『オズのカエルマン』
第三幕 お花のパズル
楽しい晩餐の後は皆で寝てでした、その次の日の朝。
五人はお風呂に入って目を覚まして身体も奇麗にしてからでした、朝御飯を皆で食べてそれから王宮の中庭に出て。
そしてです、お花のパズルを皆で囲むのでした。
まずはです、かかしが言いました。
「さて、最初はね」
「はい、最初は」
「どうしますか?」
「うん、とりあえず欠片の一つを拾って」
そしてというのです。
「その欠片を置こう」
「まずはですね」
「一つ置いて」
「そこからですか」
「さらにですね」
「また一個置こう」
そうしようとです、五人にも言うのでした。
「それを続けていけばね」
「いいんですね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「風には気をつけよう」
かかしは微笑んでそれにはと言うのでした。
「飛ばされたりしたら大変だからね」
「そうね、一つ一つ置いていけばいいけれど」
グリンダもかかしに応えて言います。
「それでもね」
「そう、風に飛ばされたりしたら」
その欠片がです。
「置いた場所が乱れたり」
「欠片が何処かに行ったりするから」
「大変なことになるからね」
「だからね」
「風には気をつけよう」
こう言うのでした。
「まずはね」
「そういうことですね」
「じゃあ風には気をつけて」
「そうしてですね」
「組んでいきましょう」
「風については」
魔法使いがここで自分の鞄を出しました、魔法使いの魔法道具が全部入っているその素晴らしい鞄をです。
「これで防ごう」
「あっ、天幕ですか」
「それで中庭の上全体を覆って」
「それで、ですね」
「風を防ぐんですね」
「そうするんですね」
「そうしよう」
こう五人に笑顔で言うのでした。
「これで大丈夫だよ」
「はい、じゃあ」
「それで風を防いで」
「パズルを楽しみましょう」
五人も笑顔で応えます、そして魔法使いが出した最初は小さな天幕があっという間に大きくなって中庭全体を覆ってです。
風を防いでからです、皆はパズルをはじめました。
その中で、でした。ケーキはジュリアとお話しました。
「ねえ、よかったら」
「はい、私達はですね」
ジュリアもケーキに笑顔で応えます。
「お茶とお菓子をですね」
「用意しましょう」
「そうですね、ただパズルをしてもいいですけれど」
「パズルに加えてね」
それにというのです。
「お茶とお菓子もあれば」
「さらに楽しめますから」
「そう、じゃあね」
「今から用意しましょう」
「二人でね」
こうお話してでした、二人でお茶とお菓子を用意しました。ここでケーキが用意したお菓子はといいますと。
「あっ、抹茶の」
「そうよ」
恵梨香ににこりと笑って答えました。
「お抹茶のクッキーよ」
「それにチョコレートのですね」
「そちらも作ってみたわ」
緑と黒の二色のクッキーがそれぞれあります。
「どうぞ召し上がって」
「はい、そうさせてもらいます」
恵梨香は目を輝かせて答えます、そして。
神宝もです、そのクッキーを見て言うのでした。
「いや、いいものですよね」
「神宝もそう言ってくれるのね」
「僕日本に来て驚きました」
「このクッキーに?」
「はい、日本のお菓子に」
クッキーだけでなく、というのです。
「驚きました」
「こうしてお抹茶を使うから」
「そしてそれがです」
「また美味しいのよね」
「こんなお茶の使い方があるなんて」
「あれ、中国でも普通じゃないのかい?」
こう尋ねてきたのはムシノスケ教授でした。
「君の国でも」
「お茶をお料理に使うことはですね」
「そう、普通だよね」
「はい、そう言われますと」
「茶卵もあるし」
「あれ僕も好きです」
「他にもあるね」
その茶卵以外にというのです。
「何しろお茶は中国が本場だから」
「そうです、ですが」
「それでもなのだね」
「このお抹茶みたいなお茶はなくて」
しかもというのです。
「こうした西洋のお菓子に使ったりすることは」
「日本独自なんだね」
「はい、驚きました」
「色も奇麗でしかも美味しい」
「凄いですよね」
「普通こんなの考えないよね」
ジョージもそのお抹茶のクッキーを食べつつ笑顔で言います。
「お抹茶のクッキーとかね」
「そうそう、その発想が凄いよ」
「これまたね」
「そう、しかもね」
さらにと言う神宝でした。
「身体にもいいし」
「お茶だからね」
「お茶は栄養も豊富だから」
「ビタミンの塊よ」
