『オズのジュリア=ジャム』




                 第十二幕 虹色の真珠

 神宝は起きて朝御飯を食べてから四人に言いました。
「いよいよかな」
「ええ、今日みたいね」
 恵梨香が神宝に応えました、五人は今は朝御飯の後で一緒にいてそうしてお顔を見合わせてお話をしているのです。
「真珠を観せてもらえるのね」
「あの噂の真珠をね」
「虹色の真珠ね」
 ナターシャは期待している目で言いました。
「ここまで来た目的がいよいよね」
「果たされるんだね」
 カルロスもいよいよという目です。
「そうなんだね」
「どんな真珠かな」
 ジョージも期待しているのが目に出ています。
「一体ね」
「それを今日観せてもらえたら」
 神宝はまた言いました。
「今回の冒険の目的が果たされるね」
「そうよね、これでね」
「今回の冒険も色々あったけれど」
「そして人魚の国まで来たけれど」
「その目的が遂にね」
「果たされるんだね、そしてね」
 さらに言う神宝でした。
「またオズの国から僕達の世界に帰るね」
「そしてまたあちらの世界で楽しんで」
「そのうえでこの国も戻ってね」
「次の冒険だね」
「その時にまた楽しむね」
「それもまた楽しみだよ」 
 次の冒険の時もというのです。
「何か僕達もすっかりオズの国の市民になったね」
「そうよね」
「もうすっかりね」
「これまで何度もオズの国に来て」
「そうして冒険をしていて」
「そうしていてね」
 まさにというのです。
「そうなったね」
「そうよね」 
 ジュリアがここで五人のところに来て言ってきました。
「貴方達もすっかりね」
「オズの国の住人ですね」
「そうなりましたね」
「もうすっかりですよね」
「何度も来て冒険をして」
「オズの国の皆さんと知り合って」
「ええ、そうなったわ」
 実際にというのです。
「いいことだと思うわ」
「そうですよね」
「オズの国にすっかり入ることが出来て」
「それで楽しめていて」
「幸せです」
「いつも楽しく過ごしています」
「自分達が合う場所を自由に行き来出来ることはね」 
 そのこと自体がというのです。
「幸せなことなのよ」
「だから僕達も幸せですね」
「そう思っていいわ」 
 実際にとです、ジュリアは神宝に答えました。
「これからもね」
「はい、今日はですね」
「女王様が真珠を見せてくれるわ」
「そうですよね」
「楽しみにしていてね」
 笑顔で言ったジュリアでした。
「このことをね」
「本当にいよいよですね」
「これまで長い冒険だったけれど」
 それでもというのです。
「その冒険の目的がね」
「果たされますね」
「そうなるわ」
「そう思いますと」
「今から楽しみでしょ」
「はい、目的を達成しますと」
 それでとです、神宝はジュリアにさらにお話しました。
「やり遂げたって思いますので」
「いいわよね」
「それでエメラルドの都に帰ったらですね」
「一つの冒険の終わりよ」
「そしてまた、ですね」
「新しい冒険の時まで休んで」
 そしてというのです。
「そのうえでね」
「また、ですね」
「新しい冒険に出て」
「そうします」 
 神宝も約束します、そしてです。
 かかし達もお部屋に来ました、そのうえで神宝達に言ってきました。
「今から女王さんのところに行くよ」
「女王さんが真珠を観せてくれるよ」
「今からだからね」
「女王の間に行こうね」 
 木樵とジャック、そしてモジャボロも言って来ました。
「今から行ってね」
「そしてね」
「観て楽しもうね」
「これからね」
「わかりました」
 神宝が五人を代表してかかし達に答えました。
「そうさせてもらいます」
「とても奇麗な真珠だからね」
 木樵は神宝達ににこにことしてお話しました。
「普通の真珠よりも遥かに」
「聞いている通りの」
「いや、多分ね」
「多分?」
「聞いている以上にね」
「奇麗なんですね」
「そうだよ」
 実際にというのです。
「凄いからね」
