『オズのビリーナ』




                 第十幕  パーティーでの解決

 ドワーフ族、そして各エルフ族からの返事はいいものでした。皆がです。
「参加してくれるのね」
「そう答えてくれたのね」
「うん、嬉しいことにね」
 カリフ王はガラスの猫とエリカに笑顔で答えました。一行は今はビリーナを皆の中に隠したうえでそれでお話するのでした。
「皆明日に来てくれるそうだよ」
「じゃあ明日は」
「パーティーを開くよ」
 カリフ王は今度はトロットに答えました。
「君達も楽しみにしておいてね」
「それじゃあね」
「さて、君達は今日はどこで休むのかな」
 あらためてトロットに聞くのでした。
「テントかな」
「ええ、そうだけれど」
「じゃあ今日はこちらに泊まるかい?」
「この宮殿に?」
「うん、温泉もあるしどうかな」
 こうトロット達に勧めるのでした。
「これから」
「お言葉に甘えていいの?」
「君達には知恵を出してもらっているからね」
 だからというのです。
「これ位は何でもないよ」
「そうなの」
「晩御飯も用意するよ」
「それじゃあ」
「今日はここで休んで明日のパーティーに参加して欲しい」
 こう言ってそしてでした、トロット達はこの日はノーム族の王宮で休むことになりました。ノーム族の食事と温泉を楽しんで。
 それから夜はぐっすりと寝てそうして朝御飯となりましたがその朝御飯を食べている時にです、ナターシャはこんなことを言いました。
「ノーム族の人達の食事も独特ね」
「独特かな」
「やっぱり卵や鶏肉のお料理はないんですね」
 こうカリフ王に言うのでした。
「苦手だから」
「うん、特に卵はね」
「駄目だからですね」
「ないよ」
 実際にとです、カリフ王もナターシャに答えます。
「それは当然と言えば当然だと思うけれど」
「そうですね」
「それが独特なんだね」
「はい、後は」
 ナターシャは今の朝食も見ました、マッシュポテトとカリカリに焼いたベーコンにトーストそれに人参のジュースです。
「根の野菜が多いですね」
「地下にいるとね」
「どうしてもそうなるんですね」
「そうだよ、果物や魚も食べるがね」
「根の野菜は多いですね」
「お芋や人参がね」
 実際にというのです。
「このことは否定しない」
「やっぱりそうですか」
「ドワーフ族も似た様な感じだよ」
「あの人達とは親戚みたいなものでしたね」
 ジョージはカリフ王にノーム族とドワーフ族の関係について聞きました。
「確か」
「そうだよ、元々は同じ種族でね」
 それがというのです。
「わし等ノームは肌や髪の色、大きさが違ってきて」
「別の種族になったんですね」
 神宝も言います。
「人間の人種みたいなものですか」
「まあそうだね」
 カリフ王も人種と聞かれるとそうだと答えました。
「わし等の違いわね、ただこれはどの種族もだよ」
「エルフもですか」
 カルロスはドワーフと仲の悪い今回の騒動のもう一方の主役について聞きました。いいか悪いかはそうなっています。
「元は同じですか」
「人間もね、そうだよ」
「オズの国のあらゆる種族はそうよ」
 トロットも皆にお話します。
「元は人間でそれぞれの住んでいる場所に適合してね」
「色々な種族になったんですね」
 恵梨香がトロットに聞き返しました。
「そうなんですね」
「そうなの、この国ではね」
「そうだったんですね」
「だから染色体とかは全部一緒なのよ」
「人間もエルフもドワーフもノーム」
「他の種族もね」 
 オズの国のあらゆる種族がというのです。
「人間なのよ」
「そうだったんですね」
「面白いでしょ、外見はどんなのでもね」
 トロットはにこにことして皆にお話しました。
「同じ人間よ」
「そうなんですね」
「だから皆一緒なの、それでも違いがあって」
「今回みたいなこともあるんですね」
 ナターシャも言います。
「ちょっとしたことで言い合いしたり」
「それもあるの、けれど」
「ええ、私の知恵でね」
 テーブルの下からビリーナの声がしました、今もノーム族の人達のことを考えて隠れて食事を摂っているのです。
「解決するわよ」
