『ドリトル先生と日本に来た仲間達』




                第一幕  これまでを振り返って

 今ドリトル先生は自宅で皆と一緒にいます、動物の皆にトミー、王子、マシュー=マグ夫妻といった面々です。
 皆で注文したお寿司を食べつつです、先生は笑顔で言いました。
「お寿司美味しいよね」
「いや、イギリスにもありますけれどね」
 マグ氏が笑ってこんなことを言いました。
「壮絶ですよね」
「うん、日本のお寿司と全然違うね」
 先生は鮪を食べつつ応えました。
「お握りみたいだったりケーキみたいな形だったり」
「違うんですよね」
「イギリスはよくお料理で言われるけれど」
「お寿司でもですね」
「何かが違うとね」
 その様にというのです。
「言われるね」
「そうですよね」
「イギリスらしいと言えばらしいけれど」
「困ったことです、しかし」
 マグ氏は奥さんと一緒にいます、そして今は数の子を食べつつ言います。
「こうして本場のものを食べますと」
「お寿司がどういったものかわかるね」
「全くです、美味いですよ」
「私もそう思うよ」
「しかしですね」
 奥さんがここでこう言ってきました。
「イギリスにいた時も楽しかったですね」
「ああ、色々あったよな」
 マグ氏は蛸を食べる奥さんに応えました。
「いつもな」
「それで楽しかったわね」
「全くだな」
「そしてね」
 そのうえでとです、奥さんはさらに言いました。
「いい思い出になっているわね」
「今思うとな」
「先生は特にでしょうね」
「そう言われると」
 先生も確かにと頷きました。
「アフリカにも南米にもアフリカにも月にも行ってね」
「郵便局やサーカスや動物園をやったりね」 
 王子は穴子を食べつつ応えました。
「本当に色々あったね」
「全くだね」
「日本に来てからも色々あったけれど」
「イギリスにいた時もだね」
「というかね」 
 王子はさらに言いました。
「あの頃はもうスリル満点のこともね」
「多かったね」
「大冒険の日々だったね」
「今思うとね」
「そしてね」
「数多くのピンチを乗り越えたね」
「危機一髪で」
 王子は実際にそうした時のことを思い出しつつお話しました。
「大変だったね」
「一歩間違えるとどうなっていたか」
「そんな事態も常で」
「よく生きていたよ」
 先生は笑ってお話しました。
「皆ね」
「はい、本当に色々ありましたね」
 トミーも言いました。
「先生のお友達の生きものも」
「そう、間一髪なんてことがね」
「凄く多くて」
「皆よく無事だったよ」
「それが日本に来たら」
「むしろ驚く位平和になって」
 それでというのです。
「驚く位だよ」
「昔と比べて世界も学問も色々わかったしね」 
 王子が鮭を食べているトミーの横から言いました。
「危険についての知識も豊富になって」
「うん、そして総合的に見て戦争も減ったしね」
「まだあるにしてもね」
「私達がイギリスにいた頃と比べると」 
 現代はというのです。
「平和だよ、特に私達は日本にいるけれど」
「日本は平和で治安もいいから」
「尚更だよ」
「そんな出来事がないね」
「間一髪なんてことがね」 
 まさにと言う先生でした。
「猟銃でズトンなんてことも滅多にないし」
「日本って銃の扱い厳しいからね」
 トートーはそれでとお話しました、動物の皆もお寿司を食べています。
「それもかなり」
「銃刀法ってあって」
 それでと言うダブダブです。
「刀もそうは持てないわよ」
「お侍の国なのにね」
 ガブガブは笑って言いました。
「刀にも厳しいね」
「お巡りさんも自衛官の人達も滅多に撃たないわよ」
 ポリネシアはそれでとお話しました。
「そうはね」
「猟師さんになるのも厳しいし」
「なっても色々制約あるのよね」
 チープサイドの家族もお話します。
「日本だと」
「イギリスや他の国よりも遥かに」
「そうした国だからね」
 老馬はそれ故にとお話します。
「その分治安がいいね」