「百聞は一見に然ずというけれど」
 かかしが再び言ってきました。
「あの真珠もそうだよ」
「そこまで奇麗ですか」
「そうなんだ」
「僕達も楽しみにしているよ」
 ジャックはこうも言いました。
「また観られると思っていてね」
「そうしてですね」
「うきうきしているんだ」
「それが今からだからね」 
 モジャボロも言ってきました。
「僕も気持ちがはしゃいでいるよ」
「私もよ、ではね」
 ジュリアも言ってきました。
「今から行きましょう」
「わかりました」
「ではこれからですね」
「女王様のところに行って」
「そしてですね」
「真珠を観せてもらいましょう」
 五人もジュリアに応えてでした、そのうえで。
 皆で女王様のところに行きました、そこには王様と魚人の王様それに人魚の国の要人の人達が揃っていました。
 そして女王様が女王の座であるみらびやかに輝くしゃこ貝から皆に優雅で気品のある微笑みで言ってきました。
「それでは今から」
「はい、真珠ですね」
「あれを観せてくれるんですね」
「はい」
 その通りという返事でした。
「では今から」
「わかりました」
「それでは今からお願いします」
「それでは」
 女王様はにこりと笑ってです、そのうえで。
 鈴を出して鳴らすとです、人魚の侍女の人がです。
 カートを前に出してきました、そのカートの上にです。 
 とても大きな、人間の頭程の大きさがあって絶えず虹色に輝いている真珠がありました。その真珠の輝きといったら。
 お部屋全体を輝かしていて眩しい位です、それを観てでした。神宝達五人は息を飲んでそのうえで言いました。
「真珠だけでなくお部屋全体が輝いて」
「凄く奇麗・・・・・・」
「ただ真珠だけが輝くんじゃないんだ」
「お部屋まで照らすのね」
「しかも隅から隅まで」
「そうです、これがです」
 女王様も笑顔でお話します。
「私の秘蔵の真珠です」
「ここまでのものとは」
「想像もしてなかったです」
「本当に奇麗ですね」
「みらびやかで」
「虹色に輝く太陽みたいですね」
「そうですね、この真珠を観ますと」
 女王様はにこりとしたままこうも言いました。
「私も幸せな気持ちになります」
「女王様ご自身もですな」
「そうした気持ちになりますか」
「そうなんですね」
「この真珠を観ていますと」
「そうなるんですね」
「はい」
 その通りというのです。
「とてもです」
「誰もがね」 
 ジュリアがここで言ってきました。
「そうなると思うわ」
「ここまで奇麗だから」
「その奇麗なものを観られたから」
「だからですね」
「そうよ、人は奇麗なものを観るとね」
 まさにそれだけでというのです。
「幸せな気持ちになれるわね」
「そしてそれが綺麗なら奇麗なだけね」
 王様もにこりと笑ってです、皆に言ってきました。
「観ると幸せな気持ちになれるんだ」
「それが人間ですね」
「人間の感性なんだね」
「そう、だから僕もね」
 王様ご自身もというのです。
「今とても幸せだよ」
「そうなんですね」
「王様ご自身もですね」
「とても幸せですか」
「そうだよ」
「僕もだよ」
 今度は魚人の王様がにこにことして言ってきました。
「本当にね」
「幸せですか」
「そうなんですか」
「今はとてもですか」
「そうだよ、いつもね」
 こうも言った魚人の王様でした。
「人魚の国に来たらね」
「こうしてですか」
「この真珠を観せてもらってですか」
「幸せになられてるんですね」
「魚人の王様も」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「本当にね、いつも人魚の国にお邪魔したら」
「こうしてだよね」
「観せてもらってるんだよね」
 魚人の王様は親友である人魚の王様に笑顔で応えました。
「本当に」
「有り難いよ」
 心から言う魚人の王様でした。
「本当にね」
「全くだね」
「それとね」
 魚人の王様はさらに言いました。