ナターシャもそのクッキーを食べています。
「まさに」
「ただの嗜好品じゃないんだよね、お茶は」
「命をつなぐものでもあるわ」
こうも言うナターシャでした、そしてナターシャもそのクッキーを食べます。
「健康にもいいから」
「ううん、じゃこのクッキー健康にもいいんだね」
カルロスもそのクッキーを食べつつ言います。
「凄いね」
「クッキーもね」
ここでまた言うケーキでした。
「こうしたものがあるのがね」
「実に素晴らしいね」
カエルマンも食べています、そのお抹茶のクッキーを。
「しかも美味しい」
「言うことなしよ」
「そうですね、私も好きです」
作ったクッキー自身もというのです。
「だから私も楽しんでいます」
「うん、じゃあ今回だけじゃなくて」
「また作ります」
「その時も楽しみにしているよ」
カエルマンの目はにこにことしています、そのお抹茶のクッキーだけでなくチョコレートのクッキー、それにお茶自体も楽しんでからです。
パズルに目をやります、すると少しずつです。
かかしと木樵、それにジャック達が欠片を置いていっています。その三人のところに五人で一緒に来てでした。
そしてです、そのうちの欠片の一つを取ってです。
それが赤いのを見てです、かかしと木樵に言いました。
「これはね」
「うん、お花だね」
「その部分だね」
「そうだね、ここで問題となるのは」
いささか学者の様に言うカエルマンでした。
「このお花の形だけれど」
「そのことなら」
ムシノスケ教授が手に辞典を持って言ってきました。
「この図鑑に載っているよ」
「あっ、そうなんだね」
「王立図書館のこの本にね」
「載っているんだね」
「そう、だからね」
「その辞典に載っていて」
「このお花だね」
教授は最初から開いているそのページをカエルマン達に見せました、そこにあったお花はといいますと。
「ふむ、レインボーパズルフラワー」
「それがだね」
「このお花の名前なんだね」
カエルマンだけでなくかかしと木樵も見て言います。
「赤だけじゃなくて青や黄色の部分もある」
「文字通り七色のお花だね」
「そうなんだね」
「左様、赤だけでなく青に黄色、黄緑、緑に橙に紫と」
「まさに七色」
「虹の色の花」
「それがこのお花だね」
三人で言います、そしてです。
ジャックもそのお花を見てです、こう言いました。
「形もわかったよ」
「うん、では後はね」
「この図鑑に添って」
「置いていこうか」
「いえ、そうしたらすぐに出来るから」
グリンダが楽しく笑って四人に言いました。
「図鑑を観ながらするのは止めましょう」
「そうだね、それだとね」
「すぐに出来るから」
「すぐに出来たらそれで終わりだからな」
「どうも」
「そう、面白くないわ」
こう教授の図鑑を見ている四人に言うのでした。
「だからそれは止めておきましょう」
「うん、グリンダの言う通りだね」
かかしが最初にグリンダの考えに頷きました。
「ここはね」
「図鑑を観るのはこれで止めにして」
「やるべきだね」
木樵とジャックも頷きます、そしてカエルマンもでした。
グリンダの提案に頷きました、そのうえで言いました。
「よし、では図鑑はこれまでにしよう」
「ふむ。確かに」
当の教授も言いました。
「図鑑を観つつしてもいいけれど」
「それだとすぐに出来るから」
「うん、しない方がいいね」
「そう、皆でゆっくり楽しみましょう」
「ではこれは閉じよう」
こう言ってすぐです、教授は手にしていた図鑑を閉じました。そうして傍にあったテーブルにその図鑑を置いてあらためて言いました。
「これでよし」
「後はね」
「じっくり楽しもう」
「そうしましょう」
「さて、それでは私も」
教授もその手にです、かけらを一つ取りました。見れば緑色です。
その緑色を見てです、教授はカエルマンに尋ねました。
「さて、この緑は」
「うん、何処の緑かだね」
カエルマンも教授に応えます。
「それがね」
「お花のところか葉や茎のところか」
「何処かだね」
「それが問題だね」
こう二人でお話するのでした。
「一体」
「さて、どうなのか」
「それを確かめたいけれど」
「ああ、それならね」
魔法使いが言ってきました。
「一ついい方法があるよ」
「それは何かな」
「一体」
「これも置けばいいんだよ」
これがかかしの考えでした。
「その欠片もね」
「とりあえずは」
「そうすればいいんだ」
「うん、それでいいよ」
こう二人に言います。
「後は合わないとね」