「警察もしっかりしているし」
「それもかなり」
 オシツオサレツは組織のお話をしました。
「悪いことをすれば捕まるし」
「お巡りさんがすぐに来てね」
「暴動とかもないしね」
 チーチーはそれでと言います。
「デモも滅多におかしなのないし」
「おかしな人はいても少しだし」
 ホワイティはテロリストのことを思い浮かべて言いました。
「大抵の人は暴力に訴えないこともいいことだよ」
「そんな国だからね」
 それ故にと言うジップでした。
「僕達も平和でいられるよ」
「労働者の暴動や植民地の叛乱、部族との衝突なんて」  
 それこそとです、先生はイギリスにいた時のことを思い出しました。そして悲しいこともあったことを思い出しつつ言うのでした。
「ないしね」
「あの頃のイギリスは世界中に植民地もあって」
 王子は今は納豆巻気を食べています、そのうえでの言葉です。
「それぞれの部族同士や現地のイギリス人との衝突があったり」
「国内でもね」
 先生は悲しいお顔でイクラを食べつつ言いました。
「貴族の人達の中によくない人がいたり」
「ラッダイト運動があったりね」
「何かとね」
「大変だったね」
「繁栄していたけれど」
 それでもというのです。
「大変なことも多かったよ」
「物騒だったね」
「ええ、物凄かったですよね」 
 マグ氏は烏賊を食べつつ応えました。
「今思うと」
「全くだね」
「あの頃のイギリスは」
「繁栄の裏でね」
「物騒なことがやたら多かったです」
「そうだったよ。けれどね」
「日本は違いますね」
「あの頃のイギリスと同じ位繁栄していてね」
「かつ平和ですね」
「当然日本にも社会問題はあるけれど」
 それでもというのです。
「あの頃のイギリスよりはね」
「ずっと少なくて深刻でもないですね」
「軍隊、自衛隊が出ることがあるとしたら」
「災害が起こった時ですね」
「災害は仕方ないよ」
 こちらのことはというのです。
「もうね」
「そうですね」
「日本の災害の種類と頻度の多さは」
「世界最悪ですね」
「平和でもね」 
 先生は困ったお顔になって言いました。
「それは仕方ないよ」
「全くでさあ」
「本当に多いですね」 
 マグ氏の奥さんも言います、今食べているのはカレイです。
「災害は」
「地震、台風、火山の噴火、落雷、山火事、津波、雪崩、大雨。大雪、洪水と」
「それもいつも起こって」
「日本にいますと」
 どうしてもというのです。
「災害からは逃れられません」
「どうしてもですね」
「はい」
 そうだというのです。
「私達が今いる神戸にしましても」
「一度大地震に遭っていますしね」
「歴史に残る様な」
 そうしたというのです。
「とんでもないものが」
「確かに災害は滅茶苦茶多いけれど」 
 王子は海胆を食べて言いました。
「災害が起こっても混乱はないね」
「うん、いつも皆冷静だね」
「暴動も略奪も起こらないで」
「平和だよ」
「凄いことだよ」
「災害がわかっていてね」
「怒った時の対処も慣れているね」
「国全体でね、それでね」 
 そうであってというのです。
「平和なんだよ」
「災害が起こっても」
「そうだよ、そして自衛隊が出るのは」
「その災害の時だね」
「そうした時で」
 そうであってというのです。
「他のことで出ないよ」
「災害が多くても」
「その災害の時も混乱は起きないし」
 このこともあってというのです。
「本当に平和な国だよ」
「そうですね」
 トミーも鰯を食べつつ応えました。
「日本は」
「その日本にいるからね」
「今の僕達は平和ですね」
「そうだよ、そして世界全体を見ても」
「あの頃より平和ですね」
「そうなっているよ」 
「まだ戦争はあっても」
 トミーは先生に言いました。
「相対的に見てですね」
「私達がイギリスにいた時と比較してね」
「戦争自体は減っていて」
「流れる血もね」
「減っていますね」
「そうだよ、あの頃はね」
 先生は悲しいお顔になって言いました。
「今よりずっとあちこちで戦争があって」
