『黄金バット』
第四十二話 黒バット水族館での攻防
三重県は海に面しています、その為立派な水族館もあります。
特に鳥羽の方にはダイオウグソクムシやラッコ、スナメリやバイカルアザラシもいることで有名な水族館があります。
この水族館にはいつも沢山の人が来て色々な海や湖、川の生きもの達を見て楽しんでいます。その水族館で。
沢山の人が多くの建物の外にいる生きものや施設も観ています、とても広い水族館の中で楽しんでいますが。
突如です、水族館のある建物の上に。
「ククククククククククククククククククククク!!」
不気味な笑い声と共にです。
黒バットが腕を組んで姿を現しました、皆黒バットを見て仰天しました。
「黒バットが出て来たぞ!」
「今度は何をするつもりだ!」
「どんな悪巧みを考えている!」
「水族館を破壊するつもりか!」
「多くの生きものの命を奪うつもりか!」
皆驚いてそうしてでした。
水族館の生きもの達を守ろうとします、しかし。
黒バットは空高く自身のステッキを掲げました、すると。
空は忽ち暗雲に覆われそのうえでゴロゴロと雷を鳴りだしました、雷は次から次に落雷が水族館を襲いました。
落雷は水族館にある避雷針に防がれています、ですがあまりにも多くて避雷針ももちそうにありません。
皆それを見て不安になりました。
「ここまで落雷が多いと」
「水族館ももたないぞ」
「落雷の衝撃で電気が止まる」
「水族館の中の自家発電があるにしても」
「それでも限界がある」
「電気が止まったら水族館はどうしようもないぞ」
その設備の全ては電気で動いているのです、ですから水族館で電気が止まると中にいる生きもの達も大変なことになります。
だからです、皆この落雷に恐れ慄きました、ですがそれでもです。
皆黒バットが落雷を起こしていることはわかっています、ですから黒バットをやっつけてこの危機を打開しようとしました。
「黒バットをやっつけろ!」
「黒バットをやっつけて落雷を止めるんだ!」
「そして水族館を救え!」
「水族館の生きもの達を守れ!」
水族館の職員さん達だけではありません、お客さん達もです。
皆決死の覚悟で魔人である黒バットに向かうことを決意しました、そうして力を合わせて一つになって黒バットに向かおうとしました。
ですがここで別の建物の上にです。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
あの高笑いと共にでした。
黄金バットが姿を現しました、両手に手を当ててそのうえで仁王立ちし胸を張っています。全身からは眩いばかりの光を放っています。
黄金バットは黒バットと対峙する場所にいます、そして。
彼もまた自身のステッキを空高く掲げました、するとです。
黒バットが起こしている無数の落雷は全て彼のステッキの上に落ちました、すると落雷は瞬く間になくなり。
黄金バットは黒バットに対して自身のステッキを向けました、落雷を起こして黒バットはすぐに彼にステッキを向けますが。
黄金バットの方が速かったです、彼がステッキから何かを放つ前にです。
黄金バットは受け止めた雷を全て集中させて黒バットに一気に放ちました、すると黒バットはひらりと上に飛び上がって雷をかわしました。
それで形勢不利と見た黒バットは飛び上がったのを機としてかそのまま飛んで何処かへ去っていきました。それを見届けてです。
黄金バットも空に舞い上がりそのうえで姿を消しました、もう落雷は起こらず水族館は救われました。
「助かったぞ」
「黄金バットのお陰だ」
「黄金バットのお陰で水族館は救われた」
「水族館の生きものは救われた」
「今回も黄金バットに助けてもらった」
「本当に有り難いことだ
「黄金バット有り難う」
自然と彼への感謝の言葉が出ました。
「黄金バットのお陰で皆救われた」
「水族館の多くの命が救われたんだ」
「今回も黄金バットにお礼を言おう」
「水族館の多くの生きもの達に代わって」
皆こう言ってでした。
黄金バットに深い感謝の心を持ち言葉として述べました、黄金バットは何も言いませんが皆そうしました。空は晴れもうそこには雷なぞ何処にもありませんでした。
黄金バット第四十二話 完
2021・9・29