「この真珠を観ると不思議なことがあるんだよね」
「君がいつも言っていることだね」
「観せてもらった夜はとてもいい夢を見るんだ」
 そうなるというのです。
「絶対にね」
「そうなんだね」
「そう、本当に不思議なことにね」
「僕は別に」
「私もです」
 人魚の王様と女王様は魚人の王様のお話を聞いて言いました。
「この真珠を観てもいい夢を見るかというと」
「そうでもないよね」
「はい、そうしたことはです」
「特にないね」
 そうだというのです。
「僕達はね」
「そうですね」
「ううん、そうしたお話はね」
 眠ることのないかかしは王様達のお話を聞いて首を傾げさせて言いました。
「僕達はね」
「うん、僕達は寝ることがないからね」
「わからないよ」
 木樵とジャックも言います。
「夢のことはね」
「どういったものかはね」
「それは仕方がないね」
 モジャボロは三人の言葉に応えて言いました。
「君達はそうした体質だから」
「うん、どうしてもね」
「寝ることがないと夢も見ないから」
「それはどうしようもないよね」
「うん、ただ僕もね」
 モジャボロは魚人の王様を見つつさらにお話しました。
「この真珠を観るとね」
「モジャボロさんもだね」
「そう、素晴らしい夢を見るよ」
 そうだというのです。
「その夜ね」
「私もよ」
 ジュリアも言ってきました。
「この真珠を観たらね」
「その夜はだよね」
「とてもいい夢を見られるわ」
「そうだよね」
「必ずね」
「ううん、そうなのかな」
「私達は特にです」
 人魚の王様と女王様はジュリア達に微妙なお顔になって答えました。
「ないよ」
「そうしたことはです」
「僕達どうなるのかな」
「いい夢を見られるのかな」
「どうなのかな」
「真珠を観せてもらったけれど」
「一体」
 五人は皆のお話を聞いてどうなるのかしらと思いました。
「果たして」
「今夜わかることにしても」
「どうなるのかな」
「夜になればわからない?」
「結局」
「我々もそのことは」
「王様と女王様と同じで」
 人魚の要人の人達が言うにはです。
「特にこれといって」
「そうした夢は見ませんが」
「この真珠を観せてもらっても」
「特にです」
「果たしてどちらなのかな」
 神宝はこのことがわからなくなりました。
「一体」
「今夜になればわかるにしても」
「気になるよね」
 ジョージとカルロスが言いました。
「そのことは」
「夜までずっと気になるよ」
「気になって仕方ないわ」
「本当にそうよね」
 ナターシャと恵梨香も同じでした。
「私達は果たしてどんな夢を見るのか」
「一体ね」
「そうよね、私もよ」
 ジュリアも五人と同じ考えでした。
「気になって仕方がないわ」
「そうですよね」
「ジュリアさんもですよね」
「そのことは気になりますよね」
「一体どうなるのか」
「夜まで」
「これまでは何とも思わなかったけれど」
 それがというのです、魚人の王様のお話を聞いてから。
「そうなったわ」
「そうですよね、お話を聞きますと」
「自然とそうなりますよね」
「これまでは何とも思っていなかったですが」
「一度聞きますと」
「そうなりますね」
「そう見たり聞いたりしたら時にはね」
 その時はというのです。
「もう自然とね」
「そうなるますよね」
「人間としては」
「一体どうなるのか」
「本当に」
「そうよね、じゃあ夜までどうなるか」
 ここで、です。ジュリアはどうなるのか心配になるよりはと発想を変えました。その変えた発想はといいますと。
「楽しみに待ちましょう」
「それがいいね」
 モジャボロはジュリアのその考えに頷きました。
「どうなるのか不安に思うよりもね」
「期待するのね」
「その方がいいよ」
 起こることについてです。
「むしろね」
「そうね、言われてみれば」
「その方がずっといいわね」
「ええ、それじゃあね」
「今夜のことはね」
「期待してそうして」
「待っていようね」