「沢山の血が流れていましたね」
「そうだったからね」
「イギリスもそうで」
「日本だってね」 
 先生はまた自分達が今暮らしている国のお話をしました。
「そうだったね」
「幕末は大変でしたね」
「そして二十世紀の半ばまでだよ」
「西南戦争があって」
「日清、日露の戦争があってね」
「二度の世界大戦があって」
「大変だったよ」 
 多くの戦争があってというのです。
「けれど日本も今は平和で世界全体を見ても」
「戦争の数や怒っている場所は減りましたね」
「ずっとね、そのことは事実だよ」
 紛れもなくというのです。
「そして世界でもお互いの人達があの頃以上にお互いを知る様になって」
「相互理解も進んでいますね」
「文化、民族、人種、宗教、習慣や文明について」
 そうしたもの全てにおいてというのです。
「まだまだとしか言えないけれど」
「あの頃と比べますと」
「ずっとね」
 それこそというのです。
「進んだよ」
「そうですね」
「西洋文明やキリスト教の押し付けなんてね」
「間違っているって認識されていますね」
「そうもなってきているしね」
 現代はというのです。
「本当にね」
「そうですね」
「あの頃より今の方がいいですね」
 マグ氏はトロを食べながら思いました、お顔が神妙なものになっています。
「そう考えると」
「そうだね」
 先生は貝柱を食べつつ頷きました。
「こうしてお話して考えていくとね」
「そうですね」
「だからね」
 それでというのです。
「今の私達は平和であの頃のピンチの連続はね」
「縁が遠くなっていますね」
「そうなっているよ、けれど何かあれば」
「その時はですね」
「またそうなるかも知れないよ」
 あの頃の様にというのです。
「そうした地域はまだあるしなったりもするからね」
「日本もですね」
「おかしなことになれば」
 その時はというのです。
「なるかも知れないよ」
「そうですね」
「だからね」 
 それでというのです。
「その時になれば」
「また皆で、ですね」
「乗り切ろう」
「危機を」
「そうしようね」
 先生が笑顔で言うと、です。皆が先生を囲んでそのうえで先生に言ってきました。
「若し何かあれば」
「その時の僕達だよ」
「先生が困っていれば助けるからね」
「全力を尽くしてね」
「そうするからね」 
 こう先生に言うのでした。
「本当にね」
「あの頃の冒険はいつもそうだったね」
「皆で乗り切ってきたね」
「先生の知識に知恵と僕達それぞれの力」
「それを使ってね」
「だから先生が知識と知恵を出せば」
 その時はというのです。
「僕達も頑張るから」
「先生を助けるよ」
「そして皆で乗り切ろう」
「幸せなままね」
「そうしていこう」
「是非ね」
 まさにというのです。
「私達皆がいるから」
「先生は安心していいよ」
「知識と知恵を出してくれたら」
「乗り切れるよ」
「私もあの頃は格闘も出来たけれど」
 それでもと言う先生でした。
「今はね」
「出来ないね」
「もうスポーツはからっきしで」
「それでだね」
「格闘も出来なくなったね」
「乗馬と水泳は出来ても」
 それでもと言う先生でした。
「他のことはね」
「そうなったね」
「特に格闘なんてね」
「今はすっかり駄目で」
「出来なくなったね」
「そうなったよ、体格は当時の貴族階級から見れば小柄でも」 
 そうであってもというのです。
「今の日本ではね」
「一八〇でね」
「充分だね」
「大きい方だね」
「当時の日本人と比べてもあの頃の私は大きくて」
 そうであってというのです。
「今の私もね」
「大きいからね」
「今もイギリス貴族の人から見れば小柄でも」
「あちらの王太子さんだって結構高いしね」
「先生よりもで」
「日本では高い方だよ、けれどね」
 それでもというのです。
「これがね」
「スポーツになるとね」
「どうもね」
「からっきしだね」
「そうだよ」 
 自分から言います。
「本当にね」
「それで僕達だよ」
