『ドリトル先生と奇麗な薔薇達』
第四幕 ロゼのワイン
先生はお家に帰ると晩ご飯を楽しみました、この日の晩ご飯はイカ墨のスパゲティにチーズがたっぷりと入ったサラダにサラミでした。
その真っ黒いスパゲティを食べてです、先生は言いました。
「パスタとくればね」
「お酒はですね」
「やっぱりね」
トミーにグラスを手に言いました。
「ワインだよね」
「はい、それで今日のワインですが」
トミーも笑顔で応えました。
「パスタは赤ですが」
「今日はロゼだね」
「そちらにしました」
「美味しいよ」
先生はそのロゼのワインを飲みつつ応えました。
「このワインもね」
「それは何よりです」
「パスタにはロゼもだよ」
「合いますね」
「チーズにも合って」
そしてというのです。
「サラミにもね」
「合いますね」
「赤ワインもいいけれど」
こちらのワインだけでなくです。
「ロゼもね」
「いいですね」
「うん、ただね」
こうも言う先生でした。
「ロゼというとね」
「フランス語ですね」
「英語で言うとね」
先生達の故郷の言葉です。
「まさにね」
「ローズですね」
「薔薇だよ」
「そうなりますね」
「最近薔薇と縁があるね」
先生は今度はサラミを食べました、そのうえで言うのでした。
「僕は」
「そういえばそうですね」
「日笠さんと一緒に薔薇園のティーパーティーに参加して」
「ローズティーも飲んでね」
「薔薇のお庭のお話もして」
「それで今はそのワインだし」
「確かに縁があるね」
動物の皆も言ってきました。
「どうもね」
「それも面白いね」
「薔薇と縁があることも」
「薔薇のお話もしてね、薔薇と縁があることは」
先生はさらに言いました。
「いいことだよ」
「素敵なお花だからね」
「奇麗で香りもよくて」
「しかも食べられる」
「そうしたお花だからね」
「とてもいいよ、ワインもね」
そのワインを飲んでまた言いました。
「そうだしね、じゃあ今夜は」
「ロゼのワインを楽しむね」
「パスタと一緒に」
「それにサラダとサラミも一緒で」
「楽しんでいくね」
「そうさせてもらうよ、それで今日の主食は何かな」
トミーに尋ねました。
「一体」
「パンです」
トミーはにこりと笑って答えました。
「食パンです」
「あのパンだね」
「スーパーで売られている」
「あのパンいいよね」
先生は食パンについても笑顔で言いました。
「日本の主食といえばお米だけれど」
「美味しいパンも一杯ありますね」
「そして食パンもね」
このパンもというのです。
「素敵なパンだよ」
「そうですね、ですから」
「今日はだね」
「食パンにさせてもらいました」
主食はというのです。
「その様に」
「成程ね、パスタはスープだしね」
先生は欧州の感覚で言いました。
「今回もたっぷりあって」
「量はメインですが」
「それでもだね」
「はい、主食はです」
そちらはというのです。
「あくまで、です」
「パンだね」
「そうです、召し上がられますね」
「うん、それで何を塗って食べようかな」
先生は笑顔で応えました。
「一体」
「バターあるしね」
「マーガリンもね」
「そしてジャムもあるしね」
「ああ、ジャムがいいね」
先生は皆がジャムと言ったその言葉に頷きました。
「それならね」
「うん、それじゃあね」
「ジャム出すね」
「デザートのゼリーも用意しましょう」
「ピーチのそれもね」
「ああ、ゼリーはピーチなんだ」
それならと言う先生でした。
「そちらもいいね、ただデザートがピーチなら」
「ピーチのジャムはだね」
「今回は使わないね」
「そうするね」
「桃と桃で続くしね、今回は別のものを食べたいし」
それでというのです。
「苺にしようかな」
「オーソドックスだね」
苺のジャムと聞いてです、ダブダブが応えました。
「苺のジャムだと」
「ジャムで一番ね」
ガブガブも言います。
「人気があるんじゃないかしら」