「パーティーはお昼だから」
 キャプテンも言います。
「お昼には解決するね」
「そうなるわよ、じゃあお昼まではね」
「どうするのかな」
「私達はパーティーの用意のお手伝いをしましょう」
 トロットの提案です。
「何もすることがないのなら」
「そうだね、それがいいね」
 キャプテンはトロットのその申し出に頷きました、
「それじゃあね」
「ええ、そうしてお昼になったら」
「パーティーを開いて」
「そこで問題が解決するのね」
 こうお話しながら朝御飯を6食べました、その根の野菜が多いノーム族の食事を楽しんでです。そしてでした。
 パーティーの用意が終わるとです、ノーム族の王宮にです。
 ドワーフ族、各エルフ族の王様と名士達が列車で連れてきてもらってそのうえで参上してきました。見ればその人達は。
 濃いお髭を生やした逞しいドワーフの人達にです。
 すらりとしたエルフの人達も来ました、その人達はといいますと。
「緑の髪の人達が森エルフよ」
「あっ、それはわかるわ」
 ナターシャはビリーナの言葉に頷きました。
「それはね」
「そうでしょ、わかるでしょ」
「髪の毛の色でね」
「お肌は白というかね」
「アジア系に近いお肌ね」
「目は切れ長でね」
「緑色ね」
 森エルフの目の色もそうでした。
「それで緑の目は」
「どのエルフもでしょ」
「そうみたいね」
「エルフは色々な場所にいるけれど」
「目の色は同じなのね」
「そう、緑色なのよ」
 そうなっているというのです。
「このことは同じなのよ」
「そうなのね」
「それで山エルフはね」 
 この人達はといいますと。
「髪の毛の色がね」
「土色ね」
 山の土の色でした。
「そうなっているのね」
「山にいるからね」
「お肌の色は森エルフと一緒ね」
「森エルフと山エルフは一番近いのよ」
「エルフの中で」
「だから髪の毛の色が違う位よ」
 そうした違いでしたかないというのです。
「森エルフが山に住んだら山エルフになったの」
「だから一番近いの」
「そうよ、それで海エルフはね」
 今度は青いお肌に群青色の髪の毛のエルフの人達を見ました、服はどのエルフも同じ様なそれぞれの住んでいるお国の服です。マンチキンやウィンキーの。このことはドワーフ族も同じで今ではノーム族もです。
「青いでしょ」
「海だから青いのね」
「そうよ」
「それで闇エルフの人達は」
「地下にいるからお肌が黒くなって」
「暗いからそれに影響されて」
「髪の毛は銀が多い場所であの人達も銀が大好きだから」
 それでというのです。
「次第にね、緑からね」
「銀色になったの」
「そうよ」
「何か場所によって違うのね」
「ええ、ただエルフであることは一緒でね」
 髪の毛やお肌の色は違っていてもです。
「風俗や習慣も似ているのよ」
「住んでいる場所は違っても」
「それでもね」
「エルフなのね」
「そうなの、それでだけれど」
 ビリーナはエルフの人達を見つつです、ナターシャ達に聞きました。
「わかるかしら」
「あっ、エルフの人達は種族が違っても仲がいいけれど」
「ドワーフの人達には近寄らないわね」
「ノームの人達にはお話しても」
「それでも」
「ドワーフの人達とは」
「そう、エルフ同士は仲がいいのよ」
 森エルフでも闇エルフでもというのです。
「兄弟みたいなものだから、けれどね」
「ドワーフの人達とは」
「どうしても」
「それぞれこだわりがあるからね、けれどね」
 それをと言うビリーナでした。
「今から解決するわよ」
「貴女の知恵で」
「そうよ」
 確かな声でナターシャに答えます、見ればトロットとキャプテンはカリフ王と一緒にパーティーのホスト役をしていてガラスの猫とエリカはビリーナの隣にいます。
「今から解決するのよ」
「まあ下らない騒動はね」
「終わるに限るわ」
 そのガラスの猫とエリカの言葉です。
「それじゃあね」
「私達は終わるのを見るわね」
「是非見なさい、私は魔法は使えないけれど」 
 それでもというのです。
「魔法みたいに物事を解決するのよ」
「その知恵で」
「そうよ、今からそれを見せてあげるわ」
 胸を張って言うのでした、そしてです。 
