『ドリトル先生とサーカスの象』




                第八幕  楽しいショー

 先生は火の輪くぐりをした雄ライオンに言われました。
「いや、何度も何度も練習して」
「それでだね」
「やっていてね」
 火の輪くぐりはというのです。
「それによく見たらね」
「輪は大きいね」
「そう、ライオンが跳んで楽々通れるだけね」
「そうだね」
「そして火もね」
 それもというのです。
「外側に向かっていて」
「君達に当たらない様にしているね」
「出来るだけね、しかも僕達の身体に」
「水をかけてね」
「燃えない様にしてくれているし」
「色々考えているね」
「安全第一でね」
 それでというのです。
「考えてくれているから」
「いいんだね」
「そうだよ」
 先生にその通りだと答えました。
「他の生きもののショーでもね」
「同じだね」
「そう、そしてね」
 ライオン、雄の彼はさらにお話しました。
「人も同じだよ」
「安全を考えているね」
「第一にね」
「そう、サーカスも安全をね」
「第一に考えないとね」
「駄目だよ、自衛隊の訓練だってね」
「安全第一だね」
「そうなっているしね」
 それでというのです。
「サーカスだってね」
「安全第一だね」
「そうであるべきでね」
「うちのサーカス団はそのことを考えているから」
「それも強くね」
「いいね」
「そう思うよ、君達に何かあったら」
 サーカス団のメンバーにというのです。
「それだけでね」
「駄目だよね」
「そうだよ、だから火の輪くぐりもね」
「安全を考えているから」
「いいんだよ」
 そうだというのです。
「いいことだよ」
「全くだね」
 ライオンも頷きます、そして先生は今度はアシカのコーナーに行きました。すると丁度アシカの水槽が掃除中でした。
「こうしていつもね」
「お掃除しているんだね」
「私の水槽も暮らしている場所もね」
「それで清潔だね」
「そして食べものもね」 
 こちらもというのです。
「新鮮なものをたっぷりとね」
「貰えているね」
「そうなのよ」
 先生に笑顔でお話します。
「有り難いことにね」
「本当に有り難いね」
「そう思っているわ」
「いいことだね」
「それでね」
 さらに言うのでした。
「寝る時もね」
「気持ちよく寝られるね」
「毎日ね」
「そう、寝ることもね」
 このこともというのです。
「大事なことだよ」
「そうよね」
「そう、毎日ね」 
 それこそというのです。
「よく寝られたら」
「いいことね」
「そうだよ」
 実際にというのです。
「君についてもね」
「じゃあ今夜もよく寝るわね」
「そうするといいよ」
「今から楽しみよ」
 その寝ることがというのです、そして太郎もでした。
「毎日沢山美味しいものを食べてね」
「よく寝ているね」
「そうしているよ」
 先生に笑顔dでお話します。
「気持ちよくね」
「それは何よりだね」
 先生もお話を聞いて笑顔で頷きます。
「じゃあ君もずっとね」
「よく食べてよく寝ることだね」
「清潔な場所でね」
「係の人達が奇麗にしてくれる」
「そうしたね」
「今のままだね」
「うん、あと君はどんな食べものが好きかな」
 先生は太郎に尋ねました。
「それで」
「嫌いなものはないけれど」
 太郎はそれでもと答えました。
「柿が一番好きだよ」
「あの果物がだね」
「うん、とても甘くてね」 
 先生ににこりと笑ってお話します。
「それでね」
「大好きだね」
「そうなんだ」
「柿が好きだとね」
 先生は太郎にそれならとお話しました。
「日本だね」
「僕は日本生まれだからかな」
「そうだね、日本に生まれて」 
 そうしてというのです。
「それでね」
「日本で暮らしているからだね」
「それでだよ」
「柿が好きなんだね」
「日本の果物がね」
「そうなんだね、柿大好きだよ」
 太郎は先生に言いました。
「だから柿が出るとね」
「嬉しいね」
「何個でも食べたいよ」 
 その柿をというのです。
「本当にね」
「そうなんだね」
「林檎やバナナも好きだけれど」
「お野菜もだね」
「そうだけれどね」
「柿が一番好きなんだ」
「うん、それで柿って日本の果物だね」
「そうだよ」