「実際美味しいんだよね、苺のジャム」
「そうなのよね」
チープサイドの家族もお話します。
「色々な企業がジャムを出してるけれど」
「どの企業のジャムでも苺が一番かな」
「苺のジャムも赤だから」
ジップはジャムの色のお話もしました。
「ロゼのワインにも合うわね」
「ワインって甘いものにも合うから」
それでと言うトートーでした。
「いいんだよね」
「だから世界中で飲まれていて」
「先生もお好きだね」
オシツオサレツは二つの頭でお話しました。
「よく飲んでるよね」
「他のお酒もだけれどね」
「じゃあ苺のジャムを出すね」
ホワイティはこう先生に言いました。
「今からね」
「そうしよう」
チーチーはホワイティの言葉に賛成しました。
「僕達も食べたいしね」
「そうだね、あと先生もうボトル一本空けそうだから」
それでと言う老馬でした。
「そちらも出そう」
「二本目ね」
ポリネシアはまさにと言いました。
「先生のワインは」
「うん、そうなるよ、それにね」
先生は皆に応えて言いました。
「ジャムとワインは僕が出すよ」
「デザートも?」
「そうするんだ」
「先生が」
「出してもらってばかりなのも悪いからね」
だからだというのです。
「それでだよ」
「いやいや、それはいいよ」
「先生お酒飲んでるしね」
「だからね」
皆はその先生に酔っているからと告げました。
「いいよ」
「先生はそのまま座ってて」
「それで飲んで食べて」
「そうしていて」
「それなら」
先生も頷きました、そうしてです。
皆にジャムと二本目のワインそれにデザートのゼリーも出してもらいました、そのうえで晩ご飯を食べていきますが。
イカ墨のスパゲティを食べてです、笑顔で言いました。
「このスパゲティもいいよね」
「イカ墨のね」
「日本でもよく食べられるよね」
「美味しいよね」
「うん、だからね」
それでというのです。
「今夜はこのスパゲティでとても嬉しいよ」
「実はスーパーで安売りでして」
トミーが笑顔で言ってきました。
「最近食べていませんでしたし」
「それでだね」
「はい、今夜はと思いまして」
それでというのです。
「こちらにしました」
「そうなんだね」
「先生も色々なスパゲティお好きで」
それでと言うトミーでした。
「イカ墨もですね」
「イギリスではパスタよく作っていてね」
「食べますね」
「けれどやっぱりだよ」
笑顔で言う先生でした。
「パスタはイタリアでね」
「日本のものも美味しいですね」
「うん、ただ何でもね」
先生はこうも言いました。
「昔は大蒜もオリーブオイルもね」
「使っていなかったんですね」
「日本ではね」
「そうだったんですか」
「オリーブオイルは昭和の末まで高くて」
日本ではというのです。
「普及もしていなくて」
「今は普通にありますね」
「けれど昭和の末までそうでね」
オリーブオイルは高くて普及していなくてというのです。
「それでバターやサラダオイルをだよ」
「使っていたんですか」
「パスタに絡めていたんだ」
「昔hそうだったんですね」
「それがオリーブオイルが普及して」
そのオリーブオイルが使われ大蒜も入っているスパゲティをとても美味しく食べつつトミーにお話します。
「日本でもね」
「パスタにオリーブオイルが使われる様になったんですね」
「そうなんだ」
こう笑顔でお話します。
「これがね」
「そうした歴史があるんですね」
「日本のパスタにはね」
「日本のお料理も変わるんですね」
トミーもしみじみとして言いました。
「時代と共に」
「成程ね」
「昭和の末まで日本にはオリーブオイル少なかったんだ」
「今は普通にあるけれど」
「それでパスタにも絡められてるけれど」
「それまでは違ったのね」
「そうだよ、それでね」
そのうえでと言う先生でした。
「今の僕達はね」
「こうしてだね」
「オリーブオイルを使ったスパゲティを楽しんでるんだね」