 こうジュリアに言いました、そして五人もです。
 今夜どんな夢を見るのかをです、五人でお話しました。
「じゃあ今夜だね」
「うん、どんな夢を見るのかね」
「楽しみにしていようね」
「どんな素敵な夢かしら」
「期待しながらよね」
「そうだよ、待つのならね」
 モジャボロは五人にも笑顔でお話しました。
「楽しみにしてだよ」
「そうしてですね」
「待っていて」
「そしてうきうきしながらですね」
「夜を待てばいいですね」
「そうしていれば」
「そうだよ、じゃあお昼はね」
 これからはといいますと。
「何を食べるのかを考えようか」
「うん、それならね」 
 ここで王様が皆に笑顔で言ってきました。
「こちらでご馳走を用意するからね」
「それをですね」
「うん、食べてね」
 そうして欲しいというのです。
「是非ね」
「わかりました」
 ジュリアは王様に笑顔で応えました、そしてです。 
 皆はお昼を食べてそうしてでした、食べ終わった後で人魚の国を後にすることになりました。そして王様に言われました。
「ではまたね」
「はい、お邪魔させてもらいます」
 ジュリアが王様に笑顔で応えました。
「こちらの国に」
「そうさせてもらいます」
「また真珠を見て下さいね」
 女王様はにこりと笑って言ってきました。
「いらした時は」
「はい、そちらも是非」
「あとね」
 魚人の王様も言ってきました。
「こちらの国にも来てね」
「魚人の国にですね」
「うん、来てね」
 こう言ってお誘いをかけるのでした。
「是非ね」
「はい、魚人のお国にも」
「うちも楽しい国だからね」
「そうですよね」
「うん、また機会があればね」
「行かせてもらいます」
「待っているよ」
 笑顔でお話してでした、そしてです。
 皆で笑顔でお別れをしてでした、ジュリア達は海から出て岸辺で元の服に着替えました。そうしてなのでした。
 帰りの道につきましたがここで神宝は言いました。
「いや、今回の旅はね」
「ええ、行きは終わってね」
「これから帰りですね」
「都に帰るまでが冒険よ」
 ジュリアは神宝に笑顔でこうも言いました。
「だからね」
「まだ冒険ですね」
「そうよ、まだ楽しめるわよ」
「そうですね」
「歩いていきましょうね」
 エメラルドの都までの長い道をというのです。
「そうしていきましょう」
「わかりました」
 こうお話してでした、皆は先に進みます。そうしつつ神宝はまた言いました。
「夢を見たらね」
「今夜だね」
 ジョージが神宝に応えました。
「見る夢のことだね」
「さて、どんな夢を見るのかな」
 カルロスの目は輝いています。
「今夜は」
「そうよね、楽しみよね」
 ナターシャもうきうきしている感じです。
「どんな夢なのか」
「というかね」
 ここで言ったのは恵梨香でした。
「確かに楽しみにする方がずっといいわね」
「そうだよね、何が起きるのか不安に感じるんじゃなくて」
 モジャボロもここで五人に言いました、勿論皆元のそれぞれの服装に戻っています。
「楽しみにしている方がいいよ」
「しかも今回はいい夢を見られるのよ」
 ジュリアがまた言ってきました。
「だったらね」
「不安に思うんじゃなくて」
「楽しみにしているべきですね」
「そうですよね」
「何が起こるのか」
「楽しみにしていくべきですね」
「そうよ、そうしていきましょう」
 笑顔で言ってでした、そうしてです。
 皆はさらに進んで夜になってです、晩御飯の後でその睡眠に入りますが。
 ここで、です。かかしはこんなことを言いました。
「さて、僕達は夢を見ないけれど」
「皆がどんな夢を見るかをね」
 木樵がかかしに応えました。
「それをお話してくれるのをね」
「楽しみにしていようね」
「そうだよね、夢のお話を聞くのもね」
 ジャックも言います。
「楽しみだね」
「じゃあ僕達は翌朝のことを楽しみにしながら」
 そうしつつというのです。
「朝を待とうね」
