてるけれどね」
「お肉美味しいのね」
「凄くね」
「そのまま食べても美味しいよ」
 トトは切られたお肉をそのまま食べています、そうして言うのでした。
「塩胡椒だけでね」
「最初の味付けだけだね」
 木挽きの馬はそのトトに言いました。
「そうだね」
「うん、それもまたね」
「美味しいんだね」
「サラダもいいね」
 ハンクはこちらを楽しんでいます。
「トマトもレタスもパイナップルも林檎もね」
「今回のサラダは甘いものが多いね」
 ボームさんはそちらのお話もしました。
「パイナップルに林檎にと」
「うん、だから甘さも楽しめてね」
「美味しいんだね」
「そうなんだ、セロリやキャロットもいいよ」
 こちらの親さいもというのです。
「だからお勧めだよ」
「お肉食べてお野菜も食べて」
 恵梨香は今はサラダの中のレタスを食べて言いました、ドレッシングはイタリアンでこちらも美味しいです。
「こうしたら余計に食べられるのよね」
「お野菜が口直しになって」 
 ナターシャは恵梨香に微笑んで応えました。
「そうなるわね」
「うん、この組み合わせは最高だよ」
 カルロスはにこにことして食べています。
「幾らでも食べられるよ」
「そうだね、色々なお肉が食べられてお野菜も食べられる」
 ジョージは実際にサラダを食べてからお肉を食べています。
「これはいいね」
「お肉だけでもお野菜だけでも限度があるけれど」
 それでもと言う神宝でした。
「両方あると尚更いいね」
「みたいね、しかしあたし達は食べないからね」
 つぎはぎ娘はこう言いました。
「お口ではなく笑顔で味わってるわ」
「そうだよね、食べないならね」
 神宝はつぎはぎ娘に応えました。
「それならね」
「ええ、あんた達が食べてね」
「嬉しい気持ちになって笑顔になる」
「それを見てね」
 そうしてというのです。
「栄養にしてるのよ」
「そうだね」
「ただね」
 ここで、でした。つぎはぎ娘は。
 席を立ってです、こんなことも言いました。
「じっとしているのはあたしの性分じゃないからね」
「わかったわ、踊るのね」
 ガラスの猫が応えました。
「さっきも踊ったけれど」
「あたしにとって歌と踊りは絶対のものでしょ」
「ええ、確かにね」
「だからよ」 
 それでというのです。
「今もね」
「歌って踊るのね」
「そうするわ」
「それで何を踊るのかな」
 大尉が尋ねました。
「一体」
「決まっているわ、サンバよ」
 つぎはぎ娘は大尉に答えました。
「今踊るとしたらね」
「そちらなんだ」
「だって皆シェラスコ食べてるでしょ」
「ああ、シェラスコはブラジルのお料理で」
「それならダンスもね」 
 こちらもというのです。
「やっぱりね」
「ブラジルのものだね」
「それが一番だから」 
「サンバにするんだね」
「そうするわ」
「サンバといえば派手な衣装だけれど」
 木挽きの馬はこのことを指摘しました。
「君は違うね」
「あたしはいつもこのまま踊ろでしょ」
 つぎはぎ娘は木挽きの馬にも答えました。
「そうでしょ」
「うん、確かにね」
「だってあたしもう服着てるから」
「そうそう、君も身体自体が服だよ」
 ボームさんもこう言いました。
「かかし君や樵君と同じでね」
「生きもので言うと体毛が服でね」
「君もだよ」
「身体が服よね」
「そうだよ、実際に服を着た姿になっているよ」
 ぬいぐるみの身体にそのまま付いている服を見て言います、つぎはぎ娘のその服は彼女が身体を動かすとその度にひらひらと動きます。
「そうなっているよ」
「そうよね」
「だから服を着ることはね」
 このことはというのだ。
「全くね」
「必要がないわね」
「そうだよ」
「それは僕達も本当に同じでね」 
 樵はボームさんの言葉を受けて言いました。
「服を着る必要は全くないんだよね」
「はいーーそもそもーーです」
 チクタクも言ってきました。
「暑さもーー寒さもーーです」
「僕達は感じないしね」
「私達ーーは」
「お洒落もーーです」
「うん、僕達はそのままでお洒落が出来るよ」  
 かかしが応えました。
「洗濯したり油を塗って磨くとね」
「お洒落はそれぞれでね」
 ボームさんはかかし達にも応えました。
「それでだよ」
「僕達はそうだね」
「お洒落はそうしたらいいね」  
 かかしと樵が応えました。
「僕達の場合は」
「清潔にすればね」
「おのずと奇麗になるよ」
「だからあたしも服はこのままよ」
 またつぎはぎ娘が言ってきました。
「それでサンバを踊るわ」
「ううんと、僕もいいかな」 
 ここでジャックも言ってきました。
「そうしても」
「ええ、いいわよ」
 つぎはぎ娘はジャックに即座に答えました。
「じゃあ一緒にね」
「サンバを踊ろうね」
「ジャックもダンスが得意なんだよね」 
 ボームさんはジャックにも言いました。
「そうなんだよね」
「そうですよね」  
 神宝が応えました、今はラムをオニオンソースで食べています。
「かかしさんや樵さんもで」
「そしてジャックもね」
「上手ですね」
「そうなんだよね、だからね」
「ここはですね」