「こうして」
「その通りだよ、そのパスタを食べて」
そしてというのです。
「ワインだってね」
「楽しんでるね」
「日本で」
「そうしているね」
「この通りね、イカ墨のスパゲティは美味しくて」
フォークとスプーンで食べつつ言うのでした。
「そしてね」
「サラダとサラミもで」
「苺のジャムを塗った食パンも美味しくて」
「ロゼのワインもだよね」
「最高に美味しいよ、これはね」
先生はワインを飲みつつ言いました。
「酒と薔薇の日々だよ」
「文字通りだね」
「実際にロゼのワイン飲んでるしね」
「文字通り薔薇の」
「それでだね」
「僕もこう言うよ、そして」
それにというのです。
「心から楽しむよ、ロゼのワインも素敵だよ」
「赤ワインも白ワインもよくて」
「そちらのワインもだね」
「美味しいね」
「凄くね、だから二本目もね」
こちらのワインもというのです。
「飲んでいるよ、どんどん飲めるよ」
「今度はサラダ食べてるね」
「小さく切ったチーズがたっぷり入った」
「そのチーズをね」
「ワインに一番合う食べものの一つは」
それはといいますと。
「間違いなくチーズだね」
「そうだよね」
「チーズは本当にワインによく合うわ」
「赤ワインでも白ワインでも」
「そしてロゼでもね」
「そうだね、だからね」
レタスとトマトとセロリと一緒にチーズを食べながら言います、ドレッシングとお野菜の味も絡まってとても美味しいです。
「美味しくね」
「楽しんでるね」
「ワインを飲んで」
「そうもして」
「そうだよ、ただ飲み過ぎて」
二本目もどんどん空けていっています。
「よくないかもね」
「ワインもう一本あるけれど」
「飲む?先生」
「そうする?」
「あと一本だね」
まさにと頷く先生でした。
「飲むなら」
「そうだね」
「食べものの量的にも」
「先生の酔い具合見ても」
「そうするよ」
こう言ってまた飲む先生でした、そしてデザートまで楽しんでから先生は皆に満面の笑顔で言いました。
「いや、今夜もね」
「晩ご飯楽しんだね」
「飲んで食べて」
「そうしたね」
「最高だったよ、お風呂も入ったし」
晩ご飯の前に入ったのです。
「それじゃあね」
「もうだよね」
「後は本を読んで」
「そして学問に励むね」
「そうするよ」
こう皆に答えました。
「次はね」
「そうだね」
「じゃあ学問も楽しんでね」
「寝るまでの間ね」
「そうするよ、ただね」
こうも言う先生でした。
「次の論文だけれど」
「ああ、麻酔の次の」
「そっちの準備もあるんだ」
「そうなのね」
「今度はね」
次の論文のお話もするのでした。
「歌劇なんだ」
「そっちなんだ」
「麻酔の次は」
「これまた全く違うジャンルね」
「先生の常だけれど」
「色々な学問に励んでいるからね」
先生はそんなご自身のお話もしました。
「だからね」
「それでだよね」
「医学の論文も書くし」
「芸術のものも書くね」
「そうするね」
「そうだよ、そしてね」
それでというのです。
「今度はね」
「歌劇だね」
「そちらの論文を書くんだね」
「そうするんだね」
「そしてその歌劇はね」
作品はといいますと。
「薔薇の騎士だよ」
「あっ、あの作品なんだ」
「リヒャルト=シュトラウスの」
「あの人の代表作だね」
「ドイツ歌劇の名作だね」
「あの作品についてね」
まさにというのです。
「書かせてもらうよ」
「そうするんだね」
「麻酔について書かせてもらって」
「そしてだね」
「その後はね」
「薔薇の騎士について書くよ」
こう言うのでした、そしてです。
先生は今は麻酔について学んでいきました、ですが薔薇の騎士と聞いて動物の皆は考えるお顔になってお話しました。
「あの作品名作だよね」
「本当にそうよね」
「音楽もいいし」
「ストーリーも素敵で」
「結末まで最高だね」
「最初からね」
「僕もそう思うよ、何度観てもね」
