『オズのラゲドー王』




                第四幕  新たな同行者

 トロット達は前のノーム王であるラゲドー氏とジェットコースター乗り場から近くの喫茶コーナーに移りました、そしてです。
 そこで色々な軽食や飲みものを注文しました、あるのは。
「いや、色々な食べものや飲みものがあるね」
「そうだね」
 キャプテン=ビルとカエルマンは立ち並んでいる出店を見て笑顔でお話しました。
「ハンバーガーにホットドッグにサンドイッチにフライドチキン」
「フランクフルトにお握りにお饅頭にケバブ」
「焼き鳥や唐揚げもあるね」
「そして焼きそばやお好み焼き、お饅頭、餃子に拉麺にパスタもあるし」
「そしてサンドイッチもあって」
 さらにというのです。
「クレープにかき氷、アイスクリームもあって」
「ごま団子にアイスキャンデー」
「飲みものも色々あるわね」
 ビリーナはそちらを見ました。
「コーヒーに紅茶にジュース」
「この冷やし飴が美味しいのよね」
「コーラやサイダーやファンタもあるし」
「色々楽しめそうね」
「皆好きなものを楽しんで」
 トロットは皆に言いました。
「そうしてね」
「皆で食べながらね」
「お話しましょう」
「わかったわ」
 ビリーナが応えてでした。
 皆それぞれ好きなものを食べてです、そしてです。
 前ノーム王とお話しました、前ノーム王はハンバーガーを片手に持って食べながらお話を聞きました。
 そのお話を聞いてです、こう言いました。
「そうした理由でだね」
「ええ、私達はイッソスの国に行って」
 トロットはホットドッグを食べつつ答えました。
「そうしてね」
「お寿司を食べるんだね」
「そうしに行くのよ」
「お寿司だね」
 前ノーム王はハンバーガーを食べつつ言いました。
「あちらを」
「そうなの」
「いいことだね。お寿司も美味しいから」
 前ノーム王は笑顔で言いました。
「食べに行ったらいいよ」
「そうしてくるわね」
「それで貴方は何処に行くの?」
 クッキーがフライドチキンを食べながら前ノーム王に尋ねました。
「一体」
「ああ、今度の旅でだね」
「ここに来るのが目的だったのかしら」
 このプレーリードッグの街にというのです。
「そうだったの?」
「いや、実はサバンナに行くつもりなんだ」
 前ノーム王は笑顔で答えました。
「そうなんだ」
「ああ、あそこね」
 ビリーナはバターコーンを食べつつ応えました。
「ギリキンにある」
「そう、ギリキンの山脈の北にあるね」
「あそこになのね」
「行って大自然を観るつもりなんだ」
 サバンナのそれをというのです。
「そのつもりなんだ」
「そうなのね」
「うん、そうだよ」
「サバンナなら」
 そう聞いてです、トロットはコーラを飲みながら言ってきました。
「通るわよ」
「そうだね、寿司職人の人がいる街に行くまでにね」
 キャプテンは焼きそばを食べつつ地図を見て言いました。
「通るね」
「そうよね」
「だったらね」
 ビリーナがここでノーム王に言いました。
「あんたも一緒にどう?」
「わしもお寿司をだね」
「サバンナに行ったらもう帰るつもりでしょ」
「ゆっくりとね」
「時間はあるのね」
「うん、気ままな一人暮らしでね」
 前ノーム王は今度は拉麺を食べています、見れば日本のラーメンとはまた違う感じの麺です。それを食べています。
「それでだよ」
「そうよね、だったらね」
「わしもなんだ」
「一緒にどう?」
「お寿司を食べに行くか」
「そうしたらどうかしら」
「いいのかな」
 前ノーム王は尋ね返しました。
「そうしても」
「オズの国では遠慮は駄目でしょ」
 ビリーナは即座に答えました。
「そちらの都合がいいのならね」
「遠慮はしないでだね」
「そう、一緒にね」
 まさにというのです。
「行きましょう」
「それではね」
「そしてね」
 ビリーナはさらに言いました。
「旅もお寿司も一緒に楽しみましょう」
「その申し出嬉しいよ」
 前ノーム王は笑顔で応えました。
「とてもね、しかしわしはね」
「昔はっていうのね」
「前のわしのことは聞いているよ」
 ノーム王だった時、そしてとても悪い心を持っていた時のことをです。