 パーティーがはじまります、すると。
 ここで、です。カリフ王は一同に聞きました。
「今回のパーティーでは決まりがありまして」
「決まり?」
「決まりといいますと」
「ホスト役のわしの言葉は絶対です」
 そうした決まりだというのです。
「絶対に断ることは出来ません、それでも参加して頂けますか」
「はい、わかりました」
「それならばです」
「その決まりに従います」
「折角お招きして頂いたのですから」
 ドワーフの人達もエルフの人達も約束します、そして。
 それぞれの人達がテーブルに着きます、ドワーフとエルフの王様達はカリフ王それにトロットとキャプテンが座っている卓に着席しました。
 そのうえでパーティーとなりますがここでまたカリフ王が言いました。
「ではこれから出るものは絶対に食べて下さい」
「このパーティーの決まり通り」
「何でもですな」
「食べる」
「それが決まりですね」
「そうです、皆さんが食べられるものだけ出しますし」
 それにというのです。
「催しをしますので」
「だからですか」
「安心して召し上がってですか」
「観ていい」
「そうなのですね」
「はい、このことは約束します」
 カリフ王のドワーフや各エルフ族の王様達への約束でした。
「美味しいもの、楽しいものばかりです」
「では」
「頂きます」
 王様達も応えてです、この誓いからパーティーが本格的にはじまるのでした。
 最初は二つのお料理が出ました、それは。
 ポテトサラダにです、それに。
 フルーツがメインのサラダでした。ドワーフの人達はフルーツのサラダをエルフの人達はポテトサラダを見て口々に言いました。
「フルーツのサラダは」
「ジャガイモを潰したものは」
「食べられないにしても」
「ちょっと」
「どうにもです」
「最初からは」
「決まりです」
 カリフ王は戸惑う彼等に笑顔で言うのでした。
「召し上がって下さい」
「絶対にですね」
「約束したからですね」
「何があっても食べる」
「そうしないといけないのですね」
「はい、私も約束しますが」
 カリフ王も言います。
「美味しいですので」
「食べる」
「このパーティーでは」
「そうされて下さい」
 地下にいるせいか沢山のフルーツに慣れていないドワーフ族にも潰したジャガイモは切ったジャガイモよりも劣ると考えているエルフ族にも言います。
 そのうえで食事となりますが。
 それぞれのサラダを食べてです、ドワーフ族もエルフ族も言うのでした。
「これは」
「中々」
「美味しいです」
「どうにも」
 こうそれぞれ言うのでした。
「多くのフルーツを一度に食べることも」
「潰したジャガイモを食べても」
「それでも」
「どちらも」
「美味しいですね」
 カリフ王はここぞとばかりに二つの種族の人達に問いました。
「そうですな」
「はい、確かに」
「どちらもかなりのものです」
「美味しくてどんどん食べられます」
「どちらのサラダも」
「はい、どちらのサラダも美味しいのです」
 また言ったカリフ王でした。
「ですから」
「このままですね」
「食べるのですね」
「残さず食べて下さい」
 こうパーティーの参列者に言うのでした、何しろそれがパーティーの決まりになっていて誰もが約束しました。
 約束を破ることはです、オズの国においても。
「約束を破ってはいけないし」
「それは恥ずかしいことだからね」
「それはしないで」
「食べていきましょう」
「残さずに」
 誰もが約束を守ることにしました、約束を破ることが悪いことでしかも恥ずかしいことであることを知っているからこそ。
 皆守っていました、そして。
 サラダを食べてスープもでした。それぞれドワーフ族の人達とエルフ族の人達が嫌いなもので前菜もメインも。
 デザートも飲みものもでした、全部二種類ずつそれぞれドワーフ族とエルフ族が苦手なものばかりでしたが。
 お料理が終わってです、カリフ王は双方に尋ねました。
「如何でしたかな」
「お料理の味は」
「そちらのお話ですね」
「はい、どちらが美味しかったでしょうか」
 こう尋ねるのでした。
「一体」
「そう言われると困ります」