先生も笑顔で作品について言います。
「うっとりとするよ」
「うん、確かにね」
「あの作品は素敵よ」
「先生がそう言うのも当然だよ」
「それだけの作品だよ」
「そうだね、貴族社会を奇麗に描いていて」
そうしていてというのです。
「それでね」
「大人の女性と大人になる少女」
「そして大人になる少年」
「三人共演じるのは女性」
「舞台はウィーンでね」
「物凄く優雅な世界だよね」
「貴族については反感を持つ人も多いけれど」
それでもというのです。
「奇麗だね、歌劇自体をブルジョワとか批判する人いるもね」
「まあお金はかかるね」
「そうしたジャンルだね」
「歌劇場のお金って高いし」
「オーケストラの演奏だってね」
「けれどソ連だってね」
ブルジョワと言われる人達を批判していた共産主義の国家もとです、先生は皆に思慮深いお顔でお話しました。
「そう言ってもね」
「歌劇上演してたしね」
「それも盛んに」
「そうだったしね」
「むしろ貴族の娯楽を人民が手に入れた」
先生は言いました。
「そうした感じだったよ、だからね」
「それでだよね」
「歌劇をブルジョワとか言っても」
「理屈に合わないわよね」
「どうにも」
「そうだよ、そう言って否定することは」
そうした行為はといいますと。
「それだけで自分の趣味や教養を狭めることだよ」
「全くだね」
「ブルジョワとか言ってそれはないよね」
「本当に」
「僕の知っている人でこうしたこと言う人がいるけれど」
歌劇をブルジョワつまりお金持ちのものと言って批判する人がです。
「この人阪神タイガースも嫌いでね」
「えっ、関西人だよね」
「それで阪神嫌いなの?」
「珍しいね」
「野球に興味ないなあ兎も角」
「うん、関西人でもね」
実際そうでもというのです。
「阪神ファンの人達が全体主義的とか言って」
「そうかな」
「何処がそうなのかな」
「熱狂的とは思うけれど」
「全体主義的かな」
「そうなのかしら」
皆先生に言われて首を傾げさせました。
「そうは見えないけれど」
「とても」
「本当にね」
「僕達と見方が違うにしても」
「理解出来ないわ」
「巨人に勝った時の甲子園から帰る電車が凄いとか言ってね」
そうであってというのです。
「言ってるけれど」
「ああ、巨人ファンなんだ」
「昨日カープ相手に十対一で負けた」
「三試合ぶりに得点して五試合ぶりに二桁得点差負け免れた」
「二十一年連続最下位のチームね」
「あのチームのファンなんだ」
「そうみたいだね、この人日本の皇室と自衛隊と企業も嫌いで」
その人についてさらにお話します。
「北朝鮮を好きなんだ」
「そうした人なんだ」
「じゃあ別に気にしなくてもいいね」
「どういった人かわかったし」
「これまた極端な人だね」
「日本にたまにいる」
先生はその人についてこうも言いました。
「そうした人だね」
「うん、本当にたまにいるよね」
「日本の軍国主義反対とか言って」
「徴兵制度が復活するとか言って」
「戦争する国になるとか」
「軍靴の響きとか言う人達だね」
「そして戦前の日本も攻撃するけれど」
批判ではなくです。
「北朝鮮は支持して擁護するからね」
「どう見てもあの国の方が問題だよ」
トートーはきっぱりと言いました。
「戦争好きだしね、どう見ても」
「あの国徴兵制だよ」
このことはホワイティが指摘しました。
「それも国民皆兵で」
「戦前の日本より遥かに凄いからね」
「あの国の軍隊はね」
チープサイドの家族も知っていることです。
「国民の人達餓えさせて軍隊にお金使って」
「とんでもないことになっているよ」
「軍国主義どころじゃないよ」
ジップも言います。
「先軍政治だよ」
「ミサイルはやたら撃つし」
「その巨人の選手のシーズン辺りのホームラン数より多いよ」
オシツオサレツは二つの頭でお話します。
「あの国のミサイル撃つ数なんて」