「君達には随分と迷惑をかけたね」
「あら、じゃあ今のあんたは迷惑をかけるのかしら」
「とんでもない」 
 前ノーム王はビリーナに即座に答えました。
「今のわしにそんな考えはないよ」
「そうよね」
「全くね、美味いものと旅を楽しむ」 
 そうするというのです。
「ただそれだけだよ」
「そうよね」
「オズの世界を征服するなんて」
 そうしたことはというのです。
「もう全くだよ」
「考えていないわね」
「そんなことをしても」
 それこそという返事でした。
「何か意味があるのかな」
「正直ないわね」
「もう王様の暗いにも興味はないし」
 ノーム族のそちらにもです。
「ノームの皆とも仲良くしているし」
「カリフ王ともよね」
「今では親友だよ」
 そうなっているというのです。
「そしてだよ」
「そのうえでよね」
「今はオズの国に宝石で造った家に住んで」
 そうしてというのです。
「宝石を見て集めて食べて飲んでね」
「旅をして」
「そうして楽しんでいるよ」
「今のあんたはそうね」
「そう、だからね」
 ビリーナにオムライスを食べつつお話しました。
「わしはもうそんな考えはないしね」
「そんなこともしないわね」
「全くね」 
 そうだというのです。
「本当にね」
「そうでしょ、だったらね」
「君達の旅に同行してもいいんだね」
「旅は楽しくよ」
 こうも言うビリーナでした。
「だからね」
「一緒にだね」
「行きましょう」
「私も賛成よ」
 トロットも言ってきました。
「この旅はね」
「一緒にだね」
「行きましょう、貴方もね」
「そこまで言ってくれるなら」
 それならとです、前ノーム王も頷きました。こうしてでした。
 前ノーム王も旅の一向に加わりました、ですが。
 ここでナターシャはオムライスを食べている前ノーム王に言いました、見ればこの娘は今は月見うどんを食べています。
「卵大丈夫なんですね」
「ああ、ノームは卵駄目だったんだよね」 
 ジョージは卵サンドを食べつつ言いました。
「そうだったね」
「そうそう、それが弱点で」
 カルロスは茶卵を食べています。
「ビリーナも大の苦手だったね」
「けれど今オムライスを食べておられて」
 神宝はオムレツを食べています。
「それも美味しそうに」
「本当に大丈夫なんですね」
 恵梨香も目玉焼きが中にあるハンバーガーを食べています。
「ラゲドーさんも」
「ノーム族自体がそうなったんだよ」
 前ノーム王は五人に笑顔で答えました。
「今ではね」
「だからですか」
「それでラゲドーさんもですか」
「今オムライスを召し上がられておられるんですね」
「それも美味しく」
「そうなんですね」
「完全にオズの国の住人になったら」
 そのオムライスをとても美味しそうに食べながら言います、オムレツの生地の下のチキンライスもとても美味しそうです。
「絶対に死なないね」
「あっ、そうでしたね」
「オズの国では誰も死なないですね」
「そして誰も歳を取らない」
「そうでしたね」
「誰でも」
「それでノーム族もそうなってだよ」
 死ななくなって歳も取らなくなってというのです。
「わしにしてもだよ」
「死ななくなった」
「卵に当たったりしても」
「そして食べても平気で」
「今もそうしてですね」
「召し上がられておられるんですね」
「そうなんだ、そして食べてみると」 
 その卵がというのです。
「実に美味しくてね」
「それで、ですね」
「今もオムライスを召し上がられておられるんですね」
「見て驚きましたけれど」
「そうなんですね」
「今のラゲドーさんは」
「そうだよ、お寿司の玉子も好きだよ」
 こちらのネタもというのです。
「そうなんだよ」
「いいわね、ではね」 
 トロットは前ノーム王のそのお話を聞いて言いました、この娘は今はスパゲティを食べています。ソースはイカ墨です。
「これからね」
「卵料理も楽しみながらだね」
「一緒に行きましょう」
 旅にというのです。
「そうしましょう」
「それじゃあね」
「是非ね、しかしここの食べものも」
 ここでこうも言ったトロットでした。
「どのお料理にもナッツかチーズが入っているわね」
「やっぱりプレーリードッグだからですね」
