『黄金バット』
第二十八話 ナゾー博士仙台の空を覆う怪物体の編隊
今仙台の空は大変なことになっていました、何と空をUFOの大群が覆っていました、そしてです。
仙台の全てのテレビやパソコン、スマートフォンに赤と青、緑と黄色の四つの目に三本指の右手に二本指の左手を持つUFOに乗った真っ黒の人姿を現しました。皆その人とはとても思えない姿を見て言いました。
「ナゾー博士!?」
「またこの博士か!」
「今度は何をするつもりだ!」
「一体何を企んでいる!」
「ロ〜〜ンブロンゾ〜〜」
テレビやパソコンのナゾー博士はまずはいつもの言葉を出しました、そうしてそのうえで驚く人達に言うのでした。
「今仙台を覆っているUFOは全て私が造り出したものだ」
「くっ、何かと思えば」
「あのUFOはナゾー博士のものか」
「そういえばこの博士のしそうなことだ」
「そしてどうせ碌なことしないな」
「この博士のことだからな」
「私は今日の夜の十二時にUFOの大群で仙台に総攻撃をはじめる」
博士は今このことを宣言しました。
「それが嫌なら防ぐことだ」
「またとんでもないことをするな」
「相変わらず酷いことをしようとする」
「魔人だけあるな」
「今日の十二時か」
「その時に仕掛けるつもりか」
「仙台の街を破壊されたくなければUFOを全て破壊することだ」
画面の中の博士は言うのでした。
「そうすれば仙台の街は助かる」
「それならだ」
「ここは何とかしないと駄目だな」
「仙台の街を助ける為だ」
「自衛隊に出動してもらおう」
「あの人達だけでないと駄目だ」
こう言ってです、皆はナゾ―博士のとんでもない行いを食い止める為に自衛隊に出動をお願いしました。するとです。
すぐに陸空海三つの自衛隊が仙台の空を覆うUFOの大群に対して総攻撃をはじめました、ですがその時にです。
肝心の仙台の市長さんはといいますと。
「えっ、何処に行ったんだ?」
「市長の姿が見えないぞ」
「あの女の市長は何処だ」
「何処に行ったんだ」
ですがこの市長さんは探してもいません、ですがそれでも仙台の人達もです。
皆自衛隊の人達と一緒にUFOの大群に向かえます、この人達は戦えないですが自衛隊の人達に差し入れをしたりUFOへの攻撃の合間に休める場所を提供したりしてです。
自衛隊の人達に協力しました、それで自衛隊の人達は全力で戦えました。
ですがUFOの数はあまりにも多く十二時までにはとても全て倒せそうにもありません、そして画面にまたです。
ナゾー博士が出て来てです、こう言うのでした。
「夜の十二時まで攻撃はしないが」
「それでもか」
「十二時になればか」
「攻撃を仕掛けるか」
「そうするというのか」
皆ナゾ―博士の考えをすぐに察しました。
「それはまずい」
「十二時までにUFOを全て撃墜しないと」
「今総理府から仙台を何とか守れと指示があったらしいぞ」
「市民の避難も急がせろと」
「知事もそう言っているぞ」
「けれど市長は何処に行ったんだ」
「あの元マスコミの市長は」
今も市長さんの姿は見えません、連絡もつかないのです。
「こんな大切な時に」
「自分が市長の街が大変なんだぞ」
「こんな時こそ何かすべきじゃないのか」
「陣頭を切って指示を出すべきじゃないのか」
「それがどうしてだ」
「市長は何処に行ったんだ」
「姿が見えないのは何故だ」
「連絡が全くつかないぞ」
仙台の街を誰よりも守るべき人がいません、このことが市民の人達を不安にさせています。ですがその間にもです。
自衛隊の人達は頑張ってUFO達を撃墜しています、どのUFOも撃墜されると空中で爆発四散してお空に消えていきます。
ですが本当に数が多くて倒しきれません、首相官邸からも宮城県の知事さんからも市民の人達に必死にです。
避難の指示を出して警察の人達が誘導しています、そうしていますが。
十二時になろうとしていました、ここで三度ナゾ―博士が出てきてでした。そうしてまた言うのでした。
「予告通り十二時になればだ」
「いよいよか」
「仙台の街に総攻撃か」
「それを仕掛けるか」
「そうするというのだな」
「私は言ったことは必ず行う」
とても冷徹な声で言うのでした。
「仙台の街を破壊する」
「急げ!」
「UFOを撃墜しろ!」
「市民達を安全な場所まで避難させるんだ!」
「もう時間がないぞ!」
「何とかするんだ!」
皆さらに必死になります、ですが。
遂に十二時になりました、そうして残っているUFO達が光まさに攻撃を仕掛けるのかという時にです。
仙台青葉城の天守閣の最上階の屋根にです、あの笑い声が聞こえてきました。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「この声は!」
「この声はまさか!」
「黄金バット!」
「黄金バットが来てくれたのか!」
見ればその通りでした、青葉城のそこにです。
黄金バットがいました、両手を腰に置きマントをたなびかせて立っています。その黄金バットがです。
右手のステッキを掲げました、するとです。
UFO達が放った無数の光線をステッキの先の宝石、ダイアの様に輝くそれで受けました。それを見てです。
皆驚いてです、こう言いました。
「これは!?」
「黄金バットが光線を受け止めてくれたのか」
「仙台の街を破壊しょうとするそれを」
「それを受けてくれたのか」
「それならだ!」
「今のうちだ!」
「UFO達を攻撃するんだ!」
自衛隊の人達は即座にでした、黄金バットが光線を受け止めてくれた隙にです。これを好機と見てでした。
総攻撃を仕掛けました、そうして残っているUFO達を一掃しました。するとナゾー博士は画面で言うのでした。
「今回は私の負けだ、今は退こう」
「負けを認めるのか」
「今回のそれを」
「ならか」
「それで退くのか」
見ればその通りでした、ナゾ―博士は画面から消えてです。そうしてそのうえで仙台の空のUFOもいなくなり。
博士もいなくなって皆仙台に迫っていた危機が去ったことを実感しました、ですが仙台の街を救った黄金バットはです。
街の危機が去るとすぐに夜空に飛んで去ってしまいました、皆はその皆に言うのでした。
「今回も助けてもらったな」
「黄金バットに助けてもらったな」
「感謝しないとな」
「今回のことも」
「本当によかったよ」
「今回も有り難う」
「黄金バット有り難う」
自衛隊の人達も市民の人達も警察の人達もです、首相官邸にいた人達も宮城県の知事さんも皆黄金バットに心から感謝しました。そうして騒動の後始末にかかるのでした。
後でわかったことですが市長さんは危機が起こると自分だけ真っ先に仙台市から出て逃げていました、このことがわかって市長さんは徹底的に叩かれてリコールから辞任に追い込まれました。ですが危機に勇敢に立ち向かった人達は黄金バットと一緒に讃えられました、勇気のある人達として。
黄金バット第二十八話 完
2019・5・1