「先生、任せてね」
「それぞれの力を使うから」
「いざという時は」
「お願いするよ、ただ」
 ここで先生はふと思い出して言いました。
「皆以外の生きものにも助けてもらったね」
「そうだね」
「皆頑張ってよね」
「助けてもらってね」
「助けもしたね」
「覚えているよ、彼等のこともね」
 先生は懐かしむお顔でお話しました。
「今もね」
「助けて助けられて」
「色々なピンチヲ乗り越えてきたね」
「先生も僕達も」
「そうだったね」
「うん、アフリカでも南米でも」
 そうしてというです。
「月でもね」
「それで先生が月に行っている間に僕は祖国に帰っていたんだ」
 王子が言ってきました。
「暫くお別れだったね」
「そうだったね、あの時は」
「今は日本で一緒にいるけれど」
「そうなったね」
「月に行くなんてね」
 王子は笑って言いました。
「とんでもないことだよ」
「私もまさか月に行くことになるなんて思わなかったよ」
「誰も思わないよ、ただね」
 王子はそれでもと言いました。
「アポロ十一号が到着した月とね」
「私が行って暫くいた月とは違うね」
「あれはどういうことかな」
「それは宇宙飛行士の人達が月の一部しか見ていないからだよ」
「到着して」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「月の殆どの部分にはまだ足を踏み入れていないから」
「違うんだね」
「実は月には多くの生きものがいて」
「食べると大きくもなってね」 
「身体がね」
「そう、私も大きくなったよ」
「巨人になったんだよね」
「そう、そして大きくなって」
 身体がというのです。
「元に戻ったと思ったら」
「二十センチ位大きくなっているね」
「そして今に至るよ」
「あの頃の先生当時の日本人から見れば高くて」
「今もだけれどね」
「そうなったのにはそうした理由があるね」
「そうだよ、そしてね」 
 そうであってというのです。
「今もね」
「一八〇あるね」
「そうだよ」
 王子に鮪を食べつつ言います、王子は今は蛸を食べています。
「そうなったよ」
「月ではそうもなったね」
「そう、そして月でもね」
「助けて助けられて」
「色々あったよ」
「そうだね」
「月にいた巨人も覚えているし」
 彼のこともというのです。
「皆のことは忘れないよ」
「ピピネラもですね」
 トミーは彼女の名前を出しました。
「緑のカナリアの」
「忘れる筈がないよ」
 これが先生の返答でした。
「彼女のこともね」
「彼女は大冒険を経て先生と出会いましたし」
「ペットショップでね」
「彼女は今元気でしょうか」
「元気だといいね、若しかしたら」
 先生は言いました。
「ふとしたことで再会出来るかもね」
「世の中そうしたことも多いですからね」
 トミーは鳥貝を食べつつ応えました。
「本当に」
「そうだよね」
「それでサラさんと何度ばったり出会ったか」
「不思議なことに私の都合の悪い時に出会ったね」
「イギリスにおられる間は」
「誰かとの出会いも神様のお仕事だからね」
「お導きですね」
 先生に応えて言いました。
「そうですね」
「そう、そしてね」 
 そうであってというのです。
「皆ともそうでね」
「サラさんともですね」
「そうであってね」
 そしてというのです。
「私にとって都合の悪い時に出会うのは」
「お導きでしたね」
「今思うとね」
「本当にいつもそうでしたね」
「時にはご主人も一緒でね」
「あの時は牧師さん専業でしたね」
「今は会社も経営しているけれどね」
 それでもというのです。
「そうだったね」
「そうでしたね」
「出会いと再会は神様のお仕事なら」
 それならと言う先生です。
「ピピネラ達ともだよ」
「再会することもありますね」
「そうなるかもね」
「そうなればいいですね」
 マグ氏はしめ鯖を食べつつお話しました。
「神戸でも」
「マグ氏ともだったしね」
「ええ、まさかですよ」
 先生に笑って言います。