 ナターシャが言ってきました。
「げっ歯類の」
「ええ、やっぱりげっ歯類はね」
「そうしたものが好きですね」
「鼠や栗鼠もそうでね」
「兎もですね」
「皆ね」
 それこそというのです。
「そうしたものが大好きだから」
「ここの食べものにも」
「入っているわね」
「そうですね」
「大豆やピーナッツ、胡桃にね」
「カシューナッツもありますね」
「兎に角お豆ね」
 つまりナッツ類にというのです。
「それでね」
「チーズですね」
「こうしたものがないと」
 それこそというのです。
「プレーリードッグの人達は駄目なのね」
「そういうことですね」
「ええ、それでそのナッツやチーズがね」
「お料理の中にありますと」
「美味しいわ」
「そうですよね、お握りにも」 
 ナターシャは今はお握りを食べています、そうしつつ言うのでした。
「煮られた大豆が入っていまして」
「ご飯の中に」
「それでね」 
 それでというのです。
「独特の味わいがあります」
「そうなのね」
「これも美味しいです」
「それは何よりね」
「日本にいるとお握りがよく出ます」
「日本人の殆どの人が大好きよね、それでオズの国でも」 
 こちらでもというのです。
「日系人の人達がいるでしょ」
「だからですね」
「お寿司も入っているし」
「お握りもですね」
「あるわ、それで今貴女も食べているのね」
「はい、私お握りも好きなんです」
 ナターシャは三角形の海苔で巻かれたお握りを両手に持って食べます、そうしてトロットに微笑んでお話しました。
「ですから」
「それでなのね」
「はい、今もこうして」
「食べているのね」
「そうしています」
 実際にというのです。
「こうして」
「じゃあ私も次はね」
「お握りですね」
「そちらを頂くわ」
 こう言うのでした。
「是非ね」
「それでは」
「日系人の人達はすぐにわかるよ」
 ノーム王はサイダーを飲みながら言ってきました。
「本当にね」
「それはどうしてかしら」
「だっていつも働いているんだよ」
 トロットに笑顔で答えました。
「頑張ってね」
「あっ、確かにね」
 ここでトロットも頷きました。
「日系人の人はね」
「オズの国の何処でもそうだね」
「物凄く真面目でね」
「朝から夜まで働いているね」
「勤勉だわ」
「どんなお仕事でもね」
 それに関係なくというのです。
「働いているから」
「すぐにわかるわね」
「アジア系の人は中国系の人もそうだけれど」 
 やはり勤勉だというのです。
「もっと言えばオズの国はね」
「誰もがそれぞれのお仕事を楽しくね」
「熱心に働いているね」
「ええ、けれど日系人の人は」
「特にそうだから」
 熱心に働いているので、というのです。
「もうすぐにね」
「見てわかるのね」
「誰よりも一心不乱に脇目も振らず働いていれば」
 それならというのです。
「アジア系の人ならね」
「日系人ね」
「そうであることが多いね」
「確かにそうね」 
「いや、あの勤勉さは見習わないとね」
 前ノーム王の今の口調はしみじみとしたものでした。
「わしも」
「皆そう思うわよね」
「全くだよ、真面目に働いて」
 そうしてというのです。
「頑張らないと」
「本当にそうね、そう思って私もなのよ」
 トロットもというのです。
「何かとね」
「真面目にだね」
「働いているのよ」
「王宮にいる時は」
「時間があればこうして旅に出たりもするけれど」
「仕事についてはだね」
「働いているわ」
 ちゃんと、というのです。
「そうしているわ」
「それは何よりだよ。わしもだよ」
 前ノーム王もというのです。
「実は宝石の細工職人をしているんだ」
「そうなの」
「ドワーフ族にもそうした人が多いがね」
「貴方もなのね」
「そちらの仕事を持っていてね」
 そうしてというのです。
「働いているよ」
「お仕事も持っているのね」
「そうなんだ、そして時間があれば」
 その時はというのです。
「こうしてだよ」
「オズの国の中を旅をしているのね」
「そうなんだ」
 そのお握りをです、ナターシャから受け取ってお礼を言ってからそのうえで食べながらお話をしていきます。
「わしはね」
「それもいいわね」