「そうだね、それがいいね」
「僕達はね」
「そういえばです」
 神宝はここでかかし達に尋ねました、見ればもう寝巻きの青いパジャマとナイトキャップを身に着けています。ジョージは赤、カルロスは黄色、ナターシャは黒、恵梨香はピンクのそれぞれの色のパジャマとナイトキャップです。ジュリアは今は緑でモジャボロは派手な柄のものです。
「皆さん寝ることも食べることもです」
「する必要がないよ」
 かかしが答えました。
「全くね」
「そうですよね、ですが」
「それでもだね」
「皆が食べて寝る時の笑顔をですね」
「楽しんでいるよ」
「そうですよね」
「僕等の栄養は笑顔なんだ」
 木樵はにこりと笑ってお話しました。
「皆のね」
「食べて寝る必要がないけれど」
「そうだよ」
「それが栄養なんですね」
「僕達はね」
 オズの国の食べる必要がない人達はです」
「本当に一切食べることも寝ることもないけれど。
「笑顔が栄養ですか」
「皆の笑顔を見ているとね」
 ジャックも言います。
「僕達はそれだけで元気が出るんだよ」
「だから僕達はいつも食事の席にいるんだ」
「皆の笑顔を見られるからね」
「そうしているんだよ」
「そうなんですね」
 神宝も納得しました。
「それじゃあ」
「朝聞かせてね」
「一体どんな夢だったか」
「是非ね」
「そうさせてもらうね」
 こう言ってでした、そのうえで。
 皆はテントの中に入って寝ました、かかし達は朝までお互いにトーキングで盛り上がっていましたがその朝にでした。
 皆がそれぞれ日の出と共に外に出て来るとすぐに尋ねました。
「それでどうだったのかな」
「どんな夢だったのかな」
「聞かせてくれるかな」
「うん、まずは僕からでいいかな」 
 最初のモジャボロが言ってきました。
「一番の年長者ということで」
「ええ、どうぞ」
 ジュリアが笑顔でモジャボロに応えました。
「お願いするわ」
「うん、それじゃあね」
「そして次は」
「ジュリアさんがお願いします」
 神宝がジュリアに言いました。
「二番目の年長なので」
「だからなのね」
「はい、そうして下さい。僕達はじゃんけんで決めます」
「そうするのね」
「そうしますので」 
 だからだというのです、こうお話してでした。
 五人はじゃんけんをはじめてモジャボロがかかし達にお話しました。
「僕は林檎の森で皆と楽しくお喋りをしていたんだ」
「君の大好物の林檎に囲まれて」
「そうしてだね」
「大好きな皆とだね」
「うん、どれも楽しいお話でね」
 そのお喋り自体もというのです。
「森の色々な生きもの達も来てね」
「皆で、でだね」
「彼等も含めてだね」
「お喋りをしていたんだね」
「そうだったんだ」
 実際にというのです。
「いや、本当に楽しい夢だったよ」
「うん、モジャボロ君らしいね」
「そうした夢だね」
「満足しているのもわかるよ」
「最高の夢だよ」
 モジャボロにとってです、そしてです。
 次はジュリアでした、ジュリアの夢はといいますと。
「私は王宮にいてね」
「エメラルドの都のだね」
「ジュリアが勤めている」
「そこでだね」
「ええ、朝起きて泳いで朝御飯を頂いてお仕事をして」
 そしてというのです。
「ティータイムにお昼御飯を入れて晩御飯を食べて」
「あれっ、いつも通り?」
「そうだよね」
「それじゃあ」
「お風呂に入って自分のお部屋で寝るの」
 そうなっているというのです。
「そうした夢だったわ」
「つまりいつもの暮らしがなんだ」
「ジュリアにとってはいい」
「最高なんだね」
「そうみたい、本当に楽しい夢だったわ」
 日常のそれがというのです。
「とてもね」
「成程ね」
「ジュリアは毎日が楽しくて仕方がないんだ」
「王宮での暮らしが」
「そうなの、皆も一緒にいるから」
 オズマやドロシー達がというのです。
「だから毎日が楽しくて仕方がないの」
「それで夢にも見て」
「とても楽しい」
「そういうことだね」
「そうみたいね」