「本当にしょっちゅうだしね」
「戦前の日本も今の日本も問題あるだろうけれど」
チーチーは首を傾げさせて言いました。
「北朝鮮は問題しかないよ」
「あの国がいいならね」
老馬はそれならと言いました。
「日本は天国よりもいいところだよ」
「いつも変な行進して」
ダブダブはやたらテレビで出て来るそれのお話をしました。
「物騒なこと言ってるし」
「テロもやってるわよ」
ガブガブはこの事実を指摘しました。
「やりたい放題じゃない」
「阪神や皇室や自衛隊よりも遥かに全体主義よ」
ポリネシアは断言しました。
「どう見てもね」
「普通はそう思うね、こうした人がね」
先生は皆に答えて言いました。
「平日のお昼からデモしたり沖縄の基地の前にいるんだよ」
「どうして生計立ててるのかな」
「よくわからない人達ね」
「ブルジョワがどうとか言う以前に」
「この人達のことがわからないよ」
「だから僕もこの人についてはね」
どうかといいますと。
「お話すること、聞くことはないかなってね」
「思うよね」
「どう考えても極端過ぎるから」
「カルトそのものじゃない」
「そこまでいくと」
「そうだね、今時ブルジョワもないし」
こうした言葉それに考えもというのです。
「僕は素直に娯楽、芸術としてね」
「歌劇を観て聴いて楽しんで」
「そして学ぶね」
「そうしていくね」
「先生は」
「そうしていくよ」
まさにというのです。
「僕はね」
「それが先生だよ」
「偏見なく学ぶ」
「それも素直に」
「そう出来るから凄いよ」
「若しね」
「だから次の論文も」
薔薇の騎士についてのそれもというのです。
「しっかりとね」
「偏見なくだね」
「学んでいくね」
「そうするね」
「麻酔の論文の後で」
「そうするよ、あと僕あの頃のオーストリア好きだよ」
先生はにこりと笑って作品の舞台のお話もしました。
「ハプスブルク家のね」
「マリア=テレジアさんの時代だね」
「あの偉大な女帝さんの」
「オーストリアを守り繁栄させて」
「十六人のお子さんがいた」
「政治家としても君主としても奥さんとしても偉大で」
そうした人でというのです。
「僕も好きな人だよ」
「本当に偉大よね」
「素晴らしい人だよ」
「ハプスブルク家を代表する人の一人だね」
「欧州随一の名門と言われている」
「日本の皇室は別格として」
この皇紀にして二六〇〇年以上の歴史を持つこのお家はというのです、先生もこう言うしかありません。
「ハプスブルク家はね」
「欧州きってのお家だね」
「もう何と言っても」
「それこそ」
「そうだよ、イギリスのウィンザー家はね」
イギリス王家のお話もします。
「元々はハノーヴァー家だったね」
「一次大戦の頃に改名したね」
「神聖ローマ帝国の選帝候だったね」
「帝国の中でのかなりの有力諸侯で」
「そうしたお家だったね」
「その神聖ローマ帝国が」
まさにこの国がというのです。
「ハプスブルク家が皇帝だったね」
「そうそう」
「そうだったんだよね」
「あの国が皇室だったね」
「一応皇帝はその選帝侯の人達が選ぶことになっていたけれど」
「実質的に世襲で」
「ハプスブルク家が皇室だったね」
「ハノーヴァー家がイギリス王家になった頃も」
まさにその頃もというのです。
「丁度ね」
「ハプスブルク家が皇帝だったね」
「こう言ったら何だけれど臣下よね」
「ハプスブルク家の」
「今のイギリス王家って」
「元はね、そうしたことを見ても」
「ハプスブルク家は別格よね」
「何と言っても」
「欧州の中で」
「あとはブルボン家がね」
今度はこのお家のことをお話しました。
「名門と言うとね」
「名門だよね」
「欧州の中では」
「そうなるね」
「フランス王家のね、ペロー家からはじまって」
そうしてというのです。
「ヴァロワ家、ブルボン家とね」
「続いたね」
「お家の名前は違っても血筋は続いてたからね」
