『オズのケーキ』




               第十二幕  最高のケーキを食べて

 バレエも行なわれます、フェアリーの人達が空を舞いつつ見事なバレエを踊ります。そのバレエを見てでした。
 ナターシャはうっとりとしてこう言いました。
「素敵ね」
「フェアリーの国の音楽のバレエですが」
 女王がそのナターシャにお話します。
「お気に召されましたか」
「はい、とても」
 実際にと言うのでした。
「素晴らしいですね」
「私達はバレエも好きでして」
 それでというのです。
「こうしてです」
「踊られるんですね」
「そうしています」
「歌劇もあって」
 そしてと言うナターシャでした。
「歌舞伎に京劇、ミュージカルもあって」
「バレエもです」
 こちらもというのでした。
「こうしてです」
「是非ですね」
「はい、それで」
 それにというのでした。
「面白いことがあります」
「面白いこと?」
「サンバもです」
 これもというのです。
「あります」
「サンバですか」
「それもありますので」
「サンバいいですよね」
 サンバと聞いてです、カルロスが言ってきました。
「明るくて」
「ミュージカルよかったし」
 ジョージは先程上演されていたそちらを思い出して言いました。
「サンバもあるなんて」
「京劇、ミュージカルにバレエに」
 神宝も言ってきました。
「それにサンバもですか」
「いや、何でもありますね」
 恵梨香は歌舞伎を待ちながら言いました。
「素敵ですね」
「はい、ただサンバといいましても」
 それでもとです、女王がお話しました。
「カーニバルみたいに派手な格好ではないです」
「そうですか」
「普通のドレスや服で」
 そうした服を着てとです、女王はナターシャ達にお話します。
「踊ります」
「そうですか」
「カーニバルみたいな服は」
 この服はといいますと。
「私達には派手過ぎて」
「それで、ですか」
「はい、とても」
 どうにもというのです。
「着られなくて」
「着ていないのですね」
「それでサンバの時も」
「ドレスや服ですか」
「そうしています、とはいっても色合いは派手です」
 それはというのです。
「とても」
「そうですか」
「フラメンコの時みたいなドレスを着ます」
 ミナミが言ってきました。
「サンバの時は」
「男の人もダンサーの服で」
 このことを言ったのはナナミでした。
「赤や黄色、黒といった色なんですよ」
「そうした服を着て」
 そしてとです、ミユも言います。
「サンバを踊るんです」
「同じ服でフラメンコも踊りますよ」
 カヤはこちらのダンスのお話もしました。
「こちらも」
「タンゴはタキシードやドレスですが」 
 それでもとです、マユがお話します。
「サンバの時の服はフラメンコと同じなんですよ」
「フラメンコも楽しみにして下さいね」
 笑顔で言ったのはアイリでした。
「そちらのダンスも」
「それでは」
「しかし」
 ここで言ったのはカエルマンでした。
「この国は色々なダンスそして歌があるね」
「オズの国だからね」
 モジャボロも言ってきました。
「色々な音楽があるね」
「フェアリーの人達はオズの国でも特に音楽好きだし」
 かかしはこのことからお話しました。
「だから余計にだね」
「そうだね、もう色々な音楽やダンスを楽しめて」
 樵も上機嫌でお話します。
「素敵なパーティーになってるよ」
「お芝居も見事だよ」
 教授は笑顔で言いました。
「歌舞伎も歌劇もよかったよ」
「うむ、行進もよかったである」
 伍長は軍人さんとして言いました。
「軍歌もあるであるとは」
「何というかね」
 実際にとです、ラベンダー熊が言いました。
「あらゆる音楽が聴けることはそれだけで幸せだよ」
「ダンスにお芝居に」
 それにと言ったのはピンクの子熊でした。
「あらゆることを楽しめているね」
「そうね、こんなに素敵なパーティーに招いてもらって」
 ドロシーは今はチェリーパイを食べています、そうしつつ言うのです。
「最高よ」
「ええ、ケーキ嬢が作ってくれたお菓子も美味しいしね」
 オズマもこう言いながら羊羹を食べています。