「別の場所に移せばいい」
「それだけなんだね」
「そう、だからね」
「まずは置くこと」
「それが大事だね」
「そう、置いておくことがね」
例え手にしてもというのです。
「一番よくないからね」
「じゃあまずは置いていって」
「その都度変える時は変えて」
「そうしていこう」
こう皆でお話してなのでした、お花のジグゾーパズルを進めていきます。パズルの大きさは決して大きいものではないですが。
それでも欠片が多くてなのでした。
神宝もです、しながら笑顔でこう言いました。
「やっぱりパズルはこうでないとね」
「パーツが多くないと?」
「はい、面白くないですよね」
オズマにも笑顔で答えます。
「やり甲斐がなくて」
「そうね、欠片つまりパーツが少ないと」
「すぐに終わりますから」
「だから多くないと」
「はい、面白くないです」
オズマに答えながら言います。
「僕としては」
「そういうことなのね、けれどね」
「このパズルの後は」
「そう、凄いパズルみたいだから」
「それをどう解くのか」
「楽しみよね」
「はい、どんなパズルなんでしょうか」
神宝はうきうきとして目を輝かせています。
「一体」
「それは実際にやってみてのお楽しみよ」
「その時のですね」
「そう、だから今はね」
「そのパズルをする時を楽しみにして」
そしてというのです。
「今はね」
「このお花のパズルをですね」
「解いていきましょう、こうしてね」
言いつつです、オズマもです。
欠片を一つ取ってなのでした、それを置きますが。
お隣の欠片と合いました、オズマはそれを見て微笑みました。
「これでね」
「埋まりましたね」
「ええ、一つね」
「僕もです」
神宝は四隅のうちの一つを取りました、見れば右下です。
そこにその欠片を置いてです、オズマに言いました。
「まずは隅を」
「そこから埋めていけばね」
「わかりやすいですから」
「それがパズルを解く秘訣ね」
「その一つですよね」
こう言ってでした、そしてです。
神宝は欠片をまた一つ取って置きました、すると隣の二つの欠片と重なりました。
欠片は一つ一つ埋まっていきます、皆で進めていってです。
お花のパズルは徐々に出来ていってでした、最後は。
ドロシーが取ったそれが埋まってでした、七色の大きな百合に似たお花が出来上がりました。そうしてです。
そのお花はパズルから浮き上がってでした、その場にしゃんと立ちました。カエルマンはそのお花を見てにこりと笑って言いました。
「これでよし」
「はい、凄く奇麗ですね」
「皆で頑張ったかいがあったね」
「そうですよね」
恵梨香がカエルマンに応えます。
「楽しかったですけれど」
「頭使ったからね」
「その分ですね」
「うん、報われたよ」
にこりと笑って言うカエルマンでした、ここでも。
「そんな気持ちだよ」
「パズルってあれですね」
ジョージもにこにことして言います。
「組み立てる時も楽しいですけれど」
「それでもだね」
「はい、それと一緒に」
本当にというのです。
「この完成した時が」
「嬉しいんだよね」
「最高の遊びの一つですね」
「全く以てね」
「はい、じゃあ」
「この後はね」
「いよいよですね」
「あのパズルをしよう」
こう言うのでした。
「次はね」
「それは明日からだよね」
ジャックがカエルマンに尋ねました。
「今日はもうね」
「そうだね、充分楽しんだし」
「パズルばかりしてもね」
「飽きるから」
「他の遊びをしよう」
カエルマンは学者っぽい仕草に戻ってジャックに答えました。
「ゲートボールなんかどうかな」
「ふむ、それもまたよしか」
ムシノスケ教授はゲートボールと聞いて述べました。
「スポーツも」
「頭を使うこともいいけれど」
「身体を動かすことも」
「楽しいからね」
「だからだね」
「皆でどうかな」
ゲートボールをしようとです、カエルマンはジャックと教授だけでなく他の皆にも笑顔でお誘いをかけました。
「ゲートボールをしないかい?」
「いいね、じゃあ」
「今度はそれをしようか」
かかしと木樵も賛成しました、そして魔法使いとグリンダもです。
にこにことしてです、こう言いました。
「では僕達も」
「参加させてもらうわ」
「実は最近ゲートボールにも凝っててね」
「毎日スポーツをするようにしているから」
それでというのです、そしてドロシーもです。
まずはオズマにでした、こう尋ねました。
「私達もどうかしら」
「ドロシーはもっと活発なスポーツが好きではないの?」