「そうだね、それでね」
 トロットにさらに言います。
「これが好評でね」
「宝石細工が」
「金物も出来るよ」 
 宝石だけでなくです。
「そちらの仕事もしているよ」
「そちらも出来るの」
「そうだよ、だから何かあったら」
 その時はというので。
「わしに話をしてくれるかな」
「そうしてよね」
「何かさせてもらうよ」
「それじゃあね」
 トロットはイカ墨のスパゲティを食べつつ笑顔で応えました。
「その時は是非ね」
「そういうことでね」
「いや、君今いいお顔をしているね」 
 カエルマンは前ノーム王にフランクフルトを食べながら言いました。
「本当にね」
「そうかな」
「うん、穏やかで澄み切ったね」
 そうしたというのです。
「いい人相になっているよ」
「そうなんだね」
「君の以前の人相は私も見たことがあるよ」
「ノーム王だった時かな」
「そう、その後の悪巧みばかりしていたね」 
 その頃のというのです。
「人相を知っているけれど」
「随分悪かったんだね」
「そうだったよ、けれどね」
 それがというのです。
「今の君はね」
「いい顔になっているんだ」
「そうなっているよ」
「では今のわしは凄くいい人生を送っているのかな」
「いいことをしてね」
 そうしてというのです。
「そうだと思うよ」
「それはいいね、やっぱりね」
「人相がいいとだね」
「それならね」
 カエルマンに笑顔で言いました。
「それに越したことはないね」
「わしもそう思うよ」
「生き方は顔に出る」
 カエルマンはこうも言いました。
「人の顔の出来不出来じゃないんだ」
「大事なのはだね」
「そう、大事なのは人相でね」
「奇麗か不細工かではないね」
「そんなものはどうでもなるよ」
 カエルマンはそうしたことについては一蹴しました。
「それこそね、大事なのはね」
「生き方で」
「そう、その生き方がね」
「顔にも出るね」
「それで人相がどうか」
 それがというのです。
「問題だよ」
「そしてわしはだね」
「奇麗な心になって」
 そうしてというのです。
「考えることはいつもよくて行いもね」
「よくなったから」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「君は今とてもいい相をしているんだ」
「本当にとてもいいお顔になったわ」
 トロットも言ってきました。
「貴方は」
「そうなんだね」
「ええ、まるで別人みたいよ」
 コーラを飲みながら言いました。
「以前とはね」
「それは何よりだよ、以前のわしを思うと」 
「悪い心に支配されていた時ね」
「悪いことばかり考えて」
「悪いことばかりしていて」
「碌でもなかったよ」
 そうだったというのです。
「本当にね」
「けれどね」
「うん、奇麗な心になって」
 そうしてというのです。
「よい行いをしていると」
「幸せね」
「そうなったよ、一度忘れたから以前のわしのことを聞くと」
 そうしてです、前ノーム王は以前の自分自身を知ったのです。一体どんな人だったのか」
「とてもね」
「酷いことばかりしていて」
「考えて行ってね、反省することしきりだったよ」
 トロットに反省に満ちたお顔でお話しました。
「あんなことをしても何にもならない」
「そう思ったのね」
「心からね。だから今はだよ」
「そうしたことはしないで」
「そしてね」
 それでというのです。
「こうして旅をしたりね」
「お仕事をして」
「美味しいものを飲んで食べて」
 そうもしてというのです。
「楽しんでいるよ」
「そうしているわね」
「その方がね」
「ずっと幸せね」
「全くだよ、悪いことをしても嬉しくないけれど」
 それでもというのです。
「今は違うよ」
「嬉しいことばかりね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「今のわしは」
「それは何よりよ。悪いことをしても幸せになれないけれど」
 トロットはお話してくれた前ノーム王に笑顔で答えました。
「いいことをしたらね」
「幸せになれるね」
「いいことをしてもらった相手は幸せになって」
「自分もだね」
「いいことをしたと満足してね」 