 笑顔でお話するジュリアでした、そうだったと。
 そして次は五人ですがまずはジョージがでした。
 笑顔で、です。こう言いました。
「僕はオズの国で馬に乗っていました」
「へえ、馬になんだ」
「馬に乗っていてなんだ」
「そうしてなんだ」
「はい、カウボーイをしていました」
 そうだったというのです。
「牧場にいて皆とも一緒で」
「ああ、ジョージは牧場が好きなんだね」
「それにカウボーイが」
「だからなんだ」
「実は将来牧場やりたいんです」
 実際にとです、ジョージはかかし達にお話しました。
「シカゴにいますけれど」
「あちらの世界ではだね」
「その街にいて」
「それでなんだね」
「はい、けれどオズの国ででした」
 その牧場はというのです。
「それで牛や羊達にも囲まれてとても広い牧場でした」
「それでそこにいて」
「そうしてなんだね」
「皆と一緒だったんだね」
「オズの国の皆さんと」
 そうだったというのです、ジョージの夢は。それがとても楽しかったというのです。
 次はナターシャでしたが彼女の夢はといいますと。
「暑い国のビーチに皆と一緒にいました」
「暑い国?」
「そこにいたんだ」
「そうだったんだね」
「はい、外の世界で言うとキューバみたいな」
 そうした感じだったというのです。
「暑くて素敵な国のビーツでトロビカルドリンクを飲んで」
「ああ、フルーツのだね」
「それでストローで飲む」
「ああしたジュースだよね」
「皆で泳いだりビーチバレーをして楽しんでいました」
 それがナターシャの夢だったというのです。
「凄く素敵な夢でした」
「ナターシャは南国が好きなんだね」
「それでだね」
「そうした夢を見たんだね」
「ロシアは寒いですから」
 ナターシャは自分のお国のことを少し悲しそうにお話しました。
「ですから暑い国に憧れてるんです」
「そのことからなんだ」
「ナターシャは暑い国にいたいんだね」
「だからそうした夢を見たんだね」
「そう思います」
 自分で言います、ナターシャはそうでした。
 次はカルロスですが彼の場合は。
「グラウンドで皆とサッカーをしていていました」
「カルロスの大好きなだね」
「サッカーをしていたんだね」
「皆で」
「そうでした、とても白熱した試合でして」
 そのサッカーの試合はというのです。
「凄く楽しかったです」
「皆といいサッカーの試合が出来て」
「それでなんだね」
「楽しかったんだね」
「皆でサッカーが出来ていい試合だったら」
 それならというのです。
「これ以上いいことはないです」
「カルロスの最高の夢だね」
「そういうことだね」
「そうした状況が」
「はい、あんないい夢はなかったです」
 実際にというのです。
「また見たいですね」
「うん、わかったよ」
「カルロスの夢のこともね」
「そのこともね」
 三人は笑顔で夢のことをお話するカルロスに笑顔で応えました、そしてそのうえで今度は誰かといいますと。
 恵梨香でした、恵梨香の夢はといいますと。
「皆でお花見をしていました」
「お花見?」
「それをしていたんだ」
「そうだったんだ」
「はい」
 そうだったというのです。
「色々なお花が咲き誇る場所で」
「恵梨香はお花が好きだからだね」
「だからだね」
「お花を見ていたんだね」
「そうだったんだね」
「桜も梅も菊もありまして」
 そしてというのです。
「菖蒲も菫も百合も薔薇も皐月もありまして」
「いいねえ」
「それはまた奇麗だね」
「色々なお花があって」
「色も色々で」
 ただ色々なお花が咲き誇っていただけではなく、というのです。
「赤や紅、ピンクに白に青、紫、黄色にと」
「何か見ていて楽しそうだね」
「特にお花が好きな恵梨香にとってはね」
「最高の夢だったんだね」
「そうでした」
 実際にというのです。
「最高の夢でした」
「それはよかったね」
「恵梨香も満足出来たんだね」
「その夢で」
「そうでした、本当によかったです」