「好きなものは最初から美味しかったですか」
「そうでないものもです」
「そちらも美味しかったので」
「どちらも」
「はい、これまで一番いいと思っていたものも美味しく」
 カリフ王は双方の感想を聞いて述べました。
「そうでなかった方もですね」
「同じだけ美味しかったです」
「結果としてどちらも楽しめましたし」
「量も多かったですし」
「満足させて頂きました」
「最高のお食事でした」
「そうですね、どちらもよかったですね」
 どちらの好みもそうではなかった方もです。
「では次は催しですが」
「はい、それは一体」
「どういったものでしょうか」
「ファッションショーになります」
 それもするというのです。
「そちらも」
「服、ですか」
「そちらの」
「モデルは私達がするの」
 トロットがにこりと笑ってです、ドワーフ族の人達にもそれぞれのエルフの人達にもお話しました。
「それも楽しみにしていてね」
「トロット王女がモデルになるのか」
「そうなのですな」
「この子達もよ」
 ナターシャ達五人も指し示しもしたトロットでした。
「一緒に出るから」
「噂のオズの国の名誉市民の」
「この子達もモデルになる」
「ではどんな服を着るのか」
「楽しみにしていますぞ」
「ええ、そうしていてね」
「さて、では皆さんそちらも楽しみましょうぞ」
 キャプテンはどちらの人達にも笑顔で言いました、ドワーフ族の人達に対してもエルフ族の人達に対してもです。
「ショーも」
「王女達がモデルとは」
「これはまた」
「一度やってみたかったの」
 にこにことして言うトロットでした。
「私にしても嬉しい催しよ」
「まあ私は見てるだけだけれどね」
「私もね」
 ガラスの猫とエリカはいつもの調子です。
「けれど楽しんで見させてもらうわ」
「そのファッションショーもね」
「そうさせてもらうよ」
「我々も」 
 双方こう言います、そしてでした。
 ご馳走の後はそのファッションショーとなりました、ですが。
 トロット達がモデルさんの道に出て披露している服を見てです、ドワーフの人達もエルフの人達も言うのでした。
「マンチキンの服じゃない」
「ウィンキーの服でもない」
「わし等の伝統の服じゃないか」
「どれも」
「これは一体」
「どういうショーなのか」
「さて、王女達の着ている服ですが」
 一緒に観ているカリフ王がここでまた笑顔で言います。
「如何ですかな」
「如何と言われても」
「我々の服なので」
「どうにも」
「何と言えばいいのか」
 ドワーフの人達もエルフの人達も戸惑うことしきりでした。闇エルフの人達だけでなく他のエルフの人達もです。
「いや、王女達が着ると」
「ドワーフの服でも」
「エルフの服でもいいですな」
「そして我々の服を着ていても」
「どちらも」
「そう、どちらもいいですな」
 笑顔で応えたカリフ王でした。
「ドワーフの服もエルフの服も」
「ですな、これがまた」
「我々の服が一番と思っていたのに」
「こうして見ますとどちらがよりよいとは言えません」
「どちらもいい」
「そう言うべきですね」
「これは」
 皆口々にこう言います。
「成程、こうしたものですか」
「料理も服もですか」
「我々のものが一番とは言えない」
「どれも素晴らしい」
「そうなのですね」
「今回のパーティーはそのことをです」
 まさにとお話するカリフ王でした。
「鶏の女王に提案してもらってです」
「ああ、ビリーナ女王ですな」
「ドロシー王女と共にこの国に来た」
「偉大なる鶏達の母」
「あの方に教えてもらったのですか」
「貴方達のいざかいを解消するにはどうすればいいのか」
 お互いに引かず言い合ってばかりの彼等をです。
「ビリーナ女王がアドバイスをくれたのです」
「そしてそのアドバイスに従い」
「今日のパーティーを開いてくれたのですね」
「そのうえで我々に教えてくれたのですね」
「どれも素晴らしいということを」
「そうです、そしてそのビリーナ女王もここにいますが」
 カリフ王はビリーナがノームが大の苦手とする卵を産む鶏それも雌鶏であることから今の言葉は強張って述べました。