「いえ、こうしたスポーツも好きだから」
「貴女も参加したいのね」
「そうなの」
オズマに対してにこりと笑って答えたのでした。
「だからね」
「そうね、それじゃあ私も」
「オズマもするのね」
「パズルを解いたし」
次はというのです。
「身体を動かして遊ぶべきだと思うから」
「それじゃあね」
「一緒に遊びましょう」
こうお話してでした、そのうえで。
二人も参加することにしました、そしてドロシーは次にです。
五人にもです、笑顔で尋ねました。
「貴方達もどうかしら」
「ゲートボールってどんなのですか?」
カルロスは首を傾げさせてドロシーに尋ねました。
「一体」
「杖でボールを打ってね」
「ラクロスみたいなのですか?」
「あそこまで激しくないの」
「じゃあ一体」
「まあやってみればわかるわ」
これがドロシーの返事でした。
「そうしたらね」
「実際にですか」
「そうしながら説明するから」
「そうですか、それじゃあ」
「カルロスもするのね」
「面白そうですし」
それならというのです。
「やらせてもらいます」
「わかったわ、じゃあ他の皆は」
「やらせてもらいます」
「私もです」
恵梨香とナターシャも参加したいというのでした。
「皆で楽しみましょう」
「私もゲートボールはよく知らないですけれど」
それでもとお話してでした、そうしてです。
二人も参加することを決めました、最後の二人はといいますと。
ジョージがです、ドロシーに問われたのを受けて神宝に尋ねました。
「どうするのかな、神宝は」
「うん、僕もね」
「参加するんだ」
「ゲートボールはしたことはないけれどね」
「ルールは知ってるのかな」
「それはね」
「じゃあ僕と一緒だね」
ジョージは神宝の返事を受けて少し笑いました。
「僕もゲートボールのルールは知ってるけれど」
「したことはないんだね」
「そうなんだよ」
「じゃあ今したらね」
「はじめてになるね」
ゲートボールの初プレイだというのです。
「そうなるね」
「そうしようかな」
「そうだね、じゃあね」
「僕達もね」
「皆するのね」
ドロシーは二人の返事を聞いて言いました。
「じゃあ皆で楽しみましょう」
「今度はゲートボールをね」
カエルマンも応えます、そしてなのでした。
パズルを完成させた皆は今度はゲートボールを楽しむのでした、そしてこの日も皆で楽しく遊びました。
そして次の日でした、いよいよです。
皆でそのパズルを解こうとするのでした、ですが。
この時にでした、不意に。
オズマのところに事件が届きました、その事件はといいますと。
「ギリキンの国になの」
「ええ、そうなの」
最初に話を聞いたグリンダがオズマにお話します。
「思わぬ事態というかね」
「ドラゴンが出たの」
「川にね」
「それで凶暴なドラゴンなの?」
「いや、それがまだね」
「わからないんですか」
「ただ、凄く大きなドラゴンで」
グリンダはオズマにそのドラゴンのことをお話します。
「もう山位に大きくて」
「山位なの」
「身体を伸ばすと相当な大きさになるそうよ」
「そのドラゴンが出て来て」
「大騒ぎになっているのよ」
ギリキンの国がというのです。
「それでどうするべきかね」
「私が決めるべきね」
「ええ、貴女の考えはどうかしら」
「まずはどんなドラゴンかをね」
オズマはこうグリンダに答えました。
「見ましょう」
「いいドラゴンなら何もしないし」
「悪いドラゴンなら」
「そう、ノーム王みたいにオズの国に他のところから攻め込んできたみたいな」
「そうしたドラゴンなら出て行ってもらうのね」
「そうして二度と来させないわ」
このオズの国にというのです。
「だからね」
「ここは、なのね」
「まずはどんなドラゴンか見極めましょう」
「そうするのね」
「ええ、じゃあいいかしら」
「私が本で見ようかしら」
グリンダが手に持っているオズの国の全てが見える本で、です。
「ここは」
「それか私の鏡で見るか」
「そうしようかしら」
「ではね」
まずはでした、オズマは最初はです。
鏡でそのドラゴンを見ようとしました、そしてグリンダが言うギリキンの国を見回すとでした。ギリキンの川の中でも大きな川にです。
そのドラゴンがいました、それは全身が青くてです。
蛇の様に長くて赤い目をしています、馬みたいな顔で鹿の角があります。
そのドラゴンを見てです、オズマはすぐにグリンダに言いました。
「あの、このドラゴンって」
「そうよね、このドラゴンはね」