「ドロシーの言う通り最高のパーティーね」
「本当にそうよね」
「あの、ですが」
 ここでケーキが言ってきました。
「私としては」
「和菓子はだね」
「作りましたが」
 カエルマンに言うのでした。
「どうにも」
「ではだよ」
 カエルマンはここで笑顔で言いました。
「一つ面白いことをしよう」
「面白いこと?」
「皆目隠しをして」
 まずはそうしてというのです。
「そしてね」
「そのうえで。ですか」
「お菓子を食べて」
 そしてというのです。
「美味しいかどうか」
「それをですか」
「確かめればいいんだよ」
「私の作った和菓子もですか」
「そうだよ、そうすればいいんだよ」
「いい考えね、ではね」
 それならとです、王女は早速でした。
 目隠し用の布を出しました、そうしてそのうえで皆にその布を渡しました。そして皆でなのでした。
 皆で食べます、目隠しをしたうえで色々なお菓子を食べますが皆はどのお菓子についてもこう言いました。
「どれも美味しいわよ」
「そうよね」
「どのお菓子も」
「本当にね」
「美味しいよ」
「本当にね」
「全て和菓子だよ」
 ここでカエルマンは種明かしをしました。
「ケーキ嬢が作ったね」
「そうだったんだ」
「じゃあ本当にね」
「ケーキ嬢の作った和菓子は美味しいんだ」
「奇麗な和菓子も」
「羊羹やお団子以外のお菓子も」
「というかだよ」
 ここでラベンダー熊が言ってきました。
「目で見てもだよ」
「それでもだね」
「楽しめたよ」
 こうカエルマンにお話します。
「本当に」
「そうだよね」
「私達はぬいぐるみだから食べないけれど」
 それでもというのです。
「見てね」
「そしてだね」
「凄くね」
 まさにというのです。
「そこから充分過ぎる程栄養が得られたよ」
「そうなのだね」
「そう、そして」
「そして?」
「君達はだね」
「そう、実際に食べてね」
 そうもしてというのです。
「美味しかったよ」
「そうだったね」
「ケーキ嬢は苦手と思っているけれど」
 勿論オズマも和菓子を食べました、そうしてそのうえでケーキ本人に言うのでした。
「実は違うわ」
「そうよね」
 ドロシーがオズマの言葉に頷きます。
「そのことは」
「本当にそうよね」
「多分ね」
 ドロシーはこうも言いました。
「ケーキ嬢が苦手というのはね」
「主観よね」
「主観でしかなくて」
 それでというのです。
「私達から見ると」
「違うのよね」
「充分過ぎる程美味しいから」
「主観と客観の違いね」
「本当にそうよね」
「というか」
 さらにとお話した先生でした。
「何というか」
「そこはね」
「そのことは」
「そう、本当にね」
「自分は苦手と思っていても他の人から見れば違う」
 カエルマンはケーキが作った和菓子を食べつつ笑顔でお話します。
「本当にケーキ嬢はね」
「和菓子もですか」
「そう、奇麗な和菓子もね」
 こちらもというのです。
「得意なのだよ」
「そうですか」
「少なくとも自信を持っていいよ」
 カエルマンはケーキ本人にはっきりと言いました。
「本当にね」
「それでは」
「そしてね」
「そして?」
「もっと食べていいかな」
 カエルマンは笑ってこうも言いました。
「この和菓子を」
「はい、沢山ありますので」
 それでというのです。
「ですから」
「それではね」
「これからもですね」
「和菓子をどんどん頂くよ」
「和菓子もでなくて」
「おっと、そうだった」
 言われてです、カエルマンは自分の言葉を笑顔で訂正しました。
「それはね」
「和菓子もですね」
「頂くよ」
「それでは」
「どんどんね」
「いや、美味しいものも楽しめて」
 ナターシャもその奇麗な宝石の様な和菓子を食べつつ言いました。
「最高です」
「うん、これこそがね」 
 まさにとです、カエルマンはナターシャにもお話します。
「幸せだよ」
「美味しいものを楽しめる」
「そしてね」
「音楽やお芝居もですから」
「余計にだよ」
「幸せですね」
「そうだよ、そしてその幸せは」
 さらにと言うのでした。
「これからもね」
「楽しめますね」