「あっしが日本に来るなんて」
「それで働きながら暮らすなんてね」
「夢にも思いませんでしたよ」
「全くだね」
「けれど」
 それでもというのです。
「先生と再会出来てこうして一緒にいられて」
「嬉しいですよ」
 奥さんも言ってきました。
「本当に」
「そう言ってくれると私も嬉しいよ」
「そうなんですね」
「心からね」
 赤貝を食べている奥さんにお話します。
「そうだよ」
「いや、しかし先生の出会いって凄いよ」 
 ガブガブは笑顔でお話しました。
「サラさんやピピネラのことだけでなくね」
「有り得ない出会いが凄くあるよね」
 チーチーも言います。
「僕だって一旦アフリカに戻って今一緒にいるし」
「私だってそうだしね」 
 ポリネシアはチーチーに続きました。
「一旦アフリカに戻ってだから」
「僕なんか出会って今も一緒にいるしね」
「こうしてね」 
 オシツオサレツは二つの頭で言います。
「先生と会わなかったら」
「一体どうしているかわからないよ」
「犬達もだよ」 
 ジップはイギリスで一緒にいた彼等のことを言いました。
「今もイギリスにいるけれどね」
「そうそう、郵便局やサーカス団や動物園の皆もね」
 ダブダブが言います。
「今もイギリスにいるのよ」
「八条グループが慈善事業の一環として先生から活動を引き継いでくれてるね」
 トートーはこのことを言いました。
「有り難いことに」
「先生が日本に来る時にね」
「そうしてくれたわね」 
 チープサイドの家族がお話します。
「有り難いことに」
「それで皆いるね」
「慈善事業にも積極的なグループでよかったよ」 
 ホワイティは心から思いました。
「皆の面堂も見てくれて」
「馬の保護のこともしてくれて」
 老馬は心から感謝しています。
「有り難いよ」
「うん、出来た企業はちゃんと慈善事業もしてくれるよ」
 先生はお話しました。
「個人もだけれどね」
「そうだよね」
「そうした企業も多いよね」
「世の中には」
「日本だってね」
「税金対策の場合もあるけれど」
 それでもと言う先生です。
「その活動で皆が助かるならね」
「いいことだね」
「それなら全くだね」
「動機がどうであっても人が助かるなら」
 それならというのです。
「素晴らしいことだよ、逆に世界一のお金持ちでもね」
「悪いことばかりしてね」
「人や世の中を害することしかしないなら」
「人助けなんて夢にも思わないで」
「それならね」
「本物の悪人でね」 
 そうであってというのです。
「皆から嫌われて信用されなくなって」
「破滅するね」
「必然的に」
「そうなるね」
「そうなるよ」
 先生は必ずと言葉の中に入れてお話しました。
「確実にね」
「そうだよね」
「そうなるね」
「そんな人は」
「お金はすぐになくなるよ」 
 先生はこうも言いました。
「驚く位あっという間にね」
「幾らあってもね」
「そうだよね」
「先生だってそうだしね」
「もうあっという間になくなったから」
「いつもね」
「そのおかねにこだわるなんて」
 そうしたことはというのです。
「空しいよ」
「そうだよね」
「これ程空しいことはないね」
「世界一のお金持ちでも」
「そうなってもね」
「全く以てね」
 それこそというのです。
「そんな空しいことはないから」
「悪どくお金を儲ける」
「そればかりで他の人や組織を利用して儲ける」
「悪いことばかりする」
「そんな人生なんてね」
「何の意味があるのか」
 それこそというのです。
「わからないよ」
「そんな人もいるけれどね」
「世の中には」
「はっきり言ってそうだよ」
「何も意味もないわ」
「お金はすぐになくなるし」
「大体あからさまに悪いことばかりして」
 先生はお顔を曇らせて言います。
「底意地が悪くて下品で自分以外の人皆を徹底的に馬鹿にしていて権力欲も強い人を皆好きかな」
「まさか」
「そんな嫌な人そうはいないよ」
「皆嫌うよ」
「そうなるに決まってるわ」
「そう、実際にね」
