『黄金バット』




           第三十七話  ナゾー博士恐怖のロボット兵団

 下関に近い山から物凄い数の銀色のロボット達が来ました、ロボット達は一直線に下関の街に向かっています。
 右手にはガン、左手にはビームソードがあります。その如何にも物騒で禍々しい顔をしたロボット達に皆恐れ慄きました。
「あのロボットは危ないぞ」
「絶対に人を襲うつもりだ」
「近寄ったら駄目だ」
「近寄ったら大変なことになるぞ」
 皆ロボットの大群の前から逃れます、ですがその間にもロボット達は下関の街に近付いてきていて街の人達は避難をはじめました。
「逃げるんだ!」
「今ならまだ間に合う!」
「ペットも連れて逃げろ!」
「ロボット達の前から逃げろ!」
 皆必死に避難の準備をします、そうして避難にかかります。皆その状況の中でどうして突然ロボット達が出て来たのか考えました。
「どうしてなんだ?」
「どうして急にロボット達が出て来たんだ?」
「誰があんなもの造ったんだ?」
「また魔人の誰かが造ったのか?」
 皆こう考えていた時にです。
 何とロボット達の上にUFOが出てきました、そのUFOにはナゾー博士が乗っていました。
「ロ〜〜ンブロンゾ〜〜」
「ナゾー博士!」
「あのロボット達はナゾー博士が造ったのか!」
「そしてそのロボット達で下関を破壊するつもりか!」
「そうなのか!」
「その通りだ」 
 ナゾー博士もこう答えました。
「私は下関の街を破壊し尽くす為にこのロボット達を造ったのだ」
「やはりそうか!」
「ナゾー博士が出て来たならそうだと思ったが」
「下関の街を破壊し尽くすつもりか!」
「そのロボット達で!」
「この無敵のロボット達に立ち向かうなら来るがいい」
 ナゾー博士はUFOの上から言いました、相変わらずの異形の姿でUFOに乗っています。
「だが勝てるかな」
「くっ、言ってくれる」
「しかしあのロボット達は如何にも強そうだ」
「かなり危ないぞ」
「迂闊に攻めても勝てないぞ」
「あのロボット達には敵わないぞ」
 皆ロボット達のその武器と頑丈そうな身体を見て言います、実際にロボット達は前にあるもの全てをその武器や手足で容赦なく破壊し何にぶつかっても平気です。自衛隊も上からヘリコプターや戦闘機でミサイルや機関砲で攻撃しますが。
 全く通じません、そうこうしている間にもロボット達は下関の街に迫ってきています。街の人達はもう皆避難していますが。
 街は破壊されてしまう、皆諦めかけました。
「もう駄目だ」
「下関の街は壊されてしまう」
「徹底的に破壊されてしまう」
「ミサイルも機関砲も通じないんだ」
「これはどうしようもない」
 下関の街は壊された後で復興しよう」
 皆こう考えた時にでした。
 ふとです、下関の一番高い建物の上からでした。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
 宝かな笑い声と共にです、あの謎のヒーローが姿を現しました。裏地が赤い漆黒のマントをたなびかせ両手を腰に置いています。
 そのヒーローを見てです、皆は言いました。
「黄金バット!」
「黄金バットが来たぞ!」
「黄金バットが来てくれたぞ!」
 皆口々に言いました、何とそこには黄金バットがいたのです。
 黄金バットはその場からステッキを高々と上に掲げました、するとでした。
 ロボット達の上に次々と雷が落ちました、そうしてロボット達は雷に撃たれてバラバラに壊されていきました。
 ロボット達の上空にいるナゾー博士はUFOを右に左に動かして雷をかわします、ですがロボット達はそうはいかず。
 忽ちのうちに全てのロボット達が破壊されて粉々になってしまいました、ナゾー博士はその状況を見て言いました。
「今回は私の負けだ、無敵のロボットも超能力を宿した雷には勝てない」
「そうなのか、あのロボット達も黄金バットの雷には勝てないか」
「そうだったんだな」
「だから黄金バットは雷を落としたか」
「そうしてロボット達を倒したんだな」
 皆もその状況を見てわかりました、そしてです。
 敗北を認めたナゾー博士は何処かに飛び去ってしまいました、そしてです。
 ナゾー博士が去ったのを見届けた黄金バットもマントを翻し全身を覆うとその中に姿を消しました、こうしてです。
 戦いは終わり下関の街は救われました、そうしてです。
 その全てを見届けた人々は黄金バットに感謝して言いました。
「黄金バット有り難う」
「今回も助けてくれたな」
「下関は貴方が救ってくれた」
「私達はこのことを何があっても忘れないよ」
 口々に言いました、そうしてです。
 皆で黄金バットを讃えました、颯爽と現れて下関のピンチを救ってくれた彼に心から感謝して。そのうえでそうしました。


黄金バット第三十七話   完


                 2020・11・15








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