 こうかかし達にお話しました、にこりとして。
 そして最後は神宝でしたが。
「レストランにいました」
「中華料理のかな」
「神宝のお国の中国の」
「それのかな」
「そうでした、とても広くて大きくて席も一杯あるお店で」
 中華料理の、というのです。
「皆で色々な中華料理をどんどん食べていました」
「神宝らしくだね」
「食べることが大好きだから」
「それでだね」
「そうでした、どんどん食べてお茶を飲んで」
 神宝はお茶も大好きです、そのお茶をというのです。
「とても素敵な時間でした」
「しかも皆で」
「皆と一緒に食べてだね」
「楽しかったんだね」
「そうでした、そのお料理もとても美味しくて」
 どんどん出て来るそれもというのです。
「飽きずに食べられました」
「いいね、そうした夢も」
「明るく楽しくて」
「いい感じだったんだね」
「そうでした、本当に」
 神宝もにこりとしてお話しました、そうした夢のお話もしてでした、皆でエメラルドの都に戻ってでした。オズマ達から帰ってきたのを歓迎してもらいましたが。
 ここで、です。ふとでした。五人はこんなことを言いました。
「楽しい夢を見られたけれど」
「あの真珠を見てね」
「けれど人魚の人達は見ないっていうし」
「あの真珠を観ても」
「それはどうしてかしら」
 五人はこのことについて思ったのです。
「どうしてあの人達は見なかったの?」
「私達は見たのに」
「あの人達も夢は見る筈なのに」
「どうしてなのかな」
「あの人達は見ていないのかな」
「それは多分ね」
 ジュリアがいぶかしむ五人にお話しました。
「いつもだからよ」
「いつも?」
「いつもっていいますと」
「どういうことですか?」
「ええ、あの人達はいつも見ているの」
 こう五人に言うのでした。
「楽しい夢をね」
「そうなんですか」
「いつも楽しい夢を見てですか」
「いつもそうですから」
「楽しいと感じていない」
「そうなんですね」
「いつもなら思わないでしょ」
 楽しいこともというのです。
「夢も」
「そうですね、いつも楽しいのが普通なら」
「もうそれが全然普通になってですね」
「当たり前になっていて」
「楽しいと思わなくなるんですね」
「そう、あの人達は毎日真珠を見ているのよ」
 女王様が持っているあの真珠をというのです。
「だったらね」
「毎日楽しい夢を見て」
「そうしてですね」
「それが普通になっていて」
「もう特に思うことはない」
「普通だって思って」
「そういうことなのよ、けれど魚人の王様や私達はね」
 毎日見ている人魚の人達以外はといいますと。
「毎日見ていないから普通じゃなくて」
「それで、ですね」
「楽しいと感じる」
「そういうことですね」
「いつもじゃないから」
「そう、あの真珠を観たら最高に楽しい夢を見られるけれど」
 それでもというのです。
「その最高がいつもだと最高に思わないのよ」
「オズの国でもですか」
「それが最高だとですね」
「最高に思わないんですね」
「ええ、オズの国は楽しいことばかりだけれど」
 ジュリアはオズの国のその特質についてもお話しました。
「楽しいにもレベルがあるでしょ」
「はい、凄く楽しいこともあればです」
「最高に楽しいことも普通に楽しいこともあります」
「それにその人それぞれの好みもあって」
「色々違いますね」
「あの真珠はその人にとって最高に楽しい夢を見せてくれるから」
 見ればその夜にです。
「だからこれ以上はない最高だから」
「それが普通になって」
「どうも思わなくなっているんですね」
「人魚の人達は」
「そうだったのよ、夢もね」
 それもというのです。
「その人にとっていつも最高だとそれは最高に楽しくはならないの」
「普通になってしまうんですね」
「ううん、そういうことですか」
「最高の楽しさも毎日なら」
「普通ですか」
「そういうことね、けれど毎日が最高でそれが普通になっているなら」