 ですがそれでもです、こうも言うのでした。
「今は」
「ノームの人達が怖がるからね」
 テーブルの下からそのビリーナの声がしました。
「私は隠れているの」
「まあよかったら。私は我慢するので」
 カリフ王はビリーナに対して譲歩しました。
「出て来たらどうかな」
「そうしていいの?」
「功労者が出ないと」
 それこそというのです。
「お話にならないからね」
「だからなのね」
「そう、出たらどうかな」
 こう言うのだった。
「貴女も」
「ではお言葉に甘えて」
 ビリーナはカリフ王に応えてでした、そのうえで。
 ビリーナはひょっこりとテーブルの上に出て来てでした、ドワーフ族の人達にもエルフ族の人達にも言いました。
「私考えたのよ」
「どうしたら我々の対立を解消出来るか」
「そのことをだね」
「それでこうしたパーティーを開いた」
「そうなんだね」
「そうよ、どれが一番いいとかってないのよ」
 それこそというのです。
「どれも素晴らしいの、そしてね」
「それを認めて受け入れること」
「このことが大事なんだね」
「そういうことよ、皆わかってくれたかしら」
「うん、今日のことでね」
「我々もわかったよ」 
 ドワーフの人達もエルフの人達も答えました。
「よくね」
「ジャガイモはどうしても美味しいし」
「他のお料理もそうでね」
「どの服も素晴しい」
「そのことがわかったよ」
「そうよ、玉蜀黍にしてもよ」
 ビリーナの大好物のこれもです。
「ポップコーンもバターコーンも最高に美味しいから」
「つまりどれも美味しい」
「それで楽しめるのね」
「そういうことね」
「それを理解して受け入れるべき」
「何が一番とかそんなことでこだわるなんてね」
 それこそとです、ビリーナはテーブルの上に立ったまま言い切ります。
「小さなことなのよ」
「小さなことは気にせずに」
「大きくあれ」
「だから我々もこだわらずに」
「お互いを認めること」
「どれも食べて着ればいいのよ」
 こうも言ったビリーナでした。
「それで楽しめばいいのよ」
「そういうことだね」
「では我々はこれからそんな小さなことにこだわらず」
「大きく構えて」
「それで付き合っていけばいいんだね」
「そうよ、じゃあこれで問題は解決ね」
 ビリーナは皆が納得したのを見届けて言いました。
「心置きなく虹色の菫の種を採りに行けるわ」
「そうね、オズの国の騒動がまた一つ解決されたわね」
 トロットは自分の前にいるビリーナを見て微笑みました。
「これでね、それじゃあね」
「パーティーの続きを楽しみましょう」
「後は音楽ですが」
 カリフ王はパーティーの次の催しのお話もしました。
「やはりです」
「我々の音楽をですね」
「それぞれ演奏してくれますか」
「はい、一緒に楽しみますと」
 それでというのです。
「わかりますね」
「はい、確かに」
「それがよくわかりました」
「そして音楽も」
「共に楽しむのですね」
「そうしましょう、皆で」
 笑顔でお話してでした、皆はドワーフ族の音楽もエルフ族の音楽も楽しみました。勿論ディナーもその後のお酒もです。
 そのパーティーの後で、です。カリフ王は後片付けも終わってぐっすり休んでドワーフ族の人達もエルフ族の人達もそれぞれのお国に帰ってからです。
 ビリーナ達にお礼を述べてから言うのでした。
「いや、今回は助かったよ」
「私達がいて」
「本当にね」
 満面の笑顔で言います。
「これまでどうしようかってね」
「困っていたのね」
「考えがつかなかったんだ」
「両方の間に挟まれて」
「うん、ドワーフ族は兄弟でエルフ族とも付き合いが深いのに」
 ノーム族はそうなのです。
「それがね」
「どっちも仲が悪くて」
「両方の話を聞いてもね」
「収め方がわからなかったのね」
「ほら、水と油じゃないか」
 ドワーフ族とエルフ族はというのです。
「まさにね」
「そうね、けれどね」
「けれど?」
「この娘達が言ってたでしょ」
 ナターシャを右の羽根で指し示してお話します。
「お水がお酢なら」
「ドレッシングだね」
「そう考えてね、混ぜたらって思ったのよ」