 先生はその通りだと答えました。
「日本を代表する果物の一つでね」
「それでだね」
「君が柿が好きなら」
「もう日本の象だね」
「そう言っていいよ」 
「成程ね、じゃあ僕はアフリカゾウだけれど」
 それでもというのです。
「日本の象だね」
「そもそも日本生まれだしね」
「人間で言うと日本人かな」
「そうなるよ、理解する人間の言葉も日本語だね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「まさにね」
「それじゃあね」
「僕は日本象になるかな」
「名前もそうだしね」
「成程ね、じゃあこれからも柿を食べるね」
「そうするね」 
 こうしたお話をしてでした、そのうえで。
 太郎が柿を食べるのを見ました、そのお顔はとても嬉しそうなものでした。その太郎とお話をしてからです。
 そしてです、研究室に戻って皆とお話をしますと。
「いや、日本生まれだとね」
「象も日本の生きものになるんだね」
「象ってアフリカやインドの生きものだけれど」
「そうなるんだね」
「そうだよ、まだ生きものの国籍は認識されていないけれど」
 先生は皆と一緒に柿を食べながらお話しました、今の飲みものは麦茶です。
「太郎は日本象だよ」
「アフリカゾウでもだね」
「日本で生まれ育っているから」
「そうなるね」
「現にアフリカに懐かしさとか言ったかな」 
 先生は皆に問いました。
「彼は」
「あっ、言っていないね」
「そういえば」
「柿が好きと言っても」
「アフリカがどうかは言っていないね」
「日本で生まれて」 
 そうであってというのです。
「アフリカには一度も行ったことがないしね」
「そうだね」
「日本でいてね」
「日本で育っていて」
「日本の食べものを食べて」
「日本語を理解しているしね」
「太郎は日本象だよ」
 そうなるというのです。
「種類はアフリカゾウだけれどね」
「日本で生まれ育つと」
「そうなるんだね」
「象はアフリカやインドの生きものだけれど」
「日本で生まれ育つと」
「日本の象になるね」
「そうなるよ、これは象だけじゃなくてね」 
 この生きものに限らずというのです。
「他の生きものだよ」
「ライオンもそうで」
「他の生きものも同じだね」
「日本で生まれ育ったら」
「日本の生きものになるね」
「そうだよ、そうなってね」 
 そうしてというのです。
「日本の果物だって大好きなんだよ」
「柿だってだね」
「柿は日本を代表する果物の一つだけれど」
「それでもね」
「その柿を好きだとね」
「もう日本の生きものだね」
「そう言っていいよ、そしてね」
 先生はさらに言いました。
「他の国に生まれても芯から日本の心になったら」
「日本人だね」
「そして日本の生きものだね」
「先生はそうなったし」
「僕達もだね」
「もう頭の中で使っている言語は日本語になっていて」
 そしてというのです。
「それでね」
「喋る言葉もね」
「日本語が殆どになってるね」
「読む言語も」
「それで日本のお料理も好きになったしね」
「日本の食材を使った」
「本当にね」
 先生はしみじみとして言いました。
「そうなったね」
「そうだね」
「僕達もだしね」
「すっかり日本の生きものになったよ」
「イギリスからね」
「僕は国籍も日本になったしね」
 そうした意味でも日本人になったというのです。
「それでね」
「そうしてだね」
「今に至るね」
「そうだよね」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「柿も食べているよ」
「皆でね」
「柿美味しいよね」
「太郎じゃないけれど幾らでも食べられるわ」
「そうした感じだよ」
「太郎が好きなのも嬉しいね」
 先生は笑顔で言いつつ柿をさらに食べます、そしてです。
 お茶も飲んで、です。皆にこんなことを言いました。
「柿と象でピンとくるかな」
「こないよ」 
「まずね」
 オシツオサレツが二つの頭で笑って言ってきました。
「普通はね」
「象はアフリカかインドの生きものだからね」
「それに対して柿は日本の果物だから」
「まず連想しないわね」
 チープサイドの家族も言います。
