『黄金バット』




           第四十八話  ナゾー博士映画村の攻防

 京都太秦にある映画村は姜もお客さんで賑わっています、撮影にも使われるこの場所は本当に楽しい素敵な場所です。 
 橋やお白州、恐竜が出て来るお池に吉原等を巡って明治の場所にも行きます。お化け屋敷や食べるお店もあって皆で楽しんでいますと。
 その映画村の上空にでした、突如として。
「ロ〜〜ンブロンゾ〜〜」
「なっ、ナゾー博士!?」
「間違いないぞ!」
「赤青黄色緑の四つの目!」
「右手の三本指と左手の二本指!」
「UFOに乗っている!」
「ナゾー博士だ!」
「如何にも。今からこの映画村を私の映画の舞台にしよう」
 ナゾー博士は自分が乗っている円盤の上から言いました。
「私がこの場所を徹底的に破壊して跡地に私の基地を築いてな」
「馬鹿な、そんなことが赦されるか!」
「ここは時代劇を撮る場所だぞ!」
「皆が楽しく遊ぶ場所だ!」
「そんな場所を壊させてたまるか!」
「絶対に許さないぞ!」
 皆ナゾー博士の言葉に怒ってでした。
 何としてもこの場所を守ろうとします、ですが。
 円盤に乗ってお空にいるナゾー博士にどうすることも出来ません、石なんか投げても届きません。それで警察や自衛隊も呼びますが。
 拳銃やライフルそしてヘリコプターや戦闘機で攻撃しても博士の円盤はすいすいと飛んで攻撃をかわしてしまいます、ですがそれでもです。
 皆手に手に武器を持ってそのうえで何とか博士を撃退しようとしています、それは俳優さん達も同じで。
「ここは僕達の場所だ!」
「やらせないわ!」
「今までここで皆で頑張ってきたんだ!」
「映画村を壊させないわ!」
 お客さんそして警察や自衛隊の人達と一緒に何とか頑張ろうとします、映画村のスタッフの人達も出て来てです。
 皆一丸となってその場所を守ろうとします、そして何としても博士を退けようと決意したまさにその時でした。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「!この笑い声は!」
「間違いない!」
「他に誰が出すのよ!」
 笑い声は日本橋の方からでした、見ればです。
 橋の一番上の真ん中の部分にです、黄金バットが立っていました。いつも通り裏地が真っ赤な黒いマントをたなびかせ両手を腰にやって高笑いをしています。
 黄金バットは高笑いの後で、でした。
 颯爽と空に舞い博士が乗る円盤に対して右手に持って突き出したステッキの宝石の部分からです。
 白銀に輝くビームを出しました、それも何度も何度もです。そうして攻撃を仕掛けます。
 博士は円盤を必死に動かして避けます、ですが遂にそのビームが右の頬をかすめてでした。博士は悔しそうに言いました。
「これ以上は無理か、退くとしよう」
「博士が去るぞ」
「映画村から退くぞ」
「映画村は守られたんだ」
「君達のこの場所を想う気持ちが黄金バットを呼んだか」
 博士は退散しつつ言いました。
「こうなっては私の負けだ、またあらためて君達の前に出よう」
「そうか、僕達が映画村を守るうと思って」
「そして一致団結したからか」
「黄金バットが来てくれたんだ」
「私達の気持ちを知って」
 見れば黄金バットはもういません、博士が退散したのを見て自分も去った様です。
 ですがそれでもです、皆黄金バットに心から感謝しました。
「黄金バット今回も有り難う」
「私達の気持ちに応えてくれて有り難う」
「来てくれて有り難う」
 自分達の気持ちを知って来てくれた彼に感謝するのでした、そして映画村はまた皆が撮影をして楽しく遊んで過ごす場所に戻ったのでした。


黄金バット 第四十八話   完


                  2022・12・7








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