「まだまだね、それとね」
「それと?」
「ケーキ嬢の切り札は」
 それはといいますと。
「まだまだだよ」
「ありますか」
「そう、あるよ」
 本当にというのです。
「だから待っていてね」
「そうですね」
「最高のケーキがまだだから」
「あの」
 最高のケーキと聞いてです、女王は言いました。
「もうです」
「最高のケーキはっていうのね」
「もう頂いていますが」
 こう王女に言いました。
「私は」
「最高の最高よ」
「そうなのですか」
「そう、だからね」
「まだですか」
「貴女は食べていないわ」
 こう言うのでした。
「まだね」
「そんなに凄いケーキですか」
「美味しくて」
 そしてというのです。
「素敵な姿なのよ」
「そうですか」
「そう、だからね」
「今はですか」
「楽しみに待っていてね」
 その最高のケーキが来る時をというのです。
「そうしていてね」
「わかりました」
「それと」
 王女はさらに言いました。
「飲みものだけれど」
「そちらは」
「私次はアップルティーにするわ」
 こちらにというのです。
「今はストレートティーを飲んでるけれど」
「アップルティーですか」
「それとワインもね」
「ワインもですか」
「飲みたいわね」
「あれっ、王女お酒は」 
 王女の今のお話を聞いてです、ナターシャは言いました。
「飲めます?」
「そうしたお歳でした?」
「王女も」
「ずっとジュースや紅茶でしたけれど」
「お酒も飲めるんですか」
「ええ、私はそうした年齢よ」
 王女はナターシャ達五人の子供達に答えました。
「実はね」
「そうだったんですね」
「オズマ姫より年上なのはわかってましたけれど」
「お酒飲める年齢でしたか」
「それでワインもですか」
「飲まれますか」
「そうよ、ただ飲むお酒は」
 そのお酒はといいますと。
「甘いお酒よ」
「ワインでもですね」
「そう、甘いお酒で」
 それでというのです。
「それが大好きでね」
「飲まれる時はですか」
「いつもそうしたお酒なの」
「そうでしたか」
「それと私は幾ら飲んでもね」
 そのお酒をというのです。
「酔い潰れないの」
「そうですか」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「飲む時はお姉様に注意されたりするの」
「飲み過ぎと」
「そうね」
 実際にというのです。
「そうなってるの」
「そうでしたか」
「だからあまり飲む時はないの」
「では普段は」
「ジュースや紅茶よ」
 こちらを飲むというのです。
「本当にね」
「そうでしたか」
「私も飲むけれど」
 ケーキも言ってきました。
「やっぱり甘いお酒がね」
「お好きですか」
「ワインにしても」
「甘いワインですか」
「それを飲んでいるわ」
「そうですか」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「楽しんでいるの」
「ではこのパーティーの時も」
「どうしようかしら」
「今はですか」
「あまりそうした気分ではないわ」
 そうだというのです。
「お酒を飲む様なね」
「そうなんですね」
「お酒を飲むよりも」
 それよりもというのです。
「お菓子や紅茶を飲んでお芝居にね」
「音楽ですね」
「そちらを楽しみたいから」
 だからだというのです。
「今はね」
「お酒よりもですね」
「そちらを楽しみたいわ」
「お酒は逃げないですし」
 女王も笑顔で言ってきました。
「それで、ですね」
「ええ、そのこともあって」
「今は、ですね」
「お酒は飲まないです」
「そうですね」
「それと」
「それと?」
「本当にケーキをです」
 それをというのです。
「期待しておいて下さい」
「最高のケーキですね」
「クッキーとケーキには自信があります」
 こちらにはというのです。
「ですから」
「そのケーキを」
「楽しみにお待ち下さい」
「そしてですね」
「召し上がって下さい」
「それでは」
 こうしたお話もしつつでした。
 皆でパーティーを楽しんでいきます、パーティーは二日目も楽しく行われ皆夜はお風呂にも入ってぐっすり寝てからです。