「ヴァロワ家はペロー家の傍流で」
「ブルボン家はヴァロワ家の傍流で」
「続いていたから」
血筋はというのです。
「血筋が王侯貴族の人達の間では重要だし」
「ブルボン家もかなりだね」
「ハプスブルク家と対抗する」
「そこまでだね」
「そうだよ、だからね」
ハプスブルク家と対抗するまでの家格だからだというのです。
「それにフランスと神聖ローマ帝国はお隣同士で」
「そうそう、何かあるとね」
「いつもいがみ合ってね」
「戦争してたよね」
「フランスは我が国とも仲が悪くて」
イギリスともとです。
「いつも戦争していたけれど」
「ナポレオンさんまでね」
「いつもだよね」
「戦争してたね」
「何かあれば」
「それで神聖ローマ帝国ひいてはオーストリアともだよ」
マリア=テレジアさんのお国ともというのです。
「何かあればね」
「戦争していたね」
「イギリスとフランスのことも凄いけれど」
「フランスとオーストリアのこともね」
「かなりだよね」
「フランスはもうね」
それこそというのです。
「イギリスと神聖ローマ帝国とね」
「常に戦ってきたね」
「長い間」
「そうしてきたね」
「そうだったからね」
だからだというのです。
「大変だったよ、ただね」
「フランスのことだとね」
「イギリス生まれの私達からすると」
「やっぱりクールな見方になるね」
「そのフランスとずっと戦ってきたし」
「悪感情はないけれど」
それでもというのです。
「僕達の間にはそうした歴史があるからね」
「ついついクールになるよね」
「フランスのそうした歴史を見ても」
「それでもね」
「僕は嫌いな国はないよ」
先生はこのことは断りました。
「そして嫌いなものはね」
「巨人よね」
「読売ジャイアンツ」
「ずっと悪いことしてきたチームだし」
「嫌って当然だね」
「もうね」
それこそというのです。
「巨人は常に成敗しないとね」
「全くだね」
「あのチームだけはそうされないとね」
「悪いことばかりしてきたから」
「全世界の皆でやっつけないと駄目よ」
「実は悪魔はもう一つの正義だけれど」
キリスト教の彼等はというのです。
「神を絶対の正義でなく相対的に考えると」
「そうも考えられるね」
「そして悪魔について学ぶのも楽しいね」
「有意義な学問だよね」
「先生は敬虔なクリスチャンだけれど」
「悪魔についても冷静に考えてるね」
「そうする様にしているよ、他の宗教についてもそうで」
キリスト教以外の宗教についてもです。
「それで宗派が違っても」
「異端とはみなさないね」
「その教義が相当おかしくないと」
「学んで」
「そうだよ、カルトはあっても」
そう言っていいものはというのです。
「多くはね」
「違うよね」
「国教会も他のプロテスタントの宗派も」
「そしてカトリックも正教も」
「同じキリスト教徒だね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「そこはちゃんと理解しないとね、しかし巨人は」
「一目瞭然だよ」
「ずっと悪いことしてきたから」
「それをマスコミの宣伝で隠して」
「如何にも正義だって言っていたね」
「巨人が正義なんてとんでもないよ」
そうしたことはないというのです。
「他のチームから選手を掠め取り続けてね」
「横暴の極みで」
「まるで北朝鮮みたいに振る舞って」
「オーナーは将軍様で」
「悪の限りを尽くしたね」
「巨人はこの世に数少ない正真正銘の悪だよ」
このチームはというのです。
「悪魔は実はもう一つの正義でも」
「神に対する」
「神を無条件で絶対の正義としないと悪じゃないね」
「そうした存在だね」
「けれど巨人は違うよ、あのチームは悪で」
そのものでというのです。
「肯定なんてね」
「出来る要素ないね」
「それこそ全く」
「あのチームについては」
「そうだよ、ただね」
それでもというのでした。