「お酢と油を混ぜるとドレッシングになってね」
「凄く美味しいでしょ」
「その美味しさからなんだ」
「ふと思ったの、一緒にしてみたらってね」
 カリフ王にお顔を向けてお話しました。
「そうね」
「ドワーフ族の好きなものもエルフ族のそういったものを」
「そうしたら上手くいけたわね」
「その通りだね」
「何よりよ」
 笑顔で言うビリーナでした。
「私達もオズの国の厄介ごとの一つが解決出来て何よりよ」
「いや、本当に有り難う。君は苦手だけれど」
「鶏だからね」
「今回は本当に有り難う」
「お礼はいいわよ、じゃあ私達はね」
「虹色の菫の種をだね」
「採りに行くわ」
 予定通りにというのです。
「そうしてくるわ」
「列車で送るけれど」
「それには及ばないわ」
 トロットが王様の申し出に応じました。
「地下の旅も楽しみたいから」
「それは皆かな」
「皆のお顔を見てくれるかしら」
「あっ、確かに」
 ビリーナやトロット達、それに二匹の猫と五人の子供達を見ると実際にでした。列車よりもとお顔に書いていました。
 その言葉を読み取ってです、カリフ王も頷いて言いました。
「そうだね、じゃあこの申し出は引っ込めるよ」
「そういうことでね」
「ではこれからの道中もね」
「楽しんでくるわね」
 ビリーナはカリフ王に陽気に応えました。
「そうしてくるわね」
「是非ね、あとドワーフ族とエルフ族はね」
「闇エルフもよね」
「これからは仲良くやっていくらしいから」
「だからなのね」
「もう心配はいらないよ」
 このこともです、カリフ王はビリーナにお話しました。
「わしも何よりだよ」
「それは何よりね」
「うん、本当にね」
「では最後にね」
「最後に?」
「旅立つ前にご馳走したいのだけれど」
 ノームのそれをというのです。
「いいかな」
「お言葉に甘えていいのね」
「是非ね」
 こう応えてでした、そのうえで。
 皆はカリフ王からおもてなしを受けました、それから元の道に送ってもらってそこから冒険を再開しました。
 その歩きはじめた中で、です。恵梨香が言いました。
「何か色々あったけれど」
「無事に解決したね」
 カルロスが恵梨香に応えます。
「どちらの人達もわかってくれたし」
「ドワーフ族の人達もエルフ族の人達もね」
「闇エルフの人達だけじゃなかったけれど」
 ジョージはエルフ族の人達全体を見てお話をしました。
「どのエルフの人達も納得してくれたね」
「二つの種族全体でお話が収まって」
 それでとです、神宝も納得しています。
「よかったよ」
「ええ、これで安心してね」
 最後にナターシャが言いました。
「先に進めるわね」
「そう、目の前にある厄介ごとは解決しないとね」
 ビリーナは今も先頭にいます、そのうえでの言葉です。
「よくないから」
「ビリーナはいつもそう言うわね」
「それで実際に動くわね」
 ガラスの猫とエリカはそのビリーナのすぐ後ろから言ってきました。
「知恵を出して解決する」
「面倒だって言う時もあるけれど」
「面倒でも問題は解決する、よ」
 ビリーナは二匹にも答えました。
「それが私の主義なのよ」
「最初にオズの国に来た時からよね」
 トロットはドロシーから聞いたお話を思い出しました。
「ラゲドー王がロークワットって呼ばれていた時から」
「そうよ、その時からね」
 まさにと答えたビリーナでした。
「私はそうよ」
「それで問題を解決してきたわね」
「ええ、今みたいにね」
「貴女はそうした人ってことね」
「そういうことよ、じゃあこれで後は種に向かうだけだけれど」
「このまま何も起こらずにとなるかしら」
 首を傾げさせてです、ナターシャはふと思いました。
「果たして」
「そう思える?」
「いえ、オズの国だから」 
 だからとです、ナターシャはビリーナに答えました。
「やっぱりね」
「そうでしょ、オズの国だとね」
「常に何かが起こる国だから」
「また何かが起こると思っていた方がいいわよ」
「そうよね」
「特に冒険の時はね」
 今の様にです。
「何かが起こるから」
「だからよね」
「このことは楽しみにしてね」
「ええ、それオズの国の出来事だから」