 そしてというのです。
「幸せになるよ」
「そういうものだね」
「だからね」
「いいことをすることだね」
「もっともっとね」
「オズの国では皆がいいことをしているから皆幸せなんだよ」
 キャプテンも言いました。
「そうなんだよ」
「その通りだね」
 前ノーム王は茶卵を食べているキャプテンに応えました。
「まことに」
「そうだね、ではね」
「君はこれからもだね」
「いいことをしていくよ、そして今回は」
「わし等と一緒に」
「イッソスの国に行くよ」
「そうするね」
「是非ね」
 まさにというのです。
「そして皆と一緒にお寿司を食べるよ」
「そうしましょう、それで」
 クッキーも言ってきました。
「貴方甘いものは好きかしら」
「大好きだよ」
 前ノーム王はクッキーににこりと笑って答えました。
「もうね」
「大好きなのね」
「特にケーキが好きだよ」
「ケーキが好きなの」
「甘いものは何でも好きでも」
 それでもというのです。
「一番好きなものは何かと聞かれると」
「ケーキなのね」
「そうなんだよ」
「わかったわ、けれどここにはね」
 今自分達がいる軽食のコーナーにはとです、クッキーは前ノーム王に少し残念そうに周りを見回しつつ答えました。
「ケーキのお店はないわね」
「ははは、だったらまた食べる機会があればだよ」
「その時になのね」
「食べればいいよ」
 こう言うのでした。
「それでね」
「そうなのね」
「では他の甘いものを楽しむよ」
 そうするというのです。
「クレープなりアイスクリームなりをね」
「そうするのね」
「ないものを欲しがるよりも」
 お饅頭を食べつつ言いました、中国の肉まんです。
「あるものをね」
「食べることね」
「それで充分満足出来るから」
 それでというのです。
「そうするよ」
「そうするのね」
「そう、そして」
 そのうえでというのです。
「今はアイスを食べようかな」
「アイスクリームね」
「ケーキも好きだけれどそちらも好きなんだ」
 アイスクリームもというのです。
「実はね」
「そうなのね」
「ここの食べものはナッツ類かチーズが利いてるけれど」
 今前ノーム王が食べているお饅頭もです、隠し味にお豆が少しですが入っています。
「アイスもね」
「そうだから」
「今から楽しみだよ」
「お店の人から聞きましたけれど」
 ナターシャは今は中国の餅を食べています、そのうえでの言葉です。
「アイスクリームにはナッツ類が入ってるみたいです」
「いい組み合わせですよね」
 恵梨香はハンバーガーを食べています。
「考えてみますと」
「そうだよね」
 神宝はきつねうどんを食べつつ応えました、きつねうどんの中にも少しですがお豆が入っています。
「センスがいいよ」
「じゃあ僕達もデザートはそちらにする?」
 ジョージはケバブを食べています、ケバブにはチーズがかかっています。
「そうしようか」
「いいね、クレープもいいし」
 カルロスはタコスを食べながら言いました、タコスの中にもチーズがあいrます。
「アイスもいいね」
「クレープも出されると困った」 
 前ノーム王はナターシャ達のお話を聞いてややそうしたお顔になりました。
「どうにも」
「どちらを食べるか」
「アイスかクレープか」
「迷うからですね」
「それで、ですね」
「困ってしまうんですね」
「そうだよ、アイスにするかクレープにするか」
 それがというのです。
「問題になったよ」
「そうですよね」
「一体どっちを食べるか」
「僕達も迷います」
「こうしたお話をしていますと」
「どうにも」
「うん、どっちにしようか」
 本当に迷いつつ言った前ノーム王でした。
「一体」
「こうした時はいいやり方があるわ」
 ここでトロットが笑顔で知恵を出してきました。
「最高のね」
「というと?」
「どっちも食べればいいのよ」
 それがいいやり方だというのです。
「どっちかって迷ったらね」
「その時はだね」
「両方にすればいいのよ」
「欲張りだね」
「こうした時は欲張りでもいいでしょ」
「そうなんだね」
「どちらかしか食べられない時はこうすればいいのよ」
 ここで、でした。トロットは。
 コイン、金貨を出して言いました。