「見せてもらおうね」
 ボームさんは神宝に笑顔で応えました。
「二人のダンスを」
「わかりました」
「いや、僕も踊らせてもらうよ」
 かかしも席を立って名乗りをあげました。
「そうさせてもらうよ」
「僕もね」
 樵も続きました。
「楽しそうだからね」
「では僕も」 
 大尉もでした。
「そうさせてもらうよ」
「私もーーいいでーーしょうか」
 チクタクも立ちました。
「これーーから」
「皆で踊ったら皆が楽しいわよ」
 つぎはぎ娘は名乗り出た皆に応えました。
「だからね」
「いいのーーですーーね」
「皆で歌って踊りましょう」
「これは素敵なダンスね」
 オズマはその場に並んだつぎはぎ娘達を見て目を細めさせました。
「そうなるわね」
「そうだね、ではね」
「シェラスコとサラダを食べて」
「美味しいジュースも飲みながら」
 ボームさんはオズマに応えました。
「そうしてね」
「歌と踊りも楽しみましょう」
「是非ね」
「いや、何か」
 神宝は踊りはじめたつぎはぎ娘を見てこんなことを言いました。
「プールサイドにいても」
「それでもだね」
「普通のプールサイドとは違った」
「賑やかでね」
「楽しいものですね」
「そうだよね」
 ボームさんは神宝に応えました。
「これは」
「そうですね」
「それではね」
「これからですね」
「美味しいものにね」
「歌と踊りもですね」
「楽しもうね」
「わかりました」 
 笑顔で応えてでした。
 皆で楽しみはじめます、つぎはぎ娘達のサンバそれに歌をです。
 それはお食事の間ずっと続いてでした、それが終わると皆またプールに入って泳いで遊んでプールサイドでくつろいでです。
 晩ご飯を食べました、そして夜になりますと。
 プールはその周りから七色の光で照らされました、するとプールが底まで虹色に奇麗に輝いてでした。
 神宝達五人は星が瞬く夜の帳の中でこう言いました。
「うわ、こんな奇麗になるなんて」
「夜のプールが照らされると」
「まるで宝石みたいだよ」
「嘘みたいに奇麗ね」
「何て不思議な奇麗さなのかしら」
「お昼のプールもお水が日光に反射してきらきらして奇麗でしょ」 
 ドロシーが驚いている五人ににこりとして言ってきました。
「けれどよ」
「夜もですか」
「こうして光で照らすとですか」
「こうなるんですね」
「とても奇麗になるんですね」
「そうなんですね」
「ええ、そしてね」
 ドロシーは五人にさらに言いました。
「もう一つあるわ」
「もう一つ?」
「もう一つっていいますと」
「まだ何かあるんですか?」
「こんなに奇麗なのに」
「まだですか」
「こうするのよ」
 こう言ってでした。
 ドロシーはジュリアから手渡された箱からです。
 何かをプールに撒きました、それは何かといいますと。
「スーパーボールですか」
「その球ですね」
「きらきらした赤や青の」
「それですね」
「それをプールサイドに入れたんですね」
「こうしたらね」 
 ドロシーは五人にお話しました。
「余計に奇麗でしょ」
「はい、スーパーボールまで光って」
「照明に照らされて」
「何かお星様みたいです」
「プールという夜空の中に輝く」
「そんな風です」
「そうでしょ、そしてプールの周りを見て」 
 今度はそちらをと言うドロシーでした。
「どうかしら」
「あっ、イルミネーションですね」
「天の川ですね」
「織姫と彦星もいて」
「孫悟空さんや関羽さんもおられますね」
「竹林もありますね」
「プールが輝いてね」 
 照明とスーパーボールによってというのです。
「そしてよ」
「周りはイルミネーションですか」
「赤や青や緑の」
「黄色や紫や橙や群青の」
「白もありますね」
「その光がですか」
「照らしてるのよ、スーパーボールも七色で白もあってね」
 虹の色にというのです。
「こうしてよ」
「凄く奇麗ですね」
「プールサイドだけでなくて」
「イルミネーションもだなんて」
「こんな素敵になるんですね」
「夜のプールは」
「そうなれるのよ」
 今の様にというのです。
「こうしてね」
「同じ場所でも時間によって全く違うからね」
 ボームさんもにこりとしています。
「それでだよ」
「こうしてですね」
「ここはこうなるんですね」
「それで、ですね」
「この場所で、ですね」
「今から遊ぶんですね」
「そうだよ、そして寝る前にはね」
 その時はといいますと。
「お風呂もだよ」
「そうですね、お風呂も入って」
「奇麗になってね」
「プールに入ってもですね」
「やっぱりお風呂にもね」
 こちらにもというのです。
「入ってね」
「身体をちゃんと奇麗にして」
「そして寝ようね」
「わかりました」
 神宝はボームさんのお言葉に笑顔で頷きました、それは恵梨香達四人も同じでそれで他の皆も一日の最後にはお風呂に入ってでした。
 この日もぐっすりと寝ました、その次の日は都のプールで泳いで遊んでそのうえで楽しい休日を過ごしました。








▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る