 夢もというのです。
「それはそれでいいことよね」
「いつもそうならですね」
「素晴らしい夢を見られることが普通なら」
「それならですね」
「ええ、素晴らしいことが普通ならね」
 それならというのです。
「これ以上はないまでに幸せなことでしょ」
「ですよね、確かに」
「そうなりますね」
「それではね」
 ここまでお話してでした、ジュリアは五人ににこりとして言いました。
「貴方達はこれからどうするの?」
「これから?」
「これからっていいますと」
「ええ、貴方達の世界に帰るまでね」
 それまでというのです。
「どうするの?」
「ええと、そう言われますと」
「もう少しお邪魔させてもらうつもりですけれど」
「特に考えていません」
「これといって」
「別にです」
 五人は特に考えていなかったので実際にこう答えました。
「本当にです」
「これといって何もなんです」
「何をしようかっていいますと」
「バチカン本当にです」
 考えていないというのです、その五人の言葉を聞いてでした。ジュリアはにこりと笑って五人にこう言いました。
「それじゃあ王宮の中を歩いてみましょう」
「王宮のですか」
「この中を」
「ええ、かかしさん達もまだおられるしね」
 今はドロシー達と楽しくお喋りをしています。
「だからよかったらの人達もお誘いして」
「そうしてですか」
「そのうえで、ですか」
「皆で王宮の中を歩いていきましょう」
 こう提案するのでした。
「隅から隅までね」
「この王宮物凄く広いですからね」
 神宝はジュリアの提案を聞いて言いました。
「地下もあって」
「そうだよね、塔もあってね」
 ジョージも言います。
「お部屋も多くてね」
「よくいてもね」
 それでもとです、カルロスも考えるお顔で言うのでした。
「隅から隅まで見て回ったことはないね」
「お庭もかなりの広さだし」
 ナターシャはお庭のお話をしました。
「あそこも回るのならもうかなりね」
「こんな広い宮殿はお外の世界にはないんじゃないかしら」
 恵梨香が思う限りはです。
「ベルサイユ宮殿とかより広いんじゃないかしら」
「その宮殿を回っていきましょう」
 また言ったジュリアでした。
「隅から隅までね」
「わかりました」
「それじゃあこれからですね」
「この王宮を隅から隅までですえん」
「見て回るんですね」
「それも皆で」
「そうしましょう、私はここにずっとお勤めしているから知っているけれど」
 まさに隅から隅まで、です。
「貴方達は違うわよね」
「はい、実は」
「おおよそ位しか知らないです」
「とにかく広いので」
「それで」
「だったら余計によ、よくここに来ているのだし」
 このこともあってというのです。
「見て回りましょう」
「わかりました」
「じゃあ今からお願いします」
「かかしさんと木樵さんもお誘いして」
「ジャックさんも」
「そうしましょうね、これも冒険よ」
 王宮の中を見回ることもというのです。
「では楽しんでいきましょう」
「そうしましょう」
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆で今度は王宮の中を見回るのでした、隅から隅まで歩いて回るとそれこそもうたっぷり時間がかかるその中を楽しんで。


オズのジュリア=ジャム   完


                         2017・3・11



目的である真珠も無事に見れたし。
美姫 「ちょっとしたおまけみたいなものもあったしね」
夢だな。
美姫 「ええ。まさか、そんな謂れまであるとはね」
皆、楽しい夢を見たみたいで良かったじゃないか。
美姫 「そうね。今回の冒険も無事に終わって良かったわね」
だな。今回も投稿ありがとうございます。
美姫 「ありがとうございました」
ではでは。



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