 そうして起きてそこからまたパーティーです、そうした素晴らしいパーティーを過ごしながらでした。
 三日目の夜になってでした、オズマは笑顔で言いました。
「それではよね」
「はい、もうすぐです」
「パーティーもクライマックスね」
「そうなります」
 女王はオズマに笑顔で答えました。
「いよいよ」
「そうよね」
「それでディナーも出ますが」
 パーティーのクライマックスのそれもです。
「そしてです」
「ケーキもよね」
「ずっと楽しみにしていました」
 ケーキが作ってくれたケーキの中でも最高のものをです。
「ですから」
「それではね」
「今か今かとです」
 女王は笑顔で言いました。
「心待ちにしています」
「それではね」
 オズマも頷きます、そしてです。
 皆でオーケストラの曲を聴きながらディナーを食べました、菜食のディナーもとても美味しいものでした。
 そのディナーの後で、でした。
 いよいよケーキが運ばれます、女王はそのケーキを見て思わず言いました。
「嘘みたい・・・・・・」
「嘘じゃないですよ」
「あれがケーキ嬢が作ってくれたケーキの中で最高のものです」
「最高のケーキです」
「エルミタージュを模したケーキで」
「外見も立派ですが」
「味も絶対にそうですよ」
 六人の大臣達が女王に言ってきました。
「ですから是非です」
「召し上がって下さい」
「宮殿は白くてお庭もありますが」
「全部食べられます」
「あの宮殿の全てが」
「もう何もかもを食べられますよ」
 こう女王に言います、そうしてでした。
 オズマもです、女王に笑顔で言いました。
「ではまず貴女がね」
「私がですね」
「そうヨシノ女王がね」
 まさに彼女がです。
「最初に食べて」
「このパーティーの主役だからですか」
「そうよ、貴女のお誕生日のパーティーだから」
 それだけにというのです。
「是非ね」
「最初はですね」
「貴女がね」
「それでは」
 女王も頷いてでした、そしてです。
 まずは女王がケーキに近寄ってでした、そっとケーキを切って自分のお皿に入れました。中は白いスポンジと生クリームにです。
 スライスされた苺があります、女王はそのケーキを食べてすぐににこりとなりました。
「これは」
「美味しいのね」
「はい、凄く」
 ドロシーに満面の笑顔で答えました。
「美味しいです」
「そうなのね」
「とても甘いですが」
 それでもというのです。
「すっきりとして食べやすくて」
「それでなのね」
「物凄く美味しいです」
「そうしたケーキなのね」
「皆さんも」
 パーティーに参加している人達全員がというのです、つまりドロシー達だけでなくフェアリーの国の皆もというのです。
「食べて下さい」
「ええ、それじゃあね」
 ドロシーが笑顔で応えてでした、食べられる人全員がでした。
 ケーキを食べます、そのケーキを食べてアン王女も言いました。
「林檎のケーキね」
「王女が食べたところはだね」
「ええ、そうよ」
 カエルマンに笑顔で答えました。
「そうだったわ」
「私のところはキーウィだったよ」
「そちらのケーキなの」
「うん、中身がそれぞれね」
「違うわね」
「そうしたケーキだね」
 カエルマンはこう言いました。
「これは」
「そうみたいね」
「宮殿の造りで中身はわからないけれど」
 そうなっていてもというのです。
「その実は」
「中身は色々ね」
「色々なフルーツが使われていてね」
「それでね」
「非常にバラエティ豊かなケーキになっているよ」
「とてもね」
「うむ、これは素晴らしい」
 教授はメロンのケーキを食べつつ唸ります。
「一つの味でないとは」
「確かに。ケーキ嬢の会心のケーキだよ」
 モジャボロはバナナのケーキを食べています、この人は林檎が大好物ですがフルーツは何でも好きなのです。
「見栄えもよくてね」
「中身もこうバラエティ豊かでね」
「しかも美味しいとなるとね」
「本当に最高のケーキだね」
「全く以て」
「確かに美味しいよ」
 臆病ライオンは葡萄のケーキを食べています。
「牛乳にも合ってどんどん食べられるよ」
