『黄金バット』




            第六十四話  メンインブラック香川の雨

 香川県は今大変なことになっています、何と雨が殆ど降らないのです。このことは香川県の夏ではよくあることで皆貯水池を頼りにしていました。
 ですが突如としてでした。
「何だ、雨が降ったぞ!」
「しかし何だこの雨土砂降りじゃないか!」
「当たると痛い位だ!」
「しかも延々と降り続けているぞ!」
「このままだと洪水だ!」
 香川の人達はその大雨、ゲリラ豪雨の何倍も激しい雨にびっくりしました、それで何だと思っているとです。
 何と徳島市の上空にメンインブラックが現れました、漆黒の魔人は腕を組み雨が降り注ぐ空の上に立っています。
「メンインブラック!?」
「まさかこの雨はあいつが!?」
「何てことだ!」
「あの魔人の仕業か!」
「その通り!」
 魔人は人々の疑惑の声に高らかに答えました、もう県中が水浸しになっていてどの川も氾濫が心配されています。
「この雨は私が降らせているのだ!」
「やはりそうか!」
「こんなことは魔人以外に出来ないぞ」
「そしてか」
「香川県を水浸しにするつもりか」
「私を倒さない限り雨は降り止まない」
 即ちこのままでは水害が起こるというのです、誰もがそう聞いてこれは大変だと確信しました。
「洪水が起こるぞ」
「県中で起こってしまうぞ」
「魔人を倒さないとそうなる」
「大変なことになるぞ」
 誰もがそうなるとわかりました、そして豪雨の中県民の人達は警察や自衛隊、消防署の人達も含めて手に武器を持ってです。
 そのうえで魔人に向かわんとします、高松市の魔人の下そして周りに集まり攻撃しようとします。
「魔人をやっつけるぞ」
「幾ら相手が魔人でも負けるものか」
「皆で力を合わせれば魔人だってやっつけられず筈だ」
「この豪雨の中でも」
「絶対に出来る」
 皆身構えて攻撃しようとします、当たると痛い位の大雨なので傘やレインコートではどうにもなりません。飛行機や車に乗っている人達以外は濡れ鼠でそうしったものに乗っている人達も視界が雨で碌に見えません。
 ですがそれでもです、誰もが果敢に戦おうと身構えて攻撃を仕掛けようとします、ですがここででした。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「この声は!」
「まさか!」
「あそこだ!」
「あのビルの上だ!」
 見れば高松市の一番高いビルの屋上にでした。
 そこに黄金バットがいました。黄金バットは裏地が赤い黒マントをたなびかせ両手を腰にやって高笑いしています。
 黄金バットは高笑いの後で右手にステッキを出して空高く掲げました、するとステッキの先の黄金色に輝く宝石からでした。
 眩い七色の光線が放たれました、光線が雨を降らせる暗雲に届くと何と。
「雨が止んだぞ」
「当たると痛い位の雨が止んだぞ」
「前がよく見える様になった」
「よし、今だ」
「攻撃出来るぞ」
「この機会を逃すな」
「黄金バットが作ったその機会を」
 皆今まさにその時だと確信しました、そしてです。
 メンインブラックに攻撃を仕掛けます、陸と空から攻撃を受けた魔人は空中でバリアーを出してそれで防ぎますが。
 攻撃があまりにも激しく防ぎきれません、それでなのでした。
 一瞬苦いお顔になったかと思うとすぐに身体を翻しそのうえで姿を消しました、すると暗雲が晴れてでした。
「雨が止んだぞ」
「県全体がそうなった」
「魔人が去ったからだ」
「その為だ」
「倒せなかったが退けた」
「そうなったんだ」
 誰もが確信しました、そして晴れ渡った青空に向かってです。
 黄金バットは両手を思いきり前に出して飛び上がりそのまま大きな一の字になって飛びました、そのまま何処かへと飛び去っていきます。人々はその黄金バットにです。
「黄金バット有り難う」
「今回も助けてくれて有り難う
「本当に有り難う」
 誰もが黄金バットに感謝の声を贈ります、そしてです。
 雨が止み沢山の雨の後のお水が残り虹が姿を表しました、皆その虹も見てそうして黄金バットを讃えるのでした。


黄金バット第六十四話   完


                 2025・7・27








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