「例えば表が出ればアイスでね」
「裏が出ればクレープだね」
「そうすればいいのよ」
「簡単に決めればいいんだね」
「それで食べられなかったら次の機会よ」
 その時に食べればいいというのです。
「その時にね」
「食べればいいね」
「そう、じゃあ今回は」
「両方食べられそうだね」
 前ノーム王は自分のお腹を摩って言いました。
「これは」
「だったらね」
「両方食べるよ」
「そうするわね」
「そして最高に幸せになるよ」
 アイスクリームもクレープも食べてというのです。
「そうなるよ」
「貴方クレープも好きなのね」
「アイスも好きでね」
 そしてというのです。
「それで両方食べられるなら」
「両方ね」
「そうするよ」
「こうした欲はいいのよね」
「出してもだね」
「例えば学問をしたくて遊びもしたいなら」
 トロットは笑顔で言いました。
「それならよ」
「両方をだね」
「楽しめばいいのよ、それも全力でね」
「そういうことだね」
「あとムシノスケ教授が言うには」 
 マンチキンの王立大学の総長さんでオズの国随一の学識の持ち主と言われるこの人もというのです。
「身体を思いきり動かすとね」
「そうしたらだね」
「かえって学問もはかどるそうよ」
「そうなんだね」
「人によるけれど」
 それでもというのです。
「そうみたいよ」
「ではわしもだね」
「そうよ、身体を思いきり動かすと」
 そうすればというのです、前ノーム王も。
「学問もね」
「それはあるみたいね」
 ビリーナも言ってきました、今はピーナッツを食べています。
「どうも」
「そうよね」
「運動をすればね」
「それでね」
「汗をかいて頭がすっきりして」
 そうなってというのです。
「学問もね」
「はかどるそうね」
「私の国の子供や孫、曾孫達も言っているわ」
 さらに続く子孫の鶏達もです。
「そうね」
「汗をかいたら」
「お勉強もはかどるって」
「そうよね」
「まあ私は身体を動かしたら」 
 ビリーナは自分のこともお話しました。
「それでね」
「学問については」
「しないでお腹一杯食べて」
 そうしてというのです。
「寝るわ」
「そうするのね」
「いつもね」
「そう言えば君は本を読まないね」
「興味がないの」
 キャプテンにあっさりと答えました。
「学問自体にね」
「そうなんだね」
「それよりも生活の知恵を備える方がね」
「興味があるんだね」
「私はそちらの方が大事だと思うから」
 それでというのです。
「だからよ」
「本を読んだりしないで」
「実験とかもしないでね」
 そうしてというのです。
「生活の知恵をよ」
「身に着けたいんだね」
「そうなのよ」
「それが君の考えだね」
「学問はね」
 それはというのです、ビリーナ自身は。
「字が読めればいいでしょ、そして書ければね」
「それでだね」
「いいと思うし」
「学問はだね」
「他の興味がある人にね」
 その鶏達にというのです。
「やってもらってね」
「学識を出してもらうんだね」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「私は知恵を出すのよ」
「生活の知恵を」
「そして勘をね」
 これをというのです。
「発揮するのよ」
「君は勘もいいからね」
「自信があるわ」
 その勘についてもというのです。
「本当にね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「私みたいなタイプもオズの国には結構いるわね」
 こうも言うビリーナでした。
「これが」
「そうね」
 ナターシャは甘いアイスレモンティーを飲みながら応えました、もうそろそろデザートをとも考えています。
「そうした人もね」
「そうよね」
「エリカとかガラスの猫とかね」
「つぎはぎ娘だってね」
「ここぞって時に閃いて」
「勘が働くでしょ」
「ええ」
 実際にというのです。
「そうした人達は」
「学問がなくてもね」
「知恵があればいいのね」
「そしてそれを備えていくこともね」 
 経験を積んでというのです。
「いいのよ」
「そうよね」
「そう、そして」
 ビリーナはさらに言いました。
「これかかしさんがだけれど」