 そんな人はというのです。
「世界一のお金持ちであっても」
「嫌われてね」
「信用もされなくて」
「相手にされなくなって」
「皆去っていくね」
「そうなったらお金なんてなくなるよ」
 そうなると、というのです。
「あっという間にね」
「嫌いな人のものなんて買わないし」
「まして悪いことしかしない人なら」
「信用出来ない人とお金のやり取りなんてしないし」
「絶対にそうなるわね」
「しかも驕り昂っていたら」
 そうでもあったならというのです。
「もうね」
「尚更だね」
「皆その人をさらに嫌いになって」
「それでだね」
「その人から離れていくわね」
「そうなることが絶対だよ、そんな人や会社よりも」
 先生は言いました。
「例え税金対策でもね」
「それが目的でもね」
「慈善事業をしている方がいいね」
「それで人が助かるなら」
「それならね」
「評判を高める為でもね」
 それが目的でもというのです。
「同じだよ」
「全くだね」
「そうでないとね」
「本当にね」
「そうだよ、しないよりする方がいいよ」 
 狙いはどうあれというのです。
「慈善事業も個人のボランティアもね」
「全くだね」
「それで人が助かるなら」
「それに尽きるわ」
「何と言ってもね」
「うん、そうなるよ」
 こうお話します。
「それで私がしてきたことを引き継いでくれてるなんて」
「嬉しいよね」
「そうして皆を助けてくれているから」
「八条グループは立派だね」
「いいグループよ」
「企業、そして企業グループもそれぞれで」 
 そうであってというのです。
「中にはそんな悪い人やグループもあるけれど」
「いい企業もある」
「グループもね」
「そこはそれぞれだね」
「そのことはわからないとね」
「そういうことだよ」 
 先生は皆に言います、そしてお酒も飲みますが皆飲んでいるのは日本酒です。先生もそのお酒を飲んで思うのでした。
「しかしお寿司に日本酒というのは」
「最高ですよね」
 トミーも飲みつつ言います。
「この組み合わせは」
「そうだね」
「茶碗蒸しもありまして」
 見ればそちらもあります。
「そしてです」
「日本酒もあるとね」
「最高ですね」
「お寿司にね」
「本当にそうですね」
「お寿司は日本のお料理でね」
 そうであってというのです。
「お米に魚介類だから」
「合うお酒になりますと」
「日本酒だね」
「そうですね」
「その辺りはそれぞれの好みでね」
「日本酒でないっていう人もいますね」
「うん、けれどね」
 それでもというのです。
「私達はね」
「日本酒がいいですね」
「そうだね」
「そう、そして」
 そうであってというのです。
「お寿司も進むよ」
「お酒も」 
 トミーは先生と一緒に日本酒を楽しみつつ応えました。
「そうなっていますね」
「全くだね、それに」
「それにですか」
「最後はデザートもあるけれど」
「きなこ餅ですね」
「あちらも楽しみだね」
「お店で買ったものですが」 
 そのきなこ餅はです。
「美味しいですね」
「そうですよね」
「そう、そして」 
 そうであってというのです。
「皆今日はうちに泊まるのかな」
「いえ、今日はお食事が終わりましたらお暇させて頂きます」
 いつも王子の傍に控える執事さんが答えました。
「そうさせて頂きます」
「そうですか」
「僕達はね」 
 王子も言います。
「また明日ね」
「そのお気持ちだけ受けますよ」
 マグ氏も言いました。
「あっし等も」
「お家に帰って休むんだね」
「そうしますよ」
 こう先生に言います。
「あっちも女房も」
「お寿司もお酒もいただいたうえ一泊までなんて」 
 奥さんも先生に言いました。
「流石に」
「遠慮はいらないけれどね」
「好意を受け過ぎるのもね」 
 王子はこうも言いました。
「どうかだし」
「それでなんだ」
「うん、今日はこれでね」
 飲んで食べてというのです。
「それでだよ」
「まただね」
「今度は僕がご馳走するね」
「そうしてくれるんだ」
