『黄金バット』




            第五十四話  メンインブラック桜島の死闘

 鹿児島県の桜島、常に噴火して火山灰を出しているこの火山の山頂にです。
 何とメンインブラックが出てきました、誰もがこの真人の登場に眉を顰めさせました。
「まずいぞ」
「何をするかわからないぞ」
「すぐにやっつけるんだ」
「さもないと大変なことになるぞ」
 誰もがメンインブラックのとんでもなさは知っています、その恐ろしい力を使って悪いことばかりすることをです。
 だから誰もがすぐにこの魔人を何とかしようと桜島に向かいました、船を出してヘリコプターに乗ってです。
 桜島に来ました、そして噴火なぞ恐れずにです。
 メンインブラックに向かいます、ですが魔人はその彼等に対して桜島の頂上から邪な笑顔で言うのでした。
「無駄だ、私がここから溶岩を出せばどうなる」
「桜島を噴火させてか」
「溶岩を出すというのか」
「我々に対して」
「それだけではない」
 魔人は自分の言葉にまさかとなった人々にさらに言いました。
「火山を大噴火させてだ」
「まさか地震を起こすのか」
「この鹿児島県で」
「そうするつもりか」
「そうだ」
 魔人は不敵な笑みを浮かべて宣言しました。
「これよりな、だが近寄ればだ」
「溶岩を出してか」
「我々をその中で焼き尽くすか」
「そうするつもりか」
「そして空と海もだ」
 さくら縞の周りを無数のヘリコプターや飛行機それに船が囲んでいます。魔人はそういったものに乗っている人達にも言うのでした。
「桜島から火山石を出して攻撃するぞ」
「くっ、何という奴だ」
「そこまでするのか」
「恐ろしい奴だ」
「早く何とかしないと桜島で大噴火を起こされるぞ」
「そうなっては大変だ」
「本当に地震が起こるぞ」 
 誰もがどうしたものかと頭を抱えました、ですが誰もがこれ以上魔人を放ってはおけないと決意しました。そうしてです。
「いや、やり方はある」
「溶岩が何だ」
「火山石が何だ」
「遠い距離からミサイルを撃つんだ」
「舌から頂上ぬ向けて迫撃砲を撃つんだ」
「そうして戦うんだ」
「そして魔人をやっつけるんだ」
 こうお話してです。
 皆で知恵を使ってです、魔人と戦う準備に入りました。すぐに迫撃砲やミサイルが用意され魔人に照準を合わせ。
 そのうえで攻撃を仕掛けます、ですが魔人は攻撃をお空を飛んでかわしバリアーや衝撃波まで出して凌ぎます。
「中々の攻撃だがこれではまだ足りないな」
「くっ、これだけの攻撃でもか」
「メンインブラックを倒せないのか」
「ではどうすればいいんだ」
「どうすればあの魔人を倒せるんだ」 
 駄目なのあか、皆は思いました。ですがその時です。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「!?この笑い声は」
「まさか!」
「黄金バットか!」
 見れば黄金バットでした、金色に輝く正義の使者は桜島の傍にある雲の上に両手を腰の横にやってマントをたなびかせて堂々と立っています、そうしてです。
 両手を自分のお顔の前でクロスさせてそのうえで両手を思いきり腰の横まで引いて胸を反らせるとです。
 その全身から無数の激しい雷が生じメンインブラックに向かいました。無数の砲弾やミサイルをかわし防いでいた魔人もです。
 そこに雷まで加わればたまったものではありません、そしてです。
 遂にです、苦々しい顔で言いました。
「こうなっては敗北を認めるしかない、また会おう」
「魔人が消えたぞ」
「姿を消したぞ」
 人々は魔人が忌々し気に言って右手を掲げて煙の様に消えたのを見て言いました、実際に魔人は何処かへと消えました。
 もう桜島には平穏が戻りました、そして人々は今回も自分達を助けてくれた黄金バットを褒め称えようとしましたが。
 正義の使者は雲の上からマントをたなびかせ颯爽と飛び上がると空の彼方に飛び去ってしまいました。こうして彼もまた姿を消しましたが。
 人々はそんな黄金バットを褒め称えずにはいられませんでした、人々を助けてもそれを誇らない彼のことを。そして鹿児島を感謝の言葉が覆うのでした。


黄金バット  第五十四話   完


                    2023・11・29








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