「君最近本当に牛乳好きだね」
「お水の代わりに飲んでる位だね」
 かかしと樵がその臆病ライオンに言います。
「それ位飲んでるね」
「本当に」
「うん、最近とにかく好きだから」
 それでとです、臆病ライオンは食べない二人にお話しました。
「今もね」
「今回のパーティーでもね」
「ずっと飲んでいるしね」
「それでも今もね」
 ディナーの後のケーキを食べているこの時もというのです。
「飲ませてもらうよ」
「ではその飲みっぷりをね」
「僕達も見させてもらうよ」
 かかしと樵は食べることも飲むこともしないのでそうするというのです、皆が美味しいものを飲んで食べて楽しむことを見て自分達も楽しんで心に栄養を受けるのです。それはラベンダー熊達も同じで。
 皆の笑顔を見ています、その中でラベンダー熊は言いました。
「何時見てもね」
「いい光景だね」
「全くだよ」
 ピンクの子熊に言いました。
「美味しいものを飲んで食べることは」
「とてもだよね」
「その時の笑顔が最高だから」
 それ故にというのです。
「何度見ても最高だよ」
「僕達にとって最高の栄養になってるね」
「本当にね」
「全くであります」
 伍長もラベンダー熊に言ってきました。
「何よりもです」
「いい光景だね」
「はい、それで私もです」
「気持ちよくなってきたね」
「そうなってきました」
「心に影響を受けてね」
 そしてというのです。
「そうなっているね」
「いいことであります」
「本当にね」
「皆さんが喜んでくれるのなら」
 ケーキも自分が作ったそのケーキを食べています、彼女が食べているケーキはピーチのケーキです。
「私も嬉しいです」
「こんなに美味しいのなら」
 ナターシャも言ってきました、食べているのはパイナップルのケーキです。
「幾らでも食べられます」
「ですが物凄く大きいケーキでも」
 ジョージはモンブランのケーキを食べながら言いました。
「皆が食べていると」
「すぐになくなりますよね」
 神宝はチェリーのケーキを食べています、その目は宮殿のケーキのお庭にあります。
「それこそ」
「実際かなり減ってきていますね」
 カルロスは洋梨のケーキを食べつつ思うのでした。
「あれだけ大きかったのに」
「そう思うと残念ですが」
 恵梨香はチョコレートのケーキを食べています、そのうえでの言葉です。
「食べるものは減りますね」
「ええ、けれど安心してね」
 ここでケーキは笑顔で言いました。
「お楽しみは終わりじゃないわ」
「といいますと」
「どういうことですか?」
「それは」
「ケーキを食べて終わりじゃないんですか」
「そうですか」
「ええ、まだ終わりじゃないから」
 そうだというのです。
「残念に思う気持ちはないわ」
「どういうことでしょうか」
「それはもう少ししたらわかりますよ」
 マユが無花果のケーキを食べながら言ってきました。
「ですからお待ち下さい」
「皆さんのお楽しみは続きます」
 アイリはパパイヤのケーキを食べています。
「これからも」
「ですから残念がってはいけないです」
 ミナミはネーブルのケーキを食べながら言うのでした。
「絶対に」
「オズの国に残念という言葉はない」
 ナナミはマンゴーのケーキを食べています。
「そう言いますし」
「まだまだこれからですよ」
 カヤのお皿の上にはレモンのケーキがあります。
「本当に」
「残念と思ってもすぐに楽しいことがある」
 ミユはキャロットのケーキを食べつつ言いました。
「それがオズの国ですからね」
「じゃあ一体何があるか」
 ナターシャはそのお話を聞いて笑顔になりました。
「楽しみにしています」
「是非そうしてね」
 ケーキもナターシャ達五人に言ってきました。
「本当にまだ終わりじゃないから」
「そうですか」
「ええ、それはケーキを食べ終わったらわかるわ」
 エルミタージュのそれをというのです。
「もうすぐよ」
「それでは」
 ナターシャはケーキの言葉に笑顔で頷きました、そしてです。
 皆でエルミタージュをモデルにした外観も味も最高のケーキを食べました、お庭もそこにある彫像も全て食べました。