「しゃぶしゃぶでもね」
「ああ、あのお料理だね」
「しゃぶしゃぶも美味しいよね」
 先生に笑顔で尋ねました。
「そうだよね」
「私も好きだよ、しゃぶしゃぶは」
 先生は今はトロを食べつつ答えました。
「すき焼きも好きでね」
「それじゃあね」
「うん、その時は宜しくね」
「あらためてね」
「いや、今日もね」
 先生はまたお酒を飲んでまた言いました。
「楽しいね」
「そうだよね」
「最高にね」
「あれこれお話をして昔のことも思い出して」
「よかったよ、そしてね」
 そのうえでというのです。
「先生がしてきたことも今も生きていることが実感できたし」
「動物園とかもね」
「パドルビーもあるんだね」
「今もね」
 まさにというのです。
「本当に八条グループが引き継いでくれてね」
「そうだね、ただね」
 こうもです、王子は言いました。
「先生ずっとあっちには帰っていないね」
「そうなんだ」
 先生はお酒が入ったコップを片手に持ったうえで寂しそうな残念そうなお顔になって王子に答えました。
「そのことだけがね」
「残念だね」
「そして寂しいよ」
 そうだというのです。
「どうもね」
「そうだよね」
「機会があればね」
「戻りたいね」
「一度ね、そしてね」
 そのうえでというのです。
「どんな状況か見てみたいよ」
「今どうなっているか」
「パドルビーの方がね」
「だったら一度でもですよ」 
 マグ氏が提案してきました、勿論この人も飲んでいます。
「あっちに戻りまして」
「パドルビーにだね」
「見てきたらどうですか?」
「そうだね」 
 先生はマグ氏の提案に頷きました、
「一度ね」
「随分戻ってませんね」
「日本に来てから一度もだからね」
「それならでさあ」 
 是非にというのです。
「一度でもです」
「うん、それじゃあね」
「はい、時間がある時に」
「一度戻ってみるよ」 
 そのパドルビーにというのです。
「旧宅にもね」
「ああ、あそこだね」
「懐かしいね」
「今もあそこにあるのよね」
「長い間住んでいた」
「あのお家も」   
 動物の皆も言います。
「今はグループが管理していて」
「資料館か何かになっているのよね」
「先生のしてきたことを紹介する」
「そうなっているんだね」
「そうなんだ」
 先生もその通りだと答えます。
「今はね」
「そうだよね」
「お家全体がそうなっていて」
「僕達のことも紹介されているね」
「そうだね」
「ガブガブが書いたお話も紹介されているよ」 
 そちらもというのです。
「資料館ではね」
「へえ、そうなんですね」
 トミーはそのお話を聞いて笑顔になりました。
「それはいいですね」
「面白いことだね」
「あのお話は僕が編集しましたけれど」
「ガブガブ王のお話もあってね」
「食べものの名探偵のお話も」
「面白いよね」
「とても」 
 そうだというのです。
「僕も思います、編集は大変でしたが」
「豚の言語で紙に書かれている訳じゃなかったからね」
「はい、ですが翻訳してです」
「紙に書くとね」
「これがです」
 ダブダブのお話はといいますと。
「面白くて」
「それでだね」
「世の人達に紹介出来まして」
 それが出来てというのです。
「嬉しいです」
「いいことだね」
「はい、そしてガブガブのお話もだね」
「全二十巻です」
 ガブガブが書いた分をというのです。
「紹介させてもらっていて」
「資料館にもあるね」
「そうですね」
「旧宅にそうしたものもあるなんてね」
 先生は微笑んで言いました。
「全く以てね」
「嬉しいですね」
「うん、そして機会があれば」
「その旧宅にもですね」
「行きたいよ」
 笑顔で言うのでした、そしてです。
 先生は皆と一緒にお寿司を食べていきます、茶碗蒸し食べてお酒も飲んでです。デザートのきなこ餅も食べてとても楽しい時間を過ごしたのでした。








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