 楽しいということがです、ナターシャもこのことは既にわかっているので頷きます。そのうえでビリーナに対して言うのでした。
「私達もそうしているわ」
「そういうことでね」
「ええ、行きましょう」
「先にね」
「そうしましょう、それでだけれど」
「それで?」
「地下にはドラゴンもいるわね」
 ナターシャはこの生きものについてのお話をしました。
「そうよね」
「そうよ、棲家があるのよ」
「お外にも出ることがあるけれど」
「そこで寝ていることが多いの」
「オズの国のドラゴンはそうね」
「そしてドラゴンにも種類があるの」
 このこともお話したビリーナでした。
「身体の色で分けられているの」
「あれっ、ドラゴンは緑じゃないんだ」
 ジョージはドラゴンの身体の色についてこう言いました。
「そうじゃなかったの?」
「青龍は青だったけれど」
 神宝はマンチキンの国にいる神獣の身体の色から言います。
「違うんだ」
「何か何種類もいるんだね」 
 カルロスはこのこと自体から言うのでした。
「そうだったんだ」
「ええと、クォックスに青龍さんに」
 恵梨香はドラゴンの具体的な種類を述べていきます。
「あと背中に席があるドラゴンさんもいたわね」
「その大小はあるけれどまずはクォックスドラゴンがいてね」
 ビリーナは具体的にお話しました、ドラゴンの種類について。
「レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ホワイト、ブラック、グレー、パープル、バイオレット、ブラス、カッパー、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナっているの」
「身体、鱗の色がそれぞれ違うのね」
「そうよ、住んでいる場所と吐く息も違うのよ」
 ビリーナはナターシャにさらにお話しました。
「それもね」
「そうなのね」
「レッドは炎、ブルーは雷、グリーンはガス、イエローは光よ」
「本当にそれぞれ違うのね」
「ホワイトは吹雪、ブラックは酸、グレーは触れると石になるガス、パープルは触れるとアメジストになるガスでね」
「ガスもあるのね」
「そうよ、バイオレットは動きを止める液、ブラスは溶岩、カッパーは砂嵐、ブロンズは衝撃波でシルバーは音を吐くの」
 さらにお話するビリーナでした。
「それでゴールドとプラチナは全ての息を吐けるの」
「その二種類は特別なの」
「ドラゴンの中でも強くてね」
「全ての息が吐けるのね」
「そう、けれどオズの国のドラゴンは皆温厚だから」
「会っても心配無用ね」
「このことは安心してね」
 ドラゴンに襲われる心配はいらないというのです。
「安心してね」
「わかったわ」
「頭もいいしね」
「普通に色々なことを知ってるのよ」
 トロットもドラゴンについてお話します。
「それで言葉も上手だしね」
「それは他の世界のドラゴンとも一緒ですね」
「そうでしょ、色々な世界の」
「はい、ただオズの国のドラゴンは温厚ですね」
「だからお付き合いしても大丈夫よ」
「そのことを聞いて安心しました」
「それでオズの国のドラゴンで一番偉いのは」
 ビリーナはそのドラゴンのお話もしました。
「青龍よ」
「あの龍ですね」
「オズの国の方角の一つを司るだけにね」
「強いんですね」
「そう、かなりね」
「ドラゴン達の王様ですか」
「そう言ってもいいの」
 青龍はというのです。
「まさにね」
「やっぱり青龍は違うんですね」
「青龍と朱雀、玄武と白虎それに麒麟ね」
 この五匹の神獣達はというのです。
「彼等はオズの国で最も素晴らしい獣達よ」
「獣の神様みたいなものですね」
「言うならばね」
「だから身体も大きくて」
「力も凄いのよ」
「あの人達は見たことがあったけれど」
 ナターシャ達にしてもです、以前の冒険で。
「偉大な獣達ね」
「だから青龍もドラゴンの王様なの」
「そうなっているのね」
「ちなみに私達鶏の王様は朱雀様よ」
 この神獣だというのです。
「それはわかるわね」
「ええ、鳥だからね」
「鳥は皆朱雀様に守られているの」
 オズの国の鳥達はです。