 そしてその後で、でした。
 何ともう一つでした、エルミタージュを模したケーキが出てきました。皆そのことには驚き目を瞠りました。
 そしてです、オズマが言いました。
「オズの国にヒラメのお話があるわ」
「はい、あのお話からです」
 ケーキはオズマに笑顔で答えました。
「ヒントを得ました」
「そうだったのね」
「それでこうしました」
「ヒラメのお話っていいますと」
 ナターシャは二人のお話にどうかというお顔になって尋ねました。
「それは一体」
「ええ、皆でとても大きなヒラメを調理して食べてね」
 そしてとです、ケーキはナターシャに答えました。
「皆これで終わったと思ったらね」
「その時にですか」
「もう一匹出てきたのよ」
「ヒラメが」
「そう同じ位大きなヒラメがね」
 それがというのです。
「やっぱり調理されて出て来て」
「それをまた皆で食べたんですか」
「そのお話からヒントを得てね」
「ケーキをもう一つですか」
「作っておいたのよ」
「そうだったんですね」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「作ったから」
「だからですね」
「皆もう一度ね」
「ケーキを食べていいんですね」
「どうぞ」
 これがケーキの返答でした。
「そうしてね」
「わかりました」
「まさかもう一度同じケーキが出て来るなんて」
 女王は一番喜んでいます、何しろご自身の為のパーティーなので。
「最高だわ」
「その最高の気持ちをもう一度味わって頂きたくて」
「こうしてくれたのですね」
「お気に召されましたか」
「最高に」
 これが女王の返事でした。
「そうなりました」
「それは何よりです」
「ううむ、楽しいことばかり続くのう」
 ラゲドーもケーキを食べつつ言います。
「まことに」
「それこそがオズの国でしょ」
「そうじゃな、ここのことだけでなくな」
「それこそね」
 ドロシーはラゲドーに笑顔でお話しました。
「オズの国でね」
「それでじゃな」
「このフェアリーの国もで」
「他の場所もじゃな」
「オズの国ならね」
 それこそというのです。
「何時でも何処でもね」
「楽しみが続くのじゃな」
「楽しみが終わらなくて」
 そしてというのです。
「飽きることもね」
「ないのじゃな」
「そうよ、だから貴方もね」
 ラゲドーもというのです。
「そうなのよ」
「そういうことじゃな」
「そうよ、ただね」
「ただというと」
「貴方は暫くダンスに興じていたけれど」
 フェアリーの人達と一緒にです。
「ダンスも好きなのね」
「うむ、歌も好きでな」
「ダンスもよね」
「好きでのう」
 それでというのです。
「楽しませてもらったわ」
「そうよね」
「そしてこうしてな」
「甘いものもね」
「楽しませてもらっておるぞ」
 こう言いつつです、ラゲドーは。
 二つ目のエルミタージュのケーキから切り取ってです、そのうえでそこからチョコレートケーキを食べてです。
 そうして生クリームをたっぷり乗せたウィンナーコーヒーの飲みました。そうしてドロシーにまたお話しました。
「この様にな」
「それは何よりよ」
「コーヒーも美味しいしのう」
「またお洒落なコーヒーを飲んでるわね」
 ドロシーはラゲドーが飲んでいるウィンナーコーヒーを見て言いました。
「生クリームをたっぷりと乗せて」
「お洒落にのう」
「それが凄く美味しいのね」
「そうなのじゃよ、生クリームの甘みとな」
 それに合わせてというのです。
「コーヒーのほろ苦さが合わさってな」
「そうして美味しいのね」
「最高にな」
 そう言っていいまでにというのです。
「そうなのじゃよ」
「それで今もなのね」
「楽しんでおる」
「それは何よりね」
「ドロシー王女もどうじゃ」
 ラゲドーはドロシーに笑顔でそのウィンナーコーヒーを勧めてきました。
「それで」
「ええ、じゃあね」
「それではな」
「一杯頂くわ」
 こうしてでした、ドロシーもそのウィンナーコーヒーも飲みました。ケーキを食べつつ飲むそのコーヒーはとても美味しくて。
 それで、です。皆で笑顔で言いました。