「そうそうね」
「つながるものじゃないよ」
「柿は確かに美味しいけれど」
 ガブガブはその柿を食べつつ言いました。
「象が食べるとなると」
「日本以外じゃ想像もできないわよ」 
 ダブダブもそうだと言います。
「実際太郎が好きなのはあの子が日本にいるからじゃない」
「柿程日本的な果物はないっていう人がいるけれど」  
 ジップは言いました。
「逆に日本以外の国じゃあまりないってことだし」
「そう思うとね」 
 トートーは言いました。
「太郎はまさに日本の象だね」
「いや、アフリカにいたら」
 チーチーはそれならとお話します。
「柿なんて想像も出来ないからね」
「象がサバンナで柿を食べるとか」
 ポリネシアはアフリカに来たことを思い出しつつお話しました。
「ないわよ」
「どう連想するか」 
 ホワイティは首を傾げさえしています。
「普通に考えたら難題だよ」
「この二つから小説とか漫画を創作出来るかっていうと」
 老馬は考えてみました。
「相当難しいかもね」
「うん、そこまでぴんとこないね」
 先生は皆のお話を聞いて思いました。
「確かに」
「そうだよね」
「普通はね」
「日本でもないと」
「つながるものじゃないよ」
「それがつながるのは太郎が日本にいるかだよ」
 皆に微笑んでお話しました。
「思えば面白いことだね」
「そうだね」
「じゃあ太郎にはまた柿を食べてもらおう」
「大好きな柿を」
「そうしてもらいましょう」
「そうしよう、ただ柿は身体を冷やすから」
 そうした食べものだからだというのです。
「ビタミンは豊富でも」
「食べ過ぎるとよくないね」
「身体を冷やすとなると」
「だからそこは注意だね」
「太郎にしても」
「そうだよ、僕達も注意しようね」 
 こうお話して先生は今は柿を食べました、そしてサーカスのショーも観ましたがそのショーの後で、でした。
 団長さんにです、先生はこんなことを言われました。
「これまでは順調でお客さんの入りもよくて」
「いい感じですね」
「はい、ですがこうした時こそです」
 団長さんは真面目なお顔で言いました。
「気を引き締めて」
「油断しないことですね」
「順調な時こそです」
「そうです、落ち着いて」
 そうしてというのです。
「周りをよく見て」
「慎重にことを進めることですね」
「若し調子に乗れば」
「そこでミスを犯しますね」
「いや、私も若い頃にです」
 団長さんは後悔するお顔で言いました。
「本当に調子に乗って」
「ミスをされましたか」
「そうでしたので」
 だからだというのです。
「反省しまして」
「それからですか」
「こうした時こそです」
 まさにというのです。
「ミスを犯さない様に」
「気を引き締めていかれる様にしていますか」
「そうしています」
 実際にというのです。
「私も」
「いいことです、本当に順調な時こそ」
 先生は団長さんに応えてお話しました。
「気を引き締めまして」
「そうしてですね」
「そのうえで、です」
「ことを進めることですね」
「そうです」
 まさにというのです。
「周りもよく見て」
「何かあればあらためて」
「そうしてです」
 そのうえでというのです。
「ことを進めることです」
「その通りですね、それで今夜ですが」
「飲まれますか」
「はい、先生もですね」
「お家に帰りまして」
 それからとです、先生は答えました。
「それから飲みます」
「そうですか、私は団員達とです」
「飲まれますか」
「そうします」
「それもいいですね」
「ビールとソーセージで」
 この組み合わせでというのです。
「楽しみます」
「ソーセージですね」
「それとジャガイモもあります」
「ドイツですね」
「学生時代ドイツ人の友人がいまして」
 団長さんは右の人差し指を立てて前に動かしてからお話しました。
「その友人がよくです」
「ソーセージとジャガイモで、ですね」
「ビールを飲んでいまして」
「団長さんもお好きですね」
「ジャガイモは潰します」
「そう、ドイツはです」
 先生も笑顔で応じます。
「ジャガイモが主食ですが」
「潰しますね」
「そうして食べます」
「そうですね」
「それがです」
 そうした食べ方をすることがというのです。