「龍ね」
「東の方のね」
ドラゴンはドラゴンでもです。
「神宝の国の龍ね」
「中国の」
「そういえばね」
ここでオズマは納得した顔になりました。
そしてです、こうグリンダに言いました。
「オズの国はアメリカが反映されるから」
「アメリカには色々な国から人が来てね」
「中国からの人もいるから」
「龍がいてもね」
「不思議じゃないわ」
「まだ出て来なかっただけなのね」
オズマはこう考えました。
「つまりは」
「そうね、ただね」
「それだけだったのね」
「だからね」
それで、というのでした。
「龍もいるのね」
「ええ、ただ」
「ただ?」
「何かこの龍は」
グリンダは鏡に映るその龍を見て言いました・
「大人しいみたいだけれど」
「そうね、大人しい龍みたいね」
見れば確かに身体は大きいです、ですが。
そのお顔はまだ晴れていません、それで。
お水の中にいます、その龍を見てなのでした
オズマはグリンダにこうも言いました。
「この龍はまさか」
「ええ、青いってことは」
「青龍よね」
その龍だというのです。
「あの四霊獣のうちの」
「そうね、オズの国にもいたのね」
「そうね、けれど確か青龍は東にいるのよね」
「そうだったわね」
「何でギリキンの国にいるのかしら」
オズマはこのことがわからないのでした。
それで、です。グリンダに尋ねました。
「オズの国の東はマンチキンの国よね」
「そのマンチキンの国にいないで」
「どうしてギリキンなのかしら」
ギリキンはオズの国の北にあります、ですが青龍は東にいるのです。それが何故なのかがわからないのです。
ですがそれでもです、青龍はそこにいてです。そして不機嫌な顔をしているのです。それでオズマも言うのです。
「このことを知りたいわ」
「それじゃあここは」
「どうして青龍なのに北にいてどうして不機嫌なお顔なのか」
「その二つをね」
「確かめましょう、そしてね」
「それからね」
「どうするかを決めましょう」
オズマはこう決断しました。
「ここはね」
「わかったわ、それじゃあね」
「ええ、まずは青龍に聞いてみましょう」
彼自身にというのです。
「最初はね」
「それからね、色々するのは」
「そうしましょう」
こうしてでした、オズマはパズルの前にでした。
まずは青龍のことをどうにかすることを決めました。
そこで皆を集めてです、青龍のことをお話しました。
お話を聞いてです、教授が最初に言いました。
「それは妙なことです」
「青龍が北にいることが」
「はい、姫の言われる通りです」
「青龍は東よね」
「東にいなくてです」
何故北にいるのかというのです。
「このことが私にもわかりません」
「そうよね」
「ただ、不機嫌な理由はわかります」
それはというのです。
「そのことは」
「それはどうしてなの?」
「それは本来の場所にいないからです」
それ故にというのです。
「青龍は東、しかし彼は北にいるので」
「本来いるべき場所にいないからなのね」
「それ故に不機嫌で困っているのです」
「そうなのね」
「はい、それ故なのです」
「そういうことね、じゃあどうして北にいるのか」
「そのことが謎で」
教授はさらに言いました。
「青龍にはです」
「東に戻ってもらわないとね」
今度は魔法使いが言いました。
「よくないよ」
「そうだったね、四霊獣はどれもね」
「そのいるべき場所にいないと」
それで、とです。魔法使いは教授にお話します、
「さもないとね」
「自然のバランスが崩れるんだね」
「オズの国の」
「青龍は木で」
教授はまずは青龍のことをお話しました。
「春、東を司るから」
「オズの国の気候は変わらないけれど」
だからこの場合季節は関係ありません、ですがそれが全てではなくて。
「その他のことがね」
「問題になるから」
「だからだね」
「そう、是非共ね」
青龍にはというのです。
「東に戻ってもらおう」
「そうしないとね」
「まずは青龍のところに行ってね」
かかしがここで知恵を出しました、オズの国一のそれをです。
「そして彼にね」
「お話を聞いてだね」
「うん、どうして北にいるのか訳を聞いて」
「それからだね」
「何とかしていこう」
かかしは木樵にお話しました。
「そうしよう」
「そうね、それじゃあ誰が青龍のところに行くかね」
ここでオズマはこのことにも言いました。
「決めましょう」
「じゃあ私が行くわ」
冒険好きのドロシーが最初に手を挙げました。
「それで行くわ」
「あっ、ドロシー貴女はね」