「あの人ね」
「そう、あの人は知恵があってね」
「オズの国一の知恵者で」
「そして学問もね」 
 こちらもというのです。
「備えているわね」
「そうよね」
「そう、そして」
 それでというのです。
「学識と知恵の両方を出して」
「凄いわね」
「もう困った時はね」 
 その時はというのです。
「かかしさんと樵さんでしょ」
「オズの国の一大事にお二人がおられないと」
「とても」
 それこそというのです。
「そういう時が多いわね」
「そうよね」
「樵さんはハートと力仕事」
「そちらよね」
「ええ、まあそれで学問もね」
「必要ね」
「私は興味なくても」
 やはりこう言うビリーナでした。
「やっぱりね」
「身体を動かすと」
「よりはかどるのよ」
「そういえばわしもだよ」 
 前ノーム王も言ってきました。
「身体を動かすと本を読むことも」
「はかどるのね」
 ビリーナが応えました。
「そうなのね」
「そうだよ」
「じゃあ貴方もスポーツするの」
「いや、散歩位だよ」
 身体を動かすことはとです、前ノーム王は答えました。
「わしの身体を動かすことは」
「そうなのね」
「これといってね」
 お散歩以外にはというのです。
「しないよ」
「バスケとか野球とかしないの」
「観るのは好きだよ」
 こちらはというのです。
「かなりね、けれどね」
「それでもなのね」
「これといってね」
「そうなのね」
「水泳とかもしないよ」
「じゃあ泳げないの」
「実は不得意なんだ」
「そうなのね」
「ただ自転車は乗れるよ」
 こちらは大丈夫だというのです。
「それで時々乗っているよ」
「自転車もいいよ」
 カエルマンはそれならとお話に乗りました。
「あれもね」
「いい運動になるんだ」
「お散歩もだけれどね」
「自転車もなんだね」
「そうなんだ」
「自転車はいいね」
 前ノーム王は自転車についてはこうも言いました。
「景色も風も楽しめるし」
「そうだよね」
「確かにいい運動にもなるし」
「だからだよ」
「自転車もいいんだね」
「うん、サイクリングなんかしても」
 そうもしてもというのです。
「かなりね」
「いいんだね」
「運動にはね」
 そうだとです、カエルマンはお話しました。
「そうだよ」
「いい運動をすれば学問もはかどるし」
 ここでこうも言った前ノーム王でした。
「そしてね」
「それで、だね」
「ご飯も美味しくなるしよく眠れる」
「いいこと尽くめだね」
「気分爽快にもなるしね」
「うん、私は水泳が好きで」
 カエルマンは自分のお話を唐揚げを食べつつしました。
「あと跳躍もね」
「そこは蛙だからだね」
「そう、それでね」
 まさにその為にというのです。
「好きでね」
「いつもしているんだね」
「村にいる時はいつもそうだよ」
「そして身体を動かして」
「気分転換にしているんだ」
「君はそうだね」
「そう、そして君はお散歩やサイクリングが好きなら」
 自転車のそれがというのです。
「是非ね」
「楽しめばいいね」
「そうすればいいよ、さてこれで」
 カエルマンは唐揚げを食べつつ言いました。
「後はね」
「デザートだね」
「私はかき氷をいただくよ」
 笑顔での言葉でした。
「そうするよ」
「ああ、あれだね」
「日本の甘いものだね」
「あれもいいね」
「だからね」
 それでというのです。
「今回はそちらをだよ」
「楽しむんだね」
「そうするよ」
「日本の甘いものもいいしね」
 前ノーム王はあらためて言いました。
「わしもお団子とかお饅頭とか好きだよ」
「羊羹もかな」
「大好きだよ」
 笑顔での返事でした。
「それは」
「そうなんだね」
「そう、それに」
 前ノーム王はさらにお話しました。
「どら焼きも好きなんだ」
「ああ、あのお菓子もだね」
「そうなんだ、では貴殿は」
「かき氷を楽しむよ」
「そうするのだな」
「うん、ではお互いにね」
「デザートを楽しもう」
 前ノーム王はかつての歪んだものはなくとても澄み切った笑顔で言いました、そのうえで皆との旅に入るのでした。








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