「フランスはフランスの事情があって」
「戦っていたね」
「イギリスやオーストリアと」
「そうだったね」
「それでオーストリアとはお家のことがね」
それがというのです。
「かなり重要だったんだ」
「ハプスブルク家とブルボン家」
「それぞれのお家の対立がね」
「かなりあったよね」
「ブルボン家の前のヴァロワ家から」
「ずっと対立していたね」
「その対立を解消する為に」
まさにその為にというのです。
「動いたのがね」
「マリア=テレジアさんだよね」
「新たな敵プロイセンに対する為に」
「長年の対立の解消に動いた」
「そして実現したね」
「その為の結婚がね」
これがというのです。
「マリー=アントワネットさんだったんだ」
「ルイ十六世と結婚したね」
「あの人マリア=テレジアさんの娘さんだったから」
「フランス王家に嫁いで」
「両家の結びつきとなったわね」
「ハプスブルク家は婚姻政策の家だからね」
先生はこのことも指摘しました。
「それでだよ」
「色々なお家と結婚して」
「勢力を拡大したしね」
「それであそこまでになったし」
「フランス王家ともだね」
「婚姻政策を結んでね」
そうしてというのです。
「同盟国になったんだよ」
「そうだね」
「長年対立してきたけれど」
「そうなったね」
「その結婚から」
「まあこの政策はね」
先生は残念そうに言いました、そうしたお顔になって。
「革命が起こってね」
「そうそう、フランス革命」
「あの革命が起こってね」
「それで潰れたね」
「折角の婚姻政策も」
「そうなったよ、ただその革命でも」
フランス革命でもというのです。
「薔薇が出るんだよね」
「ベルサイユの薔薇」
「日本の名作漫画だね」
「あの作品は不滅の名作だよ」
「読んでいても面白いわ」
「池田理代子さんの代表作でね」
そうであってというのです。
「舞台にもなっている」
「まさに珠玉の名作だよ」
「オスカルさんが白薔薇でね」
「マリー=アントワネットさんが赤薔薇」
「そう言っていいわね」
「主題歌でもね」
アニメのお話もします。
「歌われているね」
「薔薇がね」
「あの曲もいいんだよね」
「まさに名曲」
「アニメを侮るなかれってわかるよ」
「漫画だってね」
「漫画やアニメを馬鹿にするなら」
それならというのです。
「その分損をするよ」
「全くだね」
「その文化を否定するんだから」
「アニメや漫画をね」
「そうするから」
だからだというのです。
「本当にね」
「馬鹿に出来ないね」
「決して」
「本当にそこはちゃんと認める」
「そして受け入れることだね」
「ベルサイユの薔薇は名作だから」
この漫画作品はというのです。
「もう芸術と言ってもだよ」
「いいよね」
「描写は細やかで」
「キャラクターは魅力的で」
「ストーリーも時代考証もしっかりしていて」
「素晴らしい作品よね」
「だからね」
そうした作品だからだというのです。
「決してだよ」
「馬鹿に出来ないね」
「むしろ凄い作品よ」
「漫画界に残る名作だね」
「漫画という文化の」
「全巻読んだけれど」
先生はそうしました。
「感動したよ、そしてアニメもね」
「傑作だよね」
「一度観たら忘れられない」
「素敵な作品よ」
「アニメの方も」
「舞台もね、そしてアニメの主題歌が」
これがというのです。
「またいいんだよ」
「薔薇は美しく散るってね」
「奇麗に歌うんだよね」
「主題歌もアニメの歴史に残るね」
「そこまでの名曲だね」
「そうだよ、薔薇はそうした名作の象徴にもなる」
そうしたというのです。
「素晴らしいお花と言えるね」
「全くだね」
「あの作品は薔薇が象徴だけれど」
「薔薇はあの名作の象徴にもなった」
「素晴らしいお花ね」
「そうなんだよ」
笑顔で、です。先生は皆に言いました。そのうえで麻酔の論文を書いていき薔薇の騎士についても学んでいくのでした。