「駄目なの?」
「別の用事でカドリングに行って欲しいの」
「あの国になの」
「そうなの、青龍のお話以外にもね」
「何かあったの」
「そうなの、リンキティンク王のところに行ってね」
オズの国の端、海岸のところにある国の王様です。
「あの人のパーティーに出て欲しいの」
「だからなの」
「そうなの、だから貴女はね」
ギリキンの国にはというのです。
「申し訳ないけれどね」
「わかったわ、それじゃあね」
ドロシーはオズマの言葉に頷きました、そしてなのでした。
ドロシーはトトと一緒にリンキティンク王の国に行くことにしました、そしてそのうえでなのでした。
オズマはかかしと木樵、そしてジャックにも言いました。
「貴方達もね」
「うん、ドロシーとだね」
「一緒にだね」
「リンキティンク王の国まで」
「行ってね、それとグリンダと教授はね」
この二人はといいますと。
「青龍のこととリンキティンク王のことで若し何かあったら」
その時にというのです。
「都からすぐに何か出来る様に」
「オズマと一緒にいて」
「対策を出してフォローするんだね」
「そう、グリンダの魔法と教授の知識を借りたいわ」
その時にというのです。
「だから二人にはいてもらうわ」
「ふむ、ではここは」
魔法使いがにこりと笑って言いました。
「私が行こうかな」
「ええ、貴方の魔法と知恵なら」
「青龍を東に戻せるね」
「どうして北にいるのかも聞いてね」
「そうだね、じゃあ行って来るよ」
「あの、よかったら」
ここで五人のリーダーであるジョージが右手を挙げました。
「僕達も」
「貴方達もなのね」
「行っていいですか?」
こうオズマに申し出るのでした。
「青龍に会いたいですし」
「青龍は龍の中でも特別なんです」
中国人の神宝が一番目を輝かせています。
「ですから是非」
「会いたいのね」
「はい」
はっきりとです、神宝はオズマに答えました。
「お願い出来ますか?」
「ええ、それならね」
神宝のお願いにです、オズマはにこりと笑って答えました。
「貴方達もね」
「有り難うございます、それじゃあ」
オズマの言葉に神宝は笑顔で応えました。他の子達もです。
オズマの言葉に笑顔になります、魔法使いも五人ににこりとして言います。
「では一緒に行こう」
「はい、お願いします」
「今回の旅は魔法使いさんとですね」
「うん、皆が一緒なら私も楽しいよ」
魔法使いもというのです。
「やっぱり旅は一人よりもね」
「大勢の方が楽しいですよね」
「皆で行く方が」
「そうだよ、だからね」
それ故にというのです。
「一緒に仲良く楽しもう」
「そして青龍のところに行って」
「そうしてですね」
「彼にどうして北にいるのか聞いて」
「そして東に帰ってもらう」
「マンチキンの国に」
「そうしよう」
旅の目的は決まっていました、それならです。
魔法使いは自分の魔法の道具を鞄の中に入れていきます、まるでピクニックの用意をする様にしてです。
そしてその魔法使いと今から冒険に行くことが決まっておはしゃぎの五人を見てです、カエルマンはケーキに言いました。
「僕も行きたいね」
「カエルマンさんもですか」
「うん、そう思えてきたよ」
こう言うのでした。
「行ってもいいかな」
「それなら私も」
ケーキも申し出るのでした。
「ご一緒に」
「えっ、君もなんだ」
「最近ずっと村にいて冒険に行っていなかったので」
「だからなんだ」
「こうしていますと行きたくなりました」
だからだというのです。
「一緒に」
「そうなんだ、それじゃあ」
「はい、じゃあオズマ姫にお願いしましょう」
二人もというのでした、そして二人も申し出ますと。
オズマは二人にも笑顔でどうぞと言ってくれました、これで旅のメンバーが決まりました。
「さて、それじゃあね」
「うん、私達八人で行こう」
カエルマンは魔法使いに笑顔で応えました。
「そうしよう」
「それではね」
こうお話を決めてでした、そのうえで。
一行はオズマ達と笑顔で一時の別れを告げてギリキンの国に向かうのでした。そこにいる青龍に会う為に。
花のパズルは無事に組み終わったみたいだな。
美姫 「みたいね。次は別のパズルかと思ったけれど」
ひとまず、それは明日にという事に。
美姫 「まあ結局はそのパズルは出来ない事になったけれどね」
まさかの事件発生だな。
美姫 「今度は青龍の登場よ」
一体、なぜこんな所に現れたのか。
美姫 「次回も待っていますね」
待っています。