「ウィンナーコーヒーも美味しいから」
「だからですね」
 ナターシャが応えました。
「私達もですね」
「飲んだらどうかしら」
「それでは、そういえば」
 ここでナターシャもそのウィンナーコーヒーを飲んでみました、そうしてそのうえでこう言ったのです。
「私コーヒーは」
「殆ど飲まないわね」
 ケーキが言ってきました。
「そうよね」
「そうです、実は」
「貴女は紅茶を飲むことが多いから」
「どうしても」
 それこそというのです。
「コーヒーはです」
「飲む機会が少ないわね」
「どうしても、特に日本では」
「紅茶以外にもよね」
「興味がいって」
 そしてというのです。
「飲んでいまして」
「それでよね」
「コーヒーは外の世界でも」
 どうしてもというのです。
「あまり飲んでいないですね」
「そうなのね」
「ですが飲んでみて」
「それでなのね」
「凄く美味しいです」
 コーヒーもというのです。
「こちらも」
「それは何よりね」
「はい、では今は」
「ウィンナーコーヒーをね」
「飲ませてもらいます」
 笑顔で言ってコーヒーを飲みます、そうして皆と一緒にケーキを食べていきますがそのケーキが遂になくなった時には。
 どの人もお腹一杯です、それで女王は満面の笑顔で言いました。
「もう最初から最後まで」
「楽しんでくれましたね」
「はい」
 ケーキにその笑顔で答えます。
「本当に有り難うございます」
「こちらこそ」
「それでなのですが」
「それでとは」
「パーティーの最後に」
 それにというのです。
「私達の歌とダンスを披露したいのですが」
「そういえば女王様は」
「はい、いつも七人で政治をして」
 そうしてというのです。
「歌とダンスもです」
「七人で、ですね」
「しています、ですから」
 それでというのです。
「これからです」
「歌とダンスをですか」
「披露させて欲しいのですが」
「そうしてくれますか」
 ケーキは女王に晴れやかな笑顔で応えました。
「この度は」
「それでは」
「何ていうか」
 オズマもにこりとして言ってきました。
「このパーティーも」
「そうよね、いいことばかりで」
「また一つ楽しい思い出が出来たわ」
「私もよ」
 オズマに尋ねたドロシーも言ってきました。
「このことは」
「そうよね」
「オズの国にいると」
 それこそというのです。
「日に日にね」
「楽しい思い出が増えて」
「もうそれだけでね」
 本当にというのです。
「素晴らしいわよね」
「思い出が増え過ぎて困る位で」
「楽しい思い出を入れる頭の部分がね」
「何処までも拡がっていって」
「困る位よね」
「そうなのよね」
 そうなるというのです。
「それで今回のことも」
「そうなるわね」
「そうよね」
「その思いでの最後にですね」
 ケーキがオズマとドロシーに笑顔で言いました。
「女王様達の歌とダンスを」
「そうね、今からね」
「聴かせて見せてもらうわ」
「そうして下さい」
 是非にとです、女王も言ってきました。
「ここは」
「何というかのう」
 リンキティンク王はここで笑って言いました。
「今回も思いも寄らなかった旅であったな」
「実に素敵な」
 王子がリンキティンク王にいつも通り突っ込みを入れます。
「そうなりましたね」
「全くじゃ」
「ではですね」
「うむ、最後の七人の歌とダンスも」
「魅せてもらいますね」
「そうしよう」
「オズの国は楽しいことばかりじゃ」
 ラゲドーはワインを飲みながらにこにことしています。
「この国にいれば悪いことをする気は最初からなくなるわ」
「本当にそうですよね」
 ケーキはラゲドーにも応えました、そしてです。
 皆は七人のフェアリーの歌とダンスも楽しみました、最高のパーティーの最後もまた最高のもので皆笑顔でその終わりを迎えることが出来ました。そのうえでそれぞれの場所に笑顔で別れて帰りました。


オズのケーキ   完


                2019・11・11








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