「ドイツの食べ方です」
「ジャガイモの」
「こちらも美味しいですね、イギリスでもよく食べますが」
「また違う食べ方ですね」
「そうです」
 これがというのです。
「フィッシュアンドチップスの様に」
「揚げたりしますね」
「切って」
「それもまた美味しいですね」
「ですが潰して食べる場合も」 
 ドイツの様にというのです。
「これまたです」
「美味しいですね」
「僕も好きです」
「それは何よりです、私は肉じゃがも好きで」 
 日本のお芋のお料理もというのです。
「それで、です」
「潰して食べる場合もですね」
「好きでして」 
「今夜は楽しみですね」
「そうです、ソーセージは茹でまして」
 そうして食べてというのです。
「ザワークラフトもあります」
「まさにドイツですね」
「そうですね、ビールもいいですよね」
「そうですね、ドイツでは朝から飲むこともありますし」
「生卵を入れて」
「それが朝食であることも」
 その場合もというのです。
「ありまして」
「先生はそうした朝食は」
「イギリスではビールを朝から飲むことはありましたが」
「生卵を入れて飲むことはですか」
「ないです、朝はちゃんとパンやハムエッグを」
 そうしたものをというのです。
「いただきます」
「そうされていますか」
「イギリスでは毎朝そうでして」
「今もですね」
「ただ和食が増えましたね」
 朝食のメニューはというのです。
「今は」
「そうなりましたか」
「はい、そして」
 それでというのです。
「白いご飯にお味噌汁、めざしや卵焼きに」
「お漬けものでしょうか」
「梅干しも含めて。そして納豆も」
「ああ、納豆も」
「朝にいただいています」
「納豆までとは」
 団長さんは先生のお話に笑顔で応えました。
「素晴らしいですね」
「日本の朝ご飯ですね」
「そうです、外国の人で納豆が好きとは」
「癖が強い食べものだからですね」
「中々おられないです」
「特に関西ではですね」
 先生は今自分達がその関西の街である神戸にいることから言いました。
「昔はですね」
「食べませんでした」
「そうでしたね」
「昔といっても昭和の頃までは」
「そうでしたね」
「関西では納豆は非常に馴染みが薄く」
 そうした食べものでというのです。
「私もです」
「召し上がられなかったですか」
「子供の頃は」
「そうだったんですね」
「ですが食べてみますと」
 その納豆をというのです。
「これがです」
「美味しいですね」
「そうでして」
 それでというのです。
「今ではよく食べています」
「そうなりましたね」
「そうです、他の大豆の食べものも好きでして」
「お豆腐等もですね」
「枝豆もよく食べます、湯葉は大好きです」
「ああ、湯葉ですか」
 湯葉と聞いてです、先生は明るい笑顔になって応えました。
「確かにです」
「湯葉は美味しいですね」
「とても、僕もお豆腐は好きで」
「湯葉は大好物ですか」
「そうです、湯葉と聞きますと」
 そうすると、というのです。
「早速です」
「召し上がられたくなりますか」
「今度いただきます」
「そうされて下さい、では今夜は」
「ビールとソーセージとジャガイモですね」
「それにザワークラフトで」
「楽しまれますね」
「そうします」
 こうしたお話もしました、そしてお家に帰ると先生は食卓に湯葉が出たので思わず笑顔になって言いました。
「丁度湯葉を食べたいと思っていたんだ」
「そうだったんだ」
「サーカスの団長さんとお話をしてね」
 お家に来ている王子に答えました、湯葉が王子が持って来てくれたものです。
「それでなんだ」
「じゃあ丁度よかったね」
「うん、湯葉はいいよね」
「美味しいよね」
「そう思うよ、ではね」
「湯葉もいただいて」
「他のものもいただこう」
「そうしようね、それで今夜のお料理は」
「湯豆腐だよ」
 トミーが王子に言ってきました。
「そちらだよ」
「湯葉に湯豆腐だね」
「同じだね」
「そうだね、湯葉はお豆腐から出来るからね」
「そうなるね」
「湯葉にお豆腐を食べたら」
 王子はさらに言いました。
「健康だよ」
「大豆だからね」
「とても身体にいいからね」
「そう、だからね」