「とても偉大な方よ」
「鳥達にとって」
「そうよ、私は鶏の女王様だけれど」
「朱雀はその貴女の王様ね」
「そうなるわ」
「王様の王様ね」
 ふとこんなことを言ったナターシャでした。
「それなら」
「そういえばそうね」
「ええ、そうなるわね」
「王様の王様ね、あの方は」
「そうした獣ってこね」
「朱雀様もね、今度あの方にお会いしたら」
 その時はといいますと。
「いつも守ってくれているお礼を言わないとね」
「ビリーナも朱雀は尊敬してるのね」
「そうよ」
 今度はガラスの猫に答えました。
「この通りね」
「そこまでの方ってことね」
 エリカも言います。
「神様だけあって」
「あんた達だと白虎でししょ」
 ビリーナはこの神獣の名前をここで二匹に問いました。
「そうでしょ」
「私もガラスとはいえ猫だから」
「私も外の世界から来たけれどね」
「そうでしょ、あんた達にとっても偉大な神獣はいるわね」
「白虎様って呼ばないとね」
「いけないわよ」
「そうした存在なのよ、青龍もね」
 彼女達にとって朱雀や白虎がそうである様にです。
「オズの国で最も偉大な龍なのよ」
「そう言われると嬉しいね」
 神宝はビリーナのお話を聞いてにこりとなりました。
「元々は中国の龍だしね、青龍は」
「そうだね、青龍は中国のドラゴンだね」
 ジョージも言います。
「西洋のドラゴンじゃなくて」
「同じドラゴンでも違うんだよね」
 カルロスもこのことについて言うのでした。
「西洋と東洋じゃ」
「西洋のドラゴンはトカゲみたいな形で翼があって」
 恵梨香のお話はさらに具体的でした。
「東洋のドラゴンは蛇みたいで自分でお空を飛べるのよね」
「同じドラゴンでも全然違うわね」
 最後に言ったのはナターシャでした。
「本当に」
「そのことはわしも長い間知らなかったよ」 
 キャプテンでもそうだったのです。
「オズの国でもずっと西洋のドラゴンだけしかいなかったんだ」
「オズの国にも中国の文化が入ってね」
 トロットも言います。
「アメリカに中国系の人が来て」
「それで、なんですね」
「オズの国にも東洋のドラゴンが生まれた」
「そうなったんですね」
「青龍も来て」
「それで他の中国の龍も」
「そうなの、ちなみにゴールドドラゴンはね」
 トロットは先程ビリーナがお話したこのドラゴンのお話をしました。
「中国の龍なの」
「あっ、そうなんですか」
「力はプラチナドラゴンと同じでね」
 ナターシャにも答えます。
「形は違うの」
「中国の龍ですか」
「そうなの、鱗の色は金色よ」
「文字通りですね」
「そうなっているのよ」
「そうなんですか」
「オズの国のドラゴンも多いのよ」 
 その種類がです。
「よかったら覚えておいてね」
「わかりました」
「悪いドラゴンはいないし」
 他の世界とは違ってです。
「安心してね、ただ大きいから」
「踏まれたり尻尾でドラゴンが知らないうちにはたかれたり」
「そうならない様にね」
「気をつけます」
「そのことはね」
「大体大きさは十五メートルから二十メートルね」
 ビリーナはドラゴン達の大きさについでも述べました。
「それぞれの種族の長老さんはそれよりも遥かに大きいですけれど」
「どれ位の大きさなの?」
「そうね、それの十倍位ね」
 普通のドラゴンのというのです。
「ドラゴンは年齢と共に大きくなるから」
「それで大きくなるの」
「そうなの、まあそのドラゴンに会っても」
「種族の長老の」
「驚かないでね」
「そうした種族ってことね」
「そうよ、巨大でもね」
 そのドラゴンの長老のお話もしました、そしてでした。
 一行はさらに進んでいきました、オズの国の地下もまた素晴らしい冒険が出来る場所で皆も楽しみながら進んでいました。



パーティーで互いの好きな物を一緒に出して。
美姫 「両種族の仲も改善されたようね」
良い事だな。
美姫 「虹色の菫の種探しも再開できるわね」
ああ。次はどうなるのか。
美姫 「次回も待っていますね」
ではでは。



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