 それでとです、先生も言ってきました。
「今夜は健康にね」
「食べようね」
「皆でね」
「それでね」
 王子はさらに言いました。
「お酒は何かな」
「焼酎を持って来たよ」
 王子はここでその瓶を出してきました。
「どうかな」
「ああ、焼酎だね」
「お豆腐にも湯葉にも合うね」
「そうだね」 
 先生は笑顔で頷きました。
「焼酎は」
「じゃあ飲もうね」
「お酒もね」
「何本もあるから」
 焼酎はというのです。
「楽しんでね」
「皆でね」
「先生はロックで飲むね」
「そうだよ」
 まさにという返事した。
「お酒はそれで飲むのが好きだよ」
「そうだったね、僕もだしね」
「僕もだよ」 
 トミーも言ってきました。
「お酒はね」
「ロックだね」
「それで飲むのは好きだよ」
「そうだね」
「だからね」
 それでというのです。
「冷蔵庫に氷があるから」
「それをコップに入れて」
「そうしてね」
 そのうえでというのです。
「飲もうね」
「そうしようね」
「氷がいつもあることはいいことだよ」
 先生はそのことを笑顔で言いました、
「本当にね」
「そうだよね」 
 王子も確かにと頷きます。
「何でもない様でね」
「今はね」
 これがというのです。
「冷蔵庫でいつも作れるよ」
「そうだね」
「けれど昔はね」
「冷蔵庫なんてなかったしね」
「それでね」
 それでというのです。
「冷凍技術もね」
「なくてね」
「氷はね」
「夏は貴重だったね」
「かき氷なんて」
 このスイーツはといいますと。
「とてもね」
「贅沢なご馳走だったね」
「そうだったからね」
「本当にそんなものだったね」
「だから普通に氷があって」
「お酒をロックで飲めることはね」
 いつもというのです。
「素晴らしいことだよ」
「夏でも何時でもそうだということはね」
「そうしたことも思いながら」
「飲もうね」
「今日はね」
「湯豆腐に湯葉を食べながら」
 そうしつつというのです。
「焼酎飲もうね」
「そうしようね」
「ロックでね」
 まさにこちらでというのです。
「そうしようね」
「今夜はね」
「お豆腐は柔らかくて」
 それでと言うトミーでした。
「食べやすいですし」
「そう、日本のお豆腐は特にね」
「柔らかいですね」
「だから抜群に消化にいいんだよ」
「そのこともいいことですね」
「胃が悪いなら」
「胃潰瘍とかになれば」
 先生に応えて言いました。
「お豆腐を食べるといいですね」
「プリンとかね」
「胃に負担がかからないので」
「いいんだよ」
「そうですね」
「胃が荒れてる時は間違っても固いお肉は駄目だから」
 そちらはというのです。
「胃に負担がかかるからね」
「だからですね」
「そう、それは駄目だけれど」
「お豆腐はいいですね」
「そうだよ、ただ他の国ではね」
 日本以外の国ではというのです。
「お豆腐は固い場合もあるよ」
「日本のお豆腐よりもですね」
「お豆腐はお水をかなり使うね」
「そのお水の関係で、ですね」
「柔らかくもなり固くもなるよ」
「そこは違いますね」
「お豆腐はもう殆どお水だから」
 そう言っていい食べものだからだというのです、先生はトミ―と王子それに生きものの皆にお話していきます。
「お水が硬水だったりしたら」
「固くなりますね」
「確かに」
 王子の後ろに控えていた執事さんが言ってきました。
「イギリスのお水で作りますと」
「お豆腐は固いですね」
「中国でもそうで」
「アメリカでもですね」
「日本のお豆腐より固いですね」
「そうなります、そしてお豆腐を凍らして」
 そうしてというのです。
「一旦水気が落ちますと」
「高野豆腐になりますね」
「関西以外では凍り豆腐といいますね」
「あちらになりますね」
「そうです、本当にお豆腐はお水によってです」
 それ次第でというのです。
「変わります」
「そうした食べものですね」
「そうなんです」 
 笑顔でお話してです。
 先生は皆と一緒に湯豆腐と湯葉を楽しみました、ロックで飲む焼酎もとても美味